MONO NO AWARが今年3月に発表した1stフル・アルバム『人生、山おり谷おり』を、LP+ZINEという形式で限定リリースする。しかも、ZINEは東京のインディ・シーンを中心に活躍するフォトグラファー・マスダレンゾをによる、撮り下ろし写真をふんだんに使用した36P×2冊という特大ボリューム。また、CDでのリリース時から話題となっていたアートワークはサイズが大きくなっただけでなく、MONO NO AWAREのジャケットやロゴ、フライヤーなど、アートワーク周りを手がける沖山哲弥による新たな意匠が隅から隅まで施されている。
今回はそのLP+ZINEに込められた想いを紐解くため、バンドのフロントマン・玉置周啓と、先述の沖山哲弥、マスダレンゾを招いてインタビューを敢行。制作の裏側を探ると同時に、そこに滲み出るバンドのアティチュードが伝わることを願っている。
さらに、12月20日(水)には本作のリリースを記念したリリース・パーティ“天下一舞踏会”の開催も決定している。ミツメとの2マンとなっているだけでなく、LP+ZINE同様沖山哲弥がアートディレクションを手がけ、様々な趣向を凝らしたギミックがオーディエンスを待ち受けているという本イベントについても語ってもらうことに。
Interview & Text & Photo (Interview Cut) by Takazumi Hosaka
[L→R:玉置周啓、沖山哲弥、マスダレンゾ]
――そもそも、お三方はそれぞれどのようにして出会ったのでしょうか?
玉置:哲弥は僕と保育園から一緒の幼馴染なんです。だから、昔から彼が絵を描いていたのも知ってたし、僕のバンドのライブとかも観に来てくれてて。そのうちに彼がデザインの道に進み始めたので、バンドのデザイン周りをお願いするようになりました。一番最初は……“波止場”(1st EP『舟』のリリースを記念し、2015年12月に新宿Marzで開催されたイベント)かな?
沖山:うん。初めて関わったのは“波止場”のフライヤーですね。
玉置:僕ら初の自主企画のフライヤーをお願いして、翌年のフジロック出演直前にリリースした1stシングル『イワンコッチャナイ/ダダ』のアートワークも彼に手がけてもらいました。その辺りからMONO NO WAREのアートワーク周りをがっつり担当してもらうようになりましたね。(マスダ)レンゾは……。
マスダ:僕は新代田のえるえふるでフリーマーケットをやっている時に、まず成順(加藤成順/MONO NO AWAREのギタリスト)さんと知り合ったんです。その後、帰ってからバンドのライブ映像を観たらすぐにMONO NO AWAREのファンになり。それからも遊ぶ機会があって、今使われているMONO NO AWAREのアーティスト写真を撮らせてもらうことになりました。その撮影の現場で他のメンバーとも挨拶をさせてもらって。
玉置:そっか、あの時が初めてか。千葉の九十九里の方に行ったんだよね。
マスダ:そうです。民家を借りて、畳の上とか色々なロケーションで撮影していたんですけど、結局は裏の方にある蔵の屋根に登ってあの写真を撮ることになって。
玉置:ハシゴで登ってね。中々にエキサイティングな撮影だったよね(笑)。
マスダ:畳で座って撮った写真とかも最終的にはフライヤーやポスターで使ったりしていて。
――この度『人生、山おり谷おり』が待望のLP化を果たし、36PのZINEが2冊付属するという豪華仕様でリリースとなりますが、このような形態でのリリースを決めた経緯を教えてもらえますか?
玉置:ことの発端は、元々このアルバムを3月にCDでリリースした時に、非常にデザイン面が優れた仕上がりになったということを、僕たち自身も、周りのスタッフの方々も感じていて。できればこれをもっと大きなサイズに、つまりはレコードにして出したいなという想いからスタートしました。
ただ単純にLPとしてリリースし直すというのもいいと思うんですけど、それだけだとCDよりも値段が高いし、手に取ってくれない人も多いんじゃないかなって。それはすごくもったいないことだし、それに、元々ZINEを作りたいっていうアイディアもあったので、それを一体化させました。今回のZINEの核となっている、10パターンのスタイリングで10箇所で撮影するという企画もすぐに思いついたので、夏の終わりに急ピッチで作り上げていきました。
――このLP + ZINEの現物を見るのは今日が初めてですか?
