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INTERVIEW | Skaai


『Gnarly』な日々を乗り越えて──変化した価値観、音楽家としての成長

2025.12.23

Skaaiが1stアルバム『Gnarly』を12月3日(水)にリリースした。

これまでもヒップホップに軸足を置きながらさまざまなジャンルに踏み込んできたSkaaiだが、今作では生楽器を基盤とした制作スタイルに移行し、さらに音楽性を拡張。自主レーベル〈FR WIFI〉の共同メンバーでありプロデューサーでもあるBadFriends、uin、yuya saitoを中心に、Keity(Ba.)、熊代崇人(Ba.)、梅井美咲(Key.)、eiji nakamura(Key.)、Cure Kaito(Gt.)といった第一線で活躍するミュージシャンが参加し、客演にはトランペッターの寺久保伶矢(Reiya Terakubo)、シンガーソングライターの岩崎桃子を迎え、全曲のマスタリングに〈w.a.u〉のKota Matsukawaが携わるなど、制作に関わった面々からしてもわかる通り極めて大胆な変化を内包した作品となっている。

そして、リリースから程なくして映像作品「Gnarly (full film)」も公開。そこには『Gnarly』という作品が、データのやり取りのみで生まれたものではなく、ミュージシャン同士の有機的な繋がりから生まれたものであることを証明するような、凄まじい熱量の演奏がパッケージされている。もしかすると、かつてはSoulquarians周辺で、最近で言えばDijonの周辺で発生した音楽の世界の大規模な地殻変動が、Skaaiのいる場所からも起きようとしているのかもしれない。果たして、Skaaiに何があったのか。たっぷりと語ってもらった。

Interview & Text by Daiki Takaku
Photo by Ryo Sato


「音楽の本質を探る旅」

――本当に素晴らしいアルバムでした。

Skaai:出してよかったです。個人的な意味でも、反応的にも。「Skaaiってラッパーは文化的な方向に進むと思いきや、ただ音楽に狂わされてる」みたいなリアクションもあったりしました(笑)。本当に音楽に狂わされた1年だったから、嬉しいですし、気持ち的にはこの作品をリリースしてどこかすっきりしています。

――これが1stアルバムというのも驚きです。

Skaai:ヒップホップをやっていく上で大義名分がない限りアルバムって出しにくいと思っていたんですよ。ストリーミングの時代だから、シングルを出してそれを地道に伸ばしていくのが主流のやり方じゃないですか。それを頭で理解していたからアルバムになかなか振り切れなかった。でもここでブレイクスルーしたかったし、自分のこれからの活動や音楽性をひとつ提示しておきたい段階に来たので、それをやるにはアルバムしかないだろという発想に至ったんです。

――そういった気持ちが固まったのは具体的にいつ頃でしたか?

Skaai:今年の初めくらいですかね。去年はシングルを1曲リリースしただけで、他は客演参加だけ。出した曲も自分と荘子itさんの2人名義の曲(“変な空気”)だったんです。その時期は自分のこれからについてもめちゃくちゃ考えていたタイミングでもあって。制作の時間をそこまで取らなかった分、自由にできる時間が多くて、夏は海に行って泳いだりして(笑)。それまであまりやってこなかったことをして、動物的な感性を育んだ1年でした。

Skaai:同時に去年はyuya saitoとAlex Stevensという2人の音楽家とシェアハウスを始めました。それから楽器をやっている友だちがめちゃくちゃ増えていって、より音楽的な深みについて焦点を当てることが増え、バンドのおもしろさにもこれまで以上に気づけた。自分のなかでも音楽的な価値観がガラッと変わったタイミングでもあったんです。

それを経た結果が今年のEP『Podium』(KMとのダブルネームEP)とアルバム『Gnarly』です。だから去年と今年の2年間は、音楽の本質を探る旅と呼べる時間だったかなって今は思います。

――音楽的な価値観が変わったんですね。

Skaai:それが自分にハマっているかどうかは聴く人次第だと思うんですけど、自分がやりたいのは、ステージ上で起きる熱狂を作ることだと定まったんです。

自分はアーティストと名乗っているのなら、アートをやるべきだと思っています。他人に押し付ける気はないけど、常にオリジナリティと新規性を追求するべきじゃないかって。その上で、自分がアーティストとして最も価値を生み出せるのはどこなんだろうってずっと考えてたんですけど、それはやっぱりライブ、セッションだなと。「とんでもないものを観てしまった」と思うようなライブをすること。これはDijonと出会ったことと、Kassa Overallのライブを観た影響が大きかったですね。

――どのような影響を受けたのでしょう?

