INTERVIEW

ドミコ

「例えば5秒前と5秒後でも、曲を作るタイミングがズレたら全然違うものになるんじゃないかって」――変幻自在のサウンドを奏でるドミコの哲学

今年になってからHiNDSのオープニング・アクトを務めたり、盟友Tempalayなどとともに千葉県は白浜フラワーパークという、プールと海に面する前代未聞の環境での野外フェス”BEACH TOMATO NOODLE”を開催するなど、東京を中心としたインディ・シーンにおいても頭一つ抜きん出た存在感を発揮してきた2ピース・バンド、ドミコ。

そんな彼らが先月遂に正式な1stアルバム『soo coo?』をリリースした(彼らは2014年1月に完全自主性盤となる『わお、だいびんぐ』をリリースしている)。
ガレージからサイケ、ニューウェーブなど、様々な要素を横断しながらも、ひかるの独特の言語感覚が光るリリックとフックの効いたメロディ・ラインが混在する、高い中毒性とオリジナリティを誇る彼らの楽曲の魅力は本作でも健在。いや、それどころかさらに研ぎ澄まされた、ある種の洗練/成熟ぶりすらも伺わせる。
それもそのはずで、全ての録音、ミックスなどの作業をVo./Gt.のひかるが手掛けていたこれまでの作品とは違い、本作には初めて外部のエンジニアが参加し、スタジオ録音を敢行。結果、余分なノイズが削ぎ落とされ、頭に残るメロディや不可思議なフレーズといったドミコの楽曲の本質的な部分がより浮き彫りになった。

今回は、DIYな活動スタイルで地道に駆け上がってきたこれまでの経歴から、間違いなく分岐点となるであろう今作について、詳細な話を訊くためにインタビューを行うことに。その変幻自在なサウンドの通り、どこか掴みどころのない柔和な印象を持つひかるに、様々な問いをぶつけてみることにした。

Interview by Takazumi Hosaka
Photo by Yuma Yamada

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―待望の1stアルバムのリリースおめでとうございます。今回はまず、これまでのドミコの足取りを追いつつも、そのまま地続きで今作についてもお訊きできればと思います。
最初に、ヒカルさんが大学時代から友人だった長谷川さんを誘ってセッションをし始めたのがドミコ結成の経緯ですよね。そこから現在のような本格的なバンド活動へと移行するようになったのは、自然な流れだったのか、もしくは何かキッカケがあってのことなのでしょうか?

ずっと前からバンドは漠然とやりたいと思っていたんですけど、別に熱い気持ちとかは持っていなくて。だからライブをやるっていう考えも最初はなかったんです。でも、曲を作ったりしていく中で、ドラムの長谷川に「ライブしようよ」って言われて。そこで初めて「あーライブかー」ってなり、じゃあ、やってみようかって。そこで初めてバンド名とかも考えたっていう感じなんですよね。

—そもそもセッションでスタートしてるということなんですが、オリジナルの楽曲っていうのはどういう段階で作り始めていたんでしょうか?

自分たちの曲の骨組みみたいなものは結構最初の頃から作っていました。セッションしていく中で、「この後このフレーズつけよう」とか、その場で作っていったりする感じで。なので、ライブする前からある程度の形はできたんですけど、そこから人前でやるってことでさらに「じゃあ歌詞をつけようか」っていう風になり。
それで、ライブハウスに履歴書出して暇な時にライブ出させてくださいって言って、1年ぐらいはコピー・バンドとかと一緒に仲良くやってましたね。

—ドミコとしてはコピーとかは、全くやらなかったんですか?

特にやらなかったですね。それこそ僕はドミコが初めてのバンドなんで、全くやったことがないです。いつも本当に適当にバーって出てきたフレーズを弾くっていうスタイルだったので。

—ボーカルっていうのはライブが決まってから入れていたのでしょうか? それともセッションの時から?

