今年9月にメジャーデビュー10周年を迎えた4人組ロックバンドI Don’t Like Mondays.が、全国ツアー『“FOCUS” ASIA TOUR』のファイナル公演を12月1日(日)、東京・お台場Zepp DiverCityにて開催した。本ツアーは10月にリリースされた、7曲入りEP『FOCUS』を携え、全8都市10公演を実施。12月28日(土)の台北公演を皮切りにスタートするアジアツアーを控える彼らが、「今、やりたいこと」に文字通り「FOCUS」した密度の濃いパフォーマンスを展開した。
定刻となり客電が落ちる。2階席から見下ろすフロアは満員のオーディエンスによって埋め尽くされており、彼らが構えるスマートフォンの光がまるで光の絨毯のように輝いている。この日の公演は、オープニング〜1曲目まで「撮影OK」のアナウンスが事前に流れていたため、アイドラの「勇姿」を手元に収めようと多くの人たちがカメラをステージに向け待ち構えていたのだ。
アンビエントなテクノミュージックが流れるなか、CHOJI(Gt.)、KENJI(Ba.)、そしてリーダーのSHUKI(Dr.)が姿を現し大きな歓声が上がる。遅れて登場したYU(Vo.)は、長髪を後ろで束ねた姿がまるでありし日のMiachael Jacksonのよう。まずはEP『FOCUS』の冒頭を飾る“Someday”からこの日のライブはスタート。シンコペーションを効かせたストレートな8ビートに乗せ、CHOJIがまるでThe CureやThe Smiths、Cocteau Twinsあたりを彷彿とさせるような、幻想的なアルペジオを爪弾いている。そこに、YUの甘いハイトーンボイスが重なると会場は一気に「アイドラワールド」へと染まっていく。
「ファイナル東京! Are you ready!?」とYUが大声で呼びかけると、客席から自然発生的にハンドクラップが響き渡る。“Shadow”の強力なバックビートが体を揺らし、突き抜けるようなYUのファルセットが心のひだを揺さぶる。洗練されたバンドアンサンブルと、懐かしくも哀愁漂うメロディラインのコントラストに酔いしれていると、間髪入れずに披露した“Lonely Dancers”では、赤い照明の下でYUがクリスタルのように透明かつ硬質なファルセットを響かせた。
「今年でメジャーデビュー10周年! この記念すべき年にリリースしたEP『FOCUS』に、僕らの全てを詰め込みました。受け取ってくれますか?」そうYUが呼びかけ、フロアのあちこちから大きな歓声が湧き上がる。
ブレス(息継ぎ)すらメロディラインに取り込んだYUのボーカルスタイルが、まさにMichael Jacksonを彷彿とさせる“TONIGHT”では、ステージの端から端まで練り歩き、オーディエンス一人ひとりに語りかけるように歌う。そのたびにフロアのあちこちから歓喜の声が湧き上がっている。タイトルをリフレインするサビでは「声出せ!」とYUが叫び、それを合図にシンガロングする人々の声で、Zepp DiverCityは一体感に包み込まれていく。
イントロが流れ出した途端に大歓声が巻き起こったのは、昨年リリースされた通算5作目のアルバム『RUNWAY』冒頭曲“Umbrella”だ。KENJIとSHUKIが繰り出すこの曲の疾走感あふれるリズムが聴き手の高揚感をかき立てる。かと思えば、まるで夕陽のようなオレンジの照明の下で演奏したミドルチューン、その名も“Sunset Girl”では、《君と夏の匂いを いつまでも抱きしめていたい》と過ぎゆく夏への名残惜しさを情感たっぷりに歌い上げた。
さらに“Summer Ghost”と夏の歌を続け、力強いキックに合わせてハンドクラップが鳴り響くなか、“Beautiful Chaos”ではパワフルな地声と突き抜けるようなファルセットを巧みに使い分け、楽曲に鮮やかなコントラストを描いてみせた。
壮大かつ幻想的なアレンジが、まるで1本の映画を観たような気持ちにさせる“Flower in the rain”を挟み、ここからはアコースティックセット。2015年にリリースされた1stアルバム『TOKYO』から、オーセンティックなソウルチューン“LOVE YOURSELF”、そしてアルバム『RUNWAY』から“Mmm…”を披露し、アイドラが持つメロディの美しさをより一層際立てていた。
再びバンド編成となり、軽快なバンドサウンドに官能的な歌詞を載せた“New York, New York”を演奏した後、スペシャルゲストに元Kis-My-Ft2の北山宏光を呼び込むと、フロアは興奮の坩堝と化す。北山に楽曲提供した“Just Like That”を、彼も含めたこの編成で「セルフカバー」するとは思いもしなかった。回るミラーボールの下、北山の甘い歌声がYUのハスキーかつ官能的な声と時に混じり合い、時に掛け合いながら、まるで語らうような親密なデュオを披露した。
気づけばライブもラストスパート。YUがPrinceやCurtis Mayfieldばりのファンキーなファルセットを響かせる“Freaky boy”では、CHOJIがギターを首の後ろに回してJimi Hendrixのようにトリッキーなソロを繰り出すと、オーディエンスから再び大きな歓声が上がる。そこからKENJIのベースソロ、そしてSHUKIのドラムソロと続き、YUが「まだまだ行くよ、ついて来れんの、東京?」と煽って“WOLF VIBES”へ。まるで狼の遠吠えのようなコーラスをその場にいた全員で「咆哮」し、会場は再び一体感に包まれる。
「次は、僕らにとって特別な世界に行くきっかけとなった曲をお届けします」とYUが言い、アニメ『ワンピース』主題歌に起用されたアイドラの出世作と言っても過言ではない“PAINT”をシンガロング。《We could change the world to make a better place》と力強く歌う歌詞が、混乱を極める「今」を生きているからこそ心に沁みる“Change”で本編は終了。アンコールでは“MR.CLEVER”、“LEMONADE”を演奏した。
「今日はU-NEXTの配信も入っているし、クールにキメようかと思っていたんですけど、みなさんのせいで熱くなってしまいました。本当にありがとうございます!」とユーモアを交えながらYUが挨拶すると、会場は温かい歓声と拍手に包まれた。
「何を血迷ったのか音楽の道を選び、こうやってみんなと繋がることができた。それってすごいことだなと改めて思うんですよね。だって音楽をやってなかったら、こんなたくさんの人たちと、こんなふうに同時に集まるなんてことなかったわけじゃない?」そうYUが同意を求め、拍手で応えるオーディエンス。
「普段は別々の場所にいる人たちが、こうやって集まり、なんかすげえエネルギーが生まれて『明日からまたちょっと頑張ろうかな』と思ってもらえる。そんなふうに、僕らの音楽が少しでもみんなの人生のプラスになるなら、本当にすごいことだなと。だから僕ら、この先10年20年と進んでいきたいと思います。ついてきてくれますか?」そう呼びかけ、大歓声に包まれるなか“WE ARE YOUNG”を演奏してこの日のライブを締め括った。
