特別対談

Naz × 冨田ラボ

冨田ラボ、WONK・江﨑プロデュースによるデビュー作を上梓したNaz。19歳という若きシンガーの出自、そして可能性に迫る

沖縄出身の弱冠19歳のシンガー、Nazが7月24日(水)に1st EP『JUQCY』をリリースする。

冨田ラボが昨年発表した最新アルバム『M-P-C “Mentality, Physicality, Computer”』(以下:『MPC』)にて、見事リード・トラックのボーカルとしてフィーチャー。一躍注目を浴びた彼女は、その冨田ラボこと冨田恵一と、WONKのキーボディスト・江﨑文武プロデュースの元、本作『JUQCY』で満を持してのデビューを飾る。

時にスモーキーに、時にはフレッシュな魅力も感じさせるその歌声は、曲によって様々な表情を見せる。まだまだ無限大の可能性を秘めているであろう才媛の登場だ。今回はそんなNazと、先述の冨田恵一による対談を敢行。当然のことだがNazはインタビューにもまだ不慣れな様子で言葉少なげではあったが、普段の話し声ですら魅力的な、そのシルキーな声で自身のパーソナルなことについて語ってくれた。

Interview & Text by Takazumi Hosaka
Photo by 福田華菜

■Naz
2000年沖縄県沖縄市生まれ19歳。独学で歌を学び、13歳の頃に沖縄で開催された世界的オーディション番組に出場。Christina AguileraやAdeleの曲を歌い、その歌唱力で、審査員たちから絶賛される。その後音楽活動の場を広げ、高校生でありながら、Nabowa「My Heatbeat(Belongs To You)」、冨田ラボ「OCEAN feat. Naz」と各アルバム・リード曲のゲスト・ボーカルを担当。今後は沖縄とロンドンを活動の拠点とし、さらなる音を追求していく。

■冨田ラボ(冨田恵一)
音楽家、プロデューサー、作曲家、編曲家、ミックス・エンジニア、マルチ・プレイヤー(ドラム、ベース、ギター、鍵盤)。音楽プロデューサーとして、数多くのアーティストにそれぞれの新境地となるような楽曲を提供しているほか、セルフ・プロジェクト“冨田ラボ”としてもこれまでに6枚のアルバムを発表。2018年リリースの最新アルバム『M-P-C “Mentality,Physicality, Computer”』には、Kento NAGATSUKA(WONK)、chelmico、長岡亮介(ペトロールズ)、Naz、七尾旅人、Ryohu(KANDYTOWN)、吉田沙良(ものんくる)、Reiなど新鋭アーティストを中心とした豪華ゲスト陣が参加。これまでなかった、ラッパーの参加や英語詞の曲も収録し、次なる時代のポップスを提示した。


――まずはおふたりの出会いについて教えて下さい。そもそも、冨田さんがNazさんを知った経緯というのは?

冨田:『MPC』に参加してもらいたいシンガーを考えている時に、スタッフからNazさんが13歳の時にオーディションに参加した時の映像を見せてもらって、「これはスゴいな」と思いました。直接会ったのは一昨年、17歳の時です。

Naz:はい。昨年の冨田さんのアルバム『MPC』で1曲参加させて頂いたんですけど(「OCEAN feat. Naz」)、初めてお会いしたのはそのデモの仮歌をレコーディングした時ですね。

冨田:元々冨田ラボとしての活動で、まだまだキャリアをスタートさせたばかりの新人とも一緒にやりたいっていう考え自体はずっと持っていて。それこそ冨田ラボを始めた頃からそういったアイディアは出ていてたんですけど、これまで中々実現に至らなかったんです。Nazさんに関しては、オーディションの映像を見た時に感じた個性と、実際にお会いした際のフレッシュさに惹かれて、「OCEAN feat. Naz」でご一緒することになりました。

――Nazさんが13歳の時に参加したオーディションというのは、『X FACTOR OKINAWA JAPAN』のことですよね。こちらはどういった経緯で参加することになったのでしょうか。

Naz:シンガーになりたいって思っていたところに、父親から「こういうのあるんだよ」って教えてもらって参加することになりました。当時はまだ小学校を卒業したばかりだったので、あまり状況もよくわかっていなかったです(笑)。だからこそか、大きいステージだったのにあまり緊張することなく自分を出し切れたのはよかったですね。

――冨田さんから見た、シンガーとしてのNazさんの魅力というのは?