玉置:じっくり見るのは今日が初めてですね。こんな大きいサイズの写真は絶対にCDのパッケージには同封できなかったし、完成させることができて嬉しいです。
沖山:この折図も、CDのデザインが決まった時くらいから、何かしらの形で展示とかしたいねっていう話は出ていて。4月に開催したアルバムのリリース・パーティの時にやろうとしていたんですけど、時間がなくて実現せず……(笑)。
玉置:今回のLPとそのリリパ“天下一舞踏会”では、そういった『人生、山おり谷おり』に際してやり残していたことだったりを全部出しきるというか、ひとつの大きなプロジェクトが終結するというイメージがあるんです。
――まさしく『人生、山おり谷おり』の集大成というか。
沖山:そうですね。アルバムの話しから考えると、たぶん1年くらい前から始まった話なんですけど、それがようやくここで完結するんだなぁって。
https://www.youtube.com/watch?v=UzvRfNicSgY
――先程、ZINEの制作は急ピッチで行われたとおっしゃっていましたが、実際にはどのようなプロセスで進行していったのでしょうか?
沖山:やっぱり最初にCDがあったので、それを元にどうやって膨らませていくかを考えて。
玉置:夏頃に一回全員で集まって。LPとZINEを出すことは決まっていたんですけど、そこで何をやりたいのかを詰めていきました。
沖山:そこでさっき話に出た折図を入れることや、今回の撮り下ろし写真のアイディアが湧いてきて。周啓くんとは保育園からの付き合いなので、彼が文章を書くことも好きなのは知っていたし、僕も個人的に彼の書く詩や文章が好きだったので、この『人生、山おり谷おり』の収録曲についての文章を書くのはどうかということを提案しました。
玉置:レンゾからは10箇所のロケーションで撮影するっていうアイディアも出ていたので、それも即決しつつ、ページ割りを考えていって。1曲につき写真が4ページ、頭の1ページは哲弥がデザインした折り紙モチーフ、最後の1ページにバンドとして僕の文章が付く。写真、デザイン、文章が三位一体となって完成する。そういった作りにしようって。
沖山:その時点でフォーマットが決まったので、文章の文字組みや写真の当て込み方は僕が決めて、写真に関しては僕は同行できなかったんですけど、彼(マスダ)のことは信頼していたので、お任せして撮ってきてもらいました。
玉置:ZINE全体のイニシアチヴを握るのはやっぱりデザイナーなので、三位一体とは言えど哲弥が一番大きい責任を担ってくれた形になりますね。彼を信頼しているので、バンド側からのディレクションもあまりなく、基本的にはお任せしました。
マスダ:でも、撮影場所については結構バンドからアイディアを出してもらったよね。
玉置:そうだね。僕は曲を作っている時点で、結構映像みたいなものが頭に浮かんでくることが多いので、「この曲に関した写真を撮るならこういう場所」みたいなことは提案させてもらいました。
――マスダさんは今回の撮影に関して、何か気をつけていたこと、留意していたことなどはありますか?
マスダ:曲毎にフィルムで撮るか、デジタルで撮るかを考えたりはしました。ZINEを見てもらえればわかると思うんですけど、かなり質感が変わってくるので。フィルムだと色がパキッとするというか、彩度が強かったりするのに比べて、デジタルだと割と目で見たままの姿を切り取ることができたりするんです。そういうバリエーションは考えていましたね。10曲あるので、10曲全てが異なる質感なのに、同じ人が撮っているっていう感じにまとめたかったので、1曲毎にカメラを変えたりとかもしましたね。
玉置:そうだよね。おれは見てたよ、レンゾがカメラを変えるところを(笑)。
マスダ:(笑)。あと、今回はスタイリングが毎回違ったので、そのスタイリングをどう活かすのかっていう部分も考えつつ。MONO NO AWAREのメンバーって、音楽にしてもそうですけどその他のことでもみんな好みが違うというか、キャラクターがバラバラなんですね。今回のスタイリングもそういうメンバーそれぞれの個性を際立たせるようなものだったので、撮影でもそこは意識しました。
――そのスタイリングを手がけたBOYのTOMMY(奥冨直人)さんとはどのように繋がり、どのような経緯で今回のスタイリングを依頼されたのでしょうか?
玉置:TOMMYさんはかなり初期の頃からバンドをプッシュしてくれていて。たぶん最初の出会いはフジロックだと思います。僕らが“ROOKIE A GO-GO”に出た2016年のフジロックで、成順が仲良くなって。大体いつもそうなんですけど、成順が最初に色々な人と繋がるんですよ。レンゾもそうだったし(笑)。
それで、『イワンコッチャナイ/ダダ』のCDをリリースした時にも、「BOYで取り扱いたい」って言ってくれて。そこからグッと距離が縮まって、別媒体とかでもプッシュしてくれたりしたんです。なので、今回はそのお世話になった恩を返したいというか、そういう気持ちでお声がけさせてもらいました。恩を返すと言いながらもさらに負担をかけてしまっているんですけど(笑)。
――今回の写真撮影で、最も大変だったことは?
