FEATURE

Rootscoaster Vol. 177 / diue


坂本龍一にその才能を見出されたSSW・diue。多様な創作活動を行う彼女のルーツに迫る

2020.09.24

東京を拠点に活動するSSW、diue(ディウ)がRootscoasterに登場した。

坂本龍一がナビゲーターを務めるラジオ番組『J-WAVE RADIO SAKAMOTO』のデモテープ・オーディションにノミネートされたことをきっかけに本格的に音楽活動を開始したdiue。現在は音楽活動と並行し、インターネット・ラジオ局「渋谷クロスFM」にて自身がプロデュースする番組『TOKYOadd9』のパーソナリティを務めており、これまでにMimeや西原健一郎などのミュージシャンをはじめ、行定勲監督や映画プロデューサーの小川真司など、映画好きが高じて製作者との対談も実現。多趣味なdiueならではの番組となっている。

また、今年8月にはおよそ3年ぶりとなるニュー・シングル『ミラージュブルー / Memories』をリリース。ニューウェーブ、ネオ・アコースティック、インディ・ディスコに影響を受けて制作したという2曲は、彼女の透き通る歌声と心弾むグルーヴが心地良いサマー・ソングだ。

今回は多岐に渡る活動を通じて自己発信する彼女に、その音楽人生のターニング・ポイントとなった楽曲を挙げてもらった。

Text By Izumi Gibo(BUZZY ROOTS


1. Everything But the Girl / Rollercoaster

初めて夢中になった洋楽がEverything But The Girlでした。ループするコード進行の中、淡々と静かに興奮させるようなアプローチに衝撃を受けました。赤くメラメラと燃える炎よりも青くぽつんと静かに燃える炎のほうが、ずっと温度が高く圧倒的なものがあるなぁ……と、この曲を聴くといつもそんなことを考えてしまいます。


2. Ivan Lins / Abre Alas (Cantando Historias)

ピアノのボイシング、コード進行に衝撃を受けた楽曲です。Ivan Lins氏の楽曲はどの曲も包み込まれるような愛に溢れていて、緻密なコード進行を感じさせない心地良さがまた凄いと感じます。私がIvan Lins氏について語るなんて恐れ多いと思うほど偉大な作曲家です。CDバージョンも素晴らしいのですが、特にライブ・バージョンが好きなので今回はこちらを紹介させていただきます。


3. 坂本龍一 / Fotografia #1『トニー滝谷』サウンドトラック

私は映画を観ることも好きなのですが、中でも2005年公開の日本映画『トニー滝谷』は何度でも観たくなる作品です。原作は村上春樹さん。劇中では西島秀俊さんがナレーションをされていて、登場人物のセリフとナレーションがシンクロするような瞬間が何度もあるのですが、その場面を思い出すだけで鳥肌が立つほど好きです(笑)。切ないストーリーに寄り添う坂本龍一さんのピアノの旋律は孤独で美しく、音楽だけでなく映画を観ることをぜひおすすめ致します。


Message

とても悩みましたが、今までの音楽人生で“初めて聴いた時の衝撃”が強く残っている楽曲をセレクトしてみました。

今回の企画で、自分の音楽人生をじっくりと振り返る時間を頂きました。音楽を聴きながら、当時の自分、悩んでいた事、街の風景、匂いまでも蘇り懐かしさでいっぱいになりました。今さらながら、音楽の持つパワーを改めて痛感しています。今後も国内外ジャンルレスに様々な音楽を吸収していきたいです。

8月5日(水)リリースのdiue feat. Alvinのニュー・シングル『ミラージュブルー / Memories』。Fontana Folleのインドネシア出身シンガー、Alvinとコラボした夏の終わりにぴったりのナンバーです。ぜひ聴いてください!


Profile

diue

坂本龍一氏の番組『J-WAVE RADIO SAKAMOTO』にノミネートされた事を きっかけに本格的に音楽活動を開始。 別名義での活動を経て2016年、diueとしてソロ・ユニット始動。2017年TOWER RECORDSレーベル〈Here play pop〉よりデビュー。 楽曲「Primary Code」がアパレル・ブランド〈Hush Puppies〉TVCM、『ジャパンビーチバレーボールツアー』2017年〜2019年南あわじ大会の応援ソングに起用され、話題を集める。

また、ラジオ局・渋谷クロスFMにて自身がプロデュースする番組『TOKYOadd9』のパーソナリティを務めるほか、楽曲提供、ナレーションなど活動は多岐に渡る。

diue オフィシャル・サイト


Spincoaster SNS