Billyrrom
FEATURE

INTERVIEW | Billyrrom


愛と自己の追求の先で辿り着いた「素直」、メジャー初アルバムを経て新たなフェーズへ

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2026.10.22

Billyrromは「なぜ音楽を作るのか」、そして「何を伝えたいのか」ということに対して自覚的なバンドだ。コロナ禍に結成された彼らは、まさに「踊れない時代」に生まれ、声出しが禁止されている中でライブを始めた。そんな環境だったが――いや、そんな環境だったからこそ、彼らは一貫して「踊れる」音楽を作り、オーディエンスと躍動感のあるステージを作ってきた。心と身体を開放するようなファンクで、リスナーの信頼を勝ち取ってきたのだ。

そんなBillyrromが、メジャー移籍後初のアルバム『P‘I’CTUS』を完成させた。ロック色の強かった前作『WiND』に比べ、得意のディスコファンク色を強く打ち出した作風が印象的だ。また、今作の歌詞とサウンドは、ギターのRinが書き下ろした短編小説を基に形成されている。音楽と物語が連動することで、作品のテーマやメッセージが前景化するはずだ。

側から見ると和気藹々としている6人だが、きっとその内面では格闘があったのだろう。「今回の作品は自分たちの身に起きたことしか歌っていない」という、自叙伝のような作品である。「素直」と「愛と自己の追求」をテーマにした新作について、たっぷり語ってもらった。

Interview & Text by Ryutaro Kuroda
Photo by fukumaru
Stylist:TEPPEI
Hair & Makeup:Yosuke Akizuki, Minami Nakamura


「今、何をしたいのか」を追求し、浮かび上がったテーマ

――今作の制作期間中に経験したことで、印象に残っていることはありますか。

Mol:今回の作品はすべて自分たちの身に起きたことしか歌っていない、すごく自伝的なアルバムになっている気がします。あまりにも性格や個性が違う6人なので、コミュニケーションや意思疎通が難しく感じることもこれまで多々あったんです。その全く異なる6人が、「ここだけは一緒だよね」という重なる部分を追求したのがこのアルバムだと僕は思っていて。それが「素直」という今作のテーマになったんですけど、そこに気づいてからはコミュニケーションや制作がスムーズになりました。

――そのテーマはどんなところから浮かんできたんですか?

Mol:制作に入る前に、みんなで「Billyrromは今、何をしたいのか」というのをテーマに、樹形図を作ったんです。でっかいホワイトボードの表も裏もパンパンになるまで書いたんですけど、最終的に辿り着いたのが「素直」でした。こんだけ違う人間が6人集まって、全員がこれだと指差したのが「素直」だったということは、それが真理なんじゃないかなと思いましたね。

Rin:今の時代において、敢えてバンドという非効率な体制で活動していく意味をすごく考えました。全然違う6人が集まるからこそ起きる化学反応があるんですけど、その化学反応が起きるまでは衝突もあるわけで。当然上手くいかないこともあるし、今回のアルバムではそこもちゃんと描きたいなと思った。それが『P‘I’CTUS』を作るきっかけであり、今作の内容にもなっています。

――Billyrromは気の置けない仲間が集まって、地元の町田で結成されたバンドですよね。だから傍から見ていると、友だち同士でワイワイやっているように思っていましたが、実際はすれ違うこともあったと。

Leno:今までがそうじゃなかったわけではないんですけど、やっぱりメジャーに行って、自分たちの音楽をより広く届けるということは、ちゃんと音楽をビジネスにするという側面もあるじゃないですか。

――おっしゃる通りです。

Leno:変な話ですけど、友だち同士で起業した会社は上手くいかないみたいな、そういうことになったら嫌だなと思って。僕らは友だちでもあるけど、ビジネスパートナーとしてもちゃんとやっていきたいから、そういう部分で話し合った記憶はありますね。メジャーに行くからといって金儲けのために音楽をやるわけでは断じてないし、奇跡的にすごくいい大人たちと出会えたから。『P‘I’CTUS』は何も強制されることなくやりたい音楽ができた、その点も含めて素直さというのはひとつの正解なんだと思います。