セッションの時から常に歌ってましたね。ギターと同時に意味もない声を入れるって感じで。

—ライブに出てバンドとして活動していき始めてから一番最初に手応えを感じたというのはどこらへんですか

手応えは……正直今もないですけどね(笑)。
それこそ最初にSpincoasterさんが取り上げてくれた時とか、もう売ってないんですけど、僕らがマジで完全なる自主制作で作ったフル・アルバム『わお、だいびんぐ』を出した時とかですかね。その時に何も繋がりがない状態なのにFlake Recordsさんとか色々な人がピックアップしてくれたんです。それくらいの頃からいきなりブッキングの状況とかも変わってきて、一緒にやってくれる大人とかも増えました。あと、いわゆる先輩バンドたちもガラッと手のひら返ししてきたりして、おもしろかったですね。

—そもそも自主でアルバム『わお、だいびんぐ』を出そうと思ったキッカケはなんだったのでしょう?

実際曲はそんなになかったんですけど、アルバムを漠然と作りたいって思っていて。同時に宅録やってる人が周りに多かったんですよね。なので、僕もまずパソコンを買うところから始めて、Logic(DTMソフト)も買い、オーディオ・インターフェイスは借りて、それでスタジオで全部自分たちだけでアルバムを2ヶ月〜3ヶ月ぐらいかけて録りました。15曲ぐらい良い感じに流れが出来たところで、じゃあパッケージ化しようっていう形で、本当に自分たちでお店とかに電話して、それがたまたま色々な人に届いたっていう。

—ちなみに勤め先の会社を辞めようってなったタイミングっていうのはどこら辺だったんでしょうか?

ライブをやり始めた頃ですね。当時はバンドってどういうものか本当に知らなかったんで、就職しながらバンド活動もするっていうのが頭になかったんですよね。もちろん今では色々な知り合いがいるんで、そういう人もいるっていうのはわかっているんですけど。あの頃は”バンドやる=フリーター”っていうのが当たり前なのかなって。それで辞めちゃいました。まぁ、僕が中心になって曲を作ってるっていうのもあるし、そうやってフットワーク軽く行動できる方がクオリティ高いモノが作れるかなって。まぁ、今日は遅刻しちゃいましたけど(笑)。

—(笑)。ちょっと遡ってしまうんですが、ドミコっていうバンド名はどうやって決まったんですか?

んー……タイトルとかそういうの決めるのが本当に苦手で……。とりあえず、セカオワとかレディヘとか、そういう風にバンド名を略されるのがすごい嫌だったので、最初から略されてるような名前にしようって思ったんです。さらに読みやすくて、言いやすい。なおかつ造語っていうか、意味のない言葉にしたくて。響き的にも可愛くてダサい。無理にカッコつけてない感じもいいかなって思って。本当にランダムな文字の組み合わせで考えてたので、どっから出てきたかは本当にわからないぐらい。

—では、これもありきたりな話なんですけど、ベースや他の楽器を入れようとは思わなかったのでしょうか?

う〜ん、わからないんですよね……。「ペペロンチーノになんで明太子入れないの?」って感じなんですよ。いや、違うか(笑)。
まぁ、普通に音楽やってる友達がいなかったんですよ。もちろん2人で曲作ったりやっていくなかでの興奮というか、そういうアツい気持ちが楽しかったっていうのもあり、それが気に入って続けているうちに、他の楽器を入れる必要性も特に感じなくなってしまい。ライブに関してはもっと音を増やしたいっていうのはありましたけど、でも別の人が入っているのもあんまり想像できないなっていう。まぁ、もし何か新しくバンドをやるんだったら5人とか6人編成で楽しくやりたいなっていうのはありますけどね。でも、ドミコではそれをやる必要はないかなって。

—長谷川さんとセッションしていく中で、化学変化のようなものを感じたことはありますか?

