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INTERVIEW | (sic)boy


(sic)boyが語るマインドの変化、集大成的アルバムで辿り着いた新境地

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2025.11.26

(sic)boyが本日11月26日(水)に3rdアルバム『HOLLOW』から2年ぶりとなる最新作『DOUKE』をリリースした。

前作リリース以降も自身最大規模のワンマンライブ『HOLLOW』、アニメ『怪獣8号』の劇中歌“Scream”への参加、初のワンマンツアー『(sic)boy Angel!! TOUR 2024』、初の主催イベント『blacknails』、1stアルバム『CHAOS TAPE』5周年イベントの開催など精力的な活動を展開してきた彼の集大成にして新境地へと踏み込んだ大作だ。

KM、Tido、Chaki Zulu、uinというプロデューサー陣に加え、MERI、SALU、OMSB、vividboooyが客演で参加した全20曲。圧倒的なボリュームで描かれた『DOUKE』は、(sic)boy史上最もバラエティに富んだサウンド、フロウ、ライムによって彩られているのはもちろん、(sic)boy史上最も力強い作品でもある。

彼はどのように自身と向き合い、リスナーと向き合い、音楽と向き合い、表現していったのか。最新作『DOUKE』について、たっぷりと語ってもらった。

Interview & Text by Daiki Takaku
Photo by Ryo Sato


全国ツアーや初の主催イベントで得たもの

――前作『HOLLOW』でロックとヒップホップの垣根を超えて、明確に(sic)boyサウンドと呼ばれるものを打ち立てたような印象があります。実際にそういった手応えのようなものは感じていましたか?

(sic)boy:前作が3作目のアルバムだったんですけど、それでヒップホップとロックにあった壁のようなものが、少しずつ崩れてきた感覚はあって。自分としてはこの5〜6年のキャリアで、割とのびのび、胸を張って(sic)boyをやれている気がします。

――そういった自信はライブを観ていてもひしひしと伝わってきます。

(sic)boy:去年のワンマンツアー(『(sic)boy Angel!! TOUR 2024』)以前は、どこか「観たい人が観に来てくれたら」といった気持ちでやっていた部分があって。でも今は「お願いだから観てほしい」「会いに行くから、みんなも会いにきてほしい」という感じ。そういうマインドを作れたのは自分の中で大きいです。リスナーも巻き込んで成長していきたいって気持ちに変わったんです。

――だからこそ全国5都市を巡ったと。その変化のきっかけはどこにありましたか?

(sic)boy:周りのミュージシャンたちと話したり、ライブを観て感じることは大きかったかもしれないです。実際にツアーを回ってみると、いろんな事情で東京や大阪でのライブに来れない人ってたくさんいるなって肌で感じて。やっぱりその場所でしか感じられない空気もあるし、今まで行ったことのない場所でライブをするのは、すごく意味のあることだなって思いました。

最近ではワンマンでカマすラッパーも多くなってきたし、自分もみんなに負けないようにクオリティを上げたい。フェスのステージやいろんなアーティストが出演するイベントでカマすのも大切だけど、ワンマンでどれだけやれるかもすごく大事なことだと思っています。全国5都市でのワンマンツアーは自信にもなったし、ちゃんといいものを届けなきゃなっていう、いい意味でのプレッシャーが生まれました。

――初のワンマンツアーの他にも、初の自主企画『blacknails』、『CHAOS TAPE』5周年記念イベントなど休むことなく実りある活動を展開してきた印象です。そういった活動も今作の制作に影響はありましたか?

