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INTERVIEW / Goat Girl


「分断的ではなくて横断的。何でも持ってきて共存させちゃう」――Goat GirlのLottieが語る、南ロンドン・シーンのリアル

2018.06.14

shameやHMLTD、Sorryなどと同じく、今独自の盛り上がりをみせるサウス・ロンドン・シーンにおいて注目を集めるGoat Girl(ゴート・ガール)。

今年4月には名門レーベル〈Rough Trade〉から名匠・Dan Careyをプロデューサーに招いたセルフ・タイトルのデビュー作をリリース。ロカビリーやジャズ、フォークといった古の音楽的要素を巧みに取り込んだサウンドは、どこか退廃的かつ妖艶な世界観をも演出。そして、そこに乗っかるのは時に政治や性差別などを主題とした、刺々しくもアイロニーに富んだリリックの数々。

今月末には遂に待望の初来日公演を控える彼女らにインタビューを敢行。彼女のバックグラウンド、そして気になるサウス・ロンドン・シーンについて、シンガーのClottie CreamことLottieはラフな姿勢でこちらの問に答えてくれた。

Interview by Takazumi Hosaka
Photo by Holly Whitaker


ーーSpincoasterでは初めての取材となるので、最初は情報の確認からさせて下さい。まずはバンドの始まりから。NaimaとL.E.Dがギグで出会って、その後、あなた、Rosyの順で加入して現在のラインナップになった……ということでいいですか。

Lottie:ちょっと違うわね(笑)。私とNaimaとEllie(L.E.D)でまずはバンドをやってたの。それぞれその前から音楽を作っていて、その中で知り合った3人が私たちで、一緒にライブもやってたし、普段からの遊び仲間でもあった。でも、そのうちに段々と本格的に音楽をクリエイティブにやっていきたいと思うようになって、最初はいわゆるアコースティックだったんだけど、もっとクリエイティブにやるにはエレクトリックな楽器も使いたいし、ドラムも入れたいし……ってところでRosyに出会ったの。その前に3人ぐらい他のドラマーとも試してみたんだけど、人柄的にも、プレイが個性的だっていう意味でもRosyが一番私たちとしっくりきたのよね。

――あなた自身は個人的にどんな音楽が好きで、曲を作り始めていたのでしょうか?

Lottie:私はどちらかというとフォークとか、ジャジーな感じのやつとか……あと、ハーモニーに興味があって、みんなで歌う感じの曲を書いたり……。それから徐々にサウンド・スケープ的なものを作ることにも興味が向いていったの。でも、一番インスパイアされたのはローファイなギター・ミュージックかな。それは私の今のスタイルにも自然と出ていると思う。サウス・ロンドンで活動していると色んなタイプのバンドと共演することが多くて、そのサウンドはもちろん、彼らのエネルギーにも刺激されるのよ。Meatraffleとか、みんなファミリーみたいなものだけど。

――Country Teasers、Sonic Youth、Pixies、Silver Jewsといった名前を影響源としてあげているインタビューもありましたが、あなた方の年齢からするとリアルタイムではないですよね。やはりネットで知ったアーティストですか?

Lottie:そこがインターネットのいいところでもあり、あんまりよくないところでもあるのよね。簡単に色んなものが見つけられる分、すぐに忘れてしまったりもして、自分にとって特に意味のないものもどんどん出てくるから、それに時間を取られてしまったり……。でも、やっぱりコレだと思うのと出会うと、そこからの繋がりでまた好きそうなのを次々と教えてくれるのもネットだし。Country Teaserもそうだけど、カルトっぽい人気があるバンドはメインストリームのメディアではなかなか出会えないでしょ。Sonic Youthはメインストリームにも浮上してたけど。何かこう、アンダーグラウンドで独自の道を進んでいるバンドってフォロワーも変わってて……。