そうですね、最初の頃はやっぱり自分の作る曲に、僕が思いつかないようなドラムがついて、ドミコの曲が完成するっていう形式があったので、そこはやっぱり化学反応って言えるのかもしれないです。
今はそれがベーシックというか当たり前な感じになってきているんですけど、最初はやっぱり「あ、やっと自分らだけの曲が出来たな」っていう手応えがありましたね。

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—いざドミコで音楽をアウトプットする際に、やっぱり2人だけでルーパーを駆使してライブをすることが前提にあるのかなって思ったんですけど、そういう制限のようなものに関してはどのように考えていますか?

そうですね。やっぱり2人だけなんで、普通のバンドにやれることが出来ないっていうのは当たり前にあるんですけど、それが逆に言ったら強みにもなるんですよね。
例えばルーパーでバッキングを弾いて、サビとかの音量を大きくしたいところでルーパー構築したやつを一気に同時再生させたりとか。そういうベタでオーソドックスな展開とかって、みんなやれるんだけどシンプル過ぎてあんまりやらないんですよね。僕らはそれをストレートにやる。それでいて自分らの持ってる味も出せるっていうのが、僕らの強みになってるのかなって。

—なるほど。ちなみに今作『soo coo?』には以前からもライブでプレイしていた曲っていうのはあまり入っていないですよね?

はい。今回はあまりないんですよね。リード曲とか一曲目の「my baby」っていう曲は古いんですけど。あとはもう制作の前というか、アルバムを出すって決まってから作りましたね。

—今回、色々と環境が変わった中でのリリースだと思うんですけど、作曲段階で今作に向けて何か意識したことや変化はありましたか?

作曲の仕方は特に変わってないんですけど、構成というか展開とかをシンプルにやっていこうってのはありましたね。録音というか編集自体も、以前までみたいに過剰なリヴァーヴとかエディットは控えて、大げさに言えば全部のフレーズに意味があるように、正々堂々と聴かせたいなって気持ちは超デカかったですね。
昔は単純にやればやるほどかっこいいって思い込んでいたところがあったんですよね。それがなんでなくなったのかっていうと、過剰なエディットとか、宅録特有のザラついた質感とかっていうのが……なんでしょうね、ある種の障壁になってしまうんじゃないかって。例えば、米米CLUBとかを聴いてる人とかには、聴き込む前にフィルタリングされて、シャットアウトされちゃうんですよね。パッと聴きで「あ、ちょっとこれは違う」みたいな感じで。米米CLUBは極端な例ですけど、まぁメインストリームのポップスを聴いてる人には、どんだけいい曲書いても音色とか音質のせいで届かないんじゃないかって。それはもったいないなって思い、今回はそういう余分な、フィルターになってしまいそうな要素を減らして、キレイな音を録ることを意識しました。そういう音作りというかプロダクションで作った自分たちの作品を、今まで聴いてもらえなかった人に聴いてもらえたらどういう反応なんだろう? っていう小さい疑問からスタートしてる感じはありますね。

—作曲自体のプロセスが変わってないということは、バンドがスタートした頃からずっと自分としてはポップな曲を書いてるというか、大衆性みたいなものを意識していたのでしょうか?

毒々しいフレーズとか展開の中に、なぜか口ずさめるようなメロディーを入れるようにとかっていうのは意識してます。でも、昔はもう完全に9割ぐらいセッションで作ったりとかっていう状況だったんですけど、2枚目ぐらいからはほとんどパソコンとか携帯のボイス・メモで録ったものを中心に9割ぐらい組み立てていって、残りをセッションで作ったりって感じにはなったんですよ。なので、より冷静に見れるようになって、大分スッキリというかシンプルになったというか。

—今作リリースに際してのプレス・リリースで、「ひとりでも多くの人にドミコの音を聴いてもらいたいんだけど、自分たちだけではどうしてもいろいろな限界がある。だから初めて他の人の手を借りて作品を作りたいと思ったんです」っていうコメントが載っていたと思うんですが、具体的に感じていた限界っていうのはどのような点なのでしょうか?