(sic)boy:アルバムの制作最中にもライブやイベントがあって、その度に持ち帰ったものを曲にぶつけることができたのが大きいですね。ツアーや自主企画を通して気づいたことって本当に多くて。『blacknails』は、ハタから見ると若いアーティスト中心のラインナップに思われたかもしれませんが、実際にはエナジーやポテンシャル、そして野心を持った、ミュージシャンとして本当に見習うべき素晴らしい人ばかりなんです。

最初は釈迦(坊主)さんが自分にしてくれたように、自分もみんなをフックアップしたいと思っていたんですけど、蓋を開けてみたら全然自分の方がもらっているものが多いんじゃないかなって感じでした。そういった意味でもあのイベントを始められてよかったですね。

『blacknails』フライヤー

(sic)boy初主催イベント『blacknails』ライブレポ到着 若者の根拠のない⾃信や反⾻精神を体現

――つまり、今作ではこれまで以上にライブのイメージが曲作りのリファレンスになっていると。

(sic)boy:まさにそうです。アルバムらしくそれなりの曲数をただ並べるんじゃなく、自然とライブをイメージして「こういう曲が欲しい」「こういう曲があるとお客さんと一緒に盛り上がれるかな」とか、自分から見える景色だったり、逆にお客さんの視点にも思いを巡らせながら、いろんな表現をアルバムに詰め込んでいきました。


今までとこれからを繋げるKMプロデュースパート

――だからこそ20曲という膨大な曲数で、なおかつここまでバリエーション豊かな作品になったんですね。構成もすごく巧みで、冒頭5曲は(sic)boyサウンドの代名詞とも言えるKMさんプロデュース曲というのも重要ですよね。

(sic)boy:今までとこれからを繋げるには、KMさんの曲が頭に続くのがいいと思ったんです。過去の作品からの流れを踏まえた上でのイントロダクションとして最適かなって。KMさんのサウンドはこれまでのイメージを踏襲しつつ、進化していて、そこにロマンがありますよね。

1曲目の“DOUKE”はビートスイッチも斬新なので、違和感を楽しむという意味で象徴的なオープニングになったと思います。2曲目の“Life is nightmare”は、前作でJESSEさんと一緒に作った“Dark Horse”のように、今の自分なりの「ミクスチャー」を再定義してみた曲です。ミクスチャーって大事なキーワードだなって改めて思います。2つのジャンルに愛とリスペクトがないとできないことだから、ただ楽しいだけじゃなくて奥が深い。

――“blacknails”、“Hello”の並びでは、MERIさん、SALUさんという全く違った世代、スタイルのゲストが参加しています。

(sic)boy:MERIさんは僕が見つけて声をかけたんですけど、彼女はすごく繊細で、優しい子だし、何よりその歌声にやられたんです。自主企画でも一緒に歌えて最高でした。

SALUさんもすごくて、デモを送ったらその日のうちにヴァースが返ってきたんです。「たまたまスタジオにいたから録ってみました」って。本番用の音源は録り直してくれましたけど、内容は一発目の時点でほぼ仕上がってました。高校生の頃からファンだったんで、それがすごく嬉しくて。

――(sic)boyさんのアウトロでの語りも含め“Hello”でのおふたりのリリックは特にグッときます。

(sic)boy:特定の友だちに向けて書いている部分ももちろんあるんですけど、「ツアーでまた会おうね」っていうリスナーへの気持ちも込めていて。「絆系」ですね(笑)。SALUさんは人の悩みや葛藤を描くのがすごく上手いアーティストだと思っているので、カチッとハマった感じがしました。あと、ビートがSALUさんのところでスイッチするんですけど、たぶん僕はあのビートは乗りこなせないです(笑)。その点でも流石だなって。

アウトロに関しては意識してというよりは自然に入れましたね。ああいったエモーショナルな部分って、いわゆるフロウ、音程がなくても伝わる気がしているんです。


「それぞれの抱える葛藤や悩み、苦しみに寄り添える歌を」

――続く“DISTORTED世界”もクライマックス感のある1曲で、この曲はTinasheやENHYPEN、King & Princeなどと仕事してきた世界的プロデューサー、Tidoさんが手がけています。