マスダ:静岡の伊豆半島から東京の奥多摩までの移動がすごかったです。あれは5時間くらいかかりました。あとは車のタイヤが空転してしまった時(笑)。
玉置:「駈け落ち」の写真撮影の時なんですけど、青梅の方の山道でみんなで車を押しました。しかもTOMMYさんの衣装を着た状態だったので、汚さないように気をつけながら(笑)。
マスダ:撮影の全行程も3日で行ったので、かなり突貫作業でしたね。朝から晩まで移動と撮影を繰り返して。単純に10回アーティスト写真を撮る、みたいな感じでした(笑)。
3日間のうち2日間は僕の祖母がやっている民宿にみんなで泊まって。その宿で「夢の中で」の写真や、宿の近くの海で「ブーゲンビリア」の花火の写真を撮ったり。
玉置:あれも過酷だったね。風がすごく強くて、リースした衣装に火花が当たらないようにすごい気を張って(笑)。撮影終わって、明るいところに戻って穴が空いてないかみんなで確認したり(笑)。
とにかく移動が大変だったけど、何か振り返ってみると文化祭みたいで楽しかったよね。僕、文化祭大好きなんですよ。
――収録曲に対してそれぞれ寄せられている文章というのは、どのようなものなのでしょうか?
玉置:エッセイのようなものですね。歌詞を説明をしているようなつもりはあまりなくて、その曲の世界観を拡張するための文章というか。
沖山:LPに入っている歌詞カードの方も、CDを買ってくれた人にとっても新しいものにしたいなっていう思いがあったので、今回新しく作り直しているんです。なので、CDと同じ部分はいわゆる表1、ジャケットだけなんですよね。
玉置:文章も写真もネットで公開するつもりはないので、この作品だけのものになります。MONO NO AWAREを好きな人だったら、そこに価値を感じてくれる人もいるんじゃないかなって。
――先ほどお話に出た初の自主企画“波止場”や、その次に開催した“まほろば”は、どのようなイベントだったのでしょうか?
玉置:元々はメンバー間で「今、CDという形態に価値はあるのか」っていう話をしていたところから始まっていて。その頃はすでに「CDが売れなくなった」っていうことについて、色々なところで語り尽くされていた時期なんです。なので、どうせCDとしてリリースするなら、「死ぬほどこだわったものにしよう」っていう話になって、最初の『舟』は手染めの布を自分たちで折り、ボタンを付けて開閉できるようにしたケースを作ったんです。ひとつひとつ色も模様の付き方も違う形で。それをファンの方に受け取ってもらうことを目的としたイベントが“波止場”だったんですけど、その時は僕の友人で、同じ島から出てきて東京で料理人をやっている人がいたので、彼にフードを出してもらって。表参道の超高級レストランで働いているんですけど、そのクオリティを新宿MARZで300円で、みたいな(笑)。
沖山:安過ぎてお客さんが笑ってたもんね(笑)。
玉置:バンドは利益なくてもいいから、とにかくお客さんをおもてなしたくて。その次の『イワンコッチャナイ/ダダ』のリリース・パーティ“まほろば”でも同様に彼に声をかけて、また料理を出してもらいましたね。今回の“天下一舞踏会”にはないけど、個人的にフードは入れたくて。ライブってお腹減ったりするじゃないですか。それと同時に、哲弥の作品の展示も行っていて。“波止場”では哲弥のタイポグラフィー集を展示してもらって。
沖山:僕は元々小さい頃から絵を描くことが好きで。中学生くらいまでは漫画家を目指してたんですけど、高校生くらいからはもっと1枚絵で完結するようなものに惹かれるようになり、デザイン専門学校に進学したんです。そこでデザインを学んでいくうちに、誌面のレイアウトや文字に興味を持ち出して。ちょうどそれくらいのタイミングでMONO NO AWAREが『舟』をリリースして。
玉置:それで“波止場”のフライヤーをお願いしたんですけど、ありもののフォントを使わずに、彼が自分で作字したフォントを使っていたんです。そしたらそのフライヤーが少しだけTwitterで話題になって。
沖山:僕が初めて学校以外で作品を発表したのもこれが初めてでした。
玉置:ささやかな規模ではあると思うんですけど、それが身内以外のところでも話題になって。その……すごく見づらいと(笑)。
一同:(笑)。
玉置:バンド名が読めないって(笑)。でも、それがキッカケでバンド内での信頼も獲得して。その流れでタイポグラフィーを展示してもらい、その後の“まほろば”のフライヤーも作ってもらいました。
玉置:僕らの自主企画では、「バンドが何組か集まって演奏をする」以外の要素も詰め込んだ企画にしようっていう意思はバンドとして明確に持っていました。なので、今回の“天下一舞踏会”もその延長線上にあります。ただの2マン公演では決してない。どちらかと言うと、“天下一舞踏会”という様々な要素で構成されたイベントがあって、その出演者の一組としてミツメもMONO NO AWAREもいるっていう感覚ですね。ミツメに申し訳ない気持ちもあるんですけど(笑)。
――最初のEP『舟』にしてもそうですけど、玉置さんは、そしてMONO NO AWAREはファンやお客さんに対して何かお返ししたい、もしくは対価に対して、それ以上のものを受け取ってほしいというような精神を感じさせます。いわばおもてなし精神というか。そういった気持ちはどういったところから湧いてくるのだと思いますか?