それはやっぱり宅録の質感の話ですね。3月に「おーまいがー」っていう会場限定シングルを物販用のCDとして作って。それは自分でセルフ・ミックスをやったんですけど、今までで一番完成度の高い作品にできたと思えて。でも、逆にそこが自分の限界だなっていうのもわかって。独学でこれ以上は無理だなって。こっから先のレベルっていうのは、しっかりしたエンジニアさんとやっていかないと無理だなってハッキリわかってしまったんです。あとは自分でやる場合、ミックスにかかってしまう時間とかを考えるとあまり効率的ではないので、どのみちエンジニアさんとやった方が色々な発見とかもあるかなって。

—そもそも別にDIYな活動にこだわっていた訳ではない?

いや、最初はすごくこだわっていたんです。ただ、全部自主で制作した作品を2、3枚出して、自分たちで音を決め込んじゃうっていうのに対して少し飽きてきているというか、趣味趣向もちょっと変わってきているんで。

—エンジニアを付けたことによる、発見とか気づきというのはどのような感じでしたか?

技術的な細かいレコーディングのノウハウを学んだわけじゃないんですけど、かなりシンプルに作っても、やりたいことは伝わるんだなって。これまでの作品は全ての音がザラついた質感になってたりしたと思うんですけど、それがどんどん効果的なものになってきたというか。例えば曲の一部分でめっちゃ汚いギターを入れるとか、そういうポイントポイントで使うものなんだなって。そういう発見がありました。超初歩的なんですけど(笑)。

―例えば60年代のガレージとかも好きっていう話を他のインタビューとかでおっしゃっていたと思うんですけど、そういうジャンクな音質の作品でも、それにはそれの良さもあるじゃないですか。「マイク1〜2本で録ってる?」みたいな。そういう価値観との折り合いはどのようにつけているのかなって気になったりもします。

単純に、色々なことがやりたいんですよね。一曲一曲毎に様々な要素を入れたい。例えばある一曲には60年代のジャングリーなテイストを入れたり、別の曲にはアンビエントにフィーチャーしたりとか、また別の曲にはタイトなポスト・パンクじゃないけど、そういう自分なりの薄っすらとしたイメージを注入していく、みたいな感じで。ドミコとしては特に「この年代のこれ」とか「こういう音」っていうのは決めたくないんですよね。
たぶん周りの人たちが困ってるんじゃないかって思うくらい僕は本当に気分屋過ぎて。やりたい曲とかもドンドン変わっていくんですよ。ライブの当日にセットリスト変えたりとかもあるし、とにかくいい意味でも悪い意味でもぶれまくっていて、「こういう曲をやりたい」、「ああいう曲を作りたい」っていうのも、たぶん来月くらいでも色々変わっていると思います。

—そういう性格だと、作品をパッケージするのってちょっとモヤモヤしませんか?

いや、逆に楽しいですね。アルバムって、それこそ写真のアルバムみたいな感じで、この時はこういう気分だったなとか、そういうものを記録しておけるものというか。逆に作っちゃわないと曲も固まらないので。だからアルバムを作る機会っていうのはとても貴重で、楽しいことだと思いますね。
あと、今回で言うとアルバム制作1日目から帰宅して、その次の日の朝までに作った曲とかもあるんです。その曲は今かなり気に入ってる曲なんですけど、それってたぶんあの時にしか作れなかったものなんですよね。大げさな話、1日毎とか、もしくは同じ日の5秒前と5秒後でも、曲を作るタイミングがズレたら全然違うものになるんじゃないかなって。自分っていうのは常に変わり続けているわけで、楽曲もたぶんそれぞれの瞬間によって、変わり続けている。結局は全部の曲がそれぞれの瞬間にしか生まれ得ないものになってるんじゃないかなってことに気付いて。だからこそ、なんていうんだろう……一曲一曲をすごい大事に作ろうって思うようになりました。

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—あまり曲は溜めておかないタイプですか?

