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SPIN.DISCOVERY -VOL.02- アーティスト対談 :池田智子(Shiggy Jr.) × 仮谷せいら


新世代の歌姫2人による貴重な対談。 ファンへの想いや人生設計(?)までアレコレ聞いちゃいました。

2014.11.03

Jess(give me wallets)×原田茂幸(Shiggy Jr.)による対談に続き、11月9日に開催するSPIN.DISCOVERYの出演アーティストであるShiggy Jr.のボーカリスト池田智子と、ソロSSW仮谷せいらが対談企画に登場。今回は同世代の女性ボーカリストということで、カラオケ店での対談を実施した。Shiggy Jr.は2013年11月に発表した1st mini album「Shiggy Jr. is not a child」が音楽関係者の間でじわじわと話題となり、ついには田島貴男をはじめ多くの著名人がファンであることを公言する状態になった。仮谷せいらは小学生の頃からモデル・歌手として活動しており、新人アーティストながらそのキャリアは長い。自ら作詞作曲を行いつつ、give me walletsのEPへ参加するなど活躍の場を広げている。今最も注目を集めているトラックメーカーのtofubeatsとのコラボレーションを行う平成生まれの彼女達。新世代のボーカリストが目指す道を語ってもらった。(Intervewer:achico)

――まずはお二人が音楽に触れたきっかけと生い立ちを教えてください。

池田:赤ちゃんの頃から歌が好きでした。中学は吹奏楽部で、高校では管楽器で音大にいくための勉強をしていました。バンドはずっとやりたかったんですが、道がそれちゃうからあんまり考えないようにしていました。でも、チャットモンチーさんがNHKのトップランナーに出ていたのを観たら凄くかっこよくて。「これはバンドをやらないと後悔する!」と思い立って、高校三年生の秋から一般の大学に進路を変えて受験勉強をしました。

――音大でバンドを組むという選択肢ではなくて、全部切り替えよう! と。

池田:音大は専門の勉強が忙しいだろうから、自分の性格上どっち付かずになっちゃうだろうなあって。あとその時気がついたんですけど、「管楽器って吹きながら歌えないじゃん!」って。三年の秋だったので大学を調べている時間がなくって、桑田佳祐さんが卒業した大学だったら軽音部あるだろうって理由で志望校を決めました。

(一同笑い)

仮谷:五歳くらいの時にお母さんが、「何か夢中になれることを見つけたほうが真っすぐ素直に育つんじゃないか?」と思ったらしくて。それでスクールに入ってダンスを始めて、そこから音楽に出会いました。その場でかかった音楽に合わせてフィーリングで踊るレッスンだったので、ジャンルとかは気にせず色々聴きました。その後、ダンスと歌と演技を勉強したんですけど、一つを選ぶってなって。ダンスも好きだったけれど、歌うことにしました。

――二人とも色んな歌に触れてきて、憧れのボーカリストは?

仮谷:う〜ん、あんまりなりたい像は無くって。大好きなのは倉木麻衣さんです。凄く小さい頃からスクールで耳にして好きだった音楽が倉木さんだったのを、ちゃんと音楽を聴くようになってから知りました。

池田:やっぱりYUKIちゃんです。結婚して子供が出来てからもずっと歌っていて、かっこいいなって。MステにYUKIちゃんが出ると、twitterのTLがみんな幸せになってるじゃないですか。「早く帰って良かった〜!」って。YUKIちゃんの存在そのものがハッピーだから、私もああなりたいなって。

池田仮谷対談④

――今回の会場はカラオケBOXですけど、十八番はやっぱりそれぞれ、倉木麻衣とYUKIですか?

池田:今はカラオケあんまり行かないんですけど、高校時代は友達とEXILEを綺麗にハモってました!

――EXILE? 意外ですね! 

仮谷: 私は一人でもよく行ってました。練習がてら、六時間くらいがっつり歌うんです。同じ曲ばっかり、採点モードにして。

池田:点数をあげていく、みたいな?