――(笑)。

Lottie:ヘンって意味じゃないのよ。あくまでカルトな、ある意味本気でバンドを好きでフォローしてるファンばかりで、その感じが好きなの。(Country Teasersのフロントマンである)Ben WallersはThe Rebelってバンドもやっているんだけど、ロンドンの100Clubのファミリー・ギグで一緒になって。彼と知り合いになれたのは嬉しかったわ。自力で何でもやっていく姿勢が彼のすごいところで、だからみんなついていくんだと思う。

――Country Teasersは先ほど挙げた名前の中でも、特にアンダーグラウンドなバンドですよね。

Lottie:うん、でも私たち世代はああいう90年代の音楽の影響をかなり受けていると思う。たぶん聴いてわかると思うけど、PixiesもSonic YouthもCountry Teasersも、普通に聴いてたし大好きだった。

――そういうのと、地元サウス・ロンドンの音楽の影響が一緒になっている。

Lottie:そう。

――今もサウスロンドン在住ですか?

Lottie:そうよ。私が住んでいるのは正に音楽のヴェニューがたくさんあったりする、かなり賑やかなところなの。

――サウス・ロンドンは今かなり注目されていますよね。写真家のHolly Whitakerとか、So Young Magazine、Femmeといったジンの名前も聞きます。実際、サウス・ロンドンというシーンが確立されている感じはありますか? あるいは、何かコミュニティ的な雰囲気というか。

Lottie:たぶん、やりたいことがある人は、それが何であれ好きにやっていいし、受け入れてもらえるっていう雰囲気はあると思う。ミュージシャンやバンドに限らず、例えばプロモーターが個人的に好きなギグを主催する夜があったり。私の友達にもそういうプロモーターがいて、とにかく参加すること、自分で何かやること、表現することが大好きな人が周りに多いから、普通のギグでは終わらなくて、その場にいると色んな体験ができる。オフィスで働くっていう感じじゃなくて、なんて言うんだろう、とにかく自由な感覚があるのよね。

――その感覚を共有する人が集まっている? いや、集まっている、という感じでもないのかな。

Lottie:近くにいる人たちで割とこじんまりやっていたから、安心感とか親密さがあって、それでこういう空気が生まれたってことだと思う。でも、そこにどんどん新しく刺激的なものが出てきて、それをおもしろがってもいる。別に地元民以外お断り、みたいな排他的なシーンじゃないわ。気がつかないうちに、どんどん外向きに広がっているんじゃないかな。

――サウス・ロンドン・エリアがそうなった理由はなぜだと思いますか?

Lottie:大学街だっていうことが挙げられると思う。若い子が多くて、しかも入れ替わり立ち替わりでしょ。その影響が大きいのかも。あとはThe Windmill。あそこはすごく自然体で自由な雰囲気のヴェニューだから、それを求めて集まって来たアーティストたちが意気投合して人の輪が広まっていった、というのもあるかもしれない。ニュークロス、ブリクストン……まあ、サウス・ロンドン全体に言えることだけど、割とオープンな感じのヴェニューが多いのよね。

――The Windmillの名前はよく聞きますが、サウス・ロンドンの他のヴェニューと比べてどんなところが特別なのでしょうか?

Lottie:うーん……。でも、どうなんだろう。例えば私たちがイースト・ロンドンのヴェニューとかで演奏すると、よそ者な感じがしてしまうというか。やっぱり地元で、しかもオープンな人たちの中でやれるのが私たちには一番クールなことで、もしかしたらそれだけのことなのかもしれない。会場の造りもいわゆるパブで、演奏が終われば座って話もできて、そこでまたアイデアが浮かんだりとか。ドリンク代も安いし、あんまりうるさいこと言わないの。例えば、必ずドリンクをオーダーしなきゃいけないとか、そういうのがないから気楽に入れるし。

――音楽的にはどんなものが盛り上がっていますか? ネットを介して見ていると、グライムとかドリルとかアフロ・バッシュメントと呼ばれるようなサウンドの勢いが強いようにも思えるのですが。