アイディアとかフレーズみたいな、断片的なモノは携帯のボイスメモとかにめちゃくちゃ溜めてるんですけど、それを曲にするのはまた別作業って感じで。ちなみに、今回は2回に渡ってボイス・メモが吹っ飛んでしまって(笑)。
それで大体過去1年分くらいのアイディアがなくなってしまって……「やべーなー」って(笑)。

—アルバムの制作に取り掛かるタイミングで?(笑)

そうです。最初、半年分くらいのボイスメモが消えて。「うわー笑えねー」って思ってたんですけど、そこからいざ制作に入るぞっていうタイミングで今度はまた3ヶ月分くらいが消えて……「もうダメだ……」って(笑)。
でも、結果としては、返ってまっさらな気持ちで作れたような気もしますね。

—今回のアルバムをこれまでの作品と聴き比べると、ボーカルがより前面に来ているような印象を受けますが、ミックスなどについて留意した点を教えてもらえますか?

そうですね。これまでと比べるとかなり聴きやすくなったとは思います。あまり声を重ねたりすることもなく、とにかくできるだけ生々しく、聴こえやすくっていうのは意識しましたね。……だから前と比べると、別バンドかと思われるくらい変わったんじゃないかなって思います。

—一方リリックに関しては、これまで同様に、あまり意味を重視するというよりは、音重視で選ばれているように感じました。

確かに曲単体で意味を持たせたりっていうことはないんですけど、一文一文毎に独立した意味を持たせたりとかはしていて。読んで、本当に全く意味わからないっていう風にはしたくなくて。そこも自分で納得できるまで結構詰めましたね。
僕の歌い方のせいで聴き取りにくいというか、聴き取れなくてもいいっていうスタンスなので、妥協は無限にできるんです。でも、やっぱり歌詞書くのも好きというか、楽しいんです。だから、しっかり自分で満足いくまでやりました。今作はリリックもすごい気に入ってます。

—フレーズ単体や一文単体で意味を持たせたとのことでしたが、そういったものはどういったところから浮いてくるのでしょうか?

制作期間は携帯にプリプロの音源を入れてて、それをずっと聴いてるんです。プリプロって言いながら、歌詞はまだめちゃくちゃなんですけど。それをひたすら聴きながら、「あ、ここにこの言葉を入れよう」とか、そういうのがフッと湧いてくるって言う感じですね。で、それをひたすらメモっていって、最終的に一曲としてまとめていく作業に入るというか。コンセプトというかテーマのようなものが固まってきたら、それに合う言葉をハメていったり。

—今回は「まどろまない」のMVでも初めて外部の映像ディレクターに委ね、本人も映るなど、新しい試みにトライしていましたよね。

う〜ん、まぁMVについては……「おれらが出てもいいんだな」って思いましたね。半分出てないっすけど(笑)。

—シルエットだけ、みたいな(笑)。逆になんで今まで出ちゃダメだと思ってたんですか?

いや、別に出ちゃダメだって思ってたわけではないんですけど、逆になんで出なきゃいけないんだろうって思ってたというか。でも、いざやってみると、こうすることで一気にMVっぽくなるんだなって思いました。
あと、それまで自分で作ってたMVは、本当にふざけてるだけというか。でも、真面目に観てくれる人たちもいっぱいいてくれて嬉しかったですけど。今回はアルバムもちゃんと聴きやすく作ったし、正式にレーベルからも出すってことで、より多くの人に見てもらえることも考えつつ。

—ジャケットのモチーフも初めて動物以外のものになりましたよね。

ハハハ(笑)。1〜2枚目のEPとかは、言うたら半分くらいは元々あった曲で、ミックスも自分でやってて。連作とは言わないですけど、リリースの間も6ヶ月しか空いてないし、なんか兄弟的なアルバムなのかなって。ユニコーンでも3ヶ月連続リリースっていうのがあったんですよ。なんかそういう感じというか。
なので、ジャケットもわざとシリーズ的に繋がっているような感じにしたんですけど、だからこそ今回は全く違った感じのものにしたかったというか。

—今回のジャケット・デザインを手掛けたKelly Bastowとはどのようにして繋がったのでしょうか?

