REPORT & INTERVIEW

ravenknee

2nd EP『PHASES』をリリースしたravenknee。彼らのルーツに迫るプレミアムなトーク・セッション

都内で活動する5人組ロック・バンド、ravenknee。昨年12月結成ながら、早くも今年4月には『1st EP』をリリース。テン年代以降の海外インディ・ロック〜ベース・ミュージックまでを感じさせる、そのハイブリッドなサウンドに国内のインディ・リスナーの注目を集め、以降“SUMMERSONIC 2018”や“MINAMI WHEEL 2018”、“ビクターロック祭り番外編 「Dog Run Circuit’18」”などのイベントに出演。急速的に活動の幅を広げていく中、11月には2nd EP『PHASES』をリリースした。

そんな今作『PHASES』のリリースを記念して、Spincoaster Music Barにてトーク&スペシャル・セットでのライブ・イベントを実施。本稿では公開インタビューとも言える、そのトーク・セッションの様子をお届けする。彼らのルーツとなる音楽を中心に、ファンも知らない貴重な話を色々と伺うことができた。彼らが作成したプレイリストと合わせてチェックして欲しい。

Text&Photo by Nojima


[L→R:松本一輝(Gt.) 山口勇人(Per./Mani.松本祥(Vo./Gt.)東克幸(Dr.)安田照嘉(Ba.)]


――ravenkneeは昨年12月に松本祥さんを中心に結成されたとのことですが、ravenkneeを結成した経緯を教えて下さい。

松本祥:僕が元々色々なバンドでギターを弾いていたのですが、自分が曲を作ってボーカルをとるバンドをやりたいとずっと思っていたんです。ようやく曲ができたので、これまでに対バンで仲よくなった人とか、自分がカッコいいなと思った人に声をかけて結成しました。

――では、基本的にみなさんはライブハウスで出会われたと。

松本祥:そうですね。ベースの安田だけ地元が一緒で、岡山でバンドをしていた頃からの知り合いなんですけど、それ以外のメンバーは渋谷のライブハウスとかで出会った感じですね。

――バンドを結成した時に、音楽的な方向性や目指しているものはどのように共有したのでしょうか?

松本祥:みんな色々なジャンルの音楽が好きなんですが、被っているところも結構大きくて。色々な音楽を混ぜて新しいことをしたいというのと、何より自分たちが楽しいと思えることをやりたいという話はしていました。

松本一輝 :ただ、具体的に「こういう感じでやろう」っていうような話は一回もなくて、その時その時で自分たちがいいと思うものをやっている感じですね。

――ravenkneeというバンド名の由来は?

松本祥:Radioheadが好きで「Ra」で始まるバンド名にしたかったんですよね。あと、僕の父親の名字が「Ravenhall」って言うんですけど、そこから“raven = カラス”ってカッコいいなと思って。最初はravenheadにしようと思っていたんですが、なんかハードコア・バンドっぽいなと思って(笑)。それで、「頭(head)はやめて、膝くらいにしとこう」ってことでravenkneeになりました。あと、検索したらすぐに出てくるように造語にしたかったというのもありました。

ravenknee ロゴ

――検索、大事ですからね(笑)。では、このバンド・ロゴはどうやって決まったのでしょうか?

安田:このロゴは僕が作ったんですが、幾何学模様がいいっていうことだけ言われていて。この中にravenkneeのアルファベットが大文字で全部入っているんで、ぜひ探してみて欲しいです。Vがいっぱいあるのですが、それはみなさん一人ひとりのお気に入りのVを見つけてもらえたらと(笑)。

――しばらくの間、アーティスト写真は公開せずにこのロゴを使っていましたよね。

松本祥:アーティスト写真を公開したのはつい先々月ですね。

安田:先入観がないほうがいいかなと思って、スタート時は匿名性を重視して活動していましたね。

――さきほど、みなさんの好きな音楽がバラバラと言っていましたが、これまでどういった音楽に影響を受けてきたのか、それぞれ具体的に教えてもらってもいいですか?

松本祥:僕は最初、親にLed Zeppelinをガンガンに聴かされて。中一のクリスマス・プレゼントにZeppelinのタブ譜と4枚目のアルバム(『Led Zeppelin IV』)をプレゼントしてもらって、そこからですね。なので、生音のギターがガンガン鳴っている、ロック系の音楽を中心に聴いていました。最近はエレクトロとかダンス・ミュージックをよく聴いています。ODESZAとか。あと、オーストラリアのエレクトロニックなアーティストにハマっていますね。

安田:僕はビートの揺れているヒップホップが好きで、D’Angeloとかスリップ・ビート気味な音楽が好きで。そういう揺れ感のある曲もこのバンドで出せていけたらと思います。

:僕もLed Zeppelinからなんですが、それ以外にもThe Bandとか60年代、70年代のクラシックなところから入って。色々聴く中でYMOとかエレクトロな音楽も好きになりましたね。