Lottie:私の印象では、特定のジャンルが盛り上がっているような気はしないかな。例えば何かのイベントに出かけても、一晩のうちにギター・ミュージックもヒップホップも何でも流れていて、その組み合わせで個性を出すやり方が主流なんじゃないかしら。ライラックスっていうクールなヴェニューがあって、私もよく行くんだけど、そこは色んなバンドのメンバーが個人的にやっている音楽を披露したり、そこだけでバンドを組んでやったり……私はそういうのがすごくおもしろいと思う。まあ、もちろん統計的に見た時の各ジャンルの盛り上がりみたいなのはあるんだろうけど、そういうことは気にせずに、あらゆるものをコンバインして提示するのがここら辺では普通みたい。分断的ではなくて横断的。何でも持ってきて共存させちゃう。

――楽しそうですね。そんな混沌としたシーンから生まれたGoat Girlのデビュー・アルバムが日本でも出て、なんと特別に22曲入りなんですが……。

Lottie:え?

――知りませんでした? ボーナス・トラックが入ってるんです(笑)。

Lottie:そうだったんだ。知らなかった(笑)。

――そうでしたか。じゃあ、あるだけ全部もらっちゃったんですかね(笑)。

Lottie:うーん、結構曲数はあったわよ。でも、片っ端からアルバムに入れるつもりはなかったの。全体で1曲のように聴けるアルバムにしたかったから、流れや曲順にはすごくこだわった。気分がアップするところ、逆に落ち着くところ、曲によって色んなフィーリングを味わってもらえるように考えるのは、時間もかかったし大変だった。その流れを活かすためにレコーディングの方法も工夫したの。曲順が決まったら、それをいくつかのセクションに分けて、ひとつのセクションをワンテイクでテープに録音していった。私たちの気持ちもその方が途切れないし、やりやすかったわ。各セクションが4曲ぐらいで、そのセクションの中の流れを作ったら、今度は次のセクションとの繋がりや全体の流れも作っていかなければならない。

――そこでインストのインタールードを?

Lottie:うん、ああいう、音で遊んだりおもしろいことをやったりするのは、ギター・ミュージックでは必ずしも必要なことではないと思うけど、私たちにも実験的な側面があるってことを表現してみたの。あんまり深刻にならずに、思いつくままにね。私たちのアルバムは演奏的にはたぶん完璧じゃないと思う。でも、完璧じゃない部分も受け入れてこそ生まれる音楽もあるし、それが私たちのやってる音楽なんだってことが、あのインストから伝わればな、と思う。

――「人間らしさ」とでも表現するべきでしょうか。

Lottie:そう。テープに録音したのもそのためで、テープだと細々と修正したりやり直したりできないから、基本、通しで演奏しなければならないでしょ。だからミスを心配するより勢いで最後まで! っていう、あのエネルギーは形にできたと思う。人間臭いサウンドっていうか。だから、演奏はもっとタイトにできたかもしれないけど、今回追求した自由な感じは十分出ているから、私はすごく気に入ってる。

――プロデューサーのDan Careyは、曲作りやアレンジにはどれくらい関わったのでしょうか?

Lottie:プリプロダクションはかなり入念にやったから、彼はそこにも立ち会ってくれてたわ。そこでレコーディングのプランや曲順を練ったり、その通りに演奏できるまで練習したり。もちろんDanも意見を言ってくれたりした。例えば「曲の中のこのパートにはどういう意味がある? もっと意味のあるパートにしよう」みたいなことを言ってきたりね。でも、やっぱり彼の仕事の大部分はレコーディングが始まってから。私たちの音を上手くエンジニアリングしてくれたり、あと、ある意味彼も楽器で参加していたようなものなの。Swarmatronっていうのをプレイしていて、それは要するにサウンド・マニピュレーターなんだけど、実際に出している音を色々とおもしろく変えてくれる……しかもかなり予想がつかないリアクションをする楽器なの。だから、不思議な音が曲の中でいきなり聴こえてきたら彼の仕業だと思って(笑)。
あくまで仕上げの話だけど、とにかく、ずっと一緒に仕事していたから、アルバムの制作中はバンドの一員みたいな感じだった。