仮谷:この曲を制覇するぞ! みたいな感じで。倉木麻衣さんの、 Time after time〜花舞う街で〜っていう曲をよく歌っていました。

――六時間も歌うって、タフですね! ボーカリストは喉が大事ですが、特別なケアとかしてますか?

仮谷:喉の体操? をしたりとか。あとはライブ前に揚げ物を食べると喉にいいって聞いて。

池田:あ、よく言いますよね! 私はライブ前はご飯が食べられないんですよ。緊張しちゃって……。

仮谷:私、ばくばく食べてます。油がいいらしいです。

――11月9日のケータリングは唐揚げにしますね。笑

仮谷:やったー!!

――お二人共、tofubeatsさんの作品に参加していますが、きっかけはどうだったんでしょう?

池田:元々ファンで、バンドのデモが出来たときにやっと渡せる音が出来た! と思ってtofubeatsさんのイベントに行ったんです。手紙も書いて。深夜イベントだから怖くて中には入れなくって。どうしようって思っていたら、受付のお兄さんがとってもいい人だったので、「渡せなかったら捨てちゃってもいいので、tofubeatsさんに届けてください。よろしくお願いします」って、その人に託したんです。深夜3時くらいのことだったんですけど、興奮覚めやらず眠って。次の日の朝起きたら、twitterで「受け取りました」ってご本人から返事が来たんですよ。その時、添えた手紙には暑苦しく「デモでも仮歌でもいいので、何でもやらせてください」って書いたんです。「お仕事やらせてください!」って。それを覚えていて下さって、今回のコーラスのお話を頂けたのかもしれません。

仮谷:私は、昔受けたオーディション会場にtofubeatsさんがいたらしいんです。その他にも、マネージャーさんがtofubeatsさんに音源渡していたりしたみたいなんですけど。オーディションの二年後くらい? コラボレーションの話が来たんです。

――仮谷さんは作詞作曲もしていて、一番最初にtofubeatsさんと作ったのが「N.M.D. 」ですね。

仮谷:歌を作り出して一年位経った頃にお話を頂いて、最初にコラボした曲です。あんなに「お金が無い!」って淡々と書く作詞は初めてでした。実家だしそこまでお金に困ったことないから、どうしよう! って。

(一同笑い)

――仮谷さんは憂いがある曲が多いですよね。最近twitterでも曲作りの様子をつぶやいていますが、どんな時にアイデアが浮かびますか?

仮谷:歌詞は結構机に向かってしっかり書くことが多いですね。書くぞ! っていうテンションで。書けたものを後で事務所に持って行って、ここはこうしようってやったり。曲はメトロノームに合わせて鼻歌を歌って作っちゃいます。ピアノをやっていたんですけれども、ピアノ苦手で……。

――Shiggy Jr.の作詞作曲は原田さんがやっていますが、池田さんも今後歌詞を書く予定はありますか?

池田:作詞は憧れなんですが、やったことは無くって。文章書くのとか、絵を描くのとか大好きなんですが、作詞! ってなると書けなくなっちゃうんです。自分自身が歌詞に思い入れがある分、身構え過ぎなのかもしれないんですけど。「普段twitterに書いていることを歌詞にすればいいんじゃない?」って周りからも言われちゃうんですけど……。だから今、(話を聞いて)はぁ〜、こうやって作るんだ! って思いました。

――池田さんはtwitterでも凄くポジティブだし、言葉のストックがたくさんあるんだろうなって思いますが……。

池田:書けないんだけど、書けるようになりたいから、他の人の歌詞をノートに書き写して……その写経状態から抜け出せなくって。しげゆきくんから曲をもらったこともあるんです。でもなかなか書けないから、しげゆき君の曲作りのペースを乱しちゃうなと思って。しげゆきくんは歌いながら曲を作る人だから、どっちかが後になるっていうのが難しいっていうのもあるかも。せいらちゃんは実体験を歌詞にするんですか?

