大阪出身、現在はNYを拠点とするSSW、jojiが新曲「yeah right」のMVを公開しました。
jojiことGeorge Millerは元々Filthy Frank、Pink Guyなどのキャラクターを演じ、コミカルな動画を中心に投稿していたいわゆるYouTuberとしても活動しており、彼のチャンネル「TVFilthyFrank」は578万人もの登録者を誇るなど、ワールドワイドな人気を獲得していたことが伺えます。
しかし、彼は一連のコメディ的な活動に正式に終止符を打ち、現在では「自分そのもの」だという音楽名義jojiでの活動を本格化。
Rich ChiggaやKeith Apeなどをいち早くフックアップし、彼らの作品のリリースやMV制作も行う〈88rising〉から、いくつかのシングルとデビューEP『n Tongues』を2017年にリリースし、大きな注目を集めました(今年2月には同作にリミックスを加えたデラックス版もリリース)。ちなみに、実はその前にPink Guy名義でも同レーベルから作品をリリースしています。
そんな彼の久方ぶりの新曲は、ノスタルジックな映像で構成されたMV同様、センチメンタリズムを強烈に感じさせる一曲。ビートもシンプルながら、随所に配置されたボイス・サンプルや薄っすらと鳴り響くギターが涙腺を刺激します。
「I’ma fuck up my life」(おれは自分自身の人生を壊す)
「We gon’ party all night / She don’t care if I die」(おれたちは夜通しパーティをする/彼女はおれが死のうが気にしない)
といった、リリックの前半はどこか若さ故の過ちや、過ぎ去った痛切を振り返るような内容となっており、jojiの元々の声質と深いリバーヴが絡むことで、より一層エモーショナルに聴く者の胸を締め付けます。
彼はBillboardのインタビューにて、前述のYouTuberとしての活動を辞めたことについて、「自然に年を重ねるにつれて、ユーモアであることに疲れてきたんだ。人々の味覚も、ユーモアも変化する」とコメントしています。また、同時に酒に溺れるようになったこと、結局お金を失ったことも明かしており、そういった諸々のバックグラウンドを知った上で本楽曲を聴くと、さらにグッとくるものを感じてしまいます。