今年が人生で一番音楽を聴き、音楽に触れ、音楽に携わった年でした。Spotifyやっていないのでわかりませんが、20万時間は音楽聴いてたかなと(笑)。
今年も心のど真中を貫く数々の楽曲に出会ってきました。その中でもさらに心の奥底にズドンときた5曲を紹介します。
5. Dayo Bello / 360
ロンドン出身のR&Bシンガー、Dayo BelloのデビューEPから選曲。あの数々の有名アーティストを輩出していることで有名なBRIT School出身で、同期にRex Orange Countyがいるということでも驚きですが、真に驚愕すべきはその透き通った彼の美声。ゴスペルとジャズを組み合わせたかのようなサウンドに合わせて、天をも突き抜ける彼の甘美なる声は、まさに天賦の才能としか言いようがないほど一級品。この曲で注目して欲しいのは、後半の一度静まり返って、3分過ぎた辺りの壮大なサウンド・スケープ。全身の毛穴という毛穴が開くほど驚愕な曲展開になっています。
4. boygenius / Salt In The Wound
Julian Baker、Phobe Bridgers、Lucy Dacusという、現行のUSインディを代表するSSWの3人が集まり、結成したboygenius。楽曲を聴く前から、このニュースが流れた時点でもう天にも舞う嬉しさでした。実際11月にリリースされたデビューEPは、全曲通して素晴らしい作品で、泣きメロにも程があるくらいの神曲揃い。その中でもこの曲には特に感銘を受けました。Lucy Dacusから歌い始め、そこからJulien Bakerにバトンタッチ。エモさが増してきたところで、Phobe Bridgersも負けじと普段見せないほどの大口を開けてコーラスを披露。そして轟音ギターの嵐となる後半の展開には、まさに鳥肌全開。さらにさらに、もうひとつ注目して欲しいのは、Julien Bakerによるエモさ全開のソロです。これはハンカチ必須の泣きメロ……。
3. Choker / Juno
去年リリースの1stアルバム『Peak』に続いて、今年8月にリリースしたChokerの2ndアルバム『Honeybloom』は、彼がハイプなどではなく、本物の才能の持ち主であることをしかと証明するかのような作品です。前作リリース時にはFrank Oceanの再来かと謳われ、各メディアがこぞって取り上げていました。しかし「メディアが囃し立てた一発屋なのでは?」、そんな風な疑念も頭をかすめていたのも事実。しかし、今作はそんな思いを吹き飛ばすほどクオリティの高い、捨て曲なしの14曲を収録。その中でも際立って異彩を放つのがこの「Juno」。まず、その曲構成に驚かされました。様々なジャンルを包括し、それをバラバラにならないよう一本筋の通ったポップ・ソングへとまとめあげる手腕は、まさしく脱帽です。
2. Bill Ryder-Jones / Mither
元The CoralのギタリストでもあるBill Ryder-Jonesが2年ぶりの新作『Yawn』を発表。その先行曲となるこの楽曲は、6分という長尺曲ですが、そんな長さを全く感じさせない素晴らしい構成になっています。流石と言わんばかりのギター・メロに完膚なきにまでやられました。特に4分を超えた辺りからのローファイ・サウンドの荒波に呑まれていくような感覚が最高です……。アルバム自体も、前作をも凌駕した作品になっているので、ぜひ聴いてください!
1. Peter CottonTale / Forever Always(ft. Rex Orange County, Chance The Rapper, Daniel Caesar, Madison Ryann Ward, YEBBA)
https://www.youtube.com/watch?v=9qL6nQvlHN4
フィーチャーされているメンツでも察した通り、この曲を聴いた瞬間、今年のベスト・ソングが確定しました。2018年の全ての音像がここに集約されている気がします。個人的にはこの曲が今年を飾る一曲だと言ってもいいくらい、それくらいの破壊力のある楽曲でした。
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今年は毎週のように名盤クラスのアルバムに出会う一年で、ベスト・アルバムを決めるのにも手間取りました。
番外編マイ・ベスト
「ベスト映画5選」
『レディ・バード』(原題:Lady Bird)
『シェイプ・オブ・ウォーター』(原題:The Shape of Water)
『アンダー・ザ・シルバーレイク』(原題:Under the Silver Lake)
『ブリグズビー・ベア』(原題:Brigsby Bear)
『君の名前で僕を呼んで』(原題:Call Me By Your Name)
Text by Takashi Komine