冨田:一番に思ったのは、声そのものに宿る個性ですね。パッと聴いただけで、他の人と区別できる歌声を持っている。それは何にも代えがたいものだと思います。もうひとつは、その声質に適した歌い方をしているっていう部分。おそらく無意識だと思うのですが、13歳の頃から自分の声の特性をわかって歌っているような、そんな印象を受けました。母国語ではない英語で歌うスタイルが先にでき上がっていたところが特殊だなと思います。もちろん今後は日本語で歌う可能性もあるだろうけど、自身が最初から有していたスタイルが英語での歌唱に適していた。これは稀なケースなんじゃないでしょうか。特に外国で長く暮らしていたっていうわけではないけど、これはご両親の影響なんですよね。

Naz:そうですね。家では海外の音楽だったり映画が常に流れているような環境で育ちました。

冨田:英語でスキルフルに歌唱する方っていうのは、例えばR&Bシーンなんかにたくさんいますよね。でも、Nazさんのボーカルっていうのは、そういった方々の歌唱法とはまた違ったアプローチなんですよね。

――では、先程も話に出た、「OCEAN feat. Naz」の制作について教えて下さい。実際、レコーディング当日はどうでしたか?

Naz:デモ音源を頂いた翌日に仮歌のレコーディングがあって、私は初めてのことばかりだったのでガチガチに緊張していました。

冨田:デモのお渡しが前日になってしまって、本当に申し訳ないです(笑)。作っている時から、「(Nazさんは)まだレコーディングとか慣れてないだろうから、早めに渡さなきゃ」って思ってたんですけど、中々できず……。でも、今Nazさんはガチガチに緊張していたって言ってたけど、僕が見る限りではすごく自然体でレコーディングに臨んでくれて。まだ歌詞もない状態での仮歌だったんですけど、その時点で「これはいい作品になるぞ」って確信しましたね。Nazさんの声を前提に書いていた曲だったので、「バッチリだな」と。

――そこから歌詞なども練って、完成に至ったと。

冨田:そうですね。先程も言ったとおり、Nazさんの英語での歌唱に惹かれた部分も大きいので、スタッフと相談して、冨田ラボ初の英詞曲にしようと決めました。作詞はCOLDFEETのLoriさん(Lori Fine)にお願いしたんですけど、英詞の場合は意味ももちろん重要だけど、やっぱり音が重要で。Loriさんとも何度もやり取りして作ってもらいましたね。ある程度できた段階で、Nazさんともデータのやり取りやSkypeで連絡して詰めていきました。Loriさんは本番の歌録りにも来てくれて、発音や歌唱法についても有益なアドバイスをしてくれましたね。

――そのようにして完成した「OCEAN feat. Naz」を経て、Nazさん自身の中で何か変化は起きましたか?

Naz:すごく大きな変化がありました。私はChristina Aguileraに憧れて、「あんな風に歌いたい!」って思って歌い始めたんです。それ以降はAdeleやAmy Winehouseなどを参考に、ソウル系の歌い方に寄せようってずっと考えていたんです。冨田さんと作った「Ocean」も、最初はソウルやR&Bっぽいテイストを求められていると思ったんですけど、結果的にはそういったイメージとは異なる楽曲になって。私、歌い方の参考として聴いていたソウル系の音楽以外にも、UKロックとかオルタナティブ・ロックとかも聴いているんですけど、そういった音楽と同じ感覚で「いいな」って思えたんです。新しい自分に出会えたような気がしました。

――Nazさんのシンガーとしての枠を広げてくれたんですね。今回のEP『JUQCY』でも、冨田さんが手がけている2曲はかなり振れ幅がありますよね。これはどういった意図で制作されたのでしょうか。

冨田:Nazさんの声質とスタイルを考えると、スロー、もしくはミディアムな曲っていうのはすごくしっくりくるし、思いつきやすいんですよね。だけど、一緒に「Ocean」を作った経験から、彼女の才能は絶対にそれだけではないはずだと思っていて。いいシンガーっていうのは、バラードもアップテンポな曲もバッチリ歌いこなすじゃないですか。そういった考えから、もう少しアッパーな歌い方をするような曲を作ろうって思ってできたのが「Clear Skies」です。アッパーなんだけど、もちろんNazさんの個性が活きるように、例えば少し憂いを帯びたメロディにしようとか、そういったことを考えて完成させましたね。