洋楽に影響を受けたスタイリッシュなサウンドと、パーソナルな心情を綴った赤裸々な歌詞。そうした要素が絶妙に混じり合い、アイドラにしか生み出し得ないサウンドスケープが全編にわたって展開。メジャーデビューからの10年間、自分たちが何を届けたいのかを模索し続ける中で、『ONE PIECE』主題歌という大きなチャンスを足がかりに世界進出を果たした彼らにとって、EP『FOCUS』と今回のツアーは、その過程で辿り着いたひとつの答えと言えるだろう。
最後にはファンクラブ会員の投票によりセットリストが決定する『3rd SELECTION TOUR』の過去最大公演数での開催、そしてOmoinotakeをゲストに迎えた対バンイベント『JOINT GIG』、5大都市を巡る初のZepp TOUR(仮)も発表。
10周年の節目を過ぎてもなお勢いを増す彼らから、今後も目が離せない。
2. Shadow
3. Lonely Dancers
4. TONIGHT
5. Umbrella
6. Sunset Girl
7. Summer Ghost
8. Beautiful Chaos
9. Flower in the rain
10. LOVE YOURSELF
11. Mmm…
12. New York, New York
13. Just Like That Just Like That w/ 北山宏光
14. Freaky boy
15. WOLF VIBES
16. PAINT
17 Change
[ENCORE]
18. MR.CLEVER
19. LEMONADE
20. WE ARE YOUNG
【イベント情報】
『I Don’t Like Mondays. “2025 Zepp TOUR”(仮)』
日時:2025年10月5日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:北海道・札幌 Zepp Sapporo
料金:¥7,800(1D代別途)
問:マウントアライブ 050-3504-8700(平日11:00-18:00)
日時:2025年10月11日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:大阪 Zepp Osaka Bayside
料金:¥7,800(1D代別途)
問:キョードーインフォメーション 0570-200-888(月~土 11:00~18:00)
日時:2025年10月13日(月・祝)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:福岡 Zepp Fukuoka
料金:¥7,800(1D代別途)
問:キョードー西日本 0570-09-2424
日時:2025年10月18日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:愛知・名古屋 Zepp Nagoya
料金:¥7,800(1D代別途)
問:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(12:00-18:00)
日時:2025年10月26日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京 Zepp DiverCity
料金:¥7,800(1D代別途)
問:HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077(平日 12:00~18:00)
※小学生以上有料。未就学児童は入場不可。
※東京公演のみ全自由席、その他の公演は全席指定となります。1Fスタンディング・2F指定席の種類を選択することはできませんので、予めご了承ください。
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『I Don’t Like Mondays. “3rd SELECTION TOUR”』
日時:2025年1月26(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:愛知・名古屋 ボトムライン
料金:ADV. ¥7,200(1D代別途)
問:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(12:00-18:00)
日時:2025年2月1日(土)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:岡山 YEBISU YA PRO
料金:ADV. ¥7,200(1D代別途)
問:キャンディープロモーション岡山 086-221-8151(平日11:00~18:000
日時:2025年2月2日(日)OPEN 17:15 / START 18:00
会場:大阪・梅田CLUB QUATTRO
料金:ADV. ¥7,200(1D代別途)
問:キョードーインフォメーション 0570-200-888(月~土 11:00~18:00)
日時:2025年2月8日(土)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:北海道・札幌 SPiCE
料金:ADV. ¥7,200(1D代別途)
問:マウントアライブ 050-3504-8700(平日11:00〜18:00)
日時:2025年2月9日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:北海道・旭川 CASINO DRIVE
料金:ADV. ¥7,200(1D代別途)
問:マウントアライブ 050-3504-8700(平日11:00〜18:00)
日時:2025年2月15日(土)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:熊本 B.9 V2
料金:ADV. ¥7,200(1D代別途)
問:キョードー西日本 0570-09-2424
日時:2025年2月16日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:福岡 BEAT STATION
料金:ADV. ¥7,200(1D代別途)
問:キョードー西日本 0570-09-2424
※オールスタンディング
※小学生以上有料。未就学児童は入場不可。
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『I Don’t Like Mondays. “JOINT GIG 2025”』
日時:2025年3月2日(日)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京・恵比寿 LIQUIDROOM
料金:ADV. ¥7,200(1D代別途)
出演:
I Don’t Like Mondays.
Omoinotake
問:HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077(平日 12:00~18:00)
※スタンディング
※小学生以上有料。未就学児童は入場不可。
※ひとり1申込最大2枚まで。