松本一輝 :僕はボーカルとかなり趣味が近いんですが、そもそも音楽を初めたキッカケが、高校になぜかあったジャズ研に入ってしまったからなんです。でも、ジャズをやるはずだったんですが、フュージョンの「Room335」(Larry Carltonの代表曲)という曲があるんですが、当時あれを極めようということになって、一年位それしか弾けなかったんです。他の高校の人にも「Room335の人」って言われるくらい(笑)。なので、ジャズやフュージョンを通っているのは他のメンバーと違うところかなと思います。

山口:僕はravenkneeの音楽とはかなり離れているんですが、USパンク、Green DayとかBlink-182とかから入って。元々ドラムをやっていたんですが、そのキッカケもSUM41ですね。ずっとバンドが好きだったんですが、二十歳くらいの時に大学の友達について行って初めてクラブに行って、The ProdigyとかChemical Brothersとか、当時流行っていたビッグ・ビート系のダンス・ミュージックが流れていたんですけど、そこでエレクトロニック・ミュージックの高揚感を知って以降、電子音も聴くようになった感じですね。

――なるほど。本当にバラバラですね。そんなみなさんがオススメする楽曲をまとめた『ravenknee / recommend』というプレイリストも公開されています。この中で特に推しの曲はありますか?

松本祥:2曲目のODESZA「Loyal」が今年イチですね。めちゃくちゃカッコいいです。

松本一輝 :自分が入れようと思った曲が全部先に入っていたんで、僕のセレクトではないんですがChet Fakerの「Gold」ですね。エレクトロにブルースとかジャズのメロディが入っている感じがすごい好きですね。

山口:ONUKAはいいですね。祥くんに教えてもらったんですが、ウクライナのアーティストで。そんなに有名ではないんですが、すごい衝撃を受けましたね。

安田:このPOINT HOPEの「トンネルを抜ければ」っていう曲がめっちゃくちゃ好きです。今度1月のレコ発にも出てくれるんですが。本当に辛いことがあるとこの曲聴きます。

:井上陽水の「氷の世界」もいいですよね。

――ジャズ・ギターの巨匠、Wes Montgomeryも入っていますね。

松本一輝 :自分が入れました(笑)。他との被りが多かったので、このジャンルなら被らないだろうと思って。この辺は全部弾けます!

――それでは、先日リリースされた2nd EP『PHASES』についてお伺いします。前作『1st EP』を踏まえて、自分たちとしてはどのような作品になったと思いますか?

松本祥:『1st EP』は外へ向けて作ってはいるものの、僕が「バンドを始めるぞ!」ってメンバーを集めるためのプレゼン用という側面もあり、流通もしていなくて。自分的にはスタートの一枚目っていう感じでした。そこから『PHASES』は初の全国流通ということもあり、もっと外向きにしたいという想いがあって、日本語の曲も入れて『1st EP』以上に色々なジャンルを取り込んだつもりです。「色々なことをやりたい」という僕らのアイデンティティが表れた、自己紹介となるようなEPになったんじゃないかなと思います。

――楽曲は全て『1st EP』リリース後にできたものなのでしょうか?

松本祥:そうですね。『1st EP』を出したのが4月末なんですけど、5月くらいには4曲くらいできていて、その内2曲はお蔵入りになったんです。「OCEAN」はそれより後にできた曲で、「日本語で早くてスケール感のある曲を作るぞ!」って意気込んで一週間くらいで急いで作った感じですね。

――今おっしゃった通り、「OCEAN」はravenkneeにとっては初の日本語曲となりますが、なぜ日本語でやろうと?

松本祥:元々、英語にこだわりがあったわけではなくて。英語でやっていたのも、自分が好きな音楽が英語の曲が多いから、くらいの理由しかなくて。日本語詞の曲も聴くし、歌うのも好きだし。聴いてる人の頭にスッと入ってくるものにしたかったので日本語にしました。

――祥さんはイギリス人とのハーフとのことですが、バイリンガルな家庭だったのでしょうか?

松本祥:いや、父の日本語がペラペラだったので、英語は全然なんです。本当にスムーズな岡山弁を喋るイギリス人で(笑)。しかも、仕事は焼き物を作る陶芸家っていう。

――渋いですね。EPの話に戻るのですが、「OCEAN」は「スケール感のある曲」を目指したとのことですが、具体的にはどういったイメージで?

松本祥:この曲はOf Monsters and Menというバンドからの影響が大きいんです。アイルランドのアーティストで、ちょっと民謡(フォーク)っぽい要素が入っているロック・バンドなんですが、僕はその民謡っぽい感じが好きで。「OCEAN」のメロディを作る時も参考にしましたね。元々、僕はギタリストだったので、中々ギター・サウンドから離れられなかったっていうのがあって。その反動でravenkneeの初期ではエレクトロ寄りの曲を多く作っていたんですが、この曲ではまた揺り戻しがあったというか。スタジアムとか野外で映える曲が作りたかったっていうのもありましたね。しかも今回、日本語で歌っているので「こういうのもできんの!?」と思ってもらえるような曲にできたんじゃないかと思います。先程「曲ごとに違うバンドみたい」って言ってもらいましたが、まさにそういうバンドになりたくて。

――今回、EPの制作に影響を与えた楽曲をまとめた『for PHASES』というプレイリストを新たに作成したんですよね。Of Monsters and MenやThe Oh Hellosが「OCEAN」に影響を与えているということですね。2曲目「paint」はやはりというか、バンド名の決め手にもなったRadioheadを意識したものでしたね。

松本祥:そうですね(笑)。いつも僕は鍵盤で曲を作るんです。5度のハモリでコードを弾いて打ち込んで作っていくんですが、それではこのRadioheadっぽい感じにならないなと、今回はギターで曲を作ろうと思ったので、ギターでしか出せないコード感を出したかったんです。特にサビの部分は弾いていて本当に気持ちいいと思うコードを並べて作っていった感じですね。感覚で作ったので、このコード感の曲は他には中々ないんじゃないかなと思います。

――みなさんが考える、Radioheadの魅力ってなんだと思いますか?

