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ラッキーオールドサン / ミッドナイト・バス


ゆずの「夏色」くらい普遍的で、Painsの1stくらいの純粋さを感じます。

2015.08.01

突然ですが、皆さん実家にあるVHSとレコーダーが捨てられ(隅に追いやられ)、DVDプレーヤーに変わったのっていつ頃でしょうか? 僕は中学校2年生くらい(2002年)までは、まだVHSに当時23時頃放送されていた『只野仁』のHなシーン見るために予約録画していた記憶があるのですが、いつからVHSを使わなくなったのか、記憶が定かではありません。

それはさておき。7/15に自身のバンド名の1stフルアルバムをkiti/NEWTOKよりリリースしたポップ・デュオ、ラッキーオールドサンの「ミッドナイト・バス」を聴いて以来センチメンタルが止まりません。10代の頃の記憶の扉が開けられてしまったようです。

地元を離れて、就職して現実の残酷さを知ってしまった。大して変わらない生活に飽き飽きしつつも、純粋とか夢をまだ捨てきらないで、決意をひっそり胸に燃やして生きている。もうそんな季節は過ぎ去って、日々を淡々と生きているだけ。

どんな世代や境遇にあっても、この曲の素朴なメロディーと飾りのないナナ(Vo, Key)の歌声、篠原良彰(Vo, Gt)によるシンプルなギターストロークは、ズキズキと胸に突き刺さるものがあるのではないでしょうか。

友達はこの曲を聴いて、Going Steadyの「夢で逢えたら」を思い出したと言っていました。すごく、わかるよそれ。僕はゆずの「夏色」、SUPERCARの「Lucky」でした。

楽曲後半から鳴るけたたましいトランペットの音は、胸に決めた決意や宣誓を応援してくれるようで、胸を空く思いです。そして当時の自分に川の向こう岸(あるいは坂の上)から、「しっかりやっているか」と手を振られたような気分になります。そのときどんな顔して、彼に対峙しているのでしょうかね。

(Text by Hiroyoshi Tomite)


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