Skaai:音楽的な影響というより姿勢ですね。Dijonの場合は、彼だから集まってきたチームがある。そのチームがひとつの部屋にみんなで集まってセッションして、そこで生まれたグルーヴを精一杯楽しんで、魂を込めて歌っている姿勢に喰らいました。

Skaai:音楽的なところは自分がこれまで聴いてきたもの、例えばD’Angeloとか、ジャズやファンク、R&Bなど。もちろん軸はヒップホップにずっとあるんですけど、それらを全部さらけ出そう、今の自分を築いてくれた音楽に感謝しよう、というアルバムになっていると思います。

その上で、「このジャンルが好きだからこの要素を入れよう」という発想はしないようにしていて。本質的なゴールはステージで熱狂を生むことにあるというのを意識して作っていきました。


ヒップホップに対する葛藤と愛情、変化した価値観

――外側から見ていた印象なのでまったく違っているかもしれないのですが、Skaaiさんはこれまでヒップホップの持つストリート性のようなものに対して大きな葛藤を抱いていたように見えました。このアルバムには、そういったものを振り切った感覚もあるように感じます。

Skaai:葛藤はずっとありましたね。ヒップホップの現場においては常にアウェイでしたし。ヒップホップってやっぱり下積みだったりフッド(地元)が大事で、それはヒップホップカルチャーにおいては絶対的に重要なことだと思うんですけど、自分にはそれがない。そこにずっとコンプレックスを感じていました。

自分はそもそもストリートの人間ではないんじゃないか、ヒップホップアーティストと名乗っていいのかって。「おしゃれなラッパー」と位置付けられることも少なくなかったし、それは仕方がないと受け止めていているんですけど、実は「おしゃれ」って言葉がめちゃくちゃ嫌いなんです。自分のコンプレックスを突かれているような気分になるから。

ただ、それはヒップホップの世界の中でやろうとした場合の話で。俺はもともとMichael JacksonもPrinceも好きだし、ポップスもジャズも好きで影響を受けているから、全部やっていいんじゃないか、自分に自信さえ持てば畑は関係ないかもと思って。ヒップホップというカルチャーに俺は属していないかもしれないけど、ヒップホップに俺が救われたことは間違いない。俺はヒップホップを世界一愛しているし、恩返しがしたい。ヒップホップっていろんなジャンルをミックスしていいジャンルだし、ミックスされた結果がヒップホップだという背景もある。それで言ったら自分のやろうとしていることって、全然ヒップホップだと思えたんです。

――アルバムの前にEP『Podium』をリリースしたことも、今作に影響を与えましたか?

Skaai:大きかったですね。『Podium』はKMさんと一緒に、全部ヒップホップの文脈で作ったEPで。自分としてはここでヒップホップをしっかりやったら、次はもっと歌に寄ったり、より自由にできるだろうという意識で作り始めたんです。でも、作っていくなかでむしろヒップホップへの愛が深まって、結果、アルバムでもラップが増えた。いい意味で自分が裏切られたんです。

事前に「ラップしない」と決めて制作するという考え自体が陳腐で、ラップをする/しないじゃなく、出てきたのがラップだったらそれが正解だと思うようになった。みんなと曲を作って、その曲でラップがしたいなと思ったらラップをすればいいだけだなって。

――いい話です。今おっしゃった通り、アルバムにはたくさんのミュージシャンがクレジットされていて、それもすごく大きな変化かと思います。レーベルの設立も含め、信頼できる仲間が周囲に増えていったことはアルバムに直接的に表れていますよね。

Skaai:むしろ、それが全てと言っていいかもしれません。「自分=Skaai」ではなくなったんです。参加してもらっている全員でSkaaiになった。これからもSkaaiは自分ひとりじゃなく、みんなそれぞれがSkaaiなんだという意識になりました。Skaaiはペルソナのようなもので、Skaaiっていうアーティストの人格は自分だけで構成されていない。価値観が完全に変わりましたね。それくらい仲間は家族だし、自分自身だなって。

――レーベル、〈FR WIFI〉のメンバーを中心に作っていったということだと思うのですが、〈FR WIFI〉の成り立ちについても伺えますか?

