西東京は吉祥寺を拠点とするDJ/ビートメイカー/プロデューサーのIRONSTONEが初のソロ作品『LET THE DOG IN THE HOUSE, LET THE HUMAN DIE OUTSIDE』を本日3月22日(火)にリリースした。
ハードコア・バンドのギタリストとして音楽キャリアをスタートさせ、現在も自身のバンドからサポートを含め様々なバンドで活動しているIRONSTONE。2020年からのコロナ禍を受け、自分ひとりで完結できる音楽を追求するべく本格的にビートメイクに没頭。自らのスタイルを“魔ミュージック”と提唱し、ビートメイカーとしてのキャリアを本格始動させた。
凶暴な808ベースとムーディーなメロディが絡み合い、イントロから最後まで情景を想像させるようなストーリーテリングな展開が印象的な今作には、KMC、RHYDA、東金B¥PASS、BDR、愛染 eyezen、CHEN THE PHARAOH、AIWABEATZ、Eclipse Sound Systemといった関東のシーンで活躍するラッパーやビートメイカーたちが参加。ミックス・マスタリングとダブワイズはMaL(PART2STYLE)が担当している。
ドリル/トラップをどのように消化してオリジナリティのある楽曲を生み出すか。東京・吉祥寺を拠点に活動するDJ/ビートメイカー/プロデューサーのIRONSTONEのファースト・アルバムは、そうした現代的な課題へのひとつの回答と言えよう。また、複数のラッパーを客演に迎えた本作は、国内のラップ・ミュージックのシーンにも刺激を与え得る作品であろうし、そうした期待を抱かせる新鮮さがある。
ハードコア・バンドのギタリストとしてキャリアをスタート、現在も複数のバンドでギターを弾くIRONSTONEは、コロナ禍以降に本格的にビート・メイクに取り組み始めたという。特定の音楽の領域に留まらず活動してきた彼らしい面々と共同制作しているのも重要なポイントだ。
例えば、DJ/ビートメイカー、AIWABEATZとの共作“∞”(インフィニティ)はニューエイジ・ミーツ・ドリルとでも形容したくなる。さらに、ベース・ミュージックやトロピカルなサウンドと日本語のラップの混合に挑戦し続けるラッパー、RHYDAとの“anmo”は、パーカッションや打楽器、または“和”のテイストを加え、“お祭り男”の個性を上手く引き出している。もうひとつだけ例を挙げるとすれば、ラッパー、愛染 eyezenとの“HYPER BURN”では、定番リディムの“Sleng Teng” を用いたドリルを展開する。
このように、異なる作風の楽曲が並ぶ本作は、高田馬場にあるクリエイティブレストラン「九州珠-KUSUDAMA-」が2021年後半に始動させたばかりの音楽レーベ「HOODISH RECORDINGS」からリリースされる。そして、レーベル第一弾作品を発表した MaL が今回の作品の制作にも携わる。すなわち、IRONSTONE のユニークなデビュー作は、ドリル/トラップ、日本語ラップ、ベース・ミュージックの交点であり、また、場と場、人と人が繋がっていくクラブ・カルチャーやパーティーの現場のいまを伝えてもいるのだ。(二木信/音楽ライター)
【リリース情報】
IRONSTONE 『LET THE DOG IN THE HOUSE, LET THE HUMAN DIE OUTSIDE』
Release Date:2022.03.22 (Tue.)
Label:HOODISH RECORDINGS
Tracklist:
1. INTRO -Let The Dog In The House, Let The Human Die Outside-
2. WTT (feat. BDR)
3. INSIDE OUT (feat. 東金B¥PASS)
4. ∞ (feat. AIWABEATZ)
5. XXX呼んでDRILL -MaL's Masking Dub- (feat. KMC)
6. HYPER BURN (feat. 愛染 eyezen)
7. Super Shining Stone (feat. Eclipse Sound System)
8. anmo (feat. RHYDA)
9. OUTRO -DOG RUN-
10. CURSE (feat. CHEN THE PHARAOH)