JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUBは本当に異色な存在だ。ヒップホップを基調としながらも、そのキャッチーなサウンドや親しみやすいキャラクターのせいか、ロックを軸としたイベントへの出演も多数果たす傍ら、ゴリゴリのヒップホップ畑なイベントへも出演し、そのどちらからもしっかりとした認知と評価を得ることに成功している。ヒップホップにありがちな排他的なスタンスを取ることもなく、逆にどんなにアウェイな環境でも最終的にはその場を掌握し、自分たちの世界へと力ずくで引き込んでしまう。そんな天性の求心力を武器に、この1〜2年ほどの期間様々なイベントに出演を果たし、数え切れないほどのライブを行ってきた。
そんな彼らが放った待望の2ndアルバム『OFF THE WALL』は、これまでの彼ららしい窓口の広いサウンドはそのままに、より一層の洗練され具合をみせている。そしてそんな本作からのリード曲として、MVが公開された「STAY GOLD,LIFE GOES ON」には、随所に散りばめられた多数の引用とともに、どこか吹っ切れたかのような、「これから」に対する決意表明のようなリリックが散りばめられていた。
今回はそんな現場での人気者となった彼らの、1stアルバム・リリース以降からこれまでの活動を振り返りつつ、2ndアルバム『OFF THE WALL』がどのようにして生まれたのかを訊いた。
Interview by Takazumi Hosaka
Header Photo by Ryo Shibasaki
Other Photo by Cho Ongo
―2015年の夏に1stアルバム『QUEST』をリリースしてから既に2年半ほど経ちましたが、ジャバとしての活動を今振り返ってみると、どうですか?
ノルオブ:あれ、2年半も経ってるんでしたっけ……。本当に駆け抜けましたね。
アシュトレイ:とにかくライブ、ライブ、ライブ! って感じだったよね。
―確かにものすごい数のライブをこなしていましたよね。
アシュトレイ:本当に2年半も経ってるのか? っていうくらい、めちゃめちゃ凝縮された期間に感じますね。
ノルオブ:ほぼ毎週末ライブの予定が入ってたっていうくらいだったんで。
―その怒涛の日々の中で、ジャバ的に変わっていった部分などはありますか?
バオバブ:すごい仲良くなったよね。
ノルオブ:そうですね。結局はそれが一番大きかったかもしれないです。毎週末会って、毎週末一緒にどこかに行くので、めちゃめちゃ仲良くなりました。
ロビン:地方とかにも車でよく行ったもんね。
バオバブ:そうだね。運転中は基本、メンバーと会話するしかないもんね。
―逆にそれだけ長く一緒にいることで、嫌な部分も見えてきてしまうっていうパターンも多いと思いますが、そういう点は?
ロビン:逆にそれがあったからこそ仲良くなれたんじゃないかな。上辺だけの付き合いじゃなくなったというか。メンバーそれぞれの等身大がわかったというか。
アシュトレイ:やっぱり欠陥だらけなので、全員(笑)。
ノルオブ:本当にみんなクズです。クズの集まりなんで(笑)。
―「それがあったからこそ」ということですが、衝突みたいなものが?
ノルオブ:すごい大きいやつが一回あって。
ロビン:それこそ今回のこの2ndアルバムを作るっていう話に関して、一発ドでかいのがあったんです。それを乗り越えたからこその今の仲の良さだよね。
ノルオブ:去年の9月、TOKYO HEALTH CLUBのワンマンの時に渋谷WWWの楽屋で、その日の主役でもねぇやつらが大喧嘩をぶちかますっていう(笑)。
ロビン:THCのワンマンなのに、THCのメンバーに気を遣わすっていうね(笑)。
バオバブ:荷物取りにとか、楽屋に入ってこようとする人たちがみんな気を遣って「あ、今はやめとこう……」って感じになってましたね(笑)。
―それはどういう内容だったのかお訊きしても大丈夫ですか?
