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INTERVIEW | E.scene


「流れていかない、消費されない音楽を」── 変化を経て生まれた渾身の1stアルバム

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2024.11.26

いよいよ、と言っていいだろう。いよいよ、E.sceneが初のアルバム『All Around You』をリリースした。

2019年のデビュー以来、真琴(Vo.)、CHIPPI(Ba.)、Yoshinao(Ds.)という3人編成で新潟を拠点に活動を続けてきた彼らは、いま大きな盛り上がりをみせつつある国内のR&B/ソウルミュージックシーンの中核的存在として、着実にプレゼンスを高めてきている。

しかし、実はバンドとしてはこの一年ほど進化の岐路に立たされていたそうだ。曲制作のアプローチを大きく変え、それによって新しい風が吹き始めたという。新世代バンドとして熱視線を集める、E.sceneの「いま」に迫った。

Interview & Text by Tsuyachan
Live Photo by Richard Chiaki
Other Photo by Official


木下龍也の歌集、元日の震災──バンドに変化をもたらした契機

――待望の1stアルバムです。これまでEP作品をリリースしてきたE.sceneが、このタイミングでアルバムを作られたきっかけを教えてください。

CHIPPI:アルバムについては、明確にここを狙って出そうと決めていたわけではないんです。これまでの作品は、そのときにやりたかった形をしっかり出して、それがサイズ的にもEPという形が適していたのでリリースしてきました。ただ、今回の制作にあたっては、曲の作り方に少し変化が生まれたんです。それがバンドの中で上手くハマって、3人の間にある空気もすごくいいものになっていったし、そういったタイミングがちょうど重なったことで、アルバムという形が一番いいんじゃないかという結論に至りました。

――なるほど、ちょっとした転機があったと。やっぱりアルバムとなると、気持ちも今まで以上に入ったんじゃないでしょうか。

CHIPPI:そうですね。やっぱり気合いは入りました。単純に作った曲数だけでもEPと比べて倍以上の数がありましたし、そういった意味では、意気込みもこれまで以上だったと思います。

ただ、だからといってテーマを最初からがっつり決めて、コンセプチュアルに作ったかというとそういうわけではないんです。むしろ、割とフラットな姿勢で、肩の力を抜いたまま3人の空気感が反映されるような作品にしようと思って作ってきた。それが結果的によかったんじゃないかと思います。

――コンセプトありきではなかったと。

CHIPPI:そうです。例えば前回のEP『Heat』だったら、先に「熱」というテーマを決めてそれを軸に作っていきましたけど、今回はそういったテーマを一度取っ払って、本当にやりたい音楽を話し合いながら作る形にしたんです。

――なるほど、最近のE.sceneの雰囲気が掴めてきました。かなりオーガニックな状態に近づいていってたわけですね。そうなると、アルバムの全体像やテーマが見えてきたのってほぼ終盤だったわけですか?

CHIPPI:最後の曲“All Around You”がアルバムタイトルになってますが、この曲はアルバムの最後の曲として作ろうと決めて作ったんです。その頃になって、全体像が見えてきた感じですね。

――“All Around You”を最後の曲にしようと思った理由は?

CHIPPI:このタイトルは自分が提案したんですけど、ちょうどそのときに同名の歌集(木下龍也『オールアラウンドユー』)を読んでいて、その内容が自分の中でピタッとハマった。自分たちの制作状況や環境を振り返ると、タイトルが持つ意味がぴったりだったんです。周囲の環境や身近なことに目を向けることの大切さを改めて感じながら作ったアルバムだったから。それでスタジオでメンバーに提案したところ、いいんじゃないかということで決まりました。

――制作中に、何か重要なことがあったわけですね。

CHIPPI:メンバーでそれぞれ違うとは思うんですけど……(2024年の)元日に地震がありましたよね。それこそまこっちゃん(真琴)は地元が石川だから帰省してて、避難もしたし、実際に身の恐怖を感じた。生死について考えたし、人々が一瞬にして危険にさらされる状況を年始に目の当たりにして……それはきっかけとして大きかったと思います。当たり前の日常の尊さを改めて感じたし、作品に対する意識が変わった。

Yoshinao:だから、アルバムタイトルについても自然と受け入れられたっていうのはあると思います。歌詞にもしっくりきたし、色んなことがあってすんなり入ってきた。

真琴:私もスッと入ってきた。自分は、『HEAT』のCD限定で収録した曲(「Moon」)以来ぶりに歌詞を書かせてもらったんです。自分のことを見つめ直す機会がすごく多くて、CHIPPIが言ってくれた通り、突然の出来事で色々なことが変わりました。

でも……亡くなられた方や大変な思いをしている方もいるのでちょっと表現が難しいんですけど、地震があったことで自分の気持ちがネガティブというよりはポジティブになったというか。やるしかない、前を向くしかない、という心持ちになった。そうすると、自分が日常生きていることだったり家で過ごしてる時間だったり、色んなものが鮮明に見えてきたんです。それもあって、“All Around You”っていうタイトルがすごく素敵なものに思えてきました。


変化した制作プロセス、より強固になった一体感

――今回のアルバムは、3人それぞれがクレジットに加わっていますね。前作のEPに収録されている“Highlight”もそうでしたが、それ以外だとこれまではあまりそういう表記はなかったはずです。これは、やはり作り方が変わったということでしょうか?

