オーストラリアの炭鉱町で生まれ育ったHAAi。その出自の通り、チャーミングなルックスに反して男前なDJを展開する。アフリカやトルコの民族音楽に精通し、硬質なテクノを独自に解釈するスタイルが特徴だ。そんな彼女、現在はロンドンに拠点を置き、著名なDJも多く出演するナイト・クラブ、Phonoxでレジデントを務めている。その界隈では、今やJon HopkinsやApparatなどと肩を並べる存在だ。
振り返ると、2017年はHAAiが躍動した年であったかもしれない。元々はサイケデリック・ロックバンドでフロントマンを務めていた彼女だったが、ここ1、2年のうちにDJとしてメキメキと頭角を現し、昨年は自身の楽曲を4曲リリースした。「DaDaDa」、「E」、「Be Good」はいずれも素晴らしかったが、2017年12月15日にリリースされた「FEELS」は現時点における集大成と言ってよい。
基本的な方法論はクラブ・ミュージックのマナーに倣ったものだが、奥に潜むエスニックな音像が耳を引く。アフリカや中東の音楽の知識を豊富に備える彼女が、ここへ来てそれらを自身の楽曲へ投下させてきた。
余談だが、年明けもやはりPhonoxで迎えたようで、カウントダウン・パーティではレジデントとしてメイン・フロアを沸かせていたようである。2018年の到来だ。