ラッパー・スポークンワーズ・アーティストの“なのるなもない”と、プロデューサー・YAMAANによる共作アルバム『水月』が本日10月10日(火)にリリースされた。
2002年頃から志人とのユニット・降神として活動し、日本語のヒップホップの言語表現の枠を大きく拡張してきたなのるなもない。ソロでは『melhentrips』(2005年)、『アカシャの唇』(2013年)などの作品を発表し、日常の中にある小宇宙を詩的な感覚で掬い上げ、ラップやスポークンワーズという形で表現してきた。
一方、YAMAANは降神や多彩なアーティストが在籍するクルー・Temple ATSのメンバーとして活動を開始。アンビエントやヒップホップ、ハウスなどを行き来しながら活動し、2020年に『幻想区域EP』を発表。翌年にはアンビエントとメンフィス・ラップにインスパイアされたCHIYORIとの共作『Mystic High』を発表した。
なのるなもないとYAMAANは『melhentrips』収録の「shermanship」をはじめとして多くの楽曲を生み出してきたが、アルバムを共作するのは今回が初。タイトルの『水月』から想起されるように、しなやかで静的なムードも漂うトラックの上で、なのるなもないの小宇宙が展開する作品となった。瑞々しいニューエイジ・アンビエント的なサウンドと真夏の白昼夢のようなリリックでアルバムの幕をあける「空よりも青く」や、躍動的なビートの上で生命や時間についての考察、死生観をも感じさせる詩が力強く歌われる「Beacon」。ディープ・ハウスなトラックに官能的なリリックとスクラッチが心地よく刻まれる「優しくして」、不条理で暴力的な社会に対するリリックをトラップ・サウンドの上で綴った「Criminal Spirituals」など、なのるなもないとYAMAANの様々な側面が表現された8曲入りのアルバムとなっている。
アルバム中の2曲にはTemple ATSのメンバーでもあり、数々のDJバトルでも実績を残してきたDJ SHUNがスクラッチで参加。楽曲の世界観に呼応した音楽的でスキルフルなスクラッチを演奏してくれている。アルバムのオリジナル・アートワークは尾道在住の画家、白水麻耶子。深い緑の森や水辺のような不思議な心地良さを持った絵画 が『水月』の世界観を押し広げている。
さらに、オリジナル・アートワークを元にデザイナーTakara Ohashiがディレクションを担当。今回モノとしてリリースするおもしろさを大切にしたいという意向を汲み、箱庭型に組み立てが出来るジャケットを監修した。
なお、本作は自主レーベル〈studio melhentrips〉からの記念すべき第一作。フィジカルはCD、デジタルはBandcamp、各種ストリーミング・プラットフォームにて発表となる。
【リリース情報】
なのるなもない, YAMAAN 『水月』
Release Date:2023.10.10 (Tue.)
Label:studio melhentrips
Tracklist:
1. 空よりも青く
2. Beacon
3. Bloom Rain
4. 優しくして feat.DJ SHUN
5. モールスコード
6. Criminal Spirituals
7. VIBLE feat. DJ SHUN
8. 物語をはじめよう
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