インドネシアの男女デュオ・Galdive(ガルダイブ)による来日公演が5月20日(水)に神奈川・Billboard Live YOKOHAMAにて開催される。
ネオソウルやR&B、エレクトロニカ、インディロックなどを咀嚼したジャンルレスな作風ながら、奥行きと心地よい湿度を持ったメロウな音像が特徴のGaldive。2025年にはアルバム『Blue』をNYのレーベル〈Mom + Pop〉からリリースし、2026年1月には全米ツアーを実現させるなど、インドネシア国外のリスナーからも注目を集める中、満を持しての初来日となる。
今回は、来日を目前に控えたGaldiveにインタビューを実施。その独創的な音楽が生まれるに至ったバックグラウンド、最新曲の制作秘話やインドネシア音楽シーンのライブ事情、国外へと活動のフィールドを広げるまでを語ってくれた。
様々な音楽を縦横無尽に聴き漁ってきた、インドネシアのデジタルネイティブ世代のふたり。その止まらない対話から生まれた音楽は、やがて海を越えて共鳴していく。
※記事下部には来日公演へのご招待企画も!
Interview & Text by ivy
Interpreted by Hayato Hidaka
Photo by Official

音楽を巡る、飽くなき対話
――まずは、ふたりが初めて出会い、一緒に音楽を始めたときのことを教えてください。
Osvaldorio:あれは確か、2013年かな。僕は仲間とジャカルタでレーベルをやっていて、アーティストを募集していました。そのとき、僕のメールアドレス宛にTishaがデモを送ってくれて、歌声がすごく素敵だったんです。それから連絡を取って、すぐに友だちになりました。僕たちは好きな曲や音楽が似ていて、今もほぼ毎日音楽の話をしています。そうやって音楽の話をしているうちに「曲を作ろう」っていう話になって。それが最初だと思う。正式にGaldiveとして活動し始めたのは2018年12月からです。
――Tishaさんが初めてデモを送ったとき、それぞれどんな音楽をやっていましたか?
Tisha:Galdiveの曲とは、全然違いました。私はFL Studio(DAWソフト)を使って、ZeddのようなEDMやプログレッシブハウスの曲を作っていました。Osvaldorioと出会ってからは、彼がもっとプロフェッショナルで複雑な楽曲制作をしてくれるからお任せしているけど(笑)。
Osvaldorio:僕のレーベルも、ローカルなダンスミュージックを扱っていたんです。出会った頃はお互いダンスミュージックに夢中な頃でしたね。
――今のGaldiveは、いわゆるダンスミュージックとは違いますよね。ふたりがFKJやJordan Rakeiをファイバリットに挙げているのをInstagramで拝見しました。Galdiveとして活動を始めたときから、こうしたアーティストを意識していたのでしょうか。
Tisha:あれは、私たちが共通して好きなアーティストのリストですね。確か、FKJ、Moses Sumneyなんかも挙げたと思う。それぞれ個人で影響を受けたアーティストとは違って、ふたりで音楽の話をしているときに出た名前だと思います。
Osvaldorio:大抵は無意識なんです。曲を作るときは考えないようにしているけど、僕たちがいつも聴いている曲だから、自然と創る音楽に反映されているはずです。個人的に、作る音楽は普段聴いている音楽と、僕自身がキーボードで演奏する音楽に影響されていると思う。あとは、行き詰ったときに聴いている曲がBlossom Dearieだったり、Moses Sumneyだったり……。そういう曲のエッセンスが入ってきます。
――既存の音楽ジャンルやローカルなシーンではなく、ふたりのコミュニケーションが音楽の起点と言えそうですね。ユニット名のGaldiveは、ふたりが共通で好きなデンマークのアーティスト・Galimatiasとモルディブをかけた名前だとか。Galimatiasは、Galdiveの音楽にどう影響を与えたと思いますか?