(sic)boy:スタッフのひとりがTidoと知り合いで、紹介してもらったのがきっかけです。初めてお会いしたのは結構前のことなので、今回こうやってリリースできてめちゃくちゃ嬉しいです。「ちょっとでもビートが違うと思ったら言ってね」「違う? なら次いこう」って感じで、すごく丁寧で、なおかつ制作のスピードが早い。だから、彼がトラックを組んでいる間にリリックを書くような感じで進めていきました。個人的に、ギターをすごく美しく聴かせるところが印象的でした。

――この曲では根源的な問いかけを投げつつ、《生き続けたい僕がここにいたんだよ》と歌っています。リリックではどんなことを意識しましたか?

(sic)boy:自分がちゃんと思っていることを問いかけるような曲が欲しくて。この曲は何度も書き直しました。リリックとして詩的で美しいだけじゃなく、なるべくストレートに伝えることも大事なのかなと思ったんです。今は日本も世界もいい時代とは決して言えないじゃないですか。コロナ以降、いやその前からかもしれないですけど、何かが欠けた感覚がずっとあって。いいこともあったりするけど、基本暗いニュースだらけだなみたいな。それをストレートに出しています。

でも説教くさいのは好きじゃないし、僕もできた人間じゃないので、リスナーやファンの方に対して「救ってやる」みたいな気持ちは全然ない。だから、「僕はこう思ってるけど、みんなはどう?」っていうスタンスで《絶望はいつか答えをくれるかな》と疑問形にしています。それぞれの抱える葛藤や悩み、苦しみに寄り添えるような歌が歌いたかったんです。

――そういったある種のダークさ、心の暗い部分に寄り添う姿勢はこれまでの(sic)boy作品にも通じていますよね。その上で覚悟と呼べるような力強さも、今作のリリックからは感じます。

(sic)boy:そういうネガティブな部分にも正直に向き合うのが、やっぱり自分のテーマなのかなって。『CHAOS TAPE』のときから変わらず、リリックのタネになるような、日記感覚で書き溜めている感情のノートがあるんです。それはライブ後もそうだし、ポジティブなこともネガティブなことも、自分との対話のように書いています。強くなったというよりも、自分をちょっとずつ俯瞰して見れるようになったかのな、この2〜3年で。サウンドやパフォーマンスにもそれは薄っすらかもしれないけど、表れていると思います。……でも、全然難しいですね、生きるのは(笑)。簡単に強くなったとは言えないです。

――その「俯瞰して見れるようになった」というのは『DOUKE』というタイトル、テーマとも重なりますよね。

(sic)boy:そうですね。ただ自分の内側をさらけ出すのではなくて、ちゃんと提示できるアーティストになりたいなって。そういった意味でも『DOUKE』なんです。笑われても、どんなイメージを持たれても、舞台に立って、そこでどれだけいろんな感情を散りばめられるかをすごく考えました。

――その発言にも強さを感じます。

(sic)boy:もっともっと強くなりたいですけどね。結局、制作も自分自身との闘いなんです。もちろんサポートしてくれるみんながあってのことですけど、最後に責任を取るのは自分なので。リリースの空白期間が長ければ長いほどしんどくなってくるというか、ここにきて根性論になっちゃうんですけど、今回のアルバム制作は本当に気合いでした(笑)。


異色カバー曲の制作背景、空気階段への愛

――アルバムの流れに話を戻すと、正直ここで終わってもEPやアルバムとして成立するくらい充実していますが、ここから始まるChaki Zuluさんプロデュースのパートでさらに新境地を開拓していく。

(sic)boy:本当ですよね、ここで終わってもいい(笑)。KMさんとの関係性がいいのもあると思うんですけど、おそらくChakiさんはKMさんとの曲とあまり被らないように意識してくれたんじゃないかなって思うんです。これまでとは異なる、新しいアプローチやビジョンをたくさん提案してくれました。

