春ねむりがニューシングル“Watermelon”を10月23日(金)にリリースする。
昨年、自主レーベル〈エコラプトメノス〉から3rdフルアルバムを発表した春ねむり。2026年はウクライナのミュージシャン・Alina Pashをはじめとする複数のアーティストとの客演やコラボレーションを重ねてきた。本作は、久しぶりとなる自身名義のオリジナル作品となる。
“Watermelon”は、2023年12月に発表した“watermelon(demo)”のフルサイズ完成版。春ねむりは本作について、パレスチナへの連帯と、イスラエルによる占領や虐殺への怒りを込めた楽曲だとしている。当初は、状況に根本的な解決の兆しが見えてから完成させる予定だったが、改善が見られないまま完成に至ったという。
ギターにmutsuonakamura、スクラッチにJ-Rawrを迎え、歪んだギターと爆発的なビートに、ブレイクビーツやハイパーポップを融合。デモ版からさらにアグレッシブなサウンドへと進化した。繰り返される《ENOUGH IS ENOUGH(もうたくさんだ)》という叫びと、《Be the fire to cease it(それを止める炎になれ)》という言葉には、終わりの見えない暴力への拒絶と、それを止めるために行動することへの意志が込められている。
カバーアートは、春ねむり本人が制作。赤と緑のペンキを大胆に投げつけて描かれたビジュアルで、楽曲に込められた激しい感情を視覚的にも表現している。
また、春ねむりは11月26日(木)から29日(日)にかけて、オーストラリアの4都市を巡るツアーを行う。
【春ねむりによる楽曲解説】
19世紀後半、ヨーロッパにおけるユダヤ人の民族意識の高まりから、シオニズム運動が起こる。これはユダヤ人の国を作ろうという政治思想であり、オスマン帝国支配下の現在のパレスチナにユダヤ人たちが移住を始めるようになる。やがてユダヤ人たちはパレスチナ人を追い立て、産業から追い出すようになる。第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって不当に迫害され虐殺されたユダヤ人たちはますますその民族意識を高め、イスラエルという国が1948年に国連によって認証され建国された。神によって約束された土地として、現在のパレスチナが分割され与えられたのである。その時140万人いたとされるパレスチナのアラブ人のうち、約半数の70万人が家を追われ、難民となった。これをアラビア語でナクバという。
2023年10月7日、ハマスとパレスチナのその他武装勢力によって、イスラエルに対する大規模な攻撃が行われた。1200人を超えるイスラエル人と外国人の死者を出したこの攻撃を契機に、イスラエルは大規模な攻撃をパレスチナ、特にガザで展開し、3年が経過した今虐殺されたパレスチナ人の数は7万人を超えた。
ハマスとパレスチナのその他武装勢力を、そのような行為に至らしめた原因が何かは明白である。暮らしていた土地を、不当に暴力を伴って収奪され、追放され、数えきれないほどの家族、子どもたち、同胞が殺されていく。パレスチナ人であるというだけで。イスラエルによる占領は終わりもなく、認められるべきあらゆる自由が認められていない。なりたいものになること。住みたい場所に住むこと。行きたい場所へ行くこと。やりたいことをやること。そんな当たり前の権利が保障されず、不当に逮捕され収監されたり、殴られたり撃たれたり性的加害を受けたり殺されたりしても、まるでなかったことかのように扱われる。
アンドレアス・マルムの著書『パレスチナを破壊することは、地球を破壊することである』によれば、イギリスが19世紀にオスマン帝国支配下のパレスチナに、その当時最先端の技術であった蒸気船をもって侵攻したその時から、化石資本主義と植民地主義の理論によってその権力関係を決定づけ続けている層によって、パレスチナは最も弱い立場のもののひとつとして犠牲にされ続けていると論じられている。第二次世界大戦後、イスラエル建国を西洋社会は支持した。その権力関係はいまだに変化しておらず、むしろパレスチナ人の民族浄化へ向けてますます勢いを増すばかりだ。
日本という国家もまたこの問題に無縁ではなく、日本に住んでいるわれわれにもまた無縁ではない。なぜならわれわれの全てがこの化石資本主義と植民地主義の歴史とかかわって発展してきたからだ。
占領と虐殺、あらゆる不平等に耐えられず暴力行使に至った人々を「テロリスト」と十把一絡げにして、自分と関係のないものだと切り捨てている限り、あなたは虐殺の加担者である。事実を見つめ、歴史が何を隠蔽してきたのかを、われわれはともに考えなければならない。この曲は、誰かにとってそれを考えるきっかけになるよう書かれた。
本作は、2023年10月7日の出来事を受けて約2ヶ月後にリリースされた「watermelon(demo)」のフルサイズ完成版である。当初、イスラエルによる植民地支配と虐殺に根本的な解決の兆しが見えてから制作されるはずだったフルサイズ版は、状況に何の改善も見られないまま、いや、むしろ悪化の一途をたどっているまま、制作されることとなった。
デモ版に比べよりアグレッシブになったサウンドは、その悔しさ、ままならなさ、怒りに追い立てられ走っているような速度を感じさせる。ブレイクビーツからハイパーポップまでを歪んだギターと爆発するビートの上でまとめ上げ、時にこの不条理に真っ直ぐ向き合いながら、時に権力者をおちょくりながら、春ねむりは聞く者の魂に訴えかける———「Be the fire to cease it」(それを止める炎になれ)と。
【リリース情報】

春ねむり『Watermelon』
Release Date:2026.10.23 (Fri.)
Label:エコラプトメノス
Tracklist:
1. Watermelon
Guitar:mutsuonakamura
Scratch:J-Rawr
【イベント情報】
『春ねむり AUSTRALIA TOUR 2026』
2026年11月26日(木)at オーストラリア・キャンベラ Dissent Cafe & Bar
2026年11月27日(金)at オーストラリア・シドニー The Factory Floor
2026年11月28日(土)at オーストラリア・ベンディゴ Trash Cult
2026年11月29日(日)at オーストラリア・メルボルン The Curtin