Naz:「Clear Skies」は「Ocean」とは全然テイストの異なる曲ですし、これまでに私がカバーしてきたレパートリーにも全くなかったような曲だったので、「上手く歌えるかな」って最初は不安でした。でも、いざ歌ってみたら結構自分に合っているなと感じて、ちょっと不思議な感覚にもなりましたね。もちろん、それは冨田さんが私に合うよう作ってくださったからだと思うんですけど。

――「Clear Skies」は「Ocean」と同じくLoriさんが作詞を手がけていますよね。

冨田:そうですね。前回と同じチームでできたので、コミュニケーション面などが円滑にいったかなと思います。曲そのものはかなり異なる作品になりましたし、「Ocean」の時よりも英詞が難しかったんじゃないかなって。

Naz:はい、難しかったです(笑)。

冨田:ちょっと早口にならざるを得ない部分もあったし、発音も「Ocean」より難しい単語が多いなって思ってたんです。でも、練習してきてくれたのか、歌録りの時にはバッチリでした。

Naz:この小節でこの単語数、上手く歌えるかな……っていう部分はありましたね(笑)。

冨田:Loriさんもハードルを上げてきたよね(笑)。

Naz:でも、Loriさんのアドバイスがあったからこそ自分のものにすることができたんだと思います。「ここは発音しなくていい」とか、そういう英語ならではの決まりを教えてくださって。

――なるほど。では、もう1曲の「Rain Wash」はいかがでしょう?

冨田:「Rain Wash」はNazさんが最初に作った曲なんです。中学生くらいの時だっけ?

Naz:はい。中学2年か3年生くらいの時です。

冨田:「Clear Skies」を作る前に、スタッフから「Nazさん作曲の曲もあるんですよ」って教えてもらったのが「Rain Wash」で。いざ聴かせてもらったら、「あ、普通に洋楽だな」って思いました(笑)。

Naz:ありがとうございます(笑)。

冨田:あと、やっぱり初めて作った曲っていうのがすごく滲み出ているような気がしたんです。Nazさんがこれまで聴いてきたであろう音楽の影響やエッセンス、その中でも一番自分と合致する部分が出ているように感じて。一聴した時の「普通に洋楽だな」っていう感想も、そういうところに起因していると思います。そのピュアな楽曲を、もちろんすごいデコラティブに、ゴージャスに装飾することもできるんですけど、これはそのままシンプルな構成の方がいいなと。最初に聴いた時に感じた魅力を、なるべく壊さないように心がけてプロデュースしましたね。

Naz:「Ocean」も「Clear Skies」の時も、デモと完成版がガラッと変化していて。冨田さんの作品はそういうパターンが多いとお聞きしていたので、「Rain Wash」はどうなるんだろうってワクワクしながら待っていたんです。そしたら意外にも私が作った原曲からあまりイメージが変わっていなくて。「これでよかったんだ」ってすごく勇気と自信をもらえましたね。嬉しかったです。

冨田:「こいつ、仕事してないな」って思わなかった?(笑)

Naz:とんでもないです(笑)。

――個人的には、最後のサビ前、ブレイクでの音の抜き方が素晴らしいなと思いました。

冨田:あれはミックスの時に思いついて、その場でアレンジしたんです。ミックス作業にもNazさんに立ち会ってもらって、色々とイジっている時に「ここブレイクにして、音を抜いてもいいかも」みたいな話が出てきたんです。言わば、ふたりの共同作業で生まれたアイディアですね。

――そうなんですね。全体的にはどこかSheryl Crowを思わせるような、風通しのいい楽曲に仕上がっていますよね。この楽曲はNazさんが初めて作った楽曲とのことですが、その作曲の背景を教えてもらえますか?

