長らくお待たせしてしまいました……! イギリスはロンドン発、インターナショナル・カワイイ・ポップスを鳴らす日英ハーフを含む3人組、Kero Kero Bonito(ケロケロ・ボニト)。
10月末に待望の初来日公演を果たした彼らに、隙を見て行ったインタビューをお届け致します。
時間の関係で短めのインタビューとなってしまいましたが、結成の経緯や不思議な語感のグループ名の由来などについてお訊きしました。
以前公開したKero Kero Bonito 観光密着!の記事とムービーをお共にどうぞ……!
Interview:Takazumi Hosaka
Photo:Spincoaster
https://youtu.be/Dvo-j2PrtqY
—Sarahさん以外は日本は初めてですか? 日本はいかがですか?
Sarah:Jamieは初めてなんですけど、Gusは前に一度来たことがあるんです。
Gus:そうだね、以前に来た時も思ったんだけど、やっぱり日本は素晴らしい。今日招待されたレーベルのオフィスもグレイトだった(笑)。
あと、タワーレコード渋谷店がすごい大きくて感動したよ。あれはまさに世界一のレコード・ショップだね。
Jamie:ぼくにとっては全てが初めてのことなんだけど、前々から想像してた以上におもしろいよ。
—つい先日まで行っていた、Skylar Spenceとのアメリカ・ツアーはいかがでしたか?
Jamie:彼は本当にファニーな人で、まるでコメディアンのようだったよ(笑)。
Gus:バンド同士でもすごい気が合ったし、とても楽しいツアーだったよ。
—あなたたちが日本に興味を持ち始めたのはいつ頃から、何がキッカケだったのでしょうか?
Gus:小さい頃からポケモン・カードを友達とトレードしたりとか、ニンテンドー・コンソールで遊んだりとか、そういった日本のコンシューマー・カルチャー(消費文化)に触れてきていたし、その後音楽に興味を持ち始めた時に日本のポップ・ミュージックっていうパラレル・ワールドを見つけたんだ。
−そういった日本への興味を共有できる友人は周りにいましたか?
Gus:たくさんいたよ! 僕らの世代は大多数の人間がそういった日本のカルチャーと共に育ってきたからね。
Sarah:世界中にいる同世代の方たちと同じ子供時代を共有しているので、そういったカルチャーを通せば誰とでも話が合うと思います。日本のアニメとかゲームのカルチャーは世界中に浸透していますし。
—Kero Kero Bonitoを結成するに至った経緯をお訊きしたいのですが、幼い頃からの友人だったGusとJamieがMixBという掲示板でメンバーの募集をかけ、そこにSarahさんからレスポンスがきたんですよね。まずはそれより前に、ふたりがどのようにして音楽を始めたのかを教えてください。
Gus:ぼくらは学校で共通の友達がいたんだけど、最初はそれぞれ違うバンドを組んでいたんだ。ぼくらの地元はアマチュアのバンドがたくさんいて、とてもクリエイティヴな環境だったよ。Jamieと一番最初に打ち解けたのはパーティー帰りのバスで話したのがキッカケで、元々お互い顔見知りではあったんだけど、そこで初めて長く話し込んだんだ。お互いすごい気が合ってしまって、降りるべきバス停を通り過ぎてしまうほどに話し込んでしまったよ(笑)。
Jamie:ぼくはその前からGusのことは友人を通して聞いてて。若い頃からDJをしてたり、色々なイベントにバンドで出演してたりしてるやつだってことは知ってたよ。
Gus:それからぼくらは長いこと一緒に音楽を作ってたんだけど、もうひとりシンガーがどうしても必要だってことになって、Gumtree(英国の掲示板)やさっき言ったMixBという掲示板で募集をかけたのがKero Kero Bonito結成の経緯かな。Sarahと出会ってからは、彼女のカリスマ性を音楽へと変換するプロジェクトとして、KKBが始動したんだ。
—Kero Kero Bonitoという名前の由来を教えてもらえますか? 「Kero Kero」はまだしも、なぜ「カツオ」を意味する「Bonito」を?