SNSでプロからアマチュアまで幅広い世界中のクリエイターの作品を発信している人がいて。それこそ大企業のCMとかを手掛けている人から学生の作品まで紹介しているんですけど、その人のことをちょくちょくチェックしていて。で、そのポストの中に「美大を落ちて、そこから女性の絵をひたすら書き続けているカナダはトロントのアーティスト」みたいな感じで紹介されていたのがそのKelly Bastowで。調べてみたら日本では全くといっていいほどにどこにも取り上げられていない人だったんで、おもしろいなぁって思って。
で、今回の僕らのアルバムも、たまたま女性からの視点と捉えられるようなストーリーが多いなってことに気付いたんですよね。あとはドミコのローファイとか、チープっていうようなイメージとも合致するなって部分でもピンときたんです。それで連絡してみたっていう感じですね。

—今回のジャケット・デザインに際して、どういうようなイメージを向こうにお伝えしたのでしょうか?

単純にその人の作品で僕が気に入ったやつを伝えて。あとは「60’s〜70’sっぽいファッション」とか、そういう要望をちょこちょこ投げました。そしたら何かめちゃくちゃ喜んでくれたんですよね。蓋を開けてみればカナダでは結構な売れっ子で、コミック本が発売されていたりする人だったんですけど、スケジュールも僕らのジャケット・デザインの方を優先してくれて。

—では、先程のMVもジャケット・デザインもそうですが、今作は大きなレーベルからのリリースとなり、これまでのDIYな活動スタイルと比べると、バンドの活動に深く関わる第三者がとても増えたと思います。そういったことで、何か気づきや、変化の必要性などは感じていますか?

う〜ん、そうですね……。たぶんバンドに対する意識とかも変わってるんでしょうけど、自分ではなかなか気づかないというか……。

—例えば、もうアマチュアではなく、れっきとしたプロじゃないですか。そういった自分たちの立ち位置に対する意識は?

もちろん細かいところでの向上心とか、もっと広いところに届けたいっていう気持ちは昔よりは強いと思います。そのためにはどうしたらいいのか、とかそういうことを考えたりもするようになったし。あとは、具体的なことを言ってしまうと楽器を上手くなりたいとか、ボーカルを上手くなりたいとか、そういう技術的なことですね。バンドでもそうなんですけど、僕家にいる時とか常に歌ってるんですよ。でも、自分の曲じゃなくて、他人の曲を歌ってる時とか、自分で自分のこと「うわ、めっちゃ下手くそだな」って思うんです(笑)。だから、家で気持ちよく歌うためにも、歌が上手くなりたいなって(笑)。

—今作の制作期間にハマっていたアーティストとか作品を教えてもらえますか?

他のインタビューとかと被っちゃうかもしれないんですけど、Hall & Oatesはずっと昔から今に至るまで好きで。あとはここ最近だとCarole Kingとか、Chance The Rapper、Laura Nyro、Only Real、Neil Youngとか。何かめちゃくちゃ広く色々な音楽を聴くというよりは、ひとつのアーティストとかにハマるとずっとそればっかり聴いてしまうっていう性格なんですよ。なので、今回は本当にCarole Kingが大きかったですね。大阪に遠征に行く時とかも、行き帰りでずっと同じアルバム聴いてましたからね(笑)。

—『つづれおり(Tapestry)』ですか?

そうそう(笑)。全く飽きずにずっと。

—インディっぽい尖った音楽性などではなく、やっぱりソングオリエンテッドな方向に意識が向いているんですね。

そうですね。だから、バンドに直結しているのは歌の部分だけだと思います。

—最近は”BEACH TOMATO NOODLE”を共同主催したTempalayやTENDOUJIなどと仲がいいですよね。彼らも昨年から今年にかけてアルバムなどをリリースしていて、外部から見ていると何かシーンのようなものが盛り上がってきているように思ってしまうのですが、実際はどうでしょう? 仲間意識のようなものはありますか?

