Best Tracks Of 2018

Kent Mizushima

キュレーター、Kent Mizushimaの2018年ベスト・トラック!

今年は人生で一番多くのフェスに参加しました。特に初参加したSXSWは印象に残っています。世界中から集まるアーティストを観れるのはもちろんですが、オースティンという街のバーの多さと、そのバーの多さに釣り合った愉快な酒豪たちと出会えたのが今年のハイライト。


  5. WENS / Take

LAを拠点に活動中のニューカマー、WENSは今年のUSの新人の中でも特によく聴いたひとり。デビューEP『That Really Long Night』はR&Bに影響を受けつつもエモーショナルに仕上げたボーカルを武器にしつつ、最新のポップからエレクトロニカ調の楽曲までをまとめた一枚に仕上がっていてオススメです。その中でも冒頭を飾る「Take」はMØなどのポップ・ミュージシャンが好きな人にオススメするといつも反応がいいので、皆さんもぜひ。

  4. Brockhampton / New Orleans

問題を起こしたメンバーを解雇し、一度予定していたアルバムが発売中止になるなど、一時はどうなるかと思ったBrockhamptonですが、結果的には9月にリリースした『iridescence』で全米第一位を獲得と大逆転。今年は彼らのライブを何度か観たのですが、パフォーマンスも目に見えるようにどんどんよくなっているのがわかります。特にTyler, The Creator主宰のフェス“Camp Flag Gnaw”でJordan Smithを飛び入り参加で迎えた「New Orleans」は最高でした。(ライブはその後盛り上がりすぎてお偉いさんにより強制終了)

  3. The 1975 / Sincerity Is Scary

The1975の最新作『A Brief Inquiry Into Online Relationships』はちょっと次元が違いましたね。「え、1975ってそんなこともできるの?」という驚きが連続のアルバムでした。一曲を選ぶのが難しいのですが、今回はアルバム中でも一番驚かされたこの曲を選曲。イントロのホーン隊、ドラム、そしてピアノの音だけで気持ちよすぎてどうにかなっちゃいそうですが、さらにそこにマシューの甘い唄声でノックアウト。来年は彼らをどこかのフェスのヘッドライナーで絶対に観たい。

  2. Snail Mail / Heat Wave

昨年に引き続き、今年もUSインディ・シーンはフィメールSSWの活躍が目に止まりましたが、個人的にずっとデビュー・アルバムを楽しみにしていたSnail MailことLindsey Jordanの活躍っぷりは、予想を遥かに超えてましたね。18歳で高校を卒業したばかりの目まぐるしく日々が変わっていく時期に作られたデビュー作は、Lindseyが実際に経験や恋愛や哀しみを息として吐き出すかのような作品で、何度聴いてもエモーショナルにさせられる。

昨年のこの企画では一位にWaxahatcheeを選んでいたのですが、WaxahatcheeのKatieとLindseyはまるで姉妹のように仲が良くツアーを回っていたりするので、boygeniusの第二段的な感じのコラボレーション、期待してしまいます。

  1. Mourn / Barcelona City Tour

15〜17歳で〈Captured Tracks〉から異例のデビューを果たしたバルセロナの4人組、Mourn。この曲は21才前後になった彼らがリリースした3rdアルバム『Sorpresa Familia』の冒頭を飾る一曲で、彼らの生活を唄った曲。まるで「私たちまだまだ大人になる気はないよ」と代弁しているかのようなアグレシッブなギターからスタートし、そのギターだけでも彼らのヤング・パンク精神はまだまだ漲っていることが伝わってきます。また、彼らはただ爆音で音を鳴らすだけではなく、サビになると演奏を止めて、手拍子をしながら「What a shame! You are not ashamed!」と叫んだりと、ポップに見せる工夫やアクセントも加わっており、その自分たちのやりたいことを貫きつつも、アイデアや工夫で楽曲を作品ごとにアップデートしていく姿勢が素晴らしい。オルタナティブ・ロック・ファンとして彼らにはこれからも自分たちらしさを貫いてほしいです。

  Comment

飛び抜けた一曲というのがなかったのでリストには入れませんでしたが、今年はローファイ・シーンが全体的におもしろかったかなと思います。最近Clairoの来日公演が発表されましたが、The Marías、Crumb、No Vacation、Men I Trust、Triathalon、Bane’s Worldなどなど、人気を集めつつある良質なアーティストがたくさんいるので、来年はこのシーンに火が付きそうな気がしています。

  番外編マイ・ベスト

「ベスト・アメリカでどこでも流れてる曲」

1. Sheck Wes / Mo Bamba
2. Cardi B / Bodak Yellow
3. Travis Scott / goosebumps

2018年はクラブやフェスからラジオやレストランまで街中のいたるところで「ビッチ」という声が聞こえてきました。

Kent Mizushima

Curator

Kent Mizushima

明日フェス / to'morrowというイベントを都内で主催しています。洋楽専門ディストロ〈to’morrow records〉をはじめました。 相変わらずライブハウスによくいます。