――つまり音楽的にも自分たちのやりたいことに素直になれたと。

Mol:まさしく。いろんなものを表現するにあたって、やっぱり答えは自分の中にあるんじゃないかという考えに至ったんです。だから僕たちはメジャーデビューしたときの文言にも「愛と自己の追求」というステートメントを出したんですけど、結局自分の声を聞かないと何も作れないというか、そこにひたすらみんなで向き合った制作期間だったと思います。

Billyrromがメジャーデビューと同時に発表したステートメント

――そうした気づきが書き下ろしの小説ともリンクしているのでしょうか。

Mol:小説はRinが書きたいと挙手したんです。たとえばこうしたインタビューでこそアルバムの内容について話しますけど、普通にアルバムを聴いただけじゃ伝わりきらないこともあると思うんです。

Rin:サブスクで1曲1曲聴ける時代だからこそ、(リスナーが)自分で掘っていかないと、バンドが深いところで考えている部分には到達しにくいと思う。そこで「素直」というテーマを伝えるために、そしてアルバムというフォーマットでより濃い作品を作るために選んだ手段が、物語を作ること、すなわち小説を書くことでした。本格的に書き始めたのは制作中で、アルバムのコンセプトと小説のあらすじは、1曲目を作り始める前にメンバーやスタッフに共有しました。俺的には歌詞の延長線上みたいな感覚もありましたね。

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新しいステージで戦っていくことを提示した“Boogie”

――『WiND』はロック色の強い作品でしたが、『P‘I’CTUS』は全編通してディスコファンクが印象的で、中盤のサウンドからはどことなくPinkPantheressやDijonからの影響も感じました。音楽的にはお互いの共通項になるようなものはありましたか?

Leno:お互いが何を聴いているのか把握しようということで、自分が聴いている音楽をリアルタイムで共有するアプリを入れたんですよ。

Taiseiwatabiki:Airbudsね。

Leno:最初はそれで各々のムードがわかったり、おすすめし合ってハマることも増えたんですけど……俺、ちょっと恥ずかしくて消しちゃったっす(笑)。

Mol:俺も恥ずかしかった(笑)。

Taiseiwatabiki:曲作ってるときにリファレンスを探すじゃないですか。そういったときに「お前これ聴いてる?」とか言ってメンバーが茶化してくるんですよ。

――(笑)。でも、その中でなんとなくバンドのムードを見つけたところはありますか?

Leno:結構4つ打ちですね。Molはディスコからハウスミュージックに一時期傾倒していて、ラテンとかも聴いてたかな。さっき指摘されたPinkPantheressやDijonは俺がめっちゃ聴いてたし、(今回のアルバムには)結構みんなの今のムードが詰まっている。共有したことで作品としてのまとまりが出た部分はあるような気がしますね。

――具体的に今作のとっかかりとなった曲は?

Mol:“Boogie”です。この曲を年明けに作っているときは、僕らも今ほどリラックスできていなかった。メジャー1stシングルって僕らの中ではすごくハードルが高かったというか、新しいステージで戦っていく上で、最初に提示するものだから思い入れがありましたね。今まで僕らを支えてくれている人たちにも、どういう風に伝えていきたいのかを吟味して、そこで考えたことを音にするのが大変でした。それを形にしたことで一種の成功体験を得たというか、進んでいくべき方向が見えた感覚がありました。

Leno:何をBillyrromらしさとして打ち立てるのかをすごく悩んだんですけど、何回も作り直していくうちに、「結局ディスコっしょ」という結論に至って。それからはスムーズに物事が進んでいったような気がします。自分たちの得意なジャンルで、俺らがポップスに対して上手くアプローチできる部分がそれだったし、結局踊らせるっしょみたいな気持ちが根底にあるんですよね。それを再確認したのが「Boogie」なのかもしれないです。

――では、おひとりずつ今作において、自分の中で新しい扉が開いたような楽曲があれば教えてください。

Shunsuke:“Boogie”ですかね。アルバムを作る前にモノ作りをするときの美学みたいなものがだんだん出来上がってきて、それが「最小限で構築」されていることと、「世の中にない」もの――つまりシンプルだけど新しいもの、それでいて世の中の人がすでに聴いたことがあるという、その矛盾する3点でどれだけ綺麗な三角形を作れるかという、それを意識して今作を作っていたんですけど。“Boogie”はそこを上手く狙えたかなと思います。

――叩き方で意識したことはありますか?

