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Interview / Faris Badwan (The Horrors)


3年振りとなる待望の4thアルバム『ルミナス』をリリースするThe Horrors(ザ・ホラーズ)のフロントマンのFaris BadwanにSpincoasterがインタビューを敢行

2014.04.13

3年振りとなる待望の4thアルバム『ルミナス』をリリースするThe Horrors(ザ・ホラーズ)。3月末のアルバムの世界最速先行試聴会に合わせて来日したフロントマンのFaris Badwan にSpincoasterとして初となる作品インタビューを敢行しました。共同プロデューサーにクレイグ・シルヴィーを迎えイースト・ロンドンのスタジオにて15か月の期間をかけて制作された本作。さらにこの夏にはSUMMER SONICへの出演も決まっています。

もちろんファリスのRootscoasterも実施。彼のルーツはこちらからチェックしてみて下さい。
 

Faris Badwan (The Horrors)インタビュー

(Interviewer Hosaka / Aoi )

―新作のタイトルとなった『Luminous』は「明るい」、「光」などと言った意味を持ち、ザ・ホラーズというバンド名とは対照的ですが、どういった意図でこのタイトルにしたのでしょうか?

ひとつには僕らの作曲過程を総括している言葉だなって思ったから。『Luminous』っていう言葉から僕らが受けるイメージは「エネルギーの発散」とか、「(光を)放つ」とかそういうモノなんだけど、それが僕らが曲を書いている時に感じるイメージに近いんだ。僕らが考える重要な音楽っていうのは、聴いている人に何かを感じさせる音楽だと思う。僕らもそういう音楽が好きだし、僕らの新作もそういった力のある音楽になっていると思うから、このタイトルにしたんだ。

 

―ファリスがオフィシャル・インタビューで「ソングライティングの面でいうと、今までで一番満足しているレ コードだね」と答えていましたが、何か作曲プロセスに変化はあったのでしょうか?

作曲プロセスはほとんど今までと同じように行われたよ。僕らはスタジオでもツアー先の自分たちの姿をそのまま持ち込んだように、みんなで一斉に楽器を鳴らすっていう有機的なプロセスを行っているんだけど、その点は何も変わっていない。今回の作曲プロセスで満足感が得られた理由は、アイディアを出し切れたっていうのとそれを基に楽曲を大きく発展させることができたっていうのが大きいと思う。あと、自分たちの自己表現としての部分もすごく明確になったんじゃないかなって。今までのアルバムと比べても曲調にメリハリができたと思うし、様々な要素を密に詰め込んだ曲もあれば、敢えて空間を残したような曲もあるし……そういう部分において、自分たちがやりたかったことを表現し切れたっていうところから満足感を得ているんだと思う。

 

―前作リリース時のインタビューで、ジョシュアは「セルフ・プロデュースの自由さを一度体験したらもう他のプロデューサーと組む気にはならないね」と言っていましたが、今作をクレイグ・シルヴィー(Craig Silvey)と共同プロデュースで制作するに至った経緯を教えてください。

正確にはクレイグは共同プロデューサーではないんだよね。基本的にはミックスを担当してもらったんだけど、それも大部分はトムがやったので、正確には共同ミキサーという立場かな。ただ、レコーディング段階から色々と相談を持ちかけたりはしていて、その流れでミックスも手伝ってもらったんだ。

 

―NMEのインタビューでは自分たちやその音楽を「逃避者」だとも語っていましたが、今作においてもそういった“エスケーピズム”のようなモノを意識していましたか?

どんな音楽でも聴いているとどこか別世界へと連れて行かれるような感覚ってあると思うんだ。だからそういう意味では僕らのアルバムにもエスケーピズムっていう要素はあると思う。ただ、それと同時に本当に素晴らしい音楽っていうのは、別世界へと飛ぶと同時に自分たちの人生の良さみたいなモノも再確認できるっていう性質もあると思うんだ。逃げるだけではなくて、現実の素晴らしさみたいなものも気づかせてくれるっていうね。今回の僕らのアルバムはそういう役割も担っているんじゃないかなって思うよ。

 

―3~4年ほど前から、インディ・シーンを中心としたアーティストやリスナーの間では、そういったエスケーピズムが重要視されてきたと思います。わかりやすい点でいえばチルウェイヴと呼ばれていたアーティストやバンドたち何かがそれに当たると思いますが、彼らのような音楽にシンパシーなどは感じていましたか?

……チルウェイヴって何?そんなモノ本当にあるの?今勝手に作った?(笑)

―例えばウォッシュト・アウト何かが代表格に上がることが多いと思いますが……。

うーん、ウォッシュト・アウトかぁ……。僕の中では彼はいわゆる“インディ・バンドっぽい”サウンドを鳴らしていると思うんだけど、それを“チルウェイヴ”っていうのか……。メディアが新しい言葉を生みだして、実際よりも面白くみせようとする時ってあるよね。良い音楽っていうのは常に世に溢れているから、僕は“今、何がコンテンポラリーなのか”っていう観点からは音楽を聴いていないな。

 

―あなたたちが影響を受けた音楽以外の芸術作品を教えてください。

映画ならケネス・アンガー(Kenneth Anger)監督の『スコピオ・ライジング(Scorpio Rising)』とかかな。ケネス・アンガーの作品は結構(ホラーズの)みんなも好きだと思う。あと、チャールズ・マンソン・ファミリーの一員でもあったボビー・ボーソレイユ(Bobby Beausoleil)による同じくケネス・アンガー監督の『ルシファー・ライジング(Lucifer Rising)』(※主演のマリアンヌ・フェイスフルが「ヘロインを吸って3回観なければ理解できない」と語るカルト映画)のサントラとかもメンバー共通して好きな作品だね。

The Horrors / Luminous (jake-sya)(XLCD640).jpg

アーティスト名:The Horrors(ザ・ホラーズ)
タイトル:Luminous(ルミナス)
品番:BGJ-10199 (オリジナル品番:XLCD640J)
発売日:2014年4月30日(水)(海外発売日:5月5日)
レーベル:XL / Hostess
定価 : 2,371円+税
※日本先行発売 ボーナストラック、歌詞対訳、ライナーノーツ付 予定

※新曲「I See You」&「So Now You Know」iTunes配信開始&ニュー・アルバム
予約受付中!
リンク: https://itunes.apple.com/jp/artist/the-horrors/id214526280

<トラックリスト>
1. Chasing Shadows
2. First Day Of Spring
3. So Now You Know
4. In and Out Of Sight
5. Jealous Sun
6. Falling Star
7. I See You
8. Change Your Mind
9. Mine and Yours
10. Sleepwalk

 
■Biography
06年、デビュー前にも関わらずNME誌の表紙を飾るなど超ド級の注目新人UKバンドとしてシーンに登場。09年発表の2作目『プライマリー・カラーズ』が全英25位を獲得。NME誌1位他、国内外の年間ベストを総なめにした。11年の3作目『スカイング』が全英5位を獲得し、モジョ誌2位を獲得。12年2月に開催した第1回Hostess Club Weekenderでヘッドライナーを務める程人気バンドへと成長した。


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