Gus:なんとなく日本語の擬音語リストをインターネットで見ていたんだけど、英語だと「ribbet」っていう言葉で表されるカエルの鳴き声が、日本だと「kero」という全く異なる発音の言葉で表されるっていうことが興味深くて。なんていうか、それがクールだなって思ったんだ。あとはそこに何となく音が良かった「bonito」っていう言葉を付けただけなんだよね。
※Kero Kero Bonito Welcome Party @ Spincoaster Music BarでのDJ時の様子
—英語と日本語が入り混じったリリックがKero Kero Bonitoの特徴のひとつだと思うのですが、二つの言語を混ぜようと思ったキッカケを教えてください。
Sarah:私は英語と日本語を同時に喋って育ってきたので、もはや私の中ではそれがひとつの言語のようになっているんです。何かを表現するときにどちらかひとつの言語しか使えないと、私的には50%の表現力しか出せていないような気がして。だから両方使ってリリックを書くというのが私にとってはとても自然な行為なんです。
Gus:Sarahみたいに英語と日本語を両方ともネイティブのように喋れるシンガーに出会えたことは、僕らにとっては本当にラッキーだったと思うよ。
インターナショナルなポップ・ミュージックを作るにあたって、彼女と出会うことはとても重要なことだったんだ。
—2014年には日本の©OOL JAPANとラブリーサマーちゃんとのコラボ曲「Rush Hour」と「Tokyo」がSoundcloudで公開されましたが、この楽曲の制作に至る経緯を教えてもらえますか?
Sarah:あれは本当にTwitterでのやり取りだけで完結していて。突然©OOL JAPANからDMがきたんです。データのやり取りだけで完結していて。
—なるほど。では今回の来日公演で共演する、hy4_4yh(ハイパーヨーヨー)は、あなたたちから共演を希望したそうですね。他にも現在日本でお気に入りのアーティストがいれば教えてください。
Gus:イエス! いっぱいいるよ! 水曜日のカンパネラ、DJみそしるとMCごはん、Avec Avec、EMERALD FOUR……大阪で共演するCASIO☆トルコ温泉とか!
Jamie:あと、バクバクドキン!
Sarah:バクバクドキン! 一緒にライブしたいです〜! あとDaokoさんも!
Gus:Daokoは素晴らしいね! 友人なんだけどKiWiもね。他にもまだまだいっぱいいるよ。
—そのような日本の音楽の情報はどのように入手していますか?
Jamie:友人のレコメンドとかかな。
Sarah:Daokoさんとか水曜日のカンパネラは「KKBに似てる」っていうツイートを発見して、そのリンクをクリックして知りました。
Gus:「Google翻訳」と「Amazon Japan」、「YouTube」、「SoundCloud」があれば日本の音楽をいっぱい知ることができるよ。その4つを活用してぼくらもディグってる。Amazon Japanは世界中に届けてくれるからそこでよく音源をゲットしてるんだ(笑)。
—KKBはPC Musicとの親交が深いですが、彼らとの出会いはどのようにして起こったのか教えてください。
Gus:自分たちの好きな音楽を作ってたら自然と知り合ったんだ。PC Musicのシーンはロンドンを中心として起こっているからね。
—今年、日本からSeihoやPARKGOLFなどが出演したPOKOのようなイベントはロンドンに他にもあるのでしょうか?
Gus:うーん、JACK댄스くらいかな……。PC Music周りのシーンは確かにロンドンを中心としているけど、実際にライブやイベントが開催されるのはアメリカの方が今のところ多い気がする。JACK댄스と、あとは自分たちが開催するパーティくらいかな。
—『Intro Bonito』がリリースされてからずいぶん経ちますよね。その間、シングルのリリースはいくつかありましたが、まとまった作品のリリースなどは今後予定されているのでしょうか?
Gus:イエス! これから大きいニュースを届けられる予定だから、楽しみにしていてね!
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※Spincoaster Music Barにて開催されたKero Kero Bonito Welcome Partyでは、同じタイミングで来日していたネット・ラジオ/イベントであるJACK댄스主宰のSimon Whyberyや、アメリカはバージニア州のトラックメイカー、DZZが飛び入りでDJを披露してくれました。