バオバブ:普通にアルバムの方向性でぶつかったっていう感じですね。
アシュトレイ:本当に大きい衝突があったんですよ。
ロビン:みんながみんな、それぞれジャバが進むべき方向性みたいなものがわからなくなっちゃっていた時で。
バオバブ:漠然とみんなどこに進んでいけばいいかわからなくて、なんていうか、スランプ気味になってたよね。
ノルオブ:そうそう、ライブのオファーはいっぱいくるし、ある程度のコミュニティのなかでは認知してもらってるけど……。THCが渋谷WWWでガツーンとワンマンやった時、正直スゲー悔しくて。
アシュトレイ:おれたちだけ、ずっと同じような場所で足踏みしている感じがあったよね。
バオバブ:それで、いざモノ(音源)を作ろうってなった時に、どこ目指すっていうのがまずみんな見えてなくて。しかも、その状態を各々がちゃんと認識してなくて。それを初めて言葉にした時、本当に大きな喧嘩になったんです。で、それを越えて、やっとみんなの心が見えてきたというか。なので、あの衝突は本当に大きかったですね。
ロビン:でかかったね〜。
―その衝突というか話し合いでの着地点というか、みんなが決着した部分って今、言語化することは出来ますか?
バオバブ:それは……もう単純に「わかりやすい」とか、素直に自分たちの好きな音楽をやりたいとか、そういうことだよね。さっきロビンが言った通り、等身大になれたっていうか。
アシュトレイ:背伸びもせず、変に目配せしたりもせず。
ノルオブ:そうですね。……たぶん、それまでは少し背伸びしようとしてもがいてた部分もあったんです。だから答えが出なくて。
バオバブ:「何すればいいのかわからない」、「でもそんなこと言ったって始まらないじゃん」みたいなところで堂々巡りをしてましたね。
ノルオブ:あとライブをたくさんやってた分、漠然と2ndアルバムっていうのが見えてきた時に、めちゃめちゃいいのを作らなきゃっていうプレッシャーが、大なり小なり各々あったと思うんですよ。それをたぶん言えたら本当はよかったんですけど。
バオバブ:全員たぶんカッコつけて言わないようにしてたんだよね(笑)。
ノルオブ:たぶん、そういう部分から目を逸らしながらも、漠然と上手くいくんじゃないかって、どこかでちょっと思ってた(笑)。そういう停滞してた雰囲気を、全員でぶつかってブレイクスルーできたっていうか。「こんなんじゃ何も決まらないじゃん!」っていう現状に正面から向き合って、「やっぱりそうだよね」って。お互い思ってること正直に言い合わなきゃ始まらないよね、みたいな。そういう感じになりました。
バオバブ:そっからさらに仲良くなりましたね。
ノルオブ:結局やるのはおれら4人だけなんだから、おれら4人がちゃんとお互い意見を言い合わないとなって。思いっきりぶつかってみてわかったのは、結局根っこの部分みたいなところでは、お互い好きな音楽とか目指したい方向性とか、一緒だったんですよね。で、今回の作品にはたぶんそういう雰囲気も反映されたと思ってるんです。お互いのバースに対してそれぞれ意見を言うようになったし。
バオバブ:素敵なことだよね。
ノルオブ:本当、青春映画みたいな(笑)。
バオバブ:品川祐監督に映画を作ってもらいたいくらい(笑)。
―外から見ていると、常にキャッキャしていてすごい仲良いな〜というイメージでしたが、内部ではそういうことがあったんですね。
ノルオブ:その衝突以前からももちろん仲は良かったんですよ。ただ、その仲が良いからこそ……っていう部分を今回でぶち壊したというか。
ロビン:そうだよね。仲良いからこそ、気遣って踏み込めなかった、言えなかった部分があったんだよね。
―なるほど。では、ターニング・ポイントになったメンバー間の衝突が昨年の9月にあったとのことですが、実際に今回の2ndアルバムへ向けて動き始めたのはいつ頃からなのでしょうか?
ノルオブ:リリースする話自体はTHCのワンマンの前、6月くらいからあって。実際に一回作り始めたりもしたんですけど……。
バオバブ:中々上手くいかずにね。
ノルオブ:そう、一回作ってみたんですけど、なんかしっくりくるものじゃなくて。「これじゃ1stと作り方もやり方も変わってなくね?」みたいな。とにかく手癖感がヤバくて。リリックもフロウも。
アシュトレイ:仮でできたやつを聴いて、自分らでも思ってたんですよ。「全然良くない」って。
ノルオブ:そんな感じで全然進まなくなっちゃって。
バオバブ:あと、なまじライブの本数こなしてるから、言い訳にしちゃってたんですよね。「いや、やることやってるし」みたいな。
ロビン:ライブをたくさんやってた分、どうしても個人の課題みたいなものが浮かび上がってきてたのも大きかったかもね。いざアルバムを制作するって時になっても、個人のことでいっぱいいっぱいになっちゃってたっていうか。ひとりひとりがジャバ全体として物事を考えられてなかった。でも、あの衝突でお互いがお互いの腹の中を明かしたから、一人の意見もこの4人の意見だし、みたいな。それが再確認できたよね。
―現場では本当に引っ張りダコで、様々なところでやっていた反面、いざアルバム制作に向けて一旦休止した際は、不安などはありませんでしたか?
