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REPORT | RUNG HYANG “CLASSIC” SPECIAL EDITION


Kan Sano、KOHEI JAPANも登場。サプライズと音楽愛に彩られたWリリースパーティ

2024.07.03

Text by Hiroyuki Suezaki
Photo by MUCKYLEE
Hair & Make up by Megumi Kuji

シンガーソングライターとして、プロデューサーとして、そして音楽を志す若者を導く指導者として──さまざまな顔で活躍しているRUNG HYANG。6月29日(土)、東京は南青山のBAROOMでは、5月に発表された最新EP『CLASSIC』と、人気曲“Trapped”のアナログ7インチレコードが6月にリリースされたことを記念したWリリースパーティが開催された。

全席完売となったこの日、まずは「ルンヒャンゼミ」出身の松本千夏のオープニングアクトからスタート。ルーツである路上ライブを意識して、特徴的な円形ホールの中央に座り込み、ひとりギターで弾き語る。師匠への敬愛の念も語りながら、デビュー曲“歌って”と、RUNG HYANGがプロデュースを務めた新曲“キッチン”の2曲を披露し、満席の会場を温めた。

続けてRUNG HYANGが登場し、『CLASSIC』でもオープニングを飾る“Trip”と共に本編が開幕。RUNG HYANGは砂山淳一(Ba.)、大樋祐大(Key.)、菅野知明(Dr.)の辣腕プレイヤーたちを従え、時にホールに鎮座するグランドピアノを弾きながら、前半では最新の『CLASSIC』から2019年の『DOCUMENTARY』までここ5年の曲を歌っていく。中盤に披露された“Metronome”では、音源でフィーチャーされていたKOHEI JAPANが客席から登場するサプライズが。待たれるKOHEI JAPANのニューアルバムにはRUNGHYANGも大きく関わっているそうで、息の合ったコラボは会場の熱を否応なしに上げていった。

ライブの定番となっている人気曲“ギターを抱いて”では、オープニングアクトで登場した松本千夏もギターとコーラスで参加。会社に辞表を出してまで一度はあきらめたミュージシャンの夢を追いかける青年の姿を歌ったこの曲の物語に、まさにギターを抱いて歌ってきた松本が寄り添うことで、さらに世界観が広がるようなステージに。松本はそのまま“不機嫌なガール”などにも参加し、このパーティに「千夏色」の彩りを加えていた。

後半戦では、恒例となっている「お題セッション」も。お題セッションとは、客からランダムに「お題」となるワードを集め、そのワードを(そのままの意味とは違う使い方で)織り交ぜた歌を即興でつくり、披露しなければいけないという企画。客として来ていたMARUとZINという2人の実力派シンガーたちをRUNG HYANGがステージに呼び寄せ、「リンゴジュース」「BAROOM」「マグネット」という3つのワードをそれぞれ担当、3人3様のフリースタイルで見事に“整えて”みせ、会場を沸かせた。(※編注:お題セッションの様子はYouTubeで公開された

タイトなビートとグルーヴで躍らせる“AWAKE”でさらに盛り上げた後、終盤はしっとりと締め括る。『CLASSIC』収録のラブソング“Love me”には、ヴィオラ奏者の村田泰子がやはり客席からステージに降りて参加。そしてパーソナリティを務めたblock.fmの番組でのお悩み相談から誕生した“嫌いな人”をバンドアレンジによるヴィヴィッドなグルーヴで聴かせ、本編はここで一旦、幕を閉じる。

アンコールの声に応え、オリジナルTシャツに着替えたラフな格好で再登場したRUNG HYANGは、ピアノ1本で切ないバラード“TUNING”を披露。続けて、“Trapped”の7インチにリミックスを提供したKan Sanoが客席からサプライズ登場し、Sanoの流麗なピアノプレイをフィーチャーした“Trapped”が始まる。Kan Sanoはこの日、八重洲で開催されたフジロックのプレイベントに出演した後に駆け付けており、RUNG HYANGとは二度目まして、大樋と菅野とは初対面という中での即興的なパフォーマンスとなっており、この夜にしか聴けない、あまりに貴重なセッションだったといえるだろう。

アンコール3曲目にしてラストを飾ったのは、「大人こそまず遊び、楽しんでほしい」という願いが込められた“オトナの時間”。着席していた客が全員スタンドアップし、ステージに降りて踊るのも自由、というまさにこの曲のメッセージが体現されたようなパフォーマンスで会場全体が笑顔に包まれ、大団円を迎えた。

『“CLASSIC” SPECIAL EDITION』と銘打たれたこのリリースパーティでは、公演終了後にホール横のバーにてDaBookのDJをフィーチャーしたアフターパーティも開催。RUNG HYANGらがファンと自由に交歓する場が設けられたほか、RUNG HYANGプロデュースの1stシングル“Groove Up”をリリースしたばかりのereがMPCプレイと共に同曲をお披露目する場面もあり、音楽愛に包まれた和やかな場に。

ケンブリッジ英英辞典によれば、「party」とは「話したり、飲んだり、踊ったりするために人々が集う社交的な催し。しばしば特別な日を祝うために行われる」とあるが、まさに『“CLASSIC” SPECIAL EDITION』は最後まで、その言葉通りの「パーティ」だった。

Setlist
▼松本千夏(O.A.)
1. 歌って
2. キッチン

▼RUNG HYANG
1. Trip
2. RELIFE
3. Well
4. Weakness
5. グラデーション
6. Metronome (with KOHEI JAPAN)
7. ギターを抱いて (with 松本千夏)
8. 不機嫌なガール (with 松本千夏)
9. “お題セッション” with MARU & ZIN
10. AWAKE
11. Love me (with 村田泰子)
12. 嫌いな人
En1. TUNING
En2. Trapped (with Kan Sano)
En3. オトナの時間


【イベント情報】


『“CLASSIC” SPECIAL EDITION』
日時:2024年6月29日(土) OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京・南青山BAROOM
出演:
RUNG HYANG

[MEMBER]
RUNG HYANG(Vo., Pf.)
大樋祐大 from SANABAGUN.(Key.)
砂山淳一(Ba.)
菅野知明(Dr.)

[OPENING ACT]
松本千夏

[MUSIC SELECTOR]
DaBook

[SHOT LIVE]
ere

RUNG HYANG オフィシャルサイト


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