Shunsuke:いろんな年代のドラマーのインタビューを読みました。そうすると例えばMarvin Gayeの作品やライブで叩いていたJames Gadsonもそうなんですけど、あの年代のドラマーは「どうしたら人は踊れるのか」ということしか考えてない、そういう人たちばっかりなんですよ。彼らの音楽は今でもヒップホップでサンプリングされているわけで、そうやって重宝される要因はそこにある気がしましたね。そのタイム感にリスペクトを持って制作した感じです。

Yuta Hara:僕は“One-Cut”です。最初にビートを作ったときはヒップホップっぽいノリだったので、DJだったらスクラッチしにいきたくなる曲なんですけど、敢えてスクラッチはせず、自分なりに試行錯誤して今の形になりました。アルバムを通して自分自身が今までにしたことのないアプローチに挑戦するきっかけを作れましたし、ベストだと思えるものができた気がします。

――“One-Cut”は不思議なリズム感になっているように思いました。

Taiseiwatabiki:Lenoが主導して作った曲ですね。

Leno:元々雛形になるデモがあって、YutaとTaiseiと僕の3人でどういうアプローチにしようか話し合って進めていきました。普通にJ Dillaみたいな打ち込みをやってもつまんなくね? というのがあったので、今のUKっぽいホーンを入れたり、808(ローランドのリズムマシン「TR-808」)のハイハットにしてみたり、レイドバック感を絶妙なバランスで取っていきました。

Shunsuke:ドラムはタイム感を一拍ずつ微調整しながら作っていて、テーマとしては70年代ディスコのタイム感を狙っています。Bruno Marsはドラムを1曲通して録るんじゃなくて、単発で全部録ってそれを細かく一拍一拍調整し、打ち込んでいるらしくて。“One-Cut”ではそのやり方を真似してみました。

――なるほど。

Taiseiwatabiki:今作のベースは全曲通していろんな音色を使ったんですけど、自分的に新しかったのは“Letter”です。今までもテンポが遅い曲はやってきたんですけど、その中でもJ-POP的なアプローチというか。今までベースは音価が長いところと短いところがあるのがほとんどだったんですけど、この曲では割と音を途切らせないことを意識しています。あと、ドラムもいわゆるJ-POPのバラードだとリバーブがデカかったりするけど、そういうアレンジはせずにナチュラルな音色で、いかにポップス的なバラードを作れるかっていうのは意識してて。ドラムはシンプルだけどベースは低いところで動いてるみたいな、意外とないバラードになったんじゃないかなと思います。

Leno:“Letter”は最初の雛形を作った時に、俺が疲れすぎてBPMが今よりも遅いバージョンになっていたんですけど。

Yuta Hara:そうだ(笑)。

Mol:俺、あれ聴いてビックリしたもん。7日間くらい連続で制作している時期があって、体調不良で自分が参加できなかった日があったんですけど、そのときに“Letter”のデモができてたんです。後日そのデモを聴いたとき、BPMが遅すぎて「え?」みたいな(笑)。後から聞いたらみんなめちゃくちゃ疲れてて、チルモードに入ってたみたいです。

――(笑)。

Leno:作ったときは「これ最高じゃん!」とか言ってたんですけど。

Yuta Hara:「これがバンドじゃね?」みたいなこと言ってたよね(笑)。

Leno:後々聴いてみたら遅すぎましたね。

――疲労で頭がバグってた。

Leno:マジでそんな感じでした。

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弾き語りでも成立するような、真っ直ぐなバラード曲“Letter”

