School of Seven Bells

I Got Knocked Down (But I'll Get Up)

School of Seven Bells / I Got Knocked Down (But I'll Get Up)
若くしてこの世を去ったジョーイとベンジャミン、2人の悲痛な想いが時を超えて重なる1曲

昨年12月29日に届いたベンジャミン・カーティスの訃報は、多くのアーティストや音楽ファンを悲しませました…。あれから早1年半、そのベンジャミンが在籍した米ブルックリンのドリーム・ポップ・バンド、School of Seven Bells (スクール・オブ・セヴン・ベルズ)(以下、SVIIB)がなんとデジタル配信の新曲「I Got Knocked Down (But I’ll Get Up)」を引っさげて帰って来ました。

周知の通り、この曲はラモーンズのフロントマンとして知られたジョーイ・ラモーンのカヴァー。ジョーイの死後にリリースされたソロ・アルバム『ドント・ウォーリー・アバウト・ミー』(02年)に収録されているナンバーで、原曲のジャングリーなパンク・ソングをSVIIB流に換骨奪胎した、7分にもおよぶ幻想的なシューゲイズ・サウンドに仕上がっています。

「I Got Knocked Down (But I’ll Get Up)」はNYで音楽活動をしていたベンジャミンにとって非常に重要な楽曲だったそう。闘病中にラップトップで制作した最後のレコーディング音源ともなるようで、アレハンドラ・デヘサは彼とFaceTimeでやり取りしながらヴォーカルを別途スタジオで収録。「打ちのめされたとしても/オレは立ち上がる」と宣言するタイトルはもちろん、《Sitting in a hospital bed(病院のベッドに座ってる)》という歌い出しや、《I want my life(オレ自身の人生が欲しい)》という歌詞には、若くして悪性リンパ腫(血液の癌)によってこの世を去ったジョーイとベンジャミン、2人の悲痛な想いが時を超えて重なったようで胸に迫るものがあります。

すでに15秒程度のティーザーは公開中ですが、現地時間25日にフル・ヴァージョンのミュージック・ビデオがCulture Collideにてお披露目予定(※追って動画も追加します)解禁されました。映像を手がけたのは、デヴィッド・ロウリー監督の映画『セインツ -約束の果て-』(13年)の製作にも携わったトビー・ハルブルックス(Toby Halbrooks)と、NYの映像作家/フォトグラファーでありソランジュやブラッド・オレンジのMVでもお馴染みのアラン・デル・リオ・オーティズ(Alan Del Rio Ortiz)のコンビ。彼らはもともとSVIIBの友人で、撮影はカリフォルニア州のジョシュア・ツリー国立公園で行われました。

双子姉妹のクラウディア・デヘサの脱退、そしてベンジャミンの死でバンドの存続も絶望視されていたSVIIBですが、こうして新たな第一歩を踏み出してくれたことは、いちファンとして素直に嬉しいです。ピッチフォークが“Final Song”と記しているように、次なる新曲やアルバム・リリース、またはライヴ復帰の可能性があるのかは現時点ではわかりません。しかし、かつてなく力強い眼差しで未来を見据えたスクール・オブ・セヴン・ベルズ=アレハンドラの今後に期待しましょう。

▼ジョーイ・ラモーンのオリジナル・バージョンはこちら

I Got Knocked Down (But I’ll Get Up)のDLはこちらから

(Text by Kohei Ueno)

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