結構みんなはそういう話をしてるみたいですけどね(笑)。
“ビートマ”に関して言えば、カッコイイけど残念ながら売れてない(笑)っていうやつらを集めて、おもしろいイベントをやってみようっていう、すごいシンプルな感じで。「シーンを盛り上げる」って漠然とした話ではなくて、ただ自分たちがクソブチ上がれるようなことをやったら、結果的にそういうことに繋がっていくっていう、そういう感じだと思いますね。そこにもっともっと色々な人を巻き込んでいければ最高ですよね。
あとは彼らとは音楽性とか、好きなバンドとかもガチガチに同じなわけではないけど、共通する部分もあるし……良くも悪くも「楽しければいいでしょ」っていう精神を持ってるところとか、そういう点ではシンパシーを抱いているって言えると思います。まぁ……でも、やっぱり今でもドミコは孤立してると思ってますけどね(笑)。

—では最後に、ドミコとしての今後の活動についてはどのように考えられていますか?

これは本当につまらないことしか言えないんですけど(笑)。一個一個目の前にあることをこなしていくっていう、それしか今は考えられなくて。CDをなるべくたくさん売って、ツアーもおもしろいものにしてっていう、ミュージシャンとして当たり前のことを、普通にこなせるようになりたいです。……で、そうしてる間にいつかドカンと売れねえかなぁって。結構、ナメてるんですよね(笑)。

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【リリース情報】

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ドミコ 『soo coo?』
Release Date:2016.11.09 (Wed)
Label:RED Project Room / Sony Music
Cat.No.:RED0005
Price:¥2,130 + Tax
Tracklist:
1.my baby
2.まどろまない
3.グレープフルーツジュース
4.Pop,Step,Junk!
5.Slip In Pool
6.さなぎのなか
7.マイララバイ
8.haii
9.おーまいがー (Album ver.)

■ドミコ オフィシャル・サイト:http://www.domico-music.com


【イベント情報】

“ドミコ「soo coo?」Release Tour”

2016年12月14日(水)
名古屋 CLUB ROCK’N’ROLL OPEN/START : 18:30/19:00
Guest Act:Tempalay, DENIMS
前売 スタンディング 2,500円 (税込/D別)

2017年1月13日(金)
仙台enn 3rd  OPEN/START : 18:30/19:00
Guest Act:TENDOUJI, DENIMS, , DJ:NIGHT VACATION
前売 スタンディング 2,500円 (税込/D別)

2017年1月26日(木)
大阪 Pangea OPEN/START : 18:30/19:00
Guest Act:DENIMS,Tempalay
前売 スタンディング 2,500円 (税込/D別)

2017年1月27日(金)
広島4.14 OPEN/START : 18:30/19:00
Guest Act:DENIMS,Tempalay
前売 スタンディング 2,500円 (税込/D別)

2017年1月29日(日)
福岡 graf OPEN/START : 17:30/18:00
Guest Act:DENIMS,Tempalay, DJ:SHOTA-LOW (ABOUT MUSIC/PLAG)
前売 スタンディング 2,500円 (税込/D別)

東京 <ワンマン/ファイナル>
日程:2017 年2月4日(土)
会場:新代田FEVER OPEN/START : 17:30/18:00
前売 スタンディング 2,500円 (税込/D別)

More info.⇒
エイティーフィールド 03-5712-5227(平日13:00~18:00)
ドミコOfficial HP http://www.domico-music.com

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SHINJUKU MARZ × BEACH TOMATO NOODLE
“COUNTDOWN 2016→2017”

2016年12月31日(土)
at Shinjuku MARZ
Open / Start : 18:30 / 19:00
前売:2500円(税込/D別)

■第一弾アーティスト発表:
Tempalay、ドミコ、TENDOUJI、DENIMS、DALLJUB STEP CLUB、GRASAM ANIMAL……and more!

■FOOD:
zagon kitchen KYARA

チケットぴあ、イープラス、ローソンチケットにて発売

Spincoaster

Spincoaster

Spincoaster(スピンコースター)は、独自に厳選した国内外の新鋭MUSICを紹介する音楽情報メディアです。