――外部からプロデューサーを迎えるのにはいい面も悪い面もあるようですが、彼とは楽しく仕事ができたんですね。

Lottie:私は今までにプロデューサーとの仕事を何度か経験しているけど、その度に勉強にはなったわ。私たち、最初は自分たちで全部やることにこだわって、やりたいようにやらないと気が済まないって感じだったんだけど、例えばライブな音をレコードに収めたいとして、ライブと同じように演奏してもダメだったりする。でも、彼みたいな人が音をいじってくれると、途端に私たちが聴きたかったライブのような音になるの。不思議よね。今回はそれだけじゃなくて、私たちの実験的な部分も電子音を使ったりして上手く表現してくれそうなプロデューサーを求めていたの。

――なるほど。では、次は歌詞についてお訊きしたいです。歌詞はあなたが書いているんですよね?

Lottie:そうよ。

――どんな風に書くのか、教えてもらえますか。何がインスピレーションになるのか、曲があって歌詞が後から浮かぶのか……など。

Lottie:最近は曲の書き方が変わってきたの。アルバムの曲は結構昔のだから、ギターを弾きながらもコードに乗せてメロディを口ずさんでいるうちに言葉も出てきて……っていう感じだった。ちゃんとした言葉ではなくて、メロディに乗った文節とか……リズム重視で。それを練り上げて歌詞にしていく。元々アコースティックでやっていたから、そうやってハーモニーを考えることが多かったの。でも、一方では言いたいことが先に出てくることもある。感情的になったり、どうしても言いたい意見があったりすると、書かずにはいられなくなる。そういう時のはけ口になってくれるのも私にとっての曲作りなの。

――女性の立場について主張する歌詞も多いように思います。「Creep」は日本の女性でも共感できる内容だと思いますし。

Lottie:うん、そんな気持ちでいるのは自分だけじゃない、って思ってもらえるような書き方をしているつもり。たぶん女性は世界的にどこか抑圧された思いを抱えて生きていると思う。でも、今の時代は自分の思いを声に出して言う術も増えてきて、それはいいことなんだけど、だからこそ余計に辛い気持ちに触れる機会も多くなる。女性の権利に関して、法律的にも色々と変化は起きているけれどね。とにかく、私たちにとっては歌うことが意思表明だから、こうしてシェアしていきたいの。共感を広めていきたい、というか。

――そういった問題に、あなた自身は常に意識的だったのでしょうか?

Lottie:そうだと思う。ただ、最近は世界に憎しみがはびこるようになっていて、だからこそ余計に意識的になったのかな。意識したら口に出すことが大事だと思う。気持ちを言葉にするって、意外と難しいし大切なこと。声に出して伝えて、関心を広めていくことが大事なのに、その声が出てこないってこと、あるでしょ? 右寄りの声ばかり大きくなって左からの興味深い声は聞こえなくなってしまったり。ただ、何て言えばいいのかな。思ったことをそのまんま言えばいいということでもなくて。だって、誰にでも感情はあるんだから、それを吐き出すだけなら簡単よね。でも、公に届けようとするなら何か足場になるものが必要じゃない? 今の社会にはまだそれが足りないのかな、と思う。私にとってはそれが音楽なの。

――思っても、反応を恐れて口に出さない人もいると思います。でも、あなたは恐れない?