CHIPPI:そうなんですよ。今までは、自分がDTMでほぼ完成させたものをスタジオに持ち込んでブラッシュアップしていく形が多かった。でも前作あたりで、それをやりすぎた結果、バンドでやりたい音楽と自分がやりたい音楽の境目がなくなってしまって。無我夢中にやりすぎて、自分が作った曲を聴かせたときに「カッコいいけどこれはE.sceneじゃない形でやった方がいい気がする」って言われたんです。それは結構……ハッとしましたね。

そういうことがあって、ちょっとバンドでの制作方法を見直そうかってなった。それからは、3人でビートやテンポ感、雰囲気を話し合って、セッションして作るようになったんです。で、マイク1、2本立てて録ったデモを元に自分が編曲するという形に変えた。

――順番が逆になったんですね! まずはみんなで作って、それをCHIPPIさんが磨いていくと。

CHIPPI:そう。組み立てられる順番が変わった。それによって、見えなかったふたりの良さが見えてきました。あぁこんな見方するんだ、こんな提案するんだ、と。前は、自分が作ってきたものについてふたりがアンサーする形式だったけど、それだと最初に自分が決めた枠組みの中でアレンジしていくので、どうしても固定的になりがちなんですよね。

例えばメロディひとつとっても、以前は最初に音作りを固めてから乗せていく感じだったけど、今はピアノのコードがあるだけのところにメロディを乗せたりしていて。柔軟でフレッシュなアイデアが出やすくなりました。

――今回のアルバムの中で、そうやって作り方を変えたからこそ生まれた曲はありますか?

CHIPPI:Yoshinaoが作詞した“After Color”という曲があるんですけど、元々は全然違う形だったんです。たしか大きなアレンジ変更が3回くらいあって。「こういう方向性も試してみたい」という提案が出てきて、どんどん変わっていった。それは今までにはなかったことですね。苦戦しましたけど(笑)。メロディはほとんど変わってないのに、オケが変わることでこんなにも全体が変化するんだなって痛感しました。

Yoshinao:ドラムは全曲やりやすくなったかもしれない。前はCHIPPIが作ったデモの時点でほぼ完成されてたから、もうそれで正解だし、そこを超えるのが難しく感じていました。でも、今回は自分なりにビート感を話しながら作れたから、そういう苦労はなくなりました。

――演奏はだいぶ変わったなと思いました。E.sceneの演奏って、以前から軽やかさが素敵だなって思っていたんです。でも、軽やかさと軽さは紙一重というか、ちょっと不安定になりがちな部分もあるけれど、今作においては軽やかさは引き継ぎつつも芯が強くなった印象を受けました。言い換えると、バンドっぽくなった。

CHIPPI:そうですね、演奏の一体感は増したと思います。自分が作った核を理解してもらうアプローチだったのが、今回はその核を3人で作ったので。おっしゃる通り、今までのアイデンティティである軽やかさを残したまま、強固な印象になったんだと思う。

――具体的な曲で言うと、自分は“わたしと私”にめちゃくちゃ衝撃を受けたんですよ。あれは今までのE.sceneにはなかった。後半、演奏もとんでもないことになるじゃないですか(笑)。

CHIPPI:今回、曲作りに際して合宿したんですよ。自分がいつも生活している部屋に3人で集まって、一緒にご飯を食べながらラフに音楽を聴いたり、話したりしながら制作を進めていった。実は“わたしと私”の前半部分はそのときにできたんです。

で、作っているうちに、他愛もない会話から「なんかもう全然違う曲になっちゃった、みたいなのやりたいね!」って話になって(笑)。それで、後半の展開が生まれていったという。

Yoshinao:ドラムがずっとループしてるんですけど、それ自体が初めての試みで。それも(これまでのセオリーを)壊していこうっていう気持ちで。

CHIPPI:ベースも前半部分はシンベっぽいアプローチの音づくりにして、後半はもうドラムと一緒にやりたいことやっちゃえって感じ。ほぼベースソロくらいの気持ちでした(笑)。

――しかも、“わたしと私”は先行シングルで配信されたじゃないですか。あれを先に聴いて、「何かすごいことが起きているぞ」という変化を感じました(笑)。

CHIPPI:ありがとうございます。“わたしと私”を先行シングルで出したのは、アルバムの新しい方向性を示すために意図的にやったことなので、そう感じてもらえて嬉しいです。

