FEATURE

Rootscoaster Vol.19/大沢伸一


Rootscoaster Vol.19は数々の肩書を持つミュージシャン、大沢伸一氏の登場です。

2014.07.19

Rootscoaster Vol.19は、大沢伸一氏の登場です。
1993年のMondo Grossoでのデビュー以来、自身のShinichi Osawa名義での作品リリース/DJ活動以外でも、UA,Chara,安室奈美恵,AFTERSCHOOL等多種多様なアーティストのプロデュースを手掛け、海外のアーティストとのコラボレーションも積極的にこなす大沢氏。幅広いジャンルの楽曲を巧みに操る彼のルーツとなった音楽はどのようなものなのか。必見です!!
(Written by Yayoi Nagata)


 

1.THE POP GROUP / Forces of Oppression


全くポップではないポップグループ、この曲を最初に聴いた時はぶっ飛びました。
ケチャのサンプリング(当時はテープ編集)から始まり、パンクとファンクとフリージャズをダブ処理したようなサウンドと耳をつんざくようなヴォーカル。ポストパンク&ニューウェイブの洗礼を受けたのはこの曲からだと思います。ニューウェイブはアティテュードであり、音楽のスタイルではない、というのを汲み取ったのも彼らの音楽に触れたからだと記憶しています。


 

2.SAKAMOTO RYUICHI / RIOT IN LAGOS


ルーツをたった3曲で辿るのは恐ろしく難儀ではあります。しかしながら日本人の音楽で最も影響受けたのはYMO近辺に他なりませんから挙げずにはおけません。なので、苦し紛れに今思いつきで一曲となればこれ、教授がYMO全盛期に裏でやっていたソロプロジェクト「B2-UNIT」。
このアルバムはYMOのシンセインストポップ路線を聴いて好きになったファンからは概ね黙殺でしたが、僕は異様に反応してしまいました。当時のFOOLS MATEの記事を読んでも今ひとつ音楽のジャンルがハッキリ分からなかったのですが、今となってはDUBの解釈をテクノ=コンピュータミュージックで再現したものであると言い切れます。とは言えレゲエから派生したそれではなく、あくまでもDUBの技法、手法を用いた至極実験的なテクノミュージックです。
余談ですが、この曲のシンセドラムのフィルはベストヒットUSAの「タイムマシーン」のコーナーのジングルでもあります。


 

3.EVERYTHING BUT THE GIRL / EACH AND EVERYONE


およそニューウェイブというものが網羅、もしくは内包していた音楽のスタイルは数えあげればきりがありません。今となってはEBTGをニューウェイブ文脈で語るひとは多くありませんが、僕のなかではれっきとしたニューウェイブです。80年代にニューウェイブというフィルターを通して、ジャズやソウル、ラテンミュージック、アフリカンミュージックなど様々な音楽を知りました。
トーキングヘッズからフェラクティ、ジェイムスチャンスからジェイムスブラウン、ラウンジリザースからモードジャズへ、そしてA CERTAIN RATIOやEBTGからボサノヴァやラテンへ。


Message

現代は音楽を探す旅をすること自体が難しいくらい、良いものもそうじゃないものもネット上に溢れかえっています。その意味で僕が音楽を聴き始めた当初よりも便利ではあるけれど、本当に自分に響くものだけを選ぶ「フィルター」する能力が大事な気がします。他人からの影響や意見も大事ですが、それらに流されず自分らしい音楽ライフを皆さんがおくれるようになると良いなと心から思います。

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