Naz:「Rain Wash」は父にギターを買ってもらって、コードを練習している頃に作った曲です。なので、本当に簡単なコードを繰り返して、そこにメロディを乗せてみた、という感じで。雨が好きだったので、歌詞もそういったことを歌おうと思って書きました。

冨田:自分の真似たい洋楽があって、そこに寄せるにはどうしたらいいんだろうって試行錯誤するのではなく、自分から自然と出てきたシンプルな要素のみで「洋楽っぽさ」を感じさせるのがすごいところですよね。

――「雨が好き」とのことでしたが、Nazさんの出身地である沖縄は、台風が多いことで有名ですし、どちらかというとあまり好まない人が多いのではないでしょうか。

Naz:私、暑いのも好きじゃなくて、昼間もできるだけ外に出たくないんです。寒かったり荒れた天候が好きで。家の中から雨が降ったり、風が吹いているのを眺めるのが好きで。そういった気持ちを曲にしました。

――『JUQCY』には冨田さんが手がけた2曲以外にも、それぞれカラーの異なる楽曲が揃ったバラエティに富んだ作風になっています。「Clear Skies」や「Rain Wash」での軽快な歌唱から、BPMを落とした「White Lie」や「Fare」での妖艶なボーカル、Nancy Sinatraのカバー「These Boots Are Made for Walkin’」でのソウルフルな歌い方など、Nazさんの様々な表情が見えてきます。現時点では、Nazさんご自身ではどのような歌い方が自分にしっくりくると思いますか?

Naz:私自身が元々色々なジャンルの音楽が好きで聴いてきたので、本当に選べないんです。

――では、今作において最も歌唱面で苦戦した楽曲を挙げるとしたら?

Naz:苦戦ですか……「Fare」ですかね。

冨田:自分で作った曲だよね。

Naz:そうなんです。自分で作詞作曲したんですけど、「this world〜♪」っていうサビの部分に関しては、江﨑さんにアレンジしてもらった部分で、最初はなかった展開なんです。なので、自分が出したキーじゃなくて、曲の全体のイメージもガラッと変わったので、レコーディングがとても難しかったのを覚えています。

――そのWONKの江﨑さんとの作業はいかがでしたか?

Naz:江﨑さんとも今回のEPの制作に際して初めてお会いするっていう形だったんですけど、プリプロと打ち合わせをするためにスタジオを借りて頂いて。そこで「好きな音楽は?」っていう感じでお話することから始めて、ふたりで相談しながら作っていきました。「White Lie」は、「Amy Winehouseっぽく、フェイク入れてみよう」ってことになったんですけど、その場で私が上手くできなくて。そこからまた江﨑さんがメロディを工夫してくれたり。試行錯誤しながら完成まで辿り着きましたね。

――「Fare」のリリックも、Nazさんが実際に感じた感情が元になっているような印象を受けました。中でも、先程話しにも出たサビ部分、「this world has so many.and at last(訳:この世界には色々なことがある)」という一節が印象的です。

Naz:私は歌を歌ったり、音楽を聴いただけで世界が変わったような、まるで映画の中に入り込んでしまったような感覚になることが多くて。それがこの曲のテーマになっているんです。「Fare」は「運賃」という意味で、ここではないどこかへ行くための運賃という意味で歌っています。嫌なこととか悲しいこと、逃げたくなることもいっぱいあるけど、歌を歌えばどこへでも行けるんだって。

――最初にChristina Aguileraに憧れて、と話してくれましたが、中でも彼女の初主演映画『バーレスク』にも大きな影響を受けたそうですね。そういった映画からの影響というのも、やはり「ここではないどこか」へ行ける感覚があるからなのでしょうか。

Naz:そうですね。もちろん音楽だけでも感動することはいっぱいありますけど、映画の中で、映像と音楽が合わさった状態で味わう方が、より一層心に入ってくるような気がするんです。音楽も映画もずっと生活の一部としてあったので、どちらも同じような部分で惹かれていったんだと思います。元々私は言葉で自分のことを伝えるのが苦手だったので、歌にはずっと助けられてきました。ある意味では、歌に逃げてたっていう言い方もできるかもしれません。でも、だからこそ「Fare」に限らず、今回のEPを聴いてくれた方が、私と同じようにどこへでも行けるような感覚になってもらえたらいいなと思います。

――EPの最後にはNancy Sinatra「These Boots Are Made for Walkin’」のカバーも収録されています。この曲を選んだ理由というのは?

Naz:この曲は私が歌い始めた初期の頃からカバーしていたレパートリーのひとつなんです。この曲を選んだ理由としては、AdeleやAmy Winehouseのような楽曲にするよりも意外性があるかなと思ったからです。実はGreen DayやRadioheadも候補に挙がってたんですけど。

冨田:そうなんだ。すごく聴いてみたいです(笑)。

Naz:最終的に、私の声を一番活かせそうな曲にしようということになり、この曲に決めました。

――原曲とは大き異なるアレンジが施され、クラシックな名曲ですが新鮮な印象を受けます。これも江﨑さんと共に作り上げていったのでしょうか?