――Chaki Zuluさんのディレクションによって引き出された部分も大きいんですね。例えば“疑心暗鬼”はThe Neptunesサウンドを思わせるトラックです。

(sic)boy:Chakiさんにスタジオで久々にお会いしてセッションした1曲目がこれだったんですよね。「今までやったことないことをやろう」って話しながら作った曲なんですけど、トラックができ上がっていくにつれて、実は不安も感じていました。「これ、上手くラップを乗せられるのか?」って(笑)。

――見事に乗りこなしています。この曲はベースラインもすごく印象的です。

(sic)boy:ベースは西月麗音さんという、なとりさんやAdoさんなどと一緒にやられている方で、Chakiさんが繋いでくれました。あのスラップの感じとかすごくカッコいいですよね。

――次のLOVE PSYCHEDELICO“Last Smile”のカバーにも驚きました。

(sic)boy:初めからカバーを入れようと思っていたわけではないんですけど、制作中にChakiさんから「LOVE PSYCHEDELICOって知ってる?」「((sic)boyに)合いそうじゃない?」と言われて。最初はもちろん許諾とかも取っていないので、リリースできるかもわからなかったけど、僕はもともと好きで聴いていた曲だったし、「ちょっとやってみますか」となって。以前だったら「大好きな曲ですけど、カバーはちょっと……」という感じで、挑戦しなかったかもしれません。でも、Chakiさんが僕の新しい側面を引き出そうとしているセッションだったからこそ、こうやっておもしろいことができたのかなって。

――意外ではありましたが、すごくしっくりきました、

(sic)boy:“Last Smile”は2001年リリースなんですけど、今聴いても新しく感じますよね。英語も混ざっていて、いわゆる洋楽っぽく聴こえるけど、日本語の美しい部分も伝わってくる。僕も英語と日本語を混ぜていますけど、それもLOVE PSYCHEDELICOの影響がデカいんです。改めて歌ってみて、「難しいけど美しい歌だな」って実感しました。後からしっかり許諾もいただけて、リリースできたという流れです。

――“SAY GOODBYE”にはOMSBさんが参加しています。前半に参加していたSALUさんも含め、大先輩と言っていいラッパーかと思いますが、以前からお知り合いだったんですか?

(sic)boy:一応面識はあったんですけど、そこまでがっつりお話したことはなくて。でも、「いつか曲やろうね」と話していたので、どちらも念願が叶った形です。OMSBさんはバチバチにラップする印象が強いけど、同時に歌心もある人だから「どっちでくるんだろう」とワクワクしていましたね。返ってきたヴァースは当然カッコよくて、純粋にいちヘッズとしてぶちアガりました。

フィーチャリングってやっぱり楽しいし、自分が曲を作っていて最もワクワクする瞬間のひとつです。これまでいろんなアーティストの方とコラボさせてもらってきましたけど、年齢とか関係なく、尊敬するミュージシャンと一緒に作れるのは光栄なことだし、毎回頑張って声をかけてよかったなと思います。

ちなみに今回も含め、自分の作品では「こうしてほしい」というオーダーをしたことは一度もなくて。みんな「どういう感じにする?」って聞いてはくれるんですけど、「自由にお願いします」とお伝えしています。

――ちなみに、“lights on”に出てくる《踊り場》というワードは、お笑い芸人の空気階段がやっているラジオ(『空気階段の踊り場』[TBSラジオ])のことですよね?