Lottie:私たちも結構政治的なバンドっていう見方をされることはある。でも、自分ではそんなに極端なことを言っているつもりはなくて、私たちが怒っていることには賛同してくれる人がほとんどだと思う。女性が政治を語ると、それだけで攻撃的で遠慮のない物言いをする女だって思われがちだけど、実際には気づいたことに対して思ったことを言っているだけなんで。それに、私たちの歌詞は政治的な見解をそのまんま書いているというよりも、茶化したり、婉曲的に批判したり……あるいは状況描写の中からバカげた現状を浮かび上がらせたり。あと、そもそも筋の通らないことだらけの世の中だから、逆に笑っちゃうって感じのユーモラスな表現も多い。政治的で攻撃的な部分もあるけど、一方でかなり笑えて、皮肉で、ユーモアがあると思うんだけど。

――そこは英国的なポップ・センスの伝統を受け継いでいるとも言えるかもしれませんね。

Lottie:うん、すごく英国的よね、そういうアイロニーとか、皮肉な感じとかって。私、英国のコメディも大好きなの。そういう要素が必ずあるから。うん、私たちの音楽にも確かに存在する感覚だと思うわ。

――でも、バンド名の由来はアメリカのコメディアンなんですよね(笑)。

Lottie:そう、Bill Hicksね。彼の芸風にも繋がるわ。彼のスキットもだし、文学、コメディ、その他諸々。色々なものに影響されて私たちは音楽を作ってる。

――日本では周囲の反応を恐れて、政治の話はあまりしないという風潮も強いです。

Lottie:うん、それもわかる。ミュージシャンは特に、誰かに何かを押し付けることを好まないように思う。私たちもそれはしたくないんだけど、反応を恐れて無難な方へ進むだけじゃダメだと思う。言いたいことも言えなかったら、中に溜まるばかりで外へ出すものもどんどんつまらなくなるでしょう? 私たちみたいなのが注目されているのだとしたら、それは今、世界にこういうことをやっている人が足りないから、なのかもね。だから目立つし、喜ばれる。

――音楽面では、あなたたちの若さには似合わない時代の音楽の要素も感じられますね。ジャズとか、ロカビリーとか。これは意図的に取り込んだものですか。それとも自然に?

Lottie:私はかなり幅広く音楽を聴いているから、それが無意識に出ているのかも。知らない音楽をどんどん探して、常にワクワクする音楽と出会いたいと思っているから。でも、ロカビリーは子供の頃から好きだったのよ。カントリーも好きだった。バンドで夢中になったのはThe Crampsとかかな。うーん、基本的にはギターがカッコよくてエネルギッシュなバンドが好き。で、ミュージシャンとして凄腕じゃなくても、表現することに一生懸命で、演奏が完璧じゃなくても伝わってくるものがあるやつ。その方がリアルだと思う。その感じが私たちの音楽にも反映されているんじゃないかな。最初に自分でレコードを買って聴くようになったのはポストパンクやニューウェーブだったけど。

――レコードを買ってたんですね。

Lottie:うん、13〜14歳の頃かな。家にプレイヤーがあったのと、お小遣いで買うなら、すぐ消えてしまうものじゃなく、一生楽しめるものがいいって思ってた。レコードは手に持って、テキストを読んだり、壁に飾ったりもできるでしょ。だからヴァイナルを買って、結構集めてたの。レコード屋さんでも新しいおもしろそうなバンドを教えてもらったりして、あの頃は発見が多くて楽しかったわ。あ、あと、ギターの先生もそうだった。もっと子供の頃、10歳くらいの頃に習いに行っていたギターの先生が、Cocteau Twinsとかシューゲイザーっぽいバンドとか、色んなバンドを教えてくれたの。自分で曲を書くように勧めてくれたのも彼だったから、今思えば彼の影響も大きいわね。

――あなたの身近な音楽好きの方々も、レコードを買っていますか?

Lottie:そうね。こっちでもヴァイナルは人気と言えると思う。私の友達の間でも買う人が増えてるし、中には夢中で集めてる人もいる。やっぱり、音的にはあれが一番ハイファイなんじゃない? ダウンロードなんかに比べたら全然……って、そんなマニアックな話はいいか(笑)。