Naz:この曲は江﨑さんに先にアレンジして頂いて、レコーディングはボーカルだけでなく、各楽器のプレイヤーさんと一緒に行いました。何か、普段のレコーディングって寂しいんですよね。みなさんに見守られながら、ブースにひとりで入って歌うので。でも、その日は初めて他の演奏者の方たちとご一緒できたので、寂しくなかったですし、すごく刺激的でした。みんなこういう風に録っているんだって勉強にもなりましたね。

――ちなみに、EPのタイトル『JUQCY』は、パンチをする時の擬音語「ジュクシ」から取ったそうですが、なぜこの擬音語をタイトルにしようと思ったのでしょうか?

Naz:子供の頃に頻繁に使っていて、とても身近な言葉だったんです(笑)。あと、Naz(ナヅ)っていうのは私の本名なんですけど、その由来がとあるボクシング選手なんです。今回のEPは私にとって「はじめまして」の作品ですし、みんなのハートにパンチするような作品にできればな、っていう想いでつけました(笑)。

冨田:お名前の由来、ボクシング選手なんですね(笑)。

Naz:ナジーム・ハメド(Naseem Hamed)っていうボクシング選手なんですけど、「Naz」っていう通り名でも親しまれていた方で、伝説的な選手だったそうです。

――別のインタビューでも語られていますが、Nazさんはとても幅広いジャンルの音楽を聴いているようですね。個人的に、Die Antwoord(ダイ・アントワード)が好きだというのが驚きでした。彼らのどういう点に惹かれますか?

Naz:私は人目を気にしてしまいがちで、自分に自信が持てないことが多くて。不安に押しつぶされてしまいそうになったり、沈んでしまうことがあるんです。でも、Die Antwoordって本当にそんなの関係ないって思わせてくれるようなエネルギーがあるじゃないですか。見かけもすごいし、MVでも血がブワーって出たり。ダークパワーというか、悪のパワーというか(笑)。

――圧倒的な非日常感という部分では、Nazさんが度々影響源に挙げているBjorkにも通じるかもしれませんね。こういった多様な音楽は、普段どのようにして見つけているのでしょうか?

Naz:Die Antwoordは映画『チャッピー』に出ていたのがきっかけで知りました。普段はYouTubeでMVなどを観ていて、その関連動画として出てきた映像などで新しいアーティスト、音楽に出会うことが多いです。好きなアーティストのルーツとなった作品、アーティストを検索していくうちに、自分の知ってるアーティストに繋がっていったり。

――ちなみに、ここ最近でのお気に入りは?

Naz:最近で言うと……twenty one pilotsの新曲「Chlorine」がおもしろいなと思いました。もう出だしのドラムから最高で。twenty one pilotsの楽曲は、オルタナティブなロックと思いきや、いきなりラップが入ったりするような展開もあって、そういう意外性のあるところに惹かれます。

――ヒップホップであったりロックであったり、やはりリスナーとしてもジャンルレスに聴いているんですね。

冨田:先程も話していたんですけど、Nazさんは結構ロック好きなんですよね。今回のEPも、大きくカテゴライズすればブラック・ミュージックに寄ったサウンドだと言えるかもしれない。確かにNazさんの声とそういったサウンドとの相性の良さはバッチリなんですけど、ただ、それだけじゃないぞっていうのがまた魅力なんですよね。わかりやすく言えば、今名前が挙がったBjorkみたいな、アブストラクトなサウンドにも合うんじゃないかなって思うんです。でも、デビューEPでそういったアブストラクトな、エクスペリメンタルなことをやると、聴く人が少し混乱しちゃうような気もするので、今回の作品はすごくちょうどいいところを攻めることができたんじゃないかな。ただ、どこへでも行けるような才能を感じるので、色々な音楽を一緒にやってみたいって思わせるアーティストですよね。

――ちなみに、Nazさんは今後ロンドンを拠点にすることを目指しているそうですが、それはなぜ?