Osvaldorio:音楽へのアプローチの仕方かな。初めて“Fantasy”という曲を聴いたとき、衝撃を受けたのを覚えています。これまで僕たちが聴いてきたどの音楽とも違っていました。曲を作るときに、特定の曲を意識することはないけれど、Galimatiasならどう考えるかなって思うことはあります。
Tisha:Osvaldorioとは別のタイミングで(Galimatiasの)“Make You Feel”という曲に出会いました。私にとっても彼のサウンドデザインがあまりに美しくて、新鮮に感じたから彼の音作りについて、Osvaldorioと話しました。
Osvaldorio:ふたりで話しているうちに、“Fantasy”と“Make You Feel”が同じアーティストの曲で、僕たちが同じ魅力に惹かれていることがわかりました。シンプルに聴こえるのに荘厳で、エレガンスを感じさせる。「こういう音楽がやりたい」って思ったのはそのときかもしれません。
「音楽に対する考え方が共有されている」──ふたりの制作プロセス
――友人としてお互いが好きな音楽をシェアしていく中で、最初に作った曲が“Lotus”。この曲を完成させるまでに3年近くかかったとか。
Osvaldorio:曲そのものは2015年に作っていたけれど、レコーディングを終えてリリースできたのは2018年でした。当時、僕はDJの仕事で生活していて、インドネシア中のナイトクラブを飛び回っていたんです。そっちの仕事が忙しくて、楽曲制作に割ける時間がなかなか取れなくて。
インドネシアの全国放送で、プロデューサーとDJが楽曲をリミックスしてテレビで披露する番組があるんですけど、そのコンテストで優勝してから、DJとしてのオファーがくるようになって、DJでお金を貯めることにしたんです。曲を作ることは大好きだけど、まずはお金を貯めて、それから好きなことをしようと思って。
――すでにプロであったOsvaldorioさんが音楽で生活を成り立たせた上で、Galdiveとしての活動が本格化した、と。実際に曲作りはどういった形ですることが多いですか?
Tisha:どちらかがアイディアを出して、それを膨らませていくか、ふたりで同じ部屋でセッションをして作っていくかのどちらかですね。Osvaldorioとセッションするのは本当に楽しくて……一番楽しいプロセスかも。私はキーボードを弾くんですけど、演奏するのは曲作りのセッションだけ。昔ピアノを習っていたことがあるけど、もう辞めちゃったので。
Osvaldorio:僕は4歳からピアノを弾いていて、キーボーディストとして活動してきたから、メインはピアノかな。あとは、学生時代にポップパンクバンドでドラマーをやっていたので、ドラムも叩ける。最近は少しずつふたりでセッションする機会が増えてきましたね。
――なるほど。最初のアイディアが送られてくるとき、どういった形のことが多いですか?
Tisha:どちらが最初のアイディアを持ってくるかによるかもしれない。私がメロディを作っていて、歌詞も用意してあるとしたら、それをOsvaldorioに送って、話し合いながらふたりで完成させていきます。
Osvaldorio:大体は一緒に曲を作っています。僕たちは音楽に対する考え方が共有されているんです。Tishaからアイディアが送られてきたとき、それに対しての感想をストレートに伝える。僕から彼女に送るときは、そのアイディアがTishaにとって歌いたいって思えるか、創造性を掻き立てられるものかを確認したくて。最初に短いフレーズやループのビートだけを送るようにしています。
――最新曲の“20Weeks”は、ドリームポップのようなロマンティックでキュートな曲でした。この曲はどちらのアイディアから生まれましたか。
Osvaldorio:これは、Tishaのアイディアが最初ですね。今までのGaldiveのスタイルとは違う曲だけど、常に新しいことに挑戦したいと思っているからすごく気に入りました。実は、当時『Blue』(2025年5月リリース)っていうアルバムの制作中だったんだけど、絶対にアルバムのムードには合わないと思って。『Blue』のリリースまでに曲をレコーディングしておいて、シングルとして出すことにしました。この曲の歌詞はクリスマスとは全く関係ないけど、たくさんのクリスマスソングからインスピレーションを受けている。ある種の実験としてね。
Tisha:休日に家で過ごすとき、まるで抱きしめられているような感覚を与えてくれるような曲を作りたかったんです。

初ライブは父親のガレージ。インドネシアでのライブ事情
――ここまで音楽的バックグラウンドや曲作りについて聞いてきましたが、ふたりが初めてライブを行ったのはいつ頃、どういった場所でしたか。
Osvaldorio:父親の家のガレージです。結成したばかりの2018年、観客を入れずに、ライブセッションをしてビデオに撮りました。今でもYouTubeで観れるはずです。
――まさかの無観客ライブだったんですね! 普段、インドネシア国内ではどういう場所でライブを行うことが多いですか?