――“わたしと私”は、歌詞も韻が凝らされていて素敵だなと思いました。《真新しい/煩わしい》とか《あなたらしく/あればいい》、あと《愛すら/曖昧》とか。これはどなたが書かれたんでしょうか。

CHIPPI:自分が書きました。いや、でもそう言ってもらえるとすごく嬉しいですね。


ポップスに向き合い、J-POPを研究

――他には、“ghost note”のトラックもおもしろいですよね。最後のサビ前のアレンジとか含めて、すごくユニークです。

CHIPPI:Yoshinaoが歌詞を書いてるんですけど、その分、自分はこの曲ではアレンジに没頭しましたね。

――ちなみに、合宿の時に3人で聴いていたのはどういった音楽なんでしょうか。

Yoshinao:“わたしと私”を作ってた時は、Lianne La Havasを聴いてました。

真琴:3人とも結構好きな音楽はバラバラかもしれない。でも共有はするよね。

CHIPPI:そうだね、バラバラだけどシェアはし合う。自分はアンビエントの要素が入ってる浮遊感あるムードの暗めな音楽が好きです。学生自体はがっつり生のバンドサウンドをたくさん聴いていたけど、ちょっと変わってきたかな。

Yoshinao:自分はUKのジャズが好きです。Alfa MistやYussef Dayesとか。

真琴:私は2人に教えてもらって聴くことが多いんですけど、ジャズが中心です。でも古い曲の方が多いかな。女性ボーカルのムーディーな曲も好き。

Yoshinao:でも、3人共通でポップスも好きなんですよ。今作はポップスに向き合うというのもテーマのひとつとしてあって。だから、制作中は3人で結構ポップスを研究していて。色んなJ-POPを聴きました。

――そういうテーマがあったんですね。しかも、ポップスの中でもJ-POPを聴いたと。

CHIPPI:そう、J-POPを聴いたんですよ。制作方法をシフトしてから、「E.sceneはどこに向かうべきか」についても自然と話し合うことになって。そこで、コアな部分に潜っていくのか、もっとオープンになっていくのか、どっちかに振り切っていきたいねって話したんです。その結果、やっぱり後者だなと。

初期の曲はポップス的な魅力もあったし、そういう曲を、今こうやって地肩が鍛えられてきたバンドの状態でやったらもっと違う質感でできるんじゃないかなって。そして、まさに今がそのタイミングだなと。だからこそ、今改めてポップスに向き合うことにしました。

――ポップスに向き合った結果、E.sceneのやるJ-POPはどういうところに着地したと思いますか?

CHIPPI:3人とも内に内にいくタイプの性質なんですけど、でも今回のアルバムではそれがちゃんと外へのエネルギーとしても昇華されていると思います。それは、ポップスを意識したからだと思う。今までだったら、もちろん自分たちの納得いくまでは作ってたけど、もっと聴きづらい作品になってただろうし。

――あぁ、でもそれはすごくわかります。ちょっとマニアックなことをしている部分はたくさん見つけられるんだけど、でも全体的にはとても風通しのいいアルバムですよね。というか、ポップスを標榜したとしても、こっそりマニアックなことをやっちゃうバンドでもあるし……(笑)。

Yoshinao:だいぶ抑制したつもりではあるんですけど(笑)。

――あと、やっぱり真琴さんのボーカルが今作においても唯一無二ですよね。最初の“Gift”とか、メロディラインはJ-POPなんですけど、真琴さんのボーカルだとなぜかその瞬間にR&Bになる。

真琴:ありがとうございます。私は日本のいわゆる歌姫と呼ばれる方たちの音楽をよく聴いてきたんですけど、どこまで歌い上げるかっていうのはいつも気にしちゃうんです。でも、今回はそれを気にすることなく歌えた。今まで聴いてきたそういった音楽が一気に自分の歌い方に出てきた気がします。それが新しいポイントかもしれません。

――実際、他のシンガーをリファレンスにすることもありますか?

真琴:3人で曲を作るときにイメージに近いシンガーの歌を聴いてすり合わせていくんですけど、レコーディングの当日までぎりぎり調整しています。「そこはもう少し優しく」とか。

――ボーカルについても3人で考えていくんですね。

CHIPPI:自分は結構意見を言っちゃいますね。「いいボーカル、いい歌」という点でみたら、まこっちゃんの場合は全部いいんですよ。声も素敵だし、普通に歌えば成立する。でも、自分たちはその先の表現を目指したい。だからこそみんなで意見を出し合っています。


集大成ではなく、新たなスタート地点

――最近、国内のR&B/ソウルシーンがすごく盛り上がってきてると思うんですが、それはE.sceneの皆さんも肌で感じていますか?