アシュトレイ:正直に言うとおれは怖かったですね。みんなに忘れられちゃうんじゃないかって。
ノルオブ:不安もあったけど、とにかく止めないと作れないなってなったんですよね。それは(〈OMAKE CLUB〉主宰の)TSUBAMEさんにも言われたんですよね。「お前らは一旦ライブ休んだ方がいい」って。
アシュトレイ:(ライブは)楽しいからね〜(笑)。
ノルオブ:そうなんですよ。おれら、基本的にライブが大好きで。この2年くらい、本当に色々な場所でやってきたから正直ライブに関しては自信もあるんです。それこそマイクが2本しかないようなところとか、ゴリゴリのヒップホップ畑のイベントとかでもかましてきたつもりだし。
アシュトレイ:あれだよね、ライブのない週末の過ごし方がわからなくなるっていう現象があったよね(笑)。
ノルオブ:そうそう。「何すればいいんだ?」っていう(笑)。
バオバブ:ほぼ毎週末ライブが入ってたからね。でも、TSUBAMEさんが「前よりも良いアルバム作ったら、これまで以上に呼ばれるようになるから! 心配しなくて大丈夫だから!」って説得してくれて(笑)。
―ライブというか、現場っていう話に関係する部分なのですが、外部から見ているとここ最近はTempalayやドミコ、TENDOUJIといった面々と共演することが増え、ゆるやかにではありますが、シーンというか界隈のような雰囲気ができつつあるように思えます。
ノルオブ:いわゆる”ビートマ(BEACH TOMATO NOODLE)”周りですよね。あれは(”BEACH TOMATO NOODLE”や”SLOW DAYS”を主催している)ATFIELD inc.の郡司さんが引き合わせてくれて。
バオバブ:元々名前とかは知ってたんですけど、グッと距離が近づいたのがあの”ビートマ”ですね。何かみんな「狙い」とか「計算」とかを感じさせないんですよね。「これが好き」、「これしかできない」っていう感じが音楽から滲み出ているような気がして。そこが我々とも同じ部分なのかなって。
ロビン:あいつらとはバイブスが近い。いい意味でバカというか(笑)。
バオバブ:たぶん活動するフィールドとか、やってる音楽のジャンルは違うけど、フィーリングが合うんだよね。
―なるほど。ちなみにアルバムの制作工程自体っていうのは、基本的には前作と変わらず?
バオバブ:そうですね。紆余曲折あったせいで、トラックのストック自体は50曲くらいあったんです。でも、そこからどれを使うかっていうのが決まらないんですよ。目指すべきところもハッキリ見えてなかったので。それで「どうする?」ってなった時に、スーパバイザーみたいな役割としてTSUBAMEさんが入ってくれて。〈OMAKE CLUB〉のスタジオで一曲ずつ聴いていって、どれやりたいかを挙手制で決めていくっていう。そこで全員が一致したもの、2〜3人が手を挙げたもの、1〜2人が挙げたもので分けて、あとはTSUBAMEさんが「これはジャバにあうからやった方がいい」って言ってくれたやつを混ぜて作りましたね。本当にTSUBAMEさんの存在は大きかったね。
その後、曲毎のテーマ決めをする時に、最初は1stと違う作り方にトライしようとしたんです。全部のリリックを、全員で練りながら書いていこうって。でも、その結果それがあだになって前に進まなくなってしまって。そこから各々のスキルや得意な部分は違うから、今まで通りそれぞれで書いてった方がいいんじゃないかってことになりました。
アシュトレイ:スランプみたいになってた時は、曲毎に決めたひとつのテーマに対して、全員がキッチリ同じ方向に進んでないと嫌だっていう感じだったんですよね。でも、結局テーマを決めて、それをこの4人がバラバラに解釈しても、聴く人にもちゃんとそのテーマというか、主軸みたいなものは伝わるんだなって。
ノルオブ:それはこの4人の間での意思疎通がよりできるようになったからだと思います。
―4人のMCそれぞれの役割などは、今まで以上に意識されていますか?