松本祥:エモいところですかね。

――エモい……(笑)。

松本祥:一輝さん説明してください(笑)。

松本一輝 :えーっと。ravenkneeって自分たちの広い好みの中から、いいとこ取りをして、それを上手く混ぜ合わせて新しい音楽を作っていくっていうバンドだと思っているんですけど、そういう点ではRadioheadも同じタイプだと思っていて。様々な既存の音楽から要素を抽出して、それを組み合わせて新しいモノにするっていうところにシンパシーを感じて、僕らは惹かれているんだと思います。

――3曲目「OVERDOSE」はトロピカルなEDMの要素が強い楽曲となっています。この楽曲以外にも、ravenkneeの作品は「踊れる」ということを重要視しているように感じます。

松本祥:そうですね。僕は基本的にはチルな音楽が好きなんですけど、やっぱりライブだとブチ上がりたんいんで。この曲はその中でもとびきりのブチ上がり要員ですね(笑)。ゴリゴリのEDMをイメージして作ったんですが、こういう曲をDJではなくバンドでやるおもしろさや熱量みたいなものを、ライブで感じてもらえたらいいなと思って。

――あと、この3曲を通して感じたのは、祥さんの歌い方や声の聴こえ方が全然違いますよね。流し聴きしていると、本当に違うバンドかと思ってしまったほどで。これは意識的なものですか?

松本祥:そうですね。そう言われたくて(笑)。色々なタイプの歌い方が好きで、今後もたくさん違う歌唱法を試していきたいですね。

――メンバーのみなさんは祥さんのボーカルを、どのように捉えていますか?

安田:Radioheadじゃないんですけど、エモい部分がしっかりある沢山の種類のメロディを思いつくところが強みだと思います

松本一輝 :あと、ボーカルの距離感の使い方が上手いなと思います。息の混ぜ方も調整して近い声で歌ったり、広く歌うところはちゃんと遠くまで届くような広い声を出せているので、その使い分けがすごいなと。

――今後、バンドとして目指す方向などは決まっていますか?

松本祥:『PHASES』の4曲目には「paused」のphaiによるリミックスが収録されているんですけど、彼らのように自分の周りにはカッコいい音楽を作っている人がいっぱいいるので、そういう人たちと一緒にシーンを作っていきたいという想いがあって、今回のリミックスもお願いしたんです。また、自分の曲はトラックメイカーっぽい曲作りをしているので、自分たちも色々な音を試したり、色々な角度から曲を聴いてもらえたらいいなと思っています。今日もリミックスしたバージョンでライブをするんですが、将来的にはリミックス・アルバムも出せたらなと思っています。

安田:あと、ラッパーを入れてやってみたいですね。Flumeみたいに、エレクトロニックなトラックにラップを乗っけているような曲もカッコいいなと思っていて、まだ日本で、バンドでそういったことをしている人たちっていないんじゃないかなと。誰かがやる前にやりたいですね(笑)。

松本祥:実は「誘うならアイツ」っていうのはもう決まっています(笑)。

――自作以降も楽しみにしています。最後に今後の目標を教えて下さい。

松本祥:来年はたくさんフェスに出たいですね。フジロックのルーキー(“ROOKIE A GO-GO”)とか。サマソニも今年悔しい思いをしたので。リベンジしたいです。あと将来的には大きいところでやりたいっていうのはもちろんありますが、海外にも出られたらいいなと思っています。

■Set List
1.OCEAN(self remix ver.)
2.daydreaming(self remix ver.)
3.AJISAI
4.paused(self remix ver.)
5.OVERDOSE(self remix ver.)


【リリース情報】

ravenknee 『PHASES』
Release Date:2018.11.21 (Wed.)
Label:Lastrum
Cat.No:LASCD-0087
Price:¥1,200 + Tax
Tracklist:
01. OCEAN
02. paint
03. OVERDOSE
04. paused –remixed by phai-


【イベント情報】

“ravenknee Release Party in Tokyo -PHASES-”
日時:2019年1月11日(金) OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京・渋谷 TSUTAYA O-nest
料金:前売り ¥2,000 / 当日 ¥2500 (各1D代別途)
出演:

【BAND】
ravenknee
POINT HOPE
gato
Susedd

【DJ】
TIPS

チケット:
チケットぴあ Pコード(132-564)
ローソンチケット Lコード(72515)
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ravenknee オフィシャル・サイト

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