21歳、「ラッパーでもバンドでもない」アーティスト・Mom(マム)が少し前に公開した新曲「スカート」が素晴らしいのでご紹介します。
キックの打ち方や小気味よく切り刻まれたシンセ・リフなどからは、トラップとフューチャー・ビーツ/フューチャー・ベース以降のセンスを感じさせつつも、そのプロフィール通りラップと歌の中間のようなフロウでメロディアスなフックを繰り出す様は、どこかSminoやLeven Kali辺りを引き合いに出したくなりますが、リリックやメロディはとても日本的。
ドリーミーな上音や時折挿入されるギターからは、昨今のバンド・シーンとの親和性も演出しつつ、しかし、最終的にはどこに括ればいいのか全くわからない素晴らしく横断的な一曲。レトロなアニメやゲームの映像を切り貼りしたMVもどこかフューチャー・ファンクっぽくてナイスです。
https://youtu.be/d7eJFcLGNs8
今年1月に〈Ano(t)raks〉よりリリースした1stアルバム『BABY LIKE A PAPERDRIVER』は、その影響源/フェイヴァリットにA$AP MobやOdd Future、小沢健二を挙げるセンスそのままに、ドリーミーかつチルアウト気味なトラックに、メロディアスな日本語詞を乗っけた不思議なポップネスが光る一枚。
また、ここ最近UPされた他の曲を聴いてみても、レゲエ〜ダブ + R&Bな、思わずフィッシュマンを想起させる「いたいけな惑星」、シカゴ辺りの新興ヒップホップ勢とのリンクを感じさせる「That Girl」、歌謡曲〜J-POP的なポップセンスが光る「東京」などなど、様々なジャンルからの影響を感じさせながらも、いずれも自らのオリジナリティを強く反映させた作品としてアウトプットしていることがわかります。
この器用さはちょっとタダモノじゃない。今後もその活動に注目していきたいと思います……!
人気のないイートインスペース、流行りの服に疲れたミュージック。埃をかぶる気持ちに優しく息を吹きかけてあげるよ。眩しい君のスカート、だけど見たいのは心の中。不機嫌な雲を追い越して、今すぐ君に会いに行こう。クラフトヒップホップは終わらないぜ。
Mom / スカートhttps://t.co/Uv8dH0wl64 pic.twitter.com/itfUhyfAtd
— Mom(マム) (@karibe_mom) 2018年5月4日