――いずれにせよここまでしっかりしたバラード、実は今まで歌ってこなかった気がします。

Mol:メロディは正直苦戦しました。やっぱり洋楽を聴いて育ってきたので、こういうメロディに日本語の詞をしっかり乗せて歌うということをあまりしてこなかったんですよね。なのでボーカリストとしてそういう部分と向き合えたという点と、その上でいわゆる世間的なバラードとは違う、Billyrromとしてこういう曲を作れたという点で、すごく自分の成長に繋がったと思います。

Leno:Rinが真っ直ぐなバラードをやってみようと言ったのがきっかけでした。これまでバラードコンプレックスみたいのがなかったと言えば嘘になるというか、そういう曲を作るのには抵抗があって、それで結局グルーヴを前に出しちゃう感じだったんですけど。“Letter”はいわゆる「名曲」みたいなポジションになるバラードにチャレンジしてみた楽曲です。

――Rinさんはなぜそういう曲をやりたいと思ったんですか。

Rin:今までBillyrromで歌詞を書くときには、大体オケができてメロディもあって、割とリズムもはっきりしてる曲が多かったんです。なのでパズルみたいな感じで、そこに合う言葉を当てはめながら意味合いを持たせるという書き方をしてきたんです。でも、今回はアルバムのコンセプトがちゃんとあるから、言葉の優先度が高い曲を入れたいと思ったんです。

――なるほど。

Rin:なので俺も1曲挙げるとしたら“Letter”ですね。歌を一番に考えて、弾き語りでも成立するようなバラードを作りたいと思いました。それで歌詞を書いて、メロディもめっちゃいいものになったんですけど……すでに(曲として)成立しているものに対して、ギターという楽器で一体何ができるのかっていう部分が結構難しくて。最終的にはいい感じになったんですけど、歌に対してギターが何をするのか、初めてそういうところに真剣に向き合った気がします。

――ではMolさんがご自身の中で手応えを感じた曲は?

Mol:“WGMM”、“Bubble”、“Letter”の3曲かな。今作は楽曲毎に必要とされる精神状態というか、アティチュードが違うんですよね。“WGMM”は怒ってるニュアンスがあった方が映えるとか、“Bubble”はひとりぼっちな感じで歌った方がいいとか、それらを追求する上での精神トリップみたいなことをしょっちゅうしてて。「この引き出し、久々に開けたな」みたいな曲もあれば、「こんなの本当は人に見せたくない」みたいな曲もあって、先に挙げた3曲は特に思い入れが強いです。

――“WGMM”はインパクトのある曲ですね。

Rin:LINEでみんなに今の時代の嫌なところを募集して、それを全部詰め込んだ曲です。

――まさに歌詞も強気というか、訴えるべきことを訴えている曲だと思います。

Mol:おっしゃっていただいた通り歌詞もすごくストレートだし、サウンドもわがままな曲だと思います。レコーディングをするとき、僕は1回歌えなくなったんですよ。というのも、今までの楽曲は綺麗にパッケージングして人に届ける、ということをやってきたと僕は思ってるんです。でも、それをやってきたがあまり、今度は自分のわがままな歌い方を忘れてしまってることに気づかされた。そういう意味でも、自分の原点に立ち返る曲になりました。

――“Bubble”はまどろむようなボーカルが印象的で、すごくいい曲だと思います。

Mol:全部の曲が小説とリンクしているんですけど、“Bubble”は特に大事なシーンとリンクしている1曲です。深海の中に自分が精神ごとずっぽり浸かっていくようなニュアンスがあって、それを表現するためには、やっぱり自分も周りの人の声を全て遮断しないと歌えないなと思いました。サウンドは主にLenoが作ったんですけど、自分の心の奥、すごく深い部分をくすぐられるような感覚がこの曲にはあって、それを頑張って表現しようという思いで歌いました。この曲の詞もすごく好きですね。

――Lenoさんは今作において、どうですか?