(sic)boy:空気階段、大好きなんです。単独ライブも観に行きました(笑)。ラジオ自体が好きでよく聴く方だと思うんですけど、その中でも『(空気階段の)踊り場』は毎回2周してます(笑)。自分の中のスイッチのオンオフって大事で、ダラけるぞってときはラジオを流してぐったりするんです。映画も音楽もアニメも大好きなんですけど、職業病というか、インプットするモードになってしまいがちで。その一方で、『踊り場』はオフのリラックスした時間に寄り添ってくれるんですよね。


Chaki Zuluとの「楽しい修行」

――最高なラジオ番組ですよね。次の“Shaggy White”はレイドバックしたようなフロウが光る曲です。

(sic)boy:この曲は特にChakiさんのディレクションが大きかったですね。フロウもリリックも「こういうキャラクターが合うんじゃないかな?」というところまで提案してもらいました。あと、Chakiさんってデモで録ったときの質感を大事にするプロデューサーだなと思う瞬間があって。基本的にテイクを重ねると上手くなるじゃないですか。でも、そういったテイクよりも荒削りなニュアンスがよかったりもする。だから、Chakiさんの目指す世界観だったりとか、ボーカルの質感の作り方などはかなり勉強になりましたね。本当に果てしない作業なんですけど(笑)。

――しかも答えがあるわけじゃない。

(sic)boy:そうなんです。レコーディングしていて、「ここの歌い方は変えよう」って一部を直すと、「この感じだと、1ヴァース目のあのリリックは変えた方がいいよね」となり、そこも直して……。そういった繰り返しの中で、自分自身に新しいアイディアが生まれていったりして、楽しい修行でしたね。何度もChakiさんのスタジオにお邪魔して、長時間、何度もセッションして。「打ち解けられた」って言うとレジェンド過ぎて恐縮なんですけど、お互いが考えていることもなんとなくわかるような関係性になれたのかなって勝手に思ってます。

――そして“Chrome Hearts”ではもうお馴染みとなったvividboooyさんが参加しています。

(sic)boy:一緒に作るのは彼の作品も含めたら4曲目で。Chakiさんのスタジオで集まって作ったんですけど、客演の方と一緒に顔を合わせて作ったのはこの曲だけかな? 2人でスタジオにお邪魔して、Chakiさんにその場でトラックを組み立ててもらって。1日で完成したんじゃないかな。“Heaven’s Drive”から5年経ったことを意識して、2人で書いた曲ですね。

vividboooyくんにはプライベートでも仲良くしてもらっていて、もはや兄貴ですね(笑)。尊敬できる先輩だし、《先輩が隣》なんて、普段は書けないようなリリックがも自然に出てくるような、本当にお手本のような存在です。

――vividboooyさんも今年“Chrome Hearts”という同名の曲をリリースしています。これは偶然ですか?

(sic)boy:いや、2人とも「Chrome Hearts」が好きすぎるだけです(笑)。別に同タイトルにする必要もなかったんですけど、Chakiさんが「同じ時期に同じ曲名でリリースするの、新しくない?」と言ってくれて(笑)。

――(笑)。Chaki Zuluさんパートのラストは(sic)boy流の“Welcome To The Black Parade”(My Chemical Romance)と言ってもいい“色のない夜”です。

(sic)boy:個人的にこの曲が一番グッときているかもしれないです。もともとクリスマスソングを作ろうと思っていたんですけど、それがどんどんダークになっていって(笑)。アルバムで一番最後に作った曲なんですよね。だから、たぶんリリックにも歌にも僕の思い残していたことが全部出たのかなって。ボツにした曲も含めると何曲になるんだろうってくらい作ってきて、それでもアイディアは尽きないという自信にもなりました。限界の先というか、アルバム制作のアンコールのような曲です。

――アンセムですよね。Chaki Zuluさんがキーマンとはいえ、これまで聴いたことのないボーカルの表現も多々あるので、かなり限界まで自分を追い込んだのだろうなと勝手に想像していました。

(sic)boy:フックの部分を何度も歌い直して、喉がガラガラになってきた頃にようやく納得できるテイクが録れました。やっぱり自分の集大成となると、どれだけ素晴らしいプロデューサーの方たちが揃っていても、僕自身の成長が見えないと消化試合のようになってしまうじゃないですか。それがどうしても嫌で。だから特に歌の部分は気合いを入れて作りましたね。


