11月29日(金)に福岡出身の4人組、yonawoがメジャー・デビュー・シングル『ミルクチョコ』のリリース・パーティを東京・恵比寿KATAにて開催した。
2018年に自主制作した2枚のEP『ijo』、『SHRIMP』のCDが即完売、地元のカレッジ・チャートにもランクインし、早耳リスナーの間で話題を集めたyonawo。2019年からはライブ活動も本格化させ、デビュー前にも関わらず『Local Green Festival』や『Sunset Live』など、多数の野外フェスにも出演。11月15日(金)にはメジャー・デビュー・シングル『ミルクチョコ』をリリースした。
会場に到着すると、入口にはアートワークを担当する野元喬文(Dr.)によるメンバーのイラストなどが描かれ、フロアにはこれまでの作品のジャケットが飾られたりと、ハンドメイドな温かみのある雰囲気。開演時刻を過ぎ、オープニング映像に続いてメンバーが登場。1曲目に早速「ミルクチョコ」が披露された。音源ではアコギが印象的だったが、この日は荒谷翔大(Vo.)のエレピ、斉藤雄哉(Gt.)の艶やかなギターと、田中慧(Ba.)と野元によるゆったりとしたリズムに乗って、ファルセットを織り交ぜながらソウルフルな歌を紡いで行く。
MCでは「東京では初めてのイベントなので」と、改めての自己紹介があり、中学時代にサッカークラブのチームメイトだった荒谷と斉藤の出会いから、高校の同級生だった田中と野元を斉藤が荒谷に紹介、友人関係の延長でこの4人のバンドが始まったというエピソードが語られる。続いて演奏されたのは1st EP『ijo』から「しあわせ」と「ijo」。R&B、AOR、ジャズといった要素を感じさせつつ、そのチルな雰囲気はまだ20代前半のバンドとは思えない。音源をiPadで作るなどの現代的な側面の一方で、ライブはあくまで生のグルーヴを重視しているのもおもしろい。
2nd EP『SHRIMP』収録の人気曲「矜掲羅がる」では、途中でスタンダード・ナンバーの「Just the Two of Us」の一節を挟むなど、遊び心が感じられるのもいい。さらに、「好きな曲のカバーを」と言って始まったのは、Alicia Keysの「If I Ain’t Got You」。『SHRIMP』ではCarpenters「close to you」をインディR&B風にカバーしていたが、ここではピアノがメインの原曲をギター・アレンジに置き換え、荒谷が色気のある歌声を聴かせる。国境や時代、ジャンルを超越した2020年代におけるグッド・ミュージックのあり方を予見させる好演だった。
「今後ともよろしくお願いします」という挨拶から、最後に披露されたのは、12月にデジタル・リリースされる「Mademoiselle」。荒谷の歌の力に加えて、多彩な展開やキメを盛り込んだアンサンブルの進化も印象付けて、この日のステージを華やかに締め括った。楽曲のBPMをことさらに上げることなく、MCも含めて終止マイペースな彼らのライブは、「yonawo時間」とも言うべき独自の心地よさを感じさせるもの。愛すべき4人が貴重な一歩を刻んだ、記念すべき夜となった。
Text by 金子厚武
Photo by 横山マサト
【メンバー選曲会場BGM – Spotifyプレイリスト】
【フォト・ギャラリー】
【リリース情報】
yonawo 『ミルクチョコ』
Release Date:2019.11.15 (Fri.)
Label:Atlantic Japan
Tracklist:
1. ミルクチョコ
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yonawo 『Mademoiselle』
Release Date:2019.12.20 (Fri.)
Label:Atlantic Japan
Tracklist:
1. Mademoiselle