Skaai:最初は自分とuinとBadFriendsの3人で始めたコレクティブだったんです。BadFriendsは自身のメインプロジェクト以外に、「ヒップホップもやりたい」とも思っていたらしく。それなら、ずっとタッグでやってきたuinと、3人でやってみようということになって、そのうちに「アルバムを作らない?」という話になりました。その後に、一緒に住んでいるyuya saitoもジョインして4人でレーベルを立ち上げることになって。……レーベルというよりプロデューサー集団と呼ぶ方がしっくりくるかもしれないです。

――なるほど。

Skaai:〈FR WIFI〉というレーベル名もテキトーに決めたんですよね。神戸のフェスで自分とuinとBadFriendsの3人で会って「やろうぜ」という話になり、日を改めてカフェに行ったんですけど、「とりあえず名前があった方がいいよね」という話になって、パッと目についた「Free Wi-Fi」から取りました。〈Apple〉もあるくらいだし、名前はどうでもいいと思って。後付けでいろんな説明はできるんですけど、最初は全然何も考えてなかったですね。


「言葉のプロで居続ける」──プロフェッショナルな仲間たちとの制作

――アルバム制作はどのように始まったのでしょうか。

Skaai:とりあえず月に3、4回みんなで集まる制作日を決めて。そのタイミングでBadFriendsが友だちをスタジオに連れてきたりして、進めていきました。EPをリリースしてから、4ヶ月くらいでライブ動画も並行して作りました。

――4ヶ月ですか!?

Skaai:おそらくこれくらいタイトな制作じゃないと完成させられなかったと思います。ある意味、みんな盲目的だったから作れたというか、一度我に返ってしまったら終わり(笑)。ずっと制作とその準備、スケジュールの調整だったり、常に誰かが動いている状態でした。「俺らは正しいことをやっている」って盲信しながら(笑)。一番苦労したのはスケジュールの調整かもしれません。みんな本当に忙しいから。

――本格的な制作がスタートする前にできていた曲もあったりしますか?

Skaai:“FR WIFI”には梅井美咲さんと熊代崇人くんに参加してもらっているんですけど、それは2年前にできていて。「突然変異すぎるでしょ」ってことで、出しどころがなくて燻っていた曲です。機は熟したってことで今回アルバムに入れました。先行配信した“FR WIFI”と“Runaway”、それに“MILLION”も以前からあった曲ですね。残りはEPをリリースしてから作りました。

――“MILLION”を聴いたときは赤裸々なリリックに驚きました。

Skaai:アーティストには本当に自暴自棄になる瞬間があるし、「もう売れなくていい」「売れることだけが正解じゃないでしょ」って愚痴を吐きたくなる瞬間もあるじゃないですか。こういうオルタナな姿勢でいるとなおさら。でもそれも大事なメッセージだし、現在地を示すという意味で、最後に入れておくべきかなと思いました。ちなみに、“MILLION”はアルバムで唯一生音で録り切った曲ですね。

――アルバムのリリックを書く上で心境の変化などはありましたか?

Skaai:自分が本当に言葉のプロで居続けようと思うようになりました。リリック以外の面では、〈FR WIFI〉のメンバーが本当にプロフェッショナルで、自分のエッセンスを汲んでそれを音にしてくれる。そこは主導権を握ってやってもらって、俺は言葉にこれまで以上に焦点を当てる。自分はSkaaiの声帯を担っているような気持ちです。

もちろんサウンドに関しても、最後は自分が判断するんですけど、そうは言ってもかなりの部分を任せています。毎日のようにコミュニケーションを取っていると、みんなが俺のことを理解してくれるというか、俺が「面白い」と思うツボを把握してくれるので。

――いくつか気になったリリックについても伺えればと思います。“FR WIFI”には《音楽は戦争これは大事です》という印象的なリリックがありますが、このラインにはどのような背景がありましたか?