――ハハハ(笑)。

Lottie:とにかく私はヴァイナルで集めるのが好き。友達もバンドやってる子が多くて、少し年上のバンドの人たちからオススメを教えてもらうこともあるし。ここら辺のバンドはしょっちゅう同じ会場で顔を合わせてて、同じ年頃の仲間が大勢いて、心強いの。お客さんも若いから、ライブはいつもすごく盛り上がるし、それを見て上の世代のバンドも気合が入る。彼らも逆に私たちから刺激を受けているって言ってくれてたり(笑)。
でも、年配の人が座って楽しめるようなギグだってあるし、ホント色々なの。そこがいいところだと思う。

――ビート・ミュージックやエレクトロニック・ミュージック系のプロデューサーやDJなど、少人数で身軽に世界を回る人たちに比べると、人力のバンドは経済的にも不利な時代になったと言えると思いますが、あなたはバンドで生演奏を行うことの意義をどう考えていますか?

Lottie:まず、誰かと一緒にやるって、すごく大事なことだと思う。例えば、私が書いた曲をバンドに提示すると、みんなの解釈で曲が膨らんでよりよいものになっていくことがたくさんあって。ひとりで完結していたら、そこまで持っていけなかったかもしれない。私の耳には聴こえていないものを、他のみんなは聴いているの。だから、他者とのコラボレーションってすごくクリエイティブで、ひとりでは生まれないものが生まれてくるんだと思う。大体、ひとりじゃ寂しいじゃない(笑)。
色んな瞬間をシェアしながら音楽を作り、思い出を作る方が楽しいし、とにかくエキサイティングだと思う。一緒に作ったものにみんなが納得した時のエネルギーって、本当に素敵なんだから。ベッドルームでひとりでやってたんじゃ味わえない感覚だと私は思うけど……実際はどうなんだろう? 完成した喜びは同じなのかな? でも、それを分かち合う人がいるかいないかは、すごく大きな違いだと思うな。

――確かに。この後、Goat Girlはどんな予定が控えていますか? ずっとツアー?

Lottie:UKと、アメリカをParquet Courtsと回って、それから日本へ行くわ。日本は初めてだから色々楽しみだけど、東京はすごくクレイジーな街っていうイメージがある(笑)。
やっぱり日本の人たちと会えるのが楽しみ。それはロンドンもアメリカも同じだけどね、色んな出会いがあればいいな、と思ってる。


【イベント情報】

Goat Girl Japan Tour 2018

日時:2018年6月27日(水) OPEN 19:00 / START 19:30
開場:大阪・CONPASS
料金:前売¥5,500(税込/別途1ドリンク代)
サポート・アクト:WOMAN

※未就学児童入場不可

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日時:2018年6月28日(木) OPEN 19:00 / START 19:30
開場:東京・渋谷 WWW
料金:前売¥5,500(税込/別途1ドリンク代)
サポート・アクト:TAWINGS

※未就学児童入場不可

・チケット
イープラス [http://eplus.jp/]
ローソンチケット 0570-084-003 [http://l-tike.com]
チケットぴあ 0570-02-9999 [http://t.pia.jp/]
BEATINK.COM http://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9583

[企画・制作]
BEATINK 03-5768-1277 www.beatink.com


【リリース情報】

Goat Girl 『Goat Girl』
Release Date:2018.04.06 (Fri.)
Label:Rough Trade / Beat Records
Cat.No.:RTRADCDJP884
Price:¥2,000 + Tax
Tracklist:
01. Salty Sounds
02. Burn The Stake
03. Creep
04. Viper Fish
05. A Swamp Dog’s Tale
06. Cracker Drool
07. Slowly Reclines
08. The Man With No Heart Or Brain
09. Moonlit Monkey
10. The Man
11. Lay Down
12. I Don’t Care Part 1
13. Hank’s Theme
14. I Don’t Care Part 2
15. Throw Me A Bone
16. Dance Of Dirty Leftovers
17. Little Liar
18. Country Sleaze
19. Tomorrow
*Bonus Tracks for Japan
20. Scream
21. Topless Tit
22. Banana (instrumental)

※国内盤特典:ボーナストラック3曲追加収録 / 解説・歌詞対訳付き

■リリース詳細:https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9376


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