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ディープファン君 “セクシュアル Vol.5 New Year’s Party”

ディープファン君、ザ・おめでたズ、THREE1989ら出演。濃厚なファンクネスで彩った、異色の新年会をレポート!

東京を拠点とするファンク・バンド、ディープファン君が自主企画イベント“ディープファン君 presents セクシュアル Vol.5~New Year’s Party”を1月6日(日)に東京・表参道WALL & WALLで開催した。

本イベントは、ディープファン君が定期的に開催しているライブ・イベント“セクシュアル”の新年会バージョン。共演にはザ・おめでたズ、THREE1989といった気鋭のアクトを招聘し、濃厚に一夜を展開した。本稿では、そんなイベントの一部始終をレポートする。

Text by Eriko Sakai
Photo by Daisuke Fujii、mu tonosaki


開場と共にフロアを温めてくれたのは、ディープファン君のメンバー自らが務めるファンキーなDJプレイ。その選曲はPrinceやT-Connectionといった、彼らのルーツが垣間見えるナンバーたち。オーディエンスも思い思いに体を揺らして、開演を待つ。

トップバッターは5MC1DJからなるラップ・グループ、ザ・おめでたズ。ファンキーかつアーバンなトラックにナードな文系のライムという、時流にも合致したスタイルで会場を盛り上げる。6人にはちょっと手狭なようにも感じるステージをギリギリまで駆使し、「元旦インダハウス」や大掃除をテーマとした「Magic Clean」といった年末〜新年に相応しいパーティ・チューンが続く。

所々に小ボケや方言の掛け合い、5人の息の揃ったダンス、そして観客とのコール&レスポンスなどを差し込むことによって、初見のオーディエンスすらも虜にしてしまうようなキャッチーなパフォーマンスを展開する。まさに新年会といった、“おめでたい”パーティの幕開けとなった。

続いては“SPINDISCOVERY Vol.08”にも出演し、人気沸騰中の3人組エレクトロ・バンド、THREE1989。ボーカル、Shoheyの圧倒的な歌唱力がフロアに響き渡り、ザ・おめでたズが作り上げたパーティ気分に盛り上がった観客を、ほどよくチルアウトさせていく。MCでは、実は2~3年前からディープファン君のファンだったというShoheyの告白に会場も沸いた。すでに2月8日(金)に東京・渋谷WWW Xで開催予定のワンマン・ライブもソールドさせている彼ら。この日のパフォーマンスもそういった勢いを感じさせるライブであった。

THREE1989が終わり転換が始まると、DJブースでは今回初の試みである“ディープファン君エクストラ”がスタート。Abe YuseiのMPCと、Kotaro Itoのシンセサイザーによる即興演奏に、ボーカル・Ayumu SurugaとSaki Hayakawaが歌声を重ねていくパフォーマンスは、彼らが持つ技術力の高さがあってこそのもの。

そして、この日のトリを務めるのはもちろん本イベントの主催、ディープファン君。本邦初公開の衝撃映像!? からミディアム・テンポの心地よい「脳内ファンタジー」でライブは幕を開ける。

Suruga曰く「お風呂に入るときは洗顔料を使わない方がいい」という謎のアドバイスから始まった「Blue」、そしてSurugaとSakiのハーモニーが際立つ「Sexy」は、原曲ではウィスパーでメロウな雰囲気の楽曲だが、ライブではソウルフルなブラック・ミュージックへと変貌を遂げる。ディープファン君のライブの魅力のひとつに、“音源とは全く違うアレンジが楽しめる”という点が挙げられるが、特にこの「Sexy」はその変化が顕著に表れる。彼らのライブをまだ観たことがないという方は、ぜひとも一度体感してほしい。

そして、12月にリリースされたばかりの最新曲「サイ」を初披露。MPCを活用したこの曲は、「もし私がサイだったら~」という歌い出しで、ディープファン君独特の世界観を際立たせている。また、ライブの冒頭に放映したのは、実は「サイ」のMV。様々な事情で一般公開していないこの映像。実はSurugaの実家を勝手に撮影で使用しているのだとか。

この日のライブにはSurugaの母が最前列で観に来ており、撮影で使用されていたことをこの日初めて知るといったサプライズもあり、Surugaは「お母さんがすごく怒っています」と話していたが、その後どうなったかは不明だ。


翌日から仕事始めの人も多い中、「眠らずに夜明けを迎えても良い。それぞれの夜の過ごし方がある」というリリックの通り、心地よいグルーヴで包み込む「夜明け」、そしてSakiの伸びやかな歌声が引き立つ「朝」への流れも素晴らしい。

続くキャッチ-なナンバー「Saigo no aishiteru」では、観客へ「右手と左手があるだろう! なんのために産まれてきたんだ!」と、Surugaらしいクラップの煽り方で会場を一体化させた。「愛こそ全てを通り抜けられるパワーです」と、ディープファン君の楽曲に通底するかのような至言をSurugaが放ち、人気曲「光」を披露し本編は終了。

アンコールで再び登場した彼らは、ルーツでもあるPrinceの「I Wanna Be Your Lover」を即興で披露し、ディープファン君の名に相応しいファンキーなナンバー「All my love」へと流れ込む。

終盤には彼らのライブの定番でもあるインプロビゼーションでエンディングを盛り上げ、見事に異色のニューイヤー・パーティを締め括った。

ディープファン君 オフィシャル・サイト

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