Tisha:フェスティバルが多いですね。インドネシアでは……2025年は一回しかライブをしていないかも。
Osvaldorio:インドネシアには、日本や中国、台湾みたいなライブハウスがあまりないんです。インドネシアのミュージシャンが演奏するのは、ナイトクラブやレストラン、バーが中心で、DJとライブアクトが両方出るイメージ。そういう場所で流れている音楽は、メインストリームなポップミュージックばかりで、僕らのような(インドネシアで人気のテイストとは異なる)音楽をやっているバンドが演奏できる場所は本当に少ないんです。
――そういう環境の中で、Galdiveの音楽がライブではなくリスニングを起点に広がっていったことも、決して偶然ではないように思います。音楽専門のライブハウスが少ないとなると、音響設備やリハーサル、当日の運営も苦労することが多そうですね。
Osvaldorio:まさに。アーティストとして、オーディエンスの前でライブをするにはベストな状態を整えたいけれど、ライブができる状態にすること自体が難しいんです。機材やドラムセットがどこにでもあるわけじゃないし、リハーサルをやるにしてもスタジオを探して、バンドメンバーを呼ばないといけない。
例えば、僕たちのバンドメンバーのひとりはジャカルタから飛行機で1時間のところに住んでいるから、ライブをするには一度彼の住んでいる街へ僕らが飛ばないといけないし。とにかくお金がかかってしまう。フェスティバルは、ある程度設備やスタッフも整っているから、その分ライブがやりやすいんです。年に数回ライブをやる形で活動しています。
――そうなると、人前で初めてライブをしたときのことも気になってきます。
Osvaldorio:2023年に中国のフェスティバルに呼ばれたときかな。ステージに立つこと自体が初めてだったと思う。
Tisha:私はオーディエンスの前で歌うのが初めての経験だったから、本当に本当に緊張していました。会場がどんな広さのどんな場所で、どれだけ人が来るかもわからないから。会場に着いたとき、「こんな広い会場に人が入るんだ。ここにも、あそこにも……」って考えていて。いざ開演時間になってステージに立ったら、たくさんの人がいて。本当に幸せな景色でした。
Osvaldorio:そうそう、観客が僕たちの曲を歌ってくれているとき、最高の気分で、どうしたらいいのかわからないくらいでした。
海を越えて共鳴する音楽を
――初ライブが海外ということと、ふたりがインスピレーションを受けたのが海外の音楽であることを踏まえると、Galdiveは海外での活動をはじめからイメージしていたのでしょうか。
Osvaldorio:特別に意識していたわけではありません。たまたま僕たちの曲は歌詞が英語だから、世界中のリスナーと繋がることができているんだと思う。だから実際、最初のライブのオファーが中国から来たときはびっくりしたし、不安で仕方なかった。
Tisha:中国の人がどうして私たちの曲を知ってくれたのか、どれくらいの人が聴いてくれているのか、全然わかりませんでした。
――特にアプローチをかけたわけではなく、突然のオファーだったんですね。先ほどお話に挙がったアルバム『Blue』をNYのレーベル〈Mom + Pop〉からリリースしているかと思います。これはどういった経緯だったのでしょうか。
Osvaldorio:2年前、〈Mom + Pop〉からメールで連絡をもらって。「ぜひ一度会ってみたい」と。そこからオンラインで何度かミーティングをして、最終的に「一緒に仕事をしよう」となりました。ちょうどそのとき、音楽のリリース方法、そして私たちがどのように音楽制作やプロモーションに取り組んでいくべきかについて考えていたところで。彼らの音楽に対するアプローチは僕たちが求めているものにあっていると感じたから、アルバムを〈Mom + Pop〉からリリースすることにしました。
Tisha:実はまだ、〈Mom + Pop〉のメンバーとは2回しか会ったことがないんです。最初はLAで、“20Weeks”のMV撮影のとき。チームのひとりが撮影場所まで来てくれました。それから2度目は、NYでライブをしたとき。