Naz:両親がイギリスの音楽が大好きだったので、私もシンガーを目指し始めた時、自然とロンドンに行きたいっていう気持ちが湧いてきたんです。どこのライブハウスで、どこのステージでやりたいっていうのはないんですけど、いい作品を作って、それを私がこれまで影響を受けてきたミュージシャンの方々に聴いてもらえたら嬉しいです。


【リリース情報】

Naz 『JUQCY』
Release Date:2019.07.24 (Wed.)
Label:SENT
Tracklist:
01. White Lie
Music:Ayatake Ezaki(WONK) Words:Kento Nagatsuka(WONK)
Produce & Arrange:Ayatake Ezaki(WONK)
Arrange:Kan Inoue(WONK)

02. Clear Skies
Music:Keiichi Tomita(TOMITA LAB) Words:Lori Fine
Produce & Arrange:Keiichi Tomita(TOMITA LAB)

03. Rain Wash
Music:Naz Words:Naz Produce & Arrange:Keiichi Tomita(TOMITA LAB)

04. Fare
Music:Naz Words:Naz
Produce & Arrange:Ayatake Ezaki(WONK) Chorus:Kento Nagatsuka(WONK) Arrange:Kan Inoue(WONK)

05. These Boots Are Made for Walkin'(Nancy Sinatra Cover)
Music:Lee Hazlewood Words:Lee Hazlewood Sound Produce & Arrange:Ayatake Ezaki(WONK)

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『M-P-C』通常盤


冨田ラボ 『M-P-C “Mentality, Physicality, Computer”』
Release Date:2018.10.03 (Wed.)
Label:Victor Entertainment
Tracklist:
1. Introduction
2. M-P-C feat. Ryohu
3. パスワード feat. 長岡亮介
4. アルペジオ feat. chelmico
5. Interlude 1 feat. Ryohu
6. Let it ride feat. Kento NAGATSUKA
7. OCEAN feat. Naz
8. POOLSIDEDELIC feat. Rei
9. Interlude 2 feat. Ryohu
10. rain on you feat. 七尾旅人
11. 緩やかな毒 feat. 吉田沙良
12. Outroduction feat. Ryohu

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冨田ラボ 『Shiplaunching』
Release Date:2019.7.24 (Wed.)
[LP] MHJL-83 / ¥3,700 + Tax
[SACDハイブリッド] MHCL-10116 / ¥3,000 + Tax
Tracklist:
01. Shiplaunching (2019 Mix)
02. プラシーボ・セシボン feat.高橋幸宏+大貫妙子 (2019 Mix)
03. Like A Queen feat. SOULHEAD
04. アタタカイ雨 feat.田中拡邦(MAMALAID RAG) (2019 Mix)
05. Launching On A Fine Day (2019 Mix)
06. ずっと読みかけの夏 feat. CHEMISTRY (2019 Mix)
07. 恋は傘の中で愛に feat. 山本領平 (2019 Mix)
08. しあわせのBlue feat.YOSHIKA (2019 Mix)
09. Is The Rest Silence ? (2019 Mix)
10. Prayer On The Air (2019 Mix)

※リイシュー
※冨田恵一本人の手によるニュー・ミックス&名匠Bernie Grundmanのリマスタリングによる新装版としてSACDハイブリッドディスクとアナログ盤(完全限定生産)でリリース。


【イベント情報】

『SENT presents JUQCY NIGHT』
日時:2019年8月2日(金) START 20:00
会場:hotel koé
料金:無料
出演:
冨田恵一(TOMITA LAB / Music Selector)
江﨑文武(WONK / Music Selector)

※入場無料のイベントになります。フード/ドリンクは通常通りの営業となります。

イベント詳細

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『Naz “JUQCY” リリース記念インストア ミニ・ライブ&サイン会』
日時:2019年8月5日(月) 20:00〜
会場:東京・代官山 蔦屋書店 3号館2階音楽フロア
問い合わせ:代官山 蔦屋書店 TEL:03-3770-2525

*観覧フリー

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Naz “JUQCY” リリース記念インストア ミニ・ライブ&サイン会
日時:2019年8月24日(土) 14:00〜
会場:沖縄・タワーレコード那覇リウボウ店 店内イベント・スペース
問い合わせ:タワーレコード那覇リウボウ店 TEL:098-941-3331

*観覧フリー

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『TOKYO LAB 2019』
日時:2019年9月26日(木) Open 18:30 / Start 19:30
会場:東京・渋谷 CLUB QUATTRO
出演:
T.O.C Band feat.冨田恵一(冨田ラボ)

……and more!

イベント詳細

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■Naz:Twitter / Instagram

冨田ラボ/冨田恵一 オフィシャル・サイト

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