NEW MUSIC

Special Favorite Music / Dribble


関西発。男女混合の9人組ポップバンドが登場! 魔法の時間は一瞬で、だからこそ魅力的なのかもしれない

2015.12.16

日本の若手バンドシーンは、ちょっと飽食になるくらい豊作な年だったと感じていた2015年。最後の最後に、個人的に問答無用に上がる楽しげなバンドが現れた。(すでに頭角を現していたようだが、完全にスルーしていた。)

ヴァイオリン、トランペット、サックス等の管弦楽メンバーを含む9人編成の関西発のバンドSpecial Favorite Music(スペシャル・フェイバリット・ミュージック)だ!

ホームページを見ると、『リトルピープルの時代に生まれて育った9人によるストリートのためのポップミュージック』と書いてある。不勉強につき『リトルピープルの時代』を読んだことのない自分にとって「ふーん、頭良さそう」という印象を持ったが、ともかく、この時代にポップミュージックを鳴らすことに対して、強いこだわりを持っているように感じられる。

 

https://www.youtube.com/watch?v=uiu5gLbmASA

そんな前置きはさておき、本日12/16(水)に発売された限定7インチ・シングル『Dribble / Future』から公開となった「Dribble」のMVを見れば、余計な詮索を抜きにして胸踊る。体が揺れる。退屈でどうしようもない日もこういうハッピーな音楽が側にあったら、外に遊びに出かけたくなるというか、甘酸っぱい夢を見させてもらえるような気分になる。真面目な話、たまたま自分宛に送られてきた音源をプレイヤーに入れて、一息いれようと思ったとき『はっ』とスピーカーを振り返ってしまったもんね。

ピチカート・ファイブとか90年代初頭の渋谷系直系のサウンドかと思いきや、そのルーツはもっと奥深くにありそうだし、これだけメンバーがいて、みなツワモノ揃いな印象のバンドを一括りで語るのは野暮だし、海外の同世代ミュージシャンと共振する要素も存分に感じられる。B面の「Future」は、一転メロウなムードで未来への希望や祈りに似た静かで強い気持ちが投影されているし、A面のメッセージを補完するような関係になっていて、レコードとして完璧な仕上がりに思えます。

それにしても、Team Meとか Los Campesinos!とかDirty Projectorsとか、かつてのCajun Dance Partyにしたってそうだけど、男女混合の大所帯バンド特有のきらめきとバランスの危うさってあるよなぁ。魔法の時間は一瞬で、だからこそ魅力的なのかもしれない。

バンドは12月に大阪FLAKE REOCRDSでインストアライブを、来年1月に大阪、2月には東京でリリースパーティーを行うよう。2月のこのイベントは必ず足を運んで、その音楽の真髄を堪能したい次第です。腕組み&しかめ面ではなく、素直に音楽に身を任せて踊りながら。

(Text by Hiroyoshi Tomite)

<イベント情報>
●2015年12月22日(火)@FLAKE RECORDS
OPEN / START 20:00 / CHARGE / FREE
「DRIBBLE / FUTURE」発売記念!!
SPECIAL FAVORITE MUSICアコースティックインストアライブ

●2016.1.17(日)十三FANDANGO
Denims x SFM x Africa x Map DJs
少年少女夜学校

●2/21(日)@下北沢ベースメントバー&下北沢THREE(往来自由)
FREE THROW&JUKEBOX presents
Special Favorite Music『Dribble/Future』
Releace Party


Spincoaster SNS