CHIPPI:盛り上がりは感じますね。自分たちが学生だった頃とは変わってきてると思います。でも、そういったシーンに近いバンドという見られ方をされつつ、完全に一致しているわけでもないと思っています。自分たちは新潟拠点で、都会にいないというのも自然と強みになっている気がする。やっぱり、R&Bのお洒落な音楽は東京に集まってる印象もありますし。

――先ほどおっしゃったように、それよりも今作ではポップスを意識しているということですよね。

CHIPPI:いわゆるR&Bバンドとしての心地よいお洒落な音楽、といったところから抜け出したいという気持ちもあるんです。もちろん、R&Bは間違いなくルーツのひとつにはあるんですけど。

――E.sceneというとすぐ「お洒落なサウンドの」というイメージが想起されるのは確かにあると思う。でも、そこを抜け出したいと。

CHIPPI:はい。まずお洒落じゃないですし(笑)、そういう意識でやったことは一度もない。あと「メロウな」とかもよく言われます。もちろんありがたいことではあるんですけど。

――新潟では、近い音楽性のバンドはいるんですか?

CHIPPI:ほとんどいないですね。やっぱりロックが多いと思います。

Yoshinao:みんなギターがいるしね。

CHIPPI:そう。イベントやると、だいたいギターが歪んでて、みたいな。そういうのもあって、デビューしてからすぐ東京のライブハウスでやらせてもらってました。つい先日『南魚沼収穫祭』というフェスが地元であって呼んでいただいたんですけど、そういった意味では少しずつ新潟の状況も変わりつつある気もします。

――ちなみに、ギターは今後も編成には入れずに続けていく予定ですか?

Yoshinao:まこっちゃんが弾けるようになったらいいいなって話してます(笑)。

――真琴さんはギターを練習されているんですか?

真琴:いえ、やってないです(笑)。ピアノはやっていて、最近またいくつかのライブを経て、3人で楽器を合わせられる曲が一曲でも増えたらいいなっていう思いがちょっとだけ沸いてきたんですよ。なので練習中です。

――サポートメンバーを入れるという可能性もない?

CHIPPI:入れることによってライブの生感が出るっていうのはわかってるんですけど、それよりもこの3人で出す音でやりたいという気持ちの方が強いです。だから、同じような価値観をちゃんと共有できる人と出会えたら、そういう日がくるかもしれないですね。

――E.sceneらしい回答ですね。今バンドのリスナーは、どういった方々が多いんでしょうか。今後、どういった方々に聴いてもらいたいですか?

CHIPPI:リスナーの方は、少し上の世代の方が多いんですよ。30代から40代の方々がよくライブに来てくださってます。懐かしさ、ノスタルジーを感じると言ってくださる方が多い。それはもちろんありがたいんですけど、同世代の方々にももっと聴いてもらえたら嬉しいかな。同じ時代を生きてきた者同士、共有できる感覚や価値観があると思っていて、そういった人たちがE.sceneを聴いてどう感じるのかは気になる。そういうリスナーの反応が、自分たちにも体感として伝わるくらいにはもっと聴かれるようになりたいですね。

あとは、流れていかない、消費されない音楽を作りたい。今って、新作をリリースしても信じられないくらいのスピード感で流れていくじゃないですか。そんな中でも、今作はちゃんと思い出してもらえるアルバムにしたいと思って作りました。だから、長く聴いてもらいたいですね。

――実際にそういった強度のある作品になっていると思います。今後も、今作で辿り着いたアプローチで曲作りをしていくんですよね?

CHIPPI:そうですね。手応えがあったので。

――E.scene、再スタートですね。

CHIPPI:集大成ではなくスタートになればいいなって思いもあったので、そう言ってもらえてうれしいです。これからの指針になる作品にしたかった。ぜひ、長く聴いてもらいたいですね。


【リリース情報】


E.scene 『All Around You』
Release Date:2024.10.23 (Wed.)
Label:bament
Tracklist:
1. Gift
2. Spotlight
3. ghost note
4. Glow
5. Petrichor
6. わたしと私
7. そっと
8. After Color
9. vector
10. All Around You


【イベント情報】

『E.scene Oneman Live “All Around You”』

日時:2025年2月1日(土)OPEN 17:00 / START 17:30
会場:新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
料金:ADV. ¥3,800 / DOOR ¥4,300

チケット:e+ / 会場予約
問い合わせ:LIVE HALL GOLDEN PIGS TEL025-201-9981

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日時:2025年2月7日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京・下北沢 THREE
料金:ADV. ¥3,800 / DOOR ¥4,300

チケット:LivePocket / 会場予約
問い合わせ:下北沢THREE 3@toos.co.jp

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公演詳細

E.scene オフィシャルサイト


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