Skaai:音楽で食っていく上で、競争からは絶対に逃げられないと思うんです。なかには意識していない人もいるかもしれないけど、その人のチームの誰か──マネージャーかもしれないし、A&Rかもしれないけど──は絶対に意識している。その競争って、誰が自分の帝国を一番大きくできるかの争いのようなものなんじゃないかって思うようになってきて。そうなったとき、絶対にひとりじゃ勝てない。参謀や司令官がいるような、自分だけの組織が必要だなと。それってチーム戦だし、もう戦争だよなと。そういった背景で書いたリリックですね。

――まさに今回のアルバムを象徴するようなラインというわけですね。

Skaai:でも、別に普段から意識しているわけじゃないです(笑)。俯瞰してみると、そうかもなって話で。奪い合っているというよりは、それぞれが未開の領土を取りに行っているイメージ。誰が先に月に行くかって話に近いかもしれないですね。

――“Sign”のリリックはフロウも相まって新境地を感じさせます。

Skaai:この曲は吐露に近いですね。作詞するときって、誰しも自分の心情に何かしらのフィルターを掛けると思うんですけど、“Sign”ではそれを意識的にやめた。思うままに吐き出して、自分がいろんな経験を重ねるなかで得た教訓のようなものを素直に綴ってみました。ブルースも好きなんで、嘆きというか。自分が常に感じている孤独感だったり、卑屈な部分とか、カッコいい自分だけを見せるんじゃなくて、そういう部分も見せないとなって。

――一方でオルタナティブなR&B感もある“how do you feel”は、全編英詞になっていますね。

Skaai:“how do you feel”は、他の曲が全てできた後に作ったんです。11曲でもいいかなと思っていたんですけど、制作を終えてお酒を飲んでいたときに、「ラフに作ってみる?」って話になって。土台は1時間くらいで完成しました。俺もベロベロで、リリックも日本語で出てこないから英語にして、それが結果的によかった。アルバムで最もDijonを感じる曲になったと思います。自分の好みが素直に表れていると思います。

――ちなみに『Gnarly』(ねじ曲がる、うねる)というアルバムタイトルは事前に決めていたんですか?

Skaai:実は5年くらい前、音楽を始めたときから1stアルバムのタイトルは考えていたんです(笑)。大文字の長いタイトルにしてカマそうかなって思ったこともあるけど、実際に作り始めてから、シンプルにこの1年は『Gnarly』っぽいなって感じたので、コレにしました。本当に予期せぬ事態が毎日のように起こって、それに対応して、結果的に自分の成長に繋がった。仲間にも救われたし、自分も仲間にいい影響を与えたと信じているし、いろんな出来事を含めて『Gnarly』だなって。


有機的な繋がりと、そこから生まれるグルーヴ

――『Gnarly』な日々を乗り越えて、作り終えた今、どのような心境ですか?

Skaai:やっとスタートラインに立った気持ちですね。いらない思考が消えました。さっき話した葛藤の部分もそうだし、自分はブランディングやシーンを客観的に見て、考えることからスタートしがちだったんですけど、本当の意味でそういった部分を無視できるようになった。何を大事にすべきか、何を後回しにしていいかのラインが鮮明になった。今大事にすべきことを優先しようって。あとはやっぱりチームができたことが大きいです。

――自分の居場所ができたんですね。

Skaai:明確に居場所ができたし、その存在はすごく大きい。これまではどこまでいってもひとりで戦っている感覚があったんですよね。uinっていう最高の相棒がいて、2人でここまで這い上がってきたのも間違いない。でも、結局は別の生き物というか、それぞれにやりたいこともあるし、好きな音楽も少し違ったりしていた。でも、今はuinも含めた大きなファミリーができた感覚です。

――大きな変化ですよね。

Skaai:自分の弱いところをみんながわかってくれているんですよね。Skaaiって頭がいいと思われがちで、何でも自分で判断して自分でできると思われがちだけど、めっちゃ脆い部分もある。そういう弱さも全てさらけ出してから作ったアルバムです。

基本的に強い人間だって思われたいし、自分をよく見せたい。特に同業者や同年代の人たちには「カッケーな」って思われたい。でも、これだけ密にコミュニケーションを取っていると、どうしても脆い自分も見られてしまう。本当に嫌だけど、流石に知られすぎている。でも、それが安心感に繋がったというか。

――「Gnarly (full film)」も素晴らしかったです。

Skaai:監督のRyota Ishizawaは、彼が今年の1月に“MILLION”のMVを撮ってからずっと映像を撮ってくれていて。アーティストとビデオグラファーの関係性っていろんな形があると思うんですけど、「同じビジョンを共有する」ってこういうことかって思えた存在というか。仕事を依頼して、それをこなすっていう形ではなくて、「Skaaiはこういうことをやりたいんでしょ? だったらこういう映像を作った方がいいんじゃない?」って提案してくれたりする。彼も〈FR WIFI〉のメンバー、家族の一員と言っても過言ではないです。