玉置:それは僕が他のイベントに行った時の経験からきていると思います。単純にバンドが悪いというわけではなくて、もっと大きいシステム的な話、例えば東京にはライブハウスが多すぎて、どこもブッキングで困っているだとか、そういう問題の渦に飲み込まれていってしまうイベントがいっぱいあるような気がして。もちろん、そういった状況において、こだわった企画を考えるバンドやオーガナイザーも多くなってきたと思うんですけど、僕らの場合はそのこだわりの中に、アートや食べ物など、他のジャンルを混ぜているだけで。それが結果としてはおもてなしの精神のように映るのかもしれないですね。
――何か特定のキッカケがあったわけではなく、バンド内で話していく中で出てきたアイディアだと。
玉置:そうですね。うちのメンバーはみんなバランス感覚が優れているというか。自分たちがどう見られているかっていうことに対してとても意識的で。自分たちは楽しいかもだけど、果たしてこれでお客さんも楽しんでくれるのか、みたいな話はよくするんです。正直、今回の“天下一舞踏会”はこれまでの自主企画の中で最も高い値段設定なんですけど、それだけの価値を提供できるっていう自信があるからこその設定なので、ぜひお客さんにも楽しんでもらいたいですね。
――そういったアートやその他のジャンルとも繋がりを持ちながら活動するバンドという意味で、何か参考にしたというか影響を受けたバンドなどはいますか?
玉置:バンドか……。ちょっとパッと思いつきはしないんですけど、バンドじゃなくて、すごく尊敬しているオーガナイザーの方がいて。かたしょさんっていう方なんですけど、かたしょさんが群馬にいた頃からすごくお世話になっていて。例えば、彼が実行委員を務めている“MACHIFES.”とかにも表れていると思うんですけど、めちゃくちゃディティールにこだわっているんですよね。それはいい意味での緩さとか、DIYでやるっていう部分も含めて。そしてそれに対して賛同してついてくる人がたくさんいるんですよ。その光景を見ていたので、手作りでもクオリティの高いもの、お客さんに満足してもらえるものは作れるっていうことがわかったんですよね。
――なるほど。では、今回2マンの相手としてミツメを選んだ理由は?
玉置:まず、“舞踏会”というキーワードから、優しく踊れるというイメージにフィットしているというのと、単純に僕ら全員ミツメのファンなんですよね。シングルをアルバムに収録しなかったり、アートワークやアー写、MVを作品毎に統一したり、そういうディティールへの愛情を感じさせるバンドと組んだら、今回のイベントが上手く昇華できるんじゃないかなって。そういう思いから今回オファーさせてもらいました。
――展示の内容はどのようなものになるのでしょうか?
沖山:写真はZINEに使用したものはもちろん、今回のZINEには載っていないものも展示するつもりです。後者に関しては、本当にこの“天下一舞踏会”でしか見ることのできない作品になると思います。展示の方法も一曲毎に工夫して見せられるようにするつもりなので。そこも楽しみにしてもらえたら嬉しいです。
玉置:あと、先程も話に出た1stシングル『イワンコッチャナイ/ダダ』も今回のイベントで再販するつもりなんです。個人的には「イワンコッチャナイ」、「ダダ」という2曲は対になっているイメージがあって。それを知ってほしいという気持ちもありますし、哲弥が手がけたアートワークも、今とは