nknがニューシングル“海から、”を本日6月12日(水)にリリースした。
nknはYasei Collectiveのメンバーとして活動するほか、あいみょんや数々のアーティストのレコーディングやサポートを務めるベーシストの中西道彦によるソロプロジェクト。3作目のシングルとなる本作は、中西自身がサポートを務め今年3月に活動終了したthe chef cooks meのNoniを共作/ボーカルとして迎えた1曲。カセットテープを使用したサウンドメイクや歌詞ではなくワードで構成されたリリックなどの実験的なアプローチによって、レトリックの枠を超えた作品へと昇華されている。
トラックメイキングならびにトータルプロデュースはnkn、歌唱とワードはNoniがそれぞれ担当した。Noniの歌唱はthe chef cooks me以降初となる。ボーカルレコーディングは同じくthe chef cooks meでギターを担当していた小金丸慧が担当。アートワークはnknによるコラージュ作品が採用されており、裏テーマとしてthe chef cooks meを産んだ都内のとある町への憧憬が語られている。
【nkn コメント】
ここ数年後ろからずっと見てきた偉大な才能とついに曲を作った。
元々何曲か聴いてもらってはいたのだが、the chef cooks meが活動している間はみんな全力でやってしまっていたので伸び伸びになっていて、3月の活動終了ライブがおわり、さあどうしようとなった時に自然とアレンジのアイデアが湧きこの形になった。
もともとNoniにもらったワードを組み合わせて自分で歌詞を書いていたのだが、どうしても嘘くさくなってしまい嫌だったので、最終的にワードをそのまま配置するというビート文学的な形になったのだが、もらった言葉が全部意味のあるつながりを持っていたような気がしてほとんどそのままの順番で並べている。
というか、その言葉と言葉の間の接続詞を聞く人の想像力にゆだねている。
「うまいこと収めることだけが取り柄」の自分のパッケージングを、みずみずしい感受性で超越してほしかった。
「AはBである」と言い切った瞬間にCなのかもしれないという選択肢を自分で排除してしまっているのだが、この曲ではなるべくそういうことが起こらないようにした。それがどこか迷いをつねに抱えている自分の投影であると思う。それが聞く人にも伝われば嬉しい。
これだけがNoniの才能ではないのは間違いないのだが、ある刹那的な一瞬を純粋なまま切り取ることができてよかったと思っている。
また、カセットテープにサンプリングした断片をデジタルに戻して取り入れたことで、柔らかいノイズがどこかノスタルジックな空気感をかもしだしていて、nknのトータルコンセプトであるどこかいびつな世界観とマッチさせることができたと思っている。
さらにヴォーカル・レコーディングはシェフとゆかりの深い蒲田に住んでいる小金丸慧の自宅スタジオで行い、前後にビールを飲みながら散歩したりした時に撮った写真がジャケットの素材になっていたりと、あの街に対する自分の憧憬と解釈がそのまま音にもアートワークにも反映されていると思う。
シェフはいったん終わってしまったけれど、こうやって受け継がれていくことが音楽がないと生きられない僕らのライフスタイルなんではないかと感じている。
【Noni コメント】
道さんとは、まともな状態ではまともに喋れないシャイなところが似ていると勝手におもっていて、だからこそ、この曲中ではよく喋れた気がします。
強いメッセージはなくても、誰かを導くものではなくても、私の「思った」は音楽になってもよいのだ。きっと聴いてくれた人たちがそれぞれに完成させてくれるから。
私にとってはそういうことを教えてくれたすてきな一曲です。
【リリース情報】
nkn / Noni 『海から、』
Release Date:2024.6.12 (Wed.)
Label:FRIENDSHIP.
Tracklist:
1. 海から、
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