J-POPとインディーミュージックの狭間、ファンタジーとリアリティの境界線上でゆらゆら揺れてる、少し靄がかかった極彩色みたいな音色。聴いた瞬間に「これは売れる」と確信した。
東京都内を拠点として活動する5人組バンド、The Chimney Sweeper(チムニー・スウィーパー)が、2014年夏にアルバム『The Vowel』を全国流通盤としてリリースする。しかもレーベルは大阪の南堀江にある良心的なレコードショップ「FLAKE RECORDS」が所有する”FLAKE SOUNDS”! これまでNOKIES!やJuvenile Juvenileという、良質な国産若手インディーロックバンドを輩出してきた同レーベルから3組目の日本人アーティストとしてリリースする予定だ。バンドは同アルバムの発売に先駆け、ライブ会場での先行販売及びトレーラー音源も公開中。
この映像が公開されてからというものの、彼らのことが気になって仕方なかったのだが、先日ついにアルバムを手にすることが出来た。カントリーやフォーク、インディーポップにロックと、様々なジャンルの音で構成されつつ、あくまでリバーブの掛かった声が前にでる歌モノである同作は、何度聴いてもミツメやROTH BART BARONという近年ブレイクした若手アーティストと比較したくなるほどの良作だ。ただし、この2バンドとはシーンにおいての温度感や立ち位置が違うため、あくまで”近い音”として捉えてもらえればと思う。
今年は古き良き日本語ポップスを新解釈で打ち出すバンドが多く、個人的には洋楽よりも邦楽の方に期待を持っている1年なのだが、ここにきて嬉しい誤算というか、ノーマークのところから現れた新星であるThe Chimney Sweeperには期待してやまない。今夏には全国各地で彼らの名前を耳にすることが当たり前になってくると思われるので、気になる方は是非ライブに足を運んでみてはいかがだろうか。
(Text by Takumi Nakamura)