仮谷:実体験は恥ずかしくって書けない! だから、映画観て思ったこととか、恋愛映画も、第三者視点で。自分の恋愛こと、書けないです。映画を観ると書きやすいんです。

池田:それやってみます! う〜ん、自分のこととかになると何書いていいかわからなくなっちゃう。

――恋愛といえば、仮谷さんは以前インタビューで「夢は専業主婦!」ってお話してましたよね。

仮谷:今も変わってないです。小さい頃からずっと夢が専業主婦で。うん、専業主婦になりたい!

池田:せいらちゃんは料理がめちゃくちゃ上手なんですよね。私、せいらちゃんのinstagramを眺めるのが本当に好きで。しばらく携帯が弄れない時も、後で見逃している投稿がないか、わざわざせいらちゃんのアカウントまで飛んで全部観てます。

――TLじゃなくてアカウントまで飛ぶって、ネットストーキングの基本ですね。(一同笑い)

仮谷:うん、料理は花嫁修業だと思ってやってます。

池田:前にライブで少しだけ話したときに、「ごはん、凄いですね!」って声をかけたんです。こんなにかわいいのに、料理も出来て素晴らしいって話をしたら、「女性としてきちんとしておきたいんだよね」ってキラキラした返事がきて。なんだこれは〜! って。本当に凄いです。

仮谷:でも、全部簡単料理です。バイト先にお弁当持って行ったりするんで。節約!

池田:こんな朝ドラの主人公みたいにキラキラした女の子がいるなんて……。ちゃんとした毎日を送っている人のオーラがあるじゃないですか。爽やか。

仮谷:昔から、音楽バカにはなりたくなくって。音楽だけじゃなくって、一人暮らしも始めたし生活もきちんとやりたい。その上で音楽! 料理はするようにしています。それの延長で、専業主婦になりたい。

池田:歌は続けるんですよね?

仮谷:そうです! 理想は、朝旦那さんを送り出して昼前からスタジオに入って夕方帰ってきちんとご飯を作る!

――スタジオっていうのは、歌手として?

仮谷:そうです!

――それ、専業主婦じゃないですね。(笑)家庭を持ちながら歌手を続けたいと。人生設計があるんですね。

仮谷:歌も生活もきちんと!

――お二人とも、発言やSNSの投稿が素直ですよね。人として応援したい属性。SNSはファンの方と大事なコミュニケーションツールですが、気を使っていることはありますか?

仮谷:音楽のことを語るのが苦手なので、思ったことをそのまま書く。独り言みたいなのを書いちゃう。私がファンだったら、好きなアーティストは何を考えているんだろう? 今何しているんだろう? って考えちゃうし、知りたいんです。だから、正直に書く。

池田:本当はもっと個別にコメント返信したいんですけど、最近はありがたいことに動いている時間が長くなって返せなくなっちゃって。それが自分の中ではモヤッとしているんです。あとは、カリスマタイプの人だったら私生活がわからなくってもいいんだけど、私は多分そういうタイプじゃないから。せいらちゃんと同じように、私の普段のことが伝わればいいなって。その中でお客さんへの感謝が伝わればと思って書いてます。ずっと、親戚の子供を応援するみたいな感じで見守ってもらえたら嬉しいなって。身近なまま、大きくなっていきたい。

――最後に、11月9日のSPIN.DISCOVERY -Vol.2-への意気込みをお願いします。

池田:1stが出るくらいから、メディアではSpincoasterがいち早くShiggy Jr.を見つけてくれたんです。だからお話を頂いて、みんなですぐ出よう! って。お礼の気持ちも込めて、自分達の精一杯のライブをしようと思います。

仮谷:9日に披露しようとしている新曲があります! 終わった後に「楽しかったな!」って言ってもらえるライブをしたいし、私自身も楽しみたいので、是非遊びにきてくれたら嬉しいな。

池田仮谷対談③

ついに今週末!!

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