FEATURE

INTERVIEW / Dragonette


「変化を恐れたり、良いか悪いか熟考したりするのは何の役にも立たないと思う」――Dragonette オフィシャル・インタビュー

2016.12.25

紅一点のメイン・ボーカル、Martina Sorbara(マルティナ・ソーバラ)を中心に据えたカナダはトロント出身の3人組エレポップ・バンド、Dragonette(ドラゴンネット)がおよそ4年ぶり通算4作目のアルバム『Royal Blues』をリリースした。

Martin Solveigとのコラボ曲「Hello」のメガ・ヒットを筆頭に、これまでにBasement Jaxx、Kaskade、Zak Watersなどなど、錚々たる面々との共演、コラボを果たしてきた彼らは、Mike Magoとのコラボ曲をEDMシーンにおける重要レーベル〈Spinnin’ Records〉よりリリースしながらも、隆盛を極める同シーンとは絶妙な距離感を保っている。安易に流行に流されることなく、今作においてもあくまでも自分たちらしいポップなサウンドを貫く姿勢はまさにポップ職人。

今回はそんな彼らのオフィシャル・インタビューを掲載。短いながらも彼らの音楽に対する姿勢が伝わる内容となっている。

Text by Spincoaster
Photo By Gabe Ayala

dragonette-photo-credit-gabe-ayala-2


―4年ぶりとなる新作『Royal Blues』がついにリリースされました。タイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか?

完成するまでに時間も労力もかかったわ。タイトルはすごくハッピーなんだけど、なんだか憂鬱っていう心情の意味よ。

―今作はポップでダンサブルなサウンドは残しながらも、あなたたちの初期作品に比べると、ソフトなサウンドに仕上がっていますね。Taylor SwiftやLady GaGaのように、ジャンルのシフト・チェンジをし、成功を収めているアーティストがいる中、ポップにこだわる理由はなぜでしょうか?

ポップの世界は幅広くて、ジャンルも増えてきてるわ。私たちはポップ・ミュージックの最先端を追い求めてきたし、常に違うサウンドでプレイしてきた。自分たちがポップという括りに縛られているとは全く感じていないし、ポップ・ミュージックを作り続けていることで、何か心配することは一つもないわ。

―Charli XCXの「Boom Clap」を手掛けたプロデューサー、Stefan Gräslund(ステファン・グラスランド)がシングル「Lonely Heart」のプロデュースを務めていますね。彼との出会いを教えてください。

別のライターとプロデューサーと一緒にLAで曲を書いていたときに、彼と知り合ったの。すぐに意気投合したわ。この曲は、これまで書いたことのないような作品に仕上がっているわね。新しいクリエイターとの出会いの良いところって、自分たちでは想像もつかないような作品が完成するところよ。

―本作ではMike Magoや、オランダのポップ・バンド、Dada Ante Portasをフィーチャーした曲も収録されていますね。

彼らとは過去に共演しているの。その時だけの関係で終わらずに、その後も一緒に作品を作る関係を築き上げるのって素晴らしいわよね。それに互いの制作プロセスをよく知ることが出来るわ。

―カナダ出身で、恋愛や失恋を歌うポップ・アーティストという点では、Tegan & Saraと共通する部分があるなと感じました。

彼女たちとの仲は、もうかれこれ20年以上になるわ。初めて会った時から、お互いを励まし合ってきたし、新曲を出す前に相談にも乗ってくれるの。私にとって、ものすごく大切な関係よ。

―皆さんの出身地、トロントは世界でも有数な多文化都市ですが、こういった背景は皆さんの音楽に何かしらの影響をもたらしていると思いますか?

トロントって今すごくクールな場所よ。素晴らしく独創的で、文化的で、社交性に溢れているものがたくさん生まれているわ。それらには、街の多様性が十分関係しているっていうのは確かね。トロントから誕生するミュージックやアートのほとんどに多大な影響を与えているのは間違いないわ。

―現代の音楽の聴き方について、どうお考えでしょうか? 音楽ストリーミング・サービスが主要となってきたこの頃、より多くのリスナーに知ってもらえるメリットもあれば、CDセールス数が落ちているというデメリットもあります。このような状況にどう対処していきますか?

現在の音楽業界って、とてもおもしろくて、消費の本質や音楽の聴き方も絶えず変化している。私はその変化を恐れたり、それが良いか悪いか熟考したりするのは何の役にも立たないと思う。ただ今は、そのやり方が主流っていうだけで、私たちは今まで通りプレイして、曲を作って、その時の変化に任せるだけよ。

―最近おすすめの作品はありますか?

フランス人シンガー・ソングライターのChristine and the Queens(クリスティン・アンド・ザ・クィーンズ)と、スウェーデン出身のデュオ、Niki & The Dove(ニキ&ザ・ドーヴ)がおすすめ。私の今年のベスト・アルバムの2枚よ。

―最後に、日本について、どう思っていますか?

まだ一回も日本でプレイしたことがないの。ジャパニーズ・ミュージックについても、そんなに詳しくないけど、まだまだ私の知らない世界がたくさんあるって感じね。さて、どこからスタートしようかしら。


【リリース情報】

dragonette-royal-blues_jacket

Dragonette 『Royal Blues』
Release Date:2016.12.23 (Fri.)
Label:Manhattan Records
Cat.No.:LEXCD16030
Price:¥2160 (Tax In)
Tracklist:
1. Let The Night Fall
2. Body 2 Body
3. Lonely Heart
4. Royal Blues
5. Sweet Poison
6. Secret Stash
7. Save My Neck
8. Darth Vader
9. High Five
10. Detonate
11. Love Can’t Touch Me Now
12. Lost Teenagers
13. Future Ghost
14. Resistor
15. My Computer
16. 21st Century


Spincoaster SNS