NEW MUSIC

ジオラマラジオ / MAPLE


情報量の多い複雑に入り混じったサウンドと、アンセミックなメロディが同居した新世代のポップ・ソング!

2018.12.14

東京を拠点に活動するインディ・ロックバンド、ジオラマラジオが先日12月9日(日)に新曲となる「MAPLE」のMVを公開しました。

今年8月に初の公式リリース作品となる、1stカセットテープ『ZOMBIE CASSETTE』をリリースしてから、9月には「telephone card」を公開するなど、コンスタントに新曲を届けてくれる彼ら。

今回公開された新曲「MAPLE」は、イントロからグッと心を鷲掴みされる勢いで放たれる強力なシンセ・サウンドに、複雑なギター・リフが入り混じるストレンジなポップ・ナンバー。冒頭から根こそぎ持っていかれ、まるで雷に打たれたような放心状態に……。

曲の世界観をよりくっきりと浮かび上がらせる様々なサンプリング音など、情報量の多いサウンドながらも、歌メロは抜群にキャッチー。特にサビでのアンセミックな展開は、一度聴いてしまえば虜になってしまうこと間違いなし。

個人的に、本楽曲を初めて聴いた時、複雑さの中にポップさが詰まっているという点で、Dirty Projectorsの「Break-Thru」を想起しました。

これまでのギターを前面に出したオルタナ調の楽曲とは大きく異なりますが、インタビューで今後のバンドの展望について「ハイファイなサウンドにしたい」と語っていた、その言葉通りの進化を遂げていると言えるでしょう。なお、ミックスはMONO NO AWARE『人生、山おり谷おり』などを手がける徳永輝a.k.a.Taiyakiが担当したそうです。

そして本楽曲のMVは、サポート・メンバーであるBa.担当のbitch-yaとボーカル・ren matsumuraで制作したそうです。これも先述のインタビューで、「みんなが映画監督になりたい」と語っていた部分に通ずるところ。なお、最近では彼らは自身のサウンドについて「TokyoNouvelleVague」という言葉を掲げている様子。淡い色彩感覚が特徴的な本MVは、まさしくヌーヴェル・ヴァーグさながらの、抽象的でありながらも何かメッセージ性、もしくは物語性を感じさせるような作品となっています。

2018年も終わりを迎えようとしているこの節目に、ぜひ彼らの新曲を堪能してほしいです。

Text by Takashi Komine

ジオラマラジオ オフィシャル・サイト


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