昨年11月に2ndアルバム『AINOU』をリリースした京都出身のSSW・中村佳穂。
その個性豊かな歌唱はもちろんのこと、レミ街の荒木正比呂、深谷雄一、ビートメイカー&SSWのMASAHIRO KITAGAWA、吉田ヨウヘイgroupの西田修大など、熟練のミュージシャンと共に作り上げた同作は、そのサウンドの独創性、クオリティの高さから、リリースされるや否や様々な各方面で話題に。まさに昨年を代表する作品とひとつとなった。
そんな一躍時の人となった中村佳穂がRootscoasterに登場。自身の思い入れの強い楽曲、映像を挙げてくれた。
Text By Takazumi Hosaka
1. Al Jarreau / Take Five
私が高校生の時に初めてYouTubeでドハマりした動画です。初めて曲に入っていく瞬間を観た時「やられた〜〜〜!!! かっこいい!! 結婚してくれ〜〜!」と大きい声を出した覚えがあります。久しぶりにこの動画を観ましたが、Al Jarreauの言葉と歌のシームレスさ、曲終わりに「わーはは」と言ってるあたり、影響かなり受けているなと思いました。到底追い付きはしないんだけども。かっこいいなぁ。
2. imai / Fly feat.79,中村佳穂
imaiさんと仲よくなって「このトラックに佳穂ちゃん歌を乗せてくれないかな」と連絡が来て、喜び勇んで友達の家で録音して。その時も間違いない曲だなとおもっていたのですが、麦ちゃんから制作途中の映像が送られてきた時「いやいやいや、あはは、すごすぎでしょ!」と笑っちゃいました。彼は音の一粒一粒をソフトでグラフ化してそれにお餅を合わせているらしく(すごすぎ)、聴こえなかった音は目で新しく発見ができるんだと感動したのを覚えています。自分も参加しているからという謙遜は抜きに「これすごくいいから観て!!」と友達にみせたなぁ。「力を合わせて作った素晴らしい作品っていうのは全員の物でもあり、誰の物でもない」そんな気持ちになってました。皆んな感動していたなぁ。そんな作品です。
3. ASAYAKE01 / ギター
「大阪にすごいめっちゃええ歌歌うやつがいるんやけど、全然ライブせぇへんねん」と昔付き合ってた人が動画で観せてくれたのがこれで、その時ビビるほど感動したんだけど、根掘り葉掘りその人のことを聞くのはなんだか忍びなかったので、こっそりメモして後日ずっとお客さんで観に行ってたASAYAKEさん。懐かしい。お酒は飲まない、どんなにすごいライブをしても本人はケロっとしている。年に数回しかライブをしない。銭湯が好き。変わった人だけど実直で、私の仲のいい関西の音楽家はみんな彼のことが好きで。今でも話す時は緊張します。もっと沢山の人に観てもらうべき素晴らしい人。2019年は沢山歌う予定とのことなので、マスト・チェック!
Message
当たり前なんですが動画で観ている人って本物が存在するんですよね。彼らにも日常があって、人生があってその延長線にこの動画がある。けど、観ている時は「私と動画」その世界だけ。それが好きです。変な話をすると、この前「YouTubeって世界中の誰かが毎日何かをアップロードしてるって……消えることがなく増え続けるって、広がり続ける宇宙みたいだな」とめちゃくちゃ怖くなったことがあるのですが、今回の企画みたいに思い出して観る機会を設けるのは“ちゃんと自分はその時その動画と向き合ってきたんだな”と安心するし、嬉しいなと思いました。これを読んでくれた人も少しでもワクワクして動画を観てくれます様に!
Profile
中村佳穂
「手は生き物、声は祈り。」
1992年生まれ、京都、ミュージシャン。20歳から本格的に音楽活動をスタートし、音楽その物の様な存在がウワサを呼ぶ。ソロ、デュオ、バンド、様々な形態で、その音楽性を拡張させ続けている。ひとつとして同じ演奏はない。見るたびに新しい発見があるその姿は、今後も国内外問わず、共鳴の輪を広げていく。2018年11月にアルバム『AINOU』をリリースした。
【イベント情報】
NEWWW vol.17
日程:2月19日(火)
会場:東京・渋谷WWW
GRAPEVINE SOMETHING SPECIAL
2月21日(木) at 名古屋クラブクアトロ
2月22日(金) at 心斎橋BIGCAT
3月1日(金) at マイナビBLITZ赤坂
※ゲスト出演
F-X2019
日程:3月24日(日)
会場:Zepp Fukuoka
MOCKY JAPAN TOUR 2019
日程:3月29日(金)
会場:広島クラブクアトロ