2014年にデビュー・アルバムをリリースし、ジャンルの枠に囚われない音楽性で着実に注目を集めているイギリス出身のDJ/ビートメーカー、submerse。現在は主な活動拠点を東京に置き、様々なプロデュースワークのほかビート・ミュージッククルーcosmopolyphonicのメンバーとしても活躍している。
先日、待望のニューアルバム”Stay Home”をリリースしたばかりの彼に、影響を受けたという3曲を選んでもらった。(Text by Matsutake)
1. Tim Hecker / Spring Heeled Jack Flies Tonight
質感は曲を作る際にとても重要です。Tim Heckerは音の深みや質感に関していえば名人でしょう。最初に曲を作りはじめたときから大きな影響を受けていて、生々しく、それでいて霞がかったような、洗練されたサウンドは私が常に目指しているものです。
2. Air / Alone In Kyoto
若い時にダウンテンポなアンビエント・ミュージックを発見したことは、感情に訴えかけるような、そんな音楽に傾倒していくきっかけになりました。その時期に聴いていたものの中から一曲を選ぶことは難しいですが、Airのこのトラックは、私の方向性を決定づけたものの一つであると思います。
3. Madvillain / Accordion
Madvillainyとの出会いは今から約10年前。ですがそのサウンドは今でも新鮮です。サンプリングのセンス、ドラムのスタイル、そしてアルバムの構成のすべてが、私を刺激し続けています。
Message
私は、曲を作ってきた時間を通して何度もの変化を経てきました。ジャンルにかかわらず、多くの音楽的影響を受けています。ただ常にあったものは、質感のある、感情の琴線に触れるような音楽へのこだわりです。だから、どんな時も曲中にそれを落とし込もうとしています。成長していく過程において、インターネットのおかげで世界中の音楽に触れられたし、子供の頃から夢見てきた東京に住むことができた私はラッキーでした。
Information
イギリス出身のsubmerseは超個人的な影響を独自のセンスで消化し、ビートミュー ジック、ヒップホップ、エレクトロニカを縦横無尽に横断するユニークなスタイルを 持つDJ/ビートメーカーとして知られている。これまでにベルリンの老舗レーベル Project: Mooncircleなどから作品をリリースし、SonarSound Tokyo2013、Boiler Room、Low End Theoryなどに出演。2014年には待望のデビューアルバム’Slow Waves’がProject: Mooncircleとflauよりリリースされる。また、Pitchfork, The Fader, FACT Magazine, XLR8R, BBCといった影響力のあるメディアから高い評価を受ける。
5月20日リリース、最新アルバム”Stay Home”からの一曲”Gloom”。アルバム詳細はこちら
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