ノルオブ:そもそも違う人間なんで、そりゃあ特性とかキャラクターも違いますよね。それはメンバーひとりひとりと話せば話すほどわかってきました。
―意識してなくても自然に各々の役割ができてくる、みたいな。
ノルオブ:そうですね。
ロビン:でも、おれたちって本当に偶然にしては出来過ぎなくらいキレイに役割が分かれてるなって思っていて。
バオバブ:それに加えて、各々が目立ちたがり屋だから、「こっち行ったらあいつにかき消されるから、おれはあっちに行こう」みたいな。
アシュトレイ:それぞれが別々にリリックを書く形でも、それをいざ楽曲に乗せたらどうなるのかっていう想像力が付くようになってきたっていうのもあるよね。
―リリックに関して言えば、「ハッピーアイスクリーム」とか「BIG WHEEL」など、割とストーリー・テリングなものが増えた気がしていて。砕いて言ってしまえば、さらにポップ・ソングに近づいたなって。「恋愛」みたいな普遍的なテーマもありますし。
ノルオブ:でもそれも、狙ってやったというよりかは、純粋にトラックに対して自分の内から湧いてきたモノを出しただけなんですよね。
バオバブ:単純に個性を出すことの方が重要。今、おれらみたいなキャラクターで、この音楽性でっていうグループは他にいないような気もするし。自分たちは歌いたいことを歌おうってことで。「ヒップホップはこうだ」とか、「こういうのはやめよう」とか、そういうややこしいことを考えるのはやめたんです。
―自然体でいることが一番いい。
ノルオブ:今回のアルバムで、改めてそういうことに気づけたっていうのはありますね。確信犯的にやるのではなく、自然な流れでやったらこうなったってだけで。
バオバブ:今回のリリックなんて、MC名が取れた一人の人間として書いてるような感じすらもあるんで。だからこそ普遍的に見えたのかなって思う。そのまんま書いた感じだよね。
―今作の中でも「死む。」とかは特徴的というか、印象的ですよね。テーマ自体のチョイスの経緯から気になりますし。
ノルオブ:単純に「死」に関心があったんです。WIREDの「死の未来」っていう特集を組んでる号から着想を得ていて。というのも、「死」にポジティブな感情を持って向かい合っている人たちが世界にはたくさんいて。「デス・カフェ」っていう、自分たちがどう死ぬかっていう会話をする場所とかもあるんです。そういうノリで「死」を捉えるのはおもしろいなって思い、「死」をテーマにしました。ポップに、カジュアルに「死」について話そうって。
―なるほど。テーマこそ特殊だけど、リリックのテンションや空気感は確かに今まで通りですよね。
バオバブ:それがうちらの真骨頂でもあるなって思って。そういう真面目な、シリアスなことを、あれぐらいの感覚で言えるというのが強みだなって。
ノルオブ:「死」っていうのも、言ってしまえばものすごい普遍的なテーマだしね。
―もうひとつ、「雨音はディラのビート」は逆にテーマもリリックもシリアスですよね。アルバムではこの曲が一番特殊というか、異彩を放っているような印象を受けました。
バオバブ:これは、一番最後に作った曲で、最初から「いい曲にするぞ!」っていう強い意気込みがあったから。
ロビン:トラックの時点でヤバかったんで。これでダサくなっちゃったら、ラップのせいだなってなるので。しかもBPM遅めだし、シンプルだから……。
ノルオブ:だからこそ誤魔化せないよね、ってなり。色々話して、テーマを「雨」に決めて、それぞれがリリックを書いて臨んだんですけど、全員のバースが明らかにネクスト・レベルに達したような気がしたんです。自分たちでビックリしたくらい。みんなレコーディング中に「めっちゃ良いじゃん!」って言い合うっていう。基本的に手放しでは褒めてくれないTSUBAMEさんも、この曲は珍しく全員のバースを褒めてくれて(笑)。
バオバブ:だからこそ曲順も最後にしたしね。
アシュトレイ:胸張ってこの曲が最後って言える曲ですね。ある意味「STAYGOLD,LIFE GOES ON」とは対極にある曲というか。
―その「STAYGOLD,LIFE GOES ON」はある意味最も「ジャバっぽい」と言える曲だと思いますが、明らかに今まで以上に吹っ切れた感じがハッキリと伝わってきます。
ノルオブ:それは嬉しいですね、照れ隠しみたいなことは一切せず、ビデオもめちゃくちゃカッコイイ映像を撮るMaruyama(Yudai Maruyama)さんにお願いして。
