Text by Ryutaro Kuroda
Photo by Rintaro Miyawaki
風と光を全身で浴びるようなライブだ。会場は渋谷WWW──都会の地下で行われたライブの感想としては、相応しくない書き出しかもしれない。でも、実際にそう思ったのだから仕方がない。それこそがluvisというアーティストが持っているヴァイブスなのだ。彼が歌うと景色が変わる、心が軽くなる。爽やかなロックンロールに、明るい未来を思う。
adieuへの楽曲提供(“ブルーアワー”)、初のUKツアーとポジティブな話題が続いているluvisによる、約1年半ぶり、キャリア2度目のワンマンライブである。タイトルは『eclosion(イクロージョン)』、「開花」や「孵化」を意味するフランス語だ。luvis曰く、「(自身が)開花してきたのを感じている。心の花がちょっとずつ開いているような感じ。2度とない瞬間、その開いていく瞬間を、みなさんに見せたいと思った」。
そう、luvisは刻一刻と変わっている。まさに飛躍する前夜を過ごしている。この原稿を書いている今にも、すでにあの日のluvisはいないのだ。秋には初のアルバムをリリースすることを発表したが、この日プレイした15曲の内、実に1/3に当たる6曲がアルバム収録予定の未発表曲である。早く未来へと行きたくてウズウズしている、そんな気概が伝わってくるようなセットリストだ。
Ben Inui(Gt.)、Shota Oyama(Ba.)、Naoya Yamamoto(Dr.)を迎えた4人編成で登場。新曲“Another Moon”でライブが始まった。空気をたっぷり含んだようなゆったりとしたドラムに、柔らかい音色のベースとドリーミーなギターが重なる。優しくて、儚くて、朧げな印象を与える幕開けである。“i feel lights!”とミッドテンポの新曲が続き、夏の終わりを思うメロウな“夏果つ”へ。前半はリラックスしたムードで踊るような楽曲が印象的だ。
カラフルな照明が景色を変える。ディスコやニューウェイブからの影響を、疾走感のあるバンドサウンドで消化した“gimme!”である。luvisのライブにおけるキラーと言えばこの曲だろう。《gimme! gimme! gimme!》というコーラスが、オーディエンスを引き込みフロアの熱を上げていく。シティポップ風味の“Linda”を終えると、MCを挟み、新曲の“ghost”で再びスローダウン。音と音の間にある「余白」を聴かせるような、ゆったりとしたアンサンブルが心地良い。
中盤は4th EP『Blue Inside You』の楽曲が続く。間違いなくこのライブのハイライトだろう。仄かに薫るギターの残響が心地良い“Saw You In A Dream”、幻想的なサウンドスケープを描くドリームポップ“Whales”、そよ風のようなロックンロール“Blue”と、エモーショナルな歌とサウンドでグイグイと引き込んでいく。中でも終盤にノイジーな演奏へと変貌していった“Whales”は白眉だった。涼やかな声色の中に、豊かな情感を含ませるluvisのボーカルも好調である。
まどろむような“走馬灯で逢いましょう”を終えると、新曲“The Bird”のインスピレーションとなったフランス旅行でのエピソードを語り(「多次元世界についての話題を交わし合ったのち、去り際に『See you yesterday』と言ってきた南仏のおじさん」というおもしろ過ぎる上に難解過ぎる体験談のためここでは割愛)、早速その楽曲をこの場で披露。その勢いのまま爽快ポップな“Oh”、“Higher”へと繋ぎ、1時間ばかりのライブがあっという間に終了。
それにしても演奏が良い。どの曲も弾きすぎない、互いの呼吸さえ聴こえてくるような余裕を感じさせるアンサンブルで、その音に身を委ねているとこちらも自然と踊ってしまう。また、楽曲からはオルタナティブR&B、フォーク、ジャズなど多彩なルーツを感じさせるluvisだが、近年のライブではロックンロールへの共感を強めているような印象で、そのモードが来るべきアルバムとツアーにも反映されるのではないだろうか。
ユーフォリックな“The Light”、疾走感のあるインディロック“us”と、アンコールにはふたつの新曲で応えて終演。間違いない、次にライブで会うときは、さらに進化した姿を見せてくれるはずだ。
2. i feel lights!(未発表)
3. 夏果つ (Alternative Ver.)
4. gimme!
5. Linda
6. ghost(未発表)
7. Saw You In A Dream
8. Whales
9. Blue
10. 走馬灯で逢いましょう
11. The Bird(未発表)
12. Oh
13. Higher
[Encore]
En. 1 The Light(未発表)
En. 2 us(未発表)
【イベント情報】

『eclosion』
日時:2026年6月12日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京・渋谷 WWW
主催/企画制作:Spincoaster Inc.
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『luvis 1st Album Release Tour “ember to ember”』
2026年10月30日(金)大阪 NOON+CAFE
2026年10月31日(土)愛知・名古屋 KDハポン
2026年12月11日(金)東京・代官 山UNIT
・チケット(e+)
超早割先行:〜6月30日(火)23:59
早割先行:7月1日(水)10:00〜
オフィシャル先行:8月1日(土)10:00〜
一般発売:9月5日(土)10:00〜 各公演前日まで
※全自由
※未就学児童入場不可
※電子のみ取扱/一人4枚まで
※U-22チケットは公演当日時点で22歳以下のお客様が対象です。当日は年齢を確認できる身分証明書(学生証、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)をご持参ください。
※各種チケットは枚数に制限がございます。上限に達し次第受付を終了します。
問い合わせ:
大阪・名古屋公演 – キョードーインフォメーション 0570-200-888(12:00〜17:00/土日祝休業)
東京公演 – HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077(平日12:00〜18:00)
主催/企画制作:Spincoaster Inc.