Leno:アルバム作る前に人生で初めてメンタルの不調を経験して、そのときに色んな音楽を聴いて現実逃避みたいなことをしていたんですけど。やっぱりシンセって人間の心を動かす何かがあると再確認しました。そこでJuno-60というローランドのシンセの魅力に気づいて、個人的な裏テーマではあるんですけど、全曲に違う表情でJuno-60の音を入れることを自分に課したんです。今回のアルバムではそれが上手くいったと思いますね。Junoにしかない温かさがあるし、強い部分もあればノスタルジックな部分もある、そして未来的な感触とか、本当にいろんな表情を出せる名機だと思いました。

――アルバム最終曲の“Mirror Ball”を、物語の結末という風に捉えることもできると思うのですが、この曲もまたディスコ色の強い曲ですね。

Yuta Hara:Molがサビのワンコーラスぐらいのデモを作ってきて、それをメンバーで派生させていきました。

Taiseiwatabiki:その時点で《ミラーボールを止めないで》というフレーズもあったし、シンセやブラスも入っていてポップス色が強かったから、それをどうやって自分たちが今まで紡いできたディスコ感のある曲にしていくか、各々が考えましたね。一番のAメロ、BメロにはMichael Jackson的なノリがあったり、Molが持ってきたデモの長所と自分たちのルーツを掛け合わせて作った気がします。

Shunsuke:“Mirror Ball”に関しては、僕は意識的に手を抜いて接した曲でした。というのも、音楽って必ずしも愛情をたっぷり込めたらいいものになるとも限らない気がするんです。たとえばJames Jamersonが“What’s Going On”(Marvin Gaye)を寝っ転がりながらレコーディングしたみたいに、ラフに接するのも時には大事なことだと思うんですよね。だから、“Mirror Ball”はそうやって力まずに接した曲です。

――《Earthでもかけて ふたりだけの秘密で》《ただ僕と今夜踊らない?》というリリックが印象的です。

Rin:みんなで話し合って書いたところですね。それでEarth(Earth, Wind & Fire)という単語も入れました。“Mirror Ball”はリード曲だし一番のポップスだけど、そこに俺らの色をどう入れるかというのを考えたら、やっぱり「踊る」というのが今回のテーマなんで。それを表現する上でもEarthはキーワードになりましたし、小説にも出てきます。


「踊れない時代に生まれたバンドだからこそ」

――Billyrromはダンスミュージックというのをずっと意識してきたと思うんですけど、なぜ改めて作品のテーマとして打ち出したんですか。

Rin:メジャーデビューに際して、1回自分たちのルーツや元々持っていたものを見つめ直したんです。僕らはダンスミュージックをやりたくてバンドを始めたわけだし、コロナ禍に結成してそういう時代を見てきたからこそ、やっぱり踊るっていうことに対して深く考えてきて。このタイミングでもう1回「踊る」というのをテーマに作品を作りたいなと思ったんですよね。

――このバンドは踊れない時代に生まれたし、だからこそ「踊る」ということに対して意識的であると。

Rin:そうですね。

Taiseiwatabiki:去年10月に北海道の旭川に行ったんですけど、そこでお酒飲んでいるときに、踊るということは人が主体的になることの最も簡単な方法なんじゃないかとふと思ったんです。なぜかベロベロになっているときにそれを感じて、コンビニでみんなに話したら「こいつヤベえな」みたいに言われたんですけど(笑)。

今の時代、スマホひとつで全てが完結してしまうし、あらゆることに対して受け身になりがちじゃないですか。踊るということは、そんな時代の中でも自分が主体的になるための、最初の一歩になるんじゃないかなと俺は思います。

――まさしく。踊るということは主体的であり、開放的な行為ですからね。

Leno:フェスでライブをすると、大人よりも子供が踊っているんですよね。無垢な子供が踊るのって、素直さの塊じゃないですか。それが本来のあるべき姿だよなってよく感じます。

――そしてBillyrromは自分たちがどんな歌を歌い、どんな音楽をやっていきたいのかを伝えることに自覚的ですよね。だからステートメントも出していると思うんです。

Mol:そうですね。僕らがバンドを始めた当時は大学生で、音楽のこともよくわかんないし、業界のことも、なんなら世の中のこともよくわかんない状態だったけど、それからもう6年が経っている。その間にいろんなことを経験してきて、バンドを始めたことによって変わった見え方や価値観が6人全員にある。それをちゃんと人に届けたいと思ったし、Billyrromは自分たちに起きたことをありのままに表現するというほうがしっくりくるんですよね。

