ナイル株式会社が運営するスマートフォン・ユーザー向けアプリ紹介サービス「Appliv(アプリヴ)」にて、2019年6月18日から6月25日の期間中、10代から30代の男女1,203人を対象に、「Music FM」の利用実態に関するアンケート調査が実施された。
■アンケート調査結果(via. Appliv TOPICS)
「Music FM」使用の実態
「Music FM」は様々な音楽を無料でストリーミングまたはダウンロードして聴けるアプリ/サービス。著作権者・制作会社などの許可なく楽曲の配信を行っているため、その違法性などが度々指摘されている。今回の調査はその利用実態を明らかにするためのもの。「Music FM」の認知度は15歳〜19歳でおよそ8割ほど。7割超が「使っている」または「使っていた」と回答し、現在の利用者の3割は20代との結果が出ている。
特に15歳〜19歳の認知率が圧倒的に高く、8割近い77.5%が「Music FM」を知っていると回答。15歳未満・20代でも認知率は過半数を超え、最も少ない30代でも4割を超えており、「Music FM」が幅広い世代に知られていることがわかる。
※アンケートの仕様上、10代が「15歳未満」と「15歳〜19歳」にわかれていますが、「15歳未満」に属する方の最年少は12歳なので「15歳未満」は実質的に12歳〜14歳となります。
「知っている」と回答した686人を年代・性別で分けると、やや女性の方が認知率が高い傾向にあるが、大きな差は見られない。「Music FM」を認知したきっかけとしては、App StoreやGoogle Playストアなどの「アプリストア」が37.3%、「友達から教えてもらった」が23.2%、「SNS」が17.6%となった。
次に「Music FM」を実際に使ったことがあるか聞いたところ、41.0%が「現在使っている」と回答。さらに31.8%が「過去使っていた」と回答し、合わせると7割以上が一度は使ったことがあるという結果になった。この回答を年代別に見てみると、「現在使っている」と回答した割合が特に高い年代は「15歳〜19歳(43.3%)」「20歳〜29歳(45.2%)」であることが判明。
また、「現在使っている」と「過去使っていた」の回答の年代別構成比を出してみると、現在と過去ともに15歳〜19歳の割合が最も高いことがわかる。次に多いのは20代で、現在の利用者の約3割を占めている。SNSなどでは「ユーザーはお金がない中高生が多い」といった主旨が目立つ印象だが、金銭的余裕がないであろう15歳未満の割合は案外少なく、「現実使っている」と回答した中では最も低い16.7%となっている。
さらに「現在使っている」と回答した方の年代別男女比では、15歳未満が57.4%、15歳〜19歳が62.0%と女性比率が高く、20代では58.3%、30代で58.0%と男性比率の方が高いことがわかった。なお、「過去使っていた」と回答した方の男女比に大きな差はなく、全年代でほぼ半々となっている。
『Music FM』を使う理由は? ほかに何で音楽を聴く?
「Music FM」を「現在使っている」または「過去使っていた」と回答した499人に、その理由について質問したところ、「無料だから」が最多で74.7%。正規の音楽配信サービスにも無料プランが用意されているものもあるが、その場合、広告視聴など何らかの機能制限があることがほとんど。ユーザーからすると、そういった点が「Music FM」におけるメリットとして認識しているようだ。
※複数回答のため重複があります。総回答数920。
続いて「Music FM」を現在使っていると回答した281人に「Music FM以外で音楽を聴く方法は?」と質問。トップは64.4%で「YouTubeなどの動画サービスで聴く」に。また、「CD音源をスマホに入れる(32.0%)」「配信サービスの有料会員(23.8%)」「販売サイトでの楽曲購入(12.8%)」など、「Music FM」を使用しつつ、音楽にお金をかけている方も多くいることがわかった。
「Music FM」を過去使っていたと回答した218人の方に、現在何で音楽を聴いているか質問
したところ、割合の差はあるものの前問とほぼ同じ傾向の回答が得られたが、「配信サービスの有料会員」と「販売サイトでの楽曲購入」の割合が下がっている。「配信サービスの無料会員」「配信サービスの有料会員」「販売サイトでの楽曲購入」は、現在「Music FM」を利用している方の回答と比べて大きくポイントを下げた。
音楽配信サービスに払える金額は「500円まで」が最多
続いて「Music FM」を現在利用している281人に「Music FMが有料になったら月いくらまでなら利用しますか?」と質問したところ、42.3%が「有料なら使わない」と回答。一見多いように見えるが、逆に言えば金額の差こそあれど半数以上の方が「有料でも使う」ということになる。払える金額は「月101円〜500円まで」が最多の21.4%、「501円〜1,000円まで」が11.4%となっている。
一方、過去利用していた方には、「定額音楽配信サービスを月いくらまでなら利用するか?」と質問。すると、同じく「有料なら使わない」が最多の回答となったが、「101円〜500円まで」「501円〜1,000円まで」の割合が現在「Music FM」を利用している方よりも若干高くなっている。
Music FMがなくなっても「代わりのアプリを探す
最後に、現在「MusicFM」を利用している方に「Music FMがなくなったらどうしますか?」と質問したところ、55.2%が「代わりのアプリを探す」と回答した。先の質問である程度の回答を得ていた「音楽配信サービス」「CD」「販売サイト」を使用するという割合はグッと低くなるが、3割程度の方は有料サービス(定額音楽配信サービス、CD、楽曲販売サイト)に移行する意思があるようだ。
これを年代別にすると、20代以降は定額音楽配信サービスへの移行意思が比較的高く表れている。10代ではそれが20代〜30代の半分程度。また、「販売サイトの利用」はほとんどない。これは金銭的余裕だけでなく、各サービスやサイトの決済方法(クレジットカードなど)に起因しているのかもしれない。その分、現金で購入・レンタルできるCDの割合が高くなっていることが予想される。
本アンケートで「Music FM」が幅広い層に利用されていること、「Music FM」と正規サービスを併用している方も多くいること、移行先に正規サービスを選択する方も多いことなどが判明した。正規のサービスも無料プランの提供方法や支払手段を見直すなどすることで、違法性の高いサービスからユーザーを獲得できる余地はあるのではないだろうか。
■アンケート回収者内訳
<性別・年代>
性別
男性:586人(48.7%)
女性:617人(51.3%)
合計:1,203人
年代
15歳未満:244人(20.3%)
15歳~19歳:298人(24.8%)
20歳~29歳:330人(27.4%)
30歳~39歳:331人(27.5%)
<職業>
公務員:31人(2.6%)
経営者・役員:4人(0.3%)
会社員(事務系):133人(11.1%)
会社員(技術系):80人(6.7%)
会社員(その他):128人(10.6%)
自営業:10人(0.8%)
自由業:14人(1.2%)
専業主婦(主夫):57人(4.7%)
パート・アルバイト:121人(10.1%)
学生:532人(44.2%)
その他:93人(7.7%)