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コムアイ × オオルタイチによるYAKUSHIMA TREASUREのインタラクティブな映像作品が配信開始


2021.02.14

株式会社電通クリエーティブXがコムアイとオオルタイチによるプロジェクト・YAKUSHIMA TREASURE & 映像作家・辻川幸一郎とコラボレーションし、同プロジェクトが生まれた地・屋久島にあるガジュマルの森にてライブを実施。そのパフォーマンスをインタラクティブな映像作品『YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from YAKUSHIMA』とし、2月11日(木)よりオンライン配信がスタートした。

『YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from YAKUSHIMA』特設サイト

『YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from YAKUSHIMA』では、リアルなライブ体験ではなく、テクノロジーを駆使し、肉眼で捉える光景や実写のライブ配信映像とも違う、新しいかたちの体験をオンスクリーンで提供するという。今回、屋久島・ガジュマルの森にPAシステムを360°サラウンドで構築し、ライブ・パフォーマンスの一発録りに挑戦。その姿を360°の3D点群データとして空間ごとスキャンし、フォトグラメトリーで捉えた色彩、深度センサーで読み取った動き、サラウンド音響を360°マイクで立体的に収録した音像、世界を捉える別々の視点を統合し再構築することで、視聴者はアーティストと距離が無くなるほどに近づき、森の中を上下左右に飛び回り、物理的制約を超えた自在な視点でライブ・パフォーマンスをみつめることができるという。屋久島で実際に行われたライブをデータ収集し、データを基に映像表現に落とし込んでいる。

本作品のテーマは、沖縄・久高島に伝わる“輪廻転生の死生観”(奄美群島のニライカナイ信仰)。生前から埋葬までを表現する楽曲「殯舟」からはじまり、埋葬〜死後の世界を表現する間奏を経て、楽曲「東」で輪廻転生の東の空へ到達する。その世界をみつめる唯一無二の鮮やかな視点を、辻川幸一郎のアイデアと融合し、Dentsu Craft Tokyoが美しい視聴体験に昇華し、活動する肉体の生命感と、浮遊する魂の霊性を、点群で描かれる世界の中で可視化して表現している。また、今回のライブ・パフォーマンスに向け、「UFO琴」と呼ばれる楽器をオリジナルで制作し、コムアイが演奏している。


【コムアイ コメント】

殯舟(もがりぶね)と東(ひがし)は、YAKUSHIMA TREASUREのアルバムの中でクライマックスとも言えるシーンで、いつか視覚化してもらえたらと思っていました。
このアルバムでは、命の巡りに想いを馳せています。「もがり」とは死者の弔いのことで、肉体が役目を終えていく、魂がそこから離れていくのをじっくり見届ける時間のことです。殯舟を歌うときは、自分が老いて、長かった人生を回想しているようです。それと同時に、他の死にゆく人を見送る歌でもあります。自分が死にながら、誰かがどこかで生まれてくるのを感じるのはどんな気持ちでしょうか。太陽の運行とともに、島の西に死にゆき、島の東に生まれくる。

ライブは一回きりですが、私たちはその場に存在していたガジュマルや石や苔と同じように、粒子となって情報となって保存され、その空間のいろんな場所から何度も新しい姿で見 てもらうことができます。こんな不思議な体験をさせてもらえたことに感謝します。


【オオルタイチ コメント】

今回の作品は枯れることのない復活の泉のようだと思いました。僕らのライブを体験するということだけでなく、殯舟~東を通して描かれた、死から再生のイメージに浸ることによって心が癒され、鼓舞されて再び蘇生できる作用があるような気がしました。修験道の世界には擬似的に死んで復活する胎内くぐりという習俗がありますが、まさにそんなようなことを感じました。

自然は弛むことなく、ただ直向きに生死のサイクルを回転させています。そのサイクルこそが根源的な力だと思いますが、屋久島とともに作り上げた音楽と映像を通し、無辺無中へその力をお届けできたら良いなと思っています。


【配信情報】

『YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from YAKUSHIMA』
配信期間:2021年2月11日(木)11:00~3月31日(水)
料金:¥500

配信詳細


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