――このバンドはドキュメンタリーであると。

Mol:そうですね、ノンフィクションという感じです。

Shunsuke:どうせ何かを発信するからには、間違ったことは言いたくないし、真実を伝える側でいたい。『P‘I’CTUS』には自分を信じることを歌ってる曲もありますし、人生を進めていく曲もあれば、自分自身と会話するような曲もある。それは結局全部が「素直」に繋がるというか、踊ることは素直でいることだし、自分を信じることだと思う。そういうことを伝えていきたいですね。

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――なるほど。

Shunsuke:あと、素直でい続けようというのもありつつ、その上でいい世の中にしていきたいというか。俺らの作ったものが誰かに届いて、その人の人生がいい方向に進んでいくきっかけになったら嬉しいです。

――このアルバムがどんな風に受け取られるか、楽しみですね。

Rin:コンセプトもあるし小説も書いたけど、別にそれが正解ではないと思う。聴いた人に自由に受け取ってもらいたいし、そういうふうに聴けるように意識して作ったから。みんなそれぞれの感性で聴いてもらって、体でも心でも踊ってくれたらと思います。

Yuta Hara:『P‘I’CTUS』は『WiND』よりもBillyrromらしさが色濃く出た気がしますし、今作を作ったことで、バンドとして表現したいことが明確になってきた感じがします。これが世間の人に届いた時にどういう反応が返ってくるかが楽しみですし、共鳴してくれる人がいたら全力で応えたい。10月からツアーが始まるので、そこに来てくれる人たちをいかに楽しませるか、そればかり考えてます。

――Billyrromはライブの動員も日に日に増えてるし、端的に言えばたくさんのリスナーがいるバンドになっています。それを踏まえて聞きたいのですが、このバンドの主張やメッセージは、どのくらい聴き手に共有されている実感がありますか。

Leno:「自分たちはこういう音楽をしてますよ」って発信するのが今まで下手くそだった気がします。だからこれだけ考えてモノづくりをしているというのも、伝わってなかった部分が大きいと思うんです。でも、最近は素直さみたいな部分が音源だけじゃなくてパフォーマンスにも出るようになって、Molは特にいいライブをするようになった。これからは徐々にそれが伝わって、その渦に巻き込まれていく人が増えたら嬉しいですね。

Mol:この5年間は「Billyrromは何なのか」というのを自問自答してたと思うんです。それは別に悪いことではないと思ってるんですけど、このアルバムで遂にそれを終えて、伝えていくフェーズに入っていくんだと僕は思います。近々のライブではその気持ちがすごく前に出たと自分では感じていますし、みんなが思ってることも6人でまとまった感じがしていて、僕はすごく居心地がいいですね。

――watabikiさんは今後どんな活動をしていきたいですか?

Taiseiwatabiki:そうですね……将来的には世直し。

――世直し?

Taiseiwatabiki:今俺らがああだこうだ言っても煙たすぎるし、「これは間違ってる」って発言をするためには、それ相応の地位も必要だと思う。やっぱり積み重ねてきたものが大事だと思うんですよね。たとえばそれまで嘘を言ってきたやつが何を言おうと、誰も聞く耳持たないじゃないですか。言いたいことを言いたいときに言えるバンドでありたいです。

――逆に言うと、今の世の中おかしいことが多すぎるだろうと。

Taiseiwatabiki:たぶんいつの時代もおかしいじゃないですか。音楽を、芸術をやるってことは、そこに物申す役割でもあると思うし、言いたいことをバカなふりして言える職業だとも思うんですよね。そういう立ち位置である以上、ちゃんと全うしたいと俺は思います。

Leno:Billyrromがどういうことをやっていきたいかを、このアルバムを作って見つけた感じはありますね。だからこの感じが続いたらいいな……あとは爆売れ。

Taiseiwatabiki:お前それで締めるなよ(笑)。

一同:(笑)。

▼衣装クレジット
Mol:レザーカラージャケット ¥40,000 JIEDA(JIEDA)/ シルクシャツ ¥74,800 NICENESS(ELIGHT Inc.)/ ブーツ ¥79,200 DAIRIKU(DAIRIKU)/ その他、スタイリスト私物