バオバブ:決意表明みたいな曲でもあるし、自分たちの好きなもの全部そこに詰め込んじゃおう、みたいな感じ。「名曲 + 名曲」、「K1 VS. プライド」みたいな。全部乗せだよね。
―もはや何かを引き合いに出されることとか、「〜〜ぽい」って言われることに対しても振り切れてますよね。曲名からしてまさにだし。
ノルオブ:逆に好きなものを隠す必要もないし、むしろ分かってほしい。あのオレンジ色のツナギを着たアー写もそうですし。そういうことに対して何かを言われる可能性はあるし、「それはダセェだろ」っていう人も現れると思うんですよ。でも、そういうリスクを犯してでも、ここまでしないともっと広く人に興味持ってもらえないんじゃないかなって。
アシュトレイ:変な話、背負った感じはあるよね。この立ち位置はもうおれら以外誰も入れないっしょ、みたいな。
―そういう話はメンバー間でもされたのでしょうか?
バオバブ:はい。もう思いっきりわかりやすくやっちゃおうって。正直、4人の一番共通してる部分がそこなんで。どんなに進んでも、根っこにはそれがある。
ノルオブ:「わかりやすい」って、音楽に関して言えばある意味「悪」とされる部分があるじゃないですか。でも、そんなの無視してやっちゃおうぜっていう。そこまでやらないと、これ以上は突き抜けられないんじゃないかなって。
ロビン:そこがおれらの強みだし。
ー今回のアルバムも前作同様1000円というオマケ価格でのリリースとなりますが、マネタイズなども含め、ジャバとしての今後の活動スタンスについてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか?
バオバブ:そんなに考えることでもないかなっていうのが正直な本音で。売れるためにやるわけでもないし、本当に好きで、楽しいからやってることなので、もはや、やめたくてもやめられないだろうなとすら思うんですけどね。
ノルオブ:だってこの2年半、本当にいいことばかりじゃなかったよね? 辛いことだったり、ヒドイ環境に置かれたこともあった。それでも続けてるってことは、もう本当に「好き」、「楽しい」っていうことでしかないよね。
―なるほど。では、最後にノルオブくんが引っ張っているクルー、NXNGとしての活動、および展望についても教えてもらえますか?
ノルオブ:最近チャーリー(NXNGの主催の1人でデザイナーでもある西尾和真)とよく話してるのは、クルーで活動すること自体がトレンドみたいになっているから、側から見ると「活動=塊で動く表立った何か」みたいな感じになっちゃうよなって。
以前話したように、NXNGはクラウドポッセと銘打ってるので、人の力をたくさん借りて成立してるんです。今回のジャバのリリースでも、裏ではNXNGが動いていて。この2年で出会ったカッコイイなと思う人たちや友達、憧れだった人にたくさんお願いして、2ndのリリースの諸々のために協力してもらいました。
「何も発表したりしないけど、NXNGってもう止まってんの?」って、側からみると思うかもしれないんすけど、そんなことは全然ないんです。
―側から見てると何もしていないように見えても、NXNGのクルーはNXNGであり続ける。アイデンティティを維持するために無理に活動するのは、本質的にズレていることだと。
ノルオブ:そうです。それってファッションだなって思います。気づいたら既にNXNGをスタートさせて7年近く経ってるので、きっとおれらは30〜40歳になってもずっと掲げてると思います。あとは、ちゃんとNXNGが飯の種になって、関わる人がよりハッピーになるように日々精進という感じですね。
【リリース情報】
JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB 『OFF THE WALL』
Release Date:2017.03.15 (Wed)
Label:OMAKE CLUB
Price:¥1000 + Tax
Tracklist:
1. FANTASTIC 4
2. ONETIME
3. STAYGOLD, LIFE GOES ON
4. GOOD VIBLE
5. BRAIN WASH DYSCOPIA
6. ハッピーアイスクリーム
7. BUSY! BUSY! BUSY!
8. BIG WHEEL
9. Cheap Talk
10. 死む。
11. 雨音はディラのビート