「毎年最高を更新できるアーティストになりたい」

――敢えてもう一度言わせてもらうと、ここで終わっても十分アルバムとして成立します。しかし、この先もuinさんとの2曲、さらにKMさんとのスキットを含めた4曲が続きます。

(sic)boy:uinは同い年で、仲のいい飲み友だちみたいな感じで。ある意味すごくラフに、のびのびと作れた気がします。曲作りってやっぱりこうやって楽しくやるもんだよなって思いましたね。実際に曲にもそのムード、関係性が出ているかもしれません。KMさんやChakiさんと作るのも楽しいんですけど、また違ったリラックス感があるというか(笑)。でもuinはuinで、KMさんやChakiさんとは違うアプローチをしてくれて。みんなに気を遣わせちゃってますね(笑)。

――uinさんが手がけた“Tsubasa”、“Dream”はリリックも前向きな感覚がありますし、ボーカルも伸びやかです。KMさんとのスキットのラフさもファンとしてはアガりますし、ラストの“Angel!!”で次の章へと向かっていくような疾走感があるのも魅力的でした。すでに今作のリリースツアーが発表されていますが、どのようなステージにしていく予定でしょう?

(sic)boy:とにかくこの作品をライブで感じて欲しくて。自分が作り続けてきた曲たちを聴くだけじゃなく、視覚的にも訴えかけられるようなライブにしたいと思っています。バンドセットも含めて、ライブの仕方もまだまだ突き詰められるはずですし、毎年最高を更新できるアーティストになりたいです。

――楽しみにしています。気が早いかもしれませんが、制作面で次のビジョンなどは見えていますか?

(sic)boy:このアルバムがリリースされて、ツアーを回っていくうちに見えてくると思うんですけど、とにかくいい曲をたくさん作りたい。その欲がまだまだある。いい曲というのは、数字的に成功しているかどうかではなくて、もっと自分を納得させられる曲のことです。ミュージシャンとしてステップアップできるような体験というか、別にそれが世間に知れ渡るような曲じゃなくても、「ヤバい曲ができたかもしれない」ってゾクゾクする感覚が欲しい。数え切れないくらい曲を作っても、もっともっとやれそうだなと思いますね。


【リリース情報】


(sic)boy 『DOUKE』
Release Date:2025.11.26 (Wed.)
Tracklist:
1. DOUKE (Prod. KM)
2. Life is nightmare (Prod. KM)
3. HIBANA (Prod. KM)
4. blacknails feat. MERI (Prod. KM)
5. Hello feat. SALU (Prod. KM)
6. DISTORTED世界 (Prod. Tido)
7. Take Me Home (Prod. Chaki Zulu)
8. 疑心暗鬼 (Prod. Chaki Zulu)
9. Last Smile (Prod. Chaki Zulu)
10. SAY GOODBYE feat. OMSB (Prod. Chaki Zulu)
11. lights on (Prod. Chaki Zulu)
12. Shaggy White (Prod. Chaki Zulu)
13. Chrome Hearts feat. vividboooy (Prod. Chaki Zulu)
14. 色のない夜 (Prod. Chaki Zulu)
15. Tsubasa (Prod. uin)
16. Dream (Prod. uin)
17. Drown Intro (Prod. KM)
18. Drown (Prod. KM)
19. Hide&Seek (Prod. KM)
20. Angel!! (Prod. KM)

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【イベント情報】


『(sic)boy TOUR 2025』
2025年12月3日(水)宮城・仙台 MACANA
2025年12月14日(日)香川・高松 MONSTER
2025年12月19日(金)福岡 Be-1
2025年12月21日(日)石川・金沢 AZ
2025年12月25日(木)名古屋 CLUB QUATTRO
2025年12月26日(金)大阪 Yogibo METAVALLEY
2025年12月28日(日)東京 Zepp Shinjuku

チケット詳細

■(sic)boy:Instagram / X


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