――今年1月の全米ツアーのときですね。 アメリカでのライブは初めてだったと思いますが、いかがでしたか。
Osvaldorio:すごくエキサイティングで楽しいツアーでした。僕たちが英語で歌っているのもあって、英語圏の反応が気になっていたんですけど、本当にみんな暖かく迎えてくれて。オーディエンスもみんな英語を話すから、ショーの途中、MCでジョークを言ったら盛り上がってくれて。ライブの途中からスタンドアップコメディのようになっていました(笑)。
Tisha:アメリカのベニューのスタッフもすごくフレンドリーで、よくしてくれました。
――印象に残っている街やライブはありますか?
Osvaldorio:東海岸と西海岸をそれぞれ車で回ったんだけど……東海岸はとにかく寒かった! 最初の街はシカゴで、ライブ前日の気温がマイナスでクレイジーでした。僕たちは冬なんて味わったことがないので(笑)。
Tisha:そんな気温でもライブへ足を運んでくれる人がいたことが嬉しかったです。ワシントンDCのライブなんて、みんな重いコートの下に何枚も重ね着していて。そんな中でもベニューに来て、歌ってくれた。あと印象的だったのは、ワシントンDCでのショーが終わった後のこと。私たちはショーが終わったらステージの前で、ライブに来てくれた人たちと話をするんだけど、最後まで待っていてくれた男の子と女の子がいて。ふたりが私たちと話し終わった後、突然女の子が男の子の目を見つめて、プロポーズしたんです! そんな体験は今までになかったので驚きました(笑)。
――対話から生まれた音楽が、国境や文化の違いを越えて届いていることを象徴するエピソードかもしれませんね。それでは最後に、もうすぐ始まるツアーへ向けて、日本のファンへメッセージをお願いします。
Osvaldorio:日本に行くのはもちろん初めてだし、着席スタイルの会場でライブをするのも今回が初めてなんです。なので、バンドとのリハーサルや練習を重ねながら、この特別なライブのために新しいアレンジを披露したいと思っています。
Tisha:アルバムに収録していない曲もライブでは演奏すると思うから、楽しみにしていてほしいです。
【プレゼント企画】
🎁プレゼント企画🎁
Galdiveのインタビューを記念して、初来日公演に4組8名様をご招待🎫
▼応募方法
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詳細・注意事項は下記の記事より👇 https://t.co/oo6RBQwJB9
— Spincoaster/スピンコースター (@Spincoaster) May 11, 2026
本インタビューを記念し、Galdiveの来日公演に4組8名様をご招待。応募方法はSpincoasterのXアカウントをフォロー & 上記投稿を引用リポストするだけ。ご希望のステージ(1st Stage / 2nd Stage)を必ず明記してください。
キャンペーン期間:5月11日(月)19:00〜5月16日(土)19:00
※当選者の方には、XのDMにてご連絡いたします。DMを受信できる設定になっているかご確認ください。
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※代表者様のお名前、お電話番号をご提出いただきます。
※会場での飲食代は別途ご負担ください
【イベント情報】

『Billboard Live presents Connect to Asian music!|Galdive』
日時:2026年5月20日(水)
[1st Stage] OPEN 16:30 / START 17:30
[2nd Stage] OPEN 19:30 / START 20:30
会場:神奈川・Billboard Live YOKOHAMA
出演:
Galdive
■公演詳細











