Spincoaster Music Barのライブイベント「SPINCONNECT」その第1弾は今年のフジロックへの出演を控える女性SSW、大比良 瑞希。
このイベントは「アーティストとファンが一番近い、プライベートライブ」をコンセプトに企画したもの。チケットはソールド・アウト。当日券の問い合わせも相次いだ。
大比良自ら選んだハイレゾ音源をBGMとして使用したり、大比良の好きなカクテル“アマレットジンジャー”をアレンジしてこの日だけオリジナルカクテルとして提供したりするなどこの日だけの企画も実施した。
※プレイリストは文末に掲載
ライブでは彼女のプロデューサーでもある、チェロの伊藤修平とドラムのショウジ アキヒサがサポートとして参加。
『LIP NOISE』に収録されているソロ楽曲や、次回作にリリース予定の新曲、大比良の前バンド、ヘウレーカ時代の楽曲、そしてカバーなどを披露した。
大比良は小柄な体に黒とゴールドの“Gibson ES-335”というビジュアル的にはかなりギャップのあるギターを構える。それだけでも彼女が普通の女性SSWではないということが伺える。
(このギターは影響を受けたカナダのSSW、Feistに倣って選んだものとのこと)
しっとりとしたバラードからテンポを上げて牧歌的な雰囲気に展開していく「Back Mirror」や、軽やかなポップソング「Sunday Monday」、ループを駆使し、声や音を重ねながら、あの圧倒的な世界観を作り上げるBjorkのカバー曲「Hyper Ballad」、激しいオルタナティブ・ロックにアレンジした「Love love love」、可愛いらしいカントリーポップの「ひつじのうた」など、楽曲のバリエーションがとにかく幅広い。何よりもどんな雰囲気の楽曲にもフィットする大比良の歌声が本当に素晴らしい。艶やかで、力強い。とても芯のある歌声だ。
ライブ映像「Sunday Monday / Hyper Ballad」
※バイノーラル録音のためイヤホン・ヘッドホンの着用を推奨。
サポートの伊藤はカーボンチェロで指弾きと弓弾きを使い分け、楽曲に様々な表情を加え大比良の歌を引き立てる。ホーンテッド・マンションから連れて来たという(笑)ドラムのショウジは電子ドラムや電子パッドを活かして様々な音色のリズムを丁寧に刻む。制約があるからこそ、工夫とアイデアそして個々の個性がしっかりと感じられるライブが展開される。本当に面白い編成だ。
フジロックへの出演が紛れも無く彼女の実力で勝ち取ったものを証明してくれる濃厚なライブであった。
また途中でライブを中断してトークタイムが設けらた、リラックスした雰囲気はプライベートライブならでは。
筆者が聞き手となり、バンド時代から今に至る経緯やフジロックへの出演決定時のエピソード等、笑いを交えながら15分ほどトークを展開。
終演後は再び大比良が選んだプレイリストをBGMに、ファンとのコミュニケーションを楽しんだ。トーク中やリラックスしている時は、明るくて親しみやすい普通の女の子だ。きっとこれからより多くのファンを獲得してくだろう。今秋リリース予定の2nd EPにも期待したい。(Text by Nojima)
Setlist
2015年6月15日(月)@Spincoaster Music Bar
1.Back Mirror
2.つまさき / コバルトの世界
3.Sunday Monday
4.aspirasion
5.Hyper Ballad
6.love love love
7.Little Movement
8.ひつじのうた
Today’s Hi-Res Playlist Select by Mizuki Ohira
・Feist / The Bad In Each Other
・Bjork / Lionsong
・Diana Ross / Baby It’s Me
・lana del ray / west coast
・Jeff Beck / She’s A Woman
・St. Vincent / Birth In Reverse
・Norah Jones / Happy Pills
・UA×菊池 成孔 / Ordinary fool
・Seal / Get It Together
・宇多田ヒカル / Addicted To You (Up-In-Heaven Mix)
・The Velvet Underground & Nico / Sunday Morning
・Robert Glasper Experiment / Lovely Day
・Vanessa Paradis / Les Acrobates (Album Version)
・DaftPunk / give life back to music