Taiseiwatabiki:ジップフーディー ¥24,000 / ヘンリーネックロングスリーブTシャツ ¥17,000 / デニムパンツ ¥28,000 / 以上3点 JIEDA(JIEDA)/ 首に巻いているテープベルト ¥6,600 / JOHN MASON SMITH(JOHN MASON SMITH JANE SMITH STORE)/ その他、スタイリスト私物

Rin:ニットポロシャツ ¥11,800 vintage(KIOSQUE CC)/ ストライプパンツ ¥36,300 semoh(semoh)/ その他、スタイリスト私物

Shunsuke:スキッパーシャツ ¥36,300 / concause((株)STAND.)/ モックネックスウェット ¥11,800 vintage(KIOSQUE CC)/ スエードパンツ ¥108,900 semoh(semoh)/ その他、スタイリスト私物

Leno:フリース ¥46,200 JOHN MASON SMITH(JOHN MASON SMITH JANE SMITH STORE)/ Tシャツ ¥8,900 vintage(KIOSQUE CC)/ デニムパンツ ¥52,800 ULTERIOR(ELIGHT Inc.)/ その他、スタイリスト私物

Yuta Hara:ニットカーディガン ¥88,000 / ヘンリーネックロングスリーブTシャツ ¥29,700 / 以上2点 DAIRIKU(DAIRIKU)/ 中に着たサーマルTシャツ ¥8,900 vintage(KIOSQUE CC)/ スラックス ¥33,000 semoh(semoh)/ その他、スタイリスト私物

▼問い合わせ先
JIEDA:TEL. 03-6427-8464 / 〒153-0042 東京都目黒区青葉台1-19-3

ELIGHT Inc.:TEL. 03-6712-7034 / 〒107-0052 東京都港区赤坂8-5-40 PEGASUS AOYAMA 260

DAlRIKU:info@dairiku-cinema.c

JOHN MASON SMITH JANE SMITH STORE:TEL. 03-5738-7721 / 〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1-45-13 スプリングビル2F

KIOSQUE CC:TEL. 03-6419-7765 / 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目24−2 原宿芳村ビル 2階

semoh:TEL. 03-6451-0705 / 〒153-0043 東京都目黒区東山2-2-4林ビル2F

(株)STAND.:TEL. 0778-29-1191 / 〒915-0846 福井県越前市千福町34-3-2


【リリース情報】

『P‘I’CTUS』アートワーク
Billyrrom『P‘I’CTUS』
Release Date:2026.10.21 (Wed.)
Tracklist:
01. Towards of Frontier
02. SALTARE
03. WGMM
04. Boogie
05. Colour Filter
06. Understand
07. One-Cut
08. Bubble
09. Parallel
10. Letter
11. Mirror Ball

※Digital, CD+Blu-ray

▼購入リンク
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HMV
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【イベント情報】

Billyrrom Live Tour 2026-2027 P‘I’CTUS
『Billyrrom Live Tour 2026-2027 P‘I’CTUS』
2026年10月30日(金)神奈川 F.A.D YOKOHAMA
2026年11月7日(土)宮城 darwin
2026年11月14日(土)静岡 UMBER
2026年11月21日(土)兵庫 VARIT
2026年11月23日(月)香川 Takamatsu DIME
2026年12月4日(金)広島 SIX ONE Live STAR
2026年12月5日(土)熊本 B.9 V1
2026年12月12日(土)栃木 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-1
2026年12月19日(土)石川 KANAZAWA AZ
2027年2月20日(土)福岡 DRUM LOGOS
2027年2月21日(日)大阪 GORILLA HALL
2027年2月28日(日)愛知 THE BOTTOM LINE
2027年3月7日(日)北海道 PENNY LANE 24
2027年3月21日(日)東京 Zepp DiverCity (TOKYO)

■チケット詳細(e+):国内 / Overseas

■ツアー詳細

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■Billyrrom オフィシャルサイト


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