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Balloon at dawn / 七月


有象無象の“シンセポップ・バンド”とは一線を画す、ダイナミックなドリーミー・ポップバンド。

2015.07.09

昨年のベストトラックで1位に挙げさせていただいたBalloon at dawnが、新作『Inside a dream』をリリース。同作から新曲「七月」をSound Cloudにアップしています。

かつて「Teenage Idol」をアップした際は「Galileo Galileiの尾崎雄貴を連想させる」・「Galileo Galileiの『PORTAL』以降、時代は大きく変わった」といった感想などを述べるに至りましたが、そんなガイドなどどこ吹く風。はじめは楽曲タイトルから爽やかで疾走感のある曲調を想起するものの、実際は無機質なビートとループするプログラミング、ハイトーンなファルセットと透明感のあるコーラスが生むサビのダイナミズムが、圧倒的の一言に尽きる。いちリスナーとしてはこの路線のまま躍進して、有象無象の“シンセポップ・バンド”とは一線を画し続けてほしいです。

ちなみに『Inside a dream』には、クリーントーンのギターで青臭い夏の日が思い浮かぶ「プールサイド」や、ネオアコ~オルタナギターロック調の「Chroma」、劇伴的なサウンドスケープの「B(e)side/Bedside」、以前に紹介した「Teenage Idol」や牧歌的なバラード「Seaside」、ここまでの装飾を最低限まで削ぎ落とし、数百人規模の会場で鳴っている風景すら浮かんでくる6分尺の「眠る日」など、素晴らしい楽曲が収録されています。

最後に、同バンドは恋する円盤の2nd Mini Album『Her Favorites』レコ発イベント大阪公演に、SATORI、Faded old cityとともに出演(ちなみに東京公演には以前激推ししたLucky Kilimanjaroの名前も)するようで。SATORIもいずれ取り上げたいと思っていたバンドなので、結論としては「恋する円盤最高かよ!」といったところです。

(Text by Takumi Nakamura)


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