――理想的な関係性を築けていると。

Skaai:カメラマンも美術も照明もバンドメンバーもみんな「傑作を作ろう」と意気込んで作った作品で、もはやSkaaiを超えたプロジェクトでした。みんながそれぞれ主体性を持って考えて臨んだので、すごく誇りに思っていますね。

――アルバムだけでなく、この映像作品があることで、『Gnarly』を構成しているミュージシャンの繋がりがいかに有機的なのか視覚的に伝わりますよね。

Skaai:自分というか、Skaaiが今やろうとしていることはかなりオルタナティブで、本当に前例のないことだから、賛否が別れると思うんです。でもそういう、いい意味ではみ出した音楽をやろうとしているアーティストって同年代にはめっちゃいて。例を挙げるならS.A.R.というバンドやNewlyというアーティストだったり、Lil Summer、Haruyとか、言ってしまえば今回の作品やライブ映像に参加してくれたみんながそうです。

Skaaiとして活動していくに当たって、ひとりの力では世の中をひっくり返せないなと俺は思ったんです。Skaai単体をデカくするという発想では、なかなか伝わらないなと。だから、こういう横の繋がりをシーンと見做して、全体で見せていく。そこにSkaaiがいて、S.A.R.がいて、NEWLYがいて、みんながいる、みたいな。そういう感覚でやっていけば世の中をひっくり返せるんじゃないかなって。

――なるほど。

Skaai:なんとなくですけど、みんなもそういう横の繋がりを欲しているように感じたんです。例えばNEWLYは今回パーカッションで入ってくれているけど、実は当初1曲目だけの予定が、結果的に全曲で演奏してくれた。曲も全然知らない状態でジョインして、そこには打算も何もなかった。自分も求められたり、その必要性を感じたらどこでも飛んでいきたい。そういう横の繋がりや、そこから生まれるグルーヴを提示したかったんです。

――今はデータのやり取りで完結するなか、コミュニティミュージックとしてのヒップホップに戻ってきている。

Skaai:たしかに。The InternetとかOdd Futureとか、そういうクルー性のようなものは意識してるかもしれないです。

――『Gnarly』からは海外への目線も感じました。

Skaai:もちろんあります。日本だけで聴かれてほしいと思ったらこんなアルバムは作らない。俺は『Glastonbury』のステージに立つのがひとつの目標なんで。実現したら本当の意味で時代が変わると思うんです。誰かとコラボしたとかではなく、『Glastonbury』に日本のヒップホップのアーティストが立ったら、かなり大きなゲームチェンジになる。なので、覚悟を持ってやります。

――まずは1月31日(土)、Spotify O-EASTで開催されるワンマンライブを楽しみにしています。もちろんバンドセットですよね?

Skaai:もちろんです。この1年間はバンドでやることの方が多かったんですけど、バンドでやる醍醐味って相互作用じゃないですか。有機的にみんながカマし合うなかで、予期せぬ声やフレーズが出たりすることだと思うし、実際にそういうことをずっと試してきた。その集大成をひとつのステージ作品として出せたらいいなと思っています。

ただ、ワンマンが正解というわけではなく、作品の一個というだけで。バンドの構成も含め、その先もいろんなトライを重ねていくつもりです。


【イベント情報】


『Skaai ONE MAN LIVE Gnarly』
日時:2026年1月31日(土)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京・渋谷 Spotify O-EAST
料金:ADV. ¥5,500(1D代別途)

・チケット
一般発売(e+):〜1月30日(金)18:00

INFO:HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077


【リリース情報】


Skaai 『Gnarly』
Release Date:2025.12.03 (Wed)
Label:FR WIFI
Tracklist:
1. Gnarly
2. Tambourine man
3. FR WIFI
4. Runaway
5. Your techno (feat. 寺久保伶矢)
6. Sign
7. Alex Interlude
8. Am I sick?
9. Keity 141
10. Namima (feat. 岩崎桃子)
11. how do you feel?
12. MILLION

配信リンク

■Skaai:Instagram / X


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