北村蕗、新曲“looping second”リリース｜「ワンマンライブ前に届けたかった作品」

北村蕗がニューシングル“looping second”を本日5月28日（水）にリリースした。

本作は北村蕗の真骨頂であるボーカルと、緻密に構成されたコーラスワークが印象的な1曲。エアリーな歌声を軸に、空間的な余白を活かしたサウンドスケープは、“amaranthus”や“Secret”といった過去作の系譜にありながら、より進化した表現が感じられる。

また、タイトルが示す通り、楽曲全体には「前に進むはずの時間が、ある瞬間だけ何度もループしてしまう」ような心象風景が漂う。そのもどかしさや違和感、そこに滲むかすかな希望までもを、言葉ではなく音の構成で描写。抽象的なテーマを感覚的に提示することで、聴き手の内面に静かに作用する作品となっている。

作詞・作曲・演奏・録音・アートワークまで全てを北村自身が手がけ、ミックス／マスタリングは1st EP『500mm』でもタッグを組んだ武舎歩が担当。ボーカルトラックは多層的に重ねられたコーラスによって構築され、自己と向き合うような音像を形成した。さらに、北村自身によるフルートの演奏が加わることで、柔らかい音の揺らぎと空気感が楽曲に付与されている。全体の構成はあえて大きな展開を持たず、同じ旋律のなかで微細な変化を積み重ねるスタイル。感情を説明するのではなく、音のイメージで喚起する──その表現スタイルが、より精度をもって打ち出された一作となった。

また、6月7日（土）には、東京・渋谷WWWにてワンマンライブ『vivid:W̃M̃』（読み：ヴィヴィッドウェーブ）の開催が控えている。1月に開催された初単独公演『vivid:AM』に続くシリーズであり、“looping second”が提示する感覚をライブ空間で体感できる場となりそうだ。

「1st EPの500mmでは描いた円をなぞるように音楽を続けている」と語った北村。『500mm』→『vivid:AM』→『looping second』→『vivid:WM』と続く一連の作品とライブ活動の流れは、円環的な時間の感覚と音楽の継続性をテーマにした、北村蕗の創作の軌跡でもあるという。

【リリース情報】

北村蕗『looping second』
Release Date：2025.05.28 (Wed.)
Label：_utter_ur
Tracklist：
1. looping second