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世界最大のクリエイティブビジネス展示会SXSWに「8K:VRシアター “Aoi -碧- サカナクション”」を出展したプロデューサーに取材決行!


世界最大のクリエイティブビジネス展示会SXSWに「8K:VRシアター "Aoi -碧- サカナクション"」を出展したプロデューサーに取材決行!

2016.03.20

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(Photo by Yosuke Hosoi)

毎年3月にアメリカ・テキサス州オースティンで開催される、世界最大のクリエイティブビジネスの展示会「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)」。
ダウンタウンに数多く点在する会場のなかでも、メイン会場のひとつとして位置付けられる「ヒルトン・オースティン」で、先日渋谷ヒカリエで上演された「8K☓3D☓22.2ch立体音響 “Aoi -碧- サカナクション”」を再上演する試みが行われた。(企画内容の詳細については、以前ヒカリエでの上演の際に公開したこちらの記事を参照)
今回、「8K:VRシアター “Aoi -碧- サカナクション”」を企画したNHKエンタープライズのエグゼクティブ・プロデューサー田邊 浩介氏に、SXSWの会場で現地インタビューを決行した。
(Interview & Text by Jun Hayashi 協力 : lute)

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ヒルトン・オースティンの外観(Photo by Yosuke Hosoi)

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入り口前の看板(Photo by Jun Hayashi)

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上映開始を待つ参加者(Photo by Jun Hayashi)

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「8K:VRシアター “Aoi -碧- サカナクション」の映像のワンシーン①(Photo by NHKエンタープライズ)

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「8K:VRシアター “Aoi -碧- サカナクション」の映像のワンシーン②(Photo by NHKエンタープライズ)


-(渋谷ヒカリエの際にもお聞きしましたが)今回の企画はどういうものか説明して頂けますか?

田邊:「8K:VRシアター」というコンセプトで、サカナクションの楽曲「Aoi」の、立体映像と立体音響による「8K:VR版ミュージックビデオ」という提案をしています。

今年からSXSWに新設された「VR/AR Track」というプログラムに出展していて、今回はヘッドマウントディスプレイ型のVRコンテンツがたくさん出展されているんですが、僕らは違う手法でVR体験を実現したいと思っていて、大型スクリーンと8K3D映像と22.2ch立体音響を組み合わせた「8K:VRシアター」というコンセプトで、シアター型のVR体験を出展しています。

-率直に、今回SXSWに出展して、参加者からの反応はいかがですか?

田邊:おかげさまで、参加者の反応は予想以上に良いですね。日本では、舞台とかライブで拍手があるのは当たり前だけど、映像を観て拍手することって、あまりないですよね。初日のいちばん最初のショーで、上映後に大きな拍手があったことに、すごく感動しました。日本では経験がないことだったので。

それと、世界中から来ているクリエイターたちの反応がすごく良くて。アーティストだったり
映像クリエイターだったり、ミュージシャンだったり、自分でモノを作っていて、目の肥えたクリエイターたちが評価してくれたことは、すごく嬉しいですね。

-このコンテンツを見せる場としてSXSWを選んだのはどのような理由がありますか?

田邊:いろいろな理由があるんですが、まずコンテンツの内容が音楽であり、映像であり、もちろん最新のテクノロジーも使っているということで、SXSWの3つの要素(音楽×映画×インタラクティブ)が重なり合ったコンテンツだと思っていまして、最も相性が良いエキシビション(展示会)だと思います。海外で出展するならSXSWしかない、と考えていました。

-逆に出展することで、新しく経験できたことはありますか?

田邊:新しい経験はたくさんありましたね。海外での出展は、うちでもいろいろやってるんですが、今回はかなり予算が限られてたので、自分たちでやらないといけないことがたくさんありました。

現地での会場設営も、こっちの作業員の人件費が高くて(笑)、予算削減のために22.2chサラウンド用のスピーカー設営は全て自分たちでやりましたし、何かとDIYなところがありました。大変だったんですけど、スタッフ全員で、学園祭のように楽しみながら準備しました。

-以前、渋谷ヒカリエでやられて、今回はアメリカのオースティン。この二つの場所でやったときのコンテンツの中身の違いはありましたか?

田邊:いちばん大きな違いは、ヒカリエではレーザー演出が目玉のひとつで、スモークマシーンを使ったり、ステージを作ったりと、空間演出を取り入れていましたが、今回の会場であるヒルトン側の規則で、スモークもレーザーも使用ができず、レーザー演出を諦めるしかありませんでした。

苦肉の策で、ムービングライト(光の方向を変化させ、アクティブな照明演出)を導入しましたが、やり過ぎると映像に干渉してしまうので、思い通りに演出できなかった部分もあります。ヒカリエのときに、レーザーも含めた演出、全てがうまくハマった表現になったので、それをきちんと伝えられなかったことが残念です。

また、海外での出展ということで、サカナクションを知らない方向けに、彼らがどのようなバンドなのかを英語で紹介する約1分間のプレショーと、コア技術である8K・3D・22.2chについて英語で解説する、約2分強のアフターショーを、本編の前後に追加しています。

-最後に、今回はサカナクションの映像だったわけですけど、今後、この技術を使って構想していることや、考えていることはありますか?

田邊:今回、海外のいろいろな企業から引き合いがありました。自動車メーカーのプレゼンテーションや、アーティストのプロモーションに使いたい、とか。もちろん、そういった目的にも使えると思うんですが、例えば、ライブアクションと立体映像を組み合わせたり、新しい手法を取り入れて、今までにないエンターテイメントを実現したいと思ってます。

もちろん、エンターテイメントだけじゃなくて、学術的なテーマにも使える可能性があると思いますし、その辺はこれからも具体的に考えていきたいと思っています。

◆8K:VR Theater 公式サイト
http://8kvr.net/

◆8K:VR Theater Facebookページ (こちらでも会場の様子がご覧いただけます)
https://www.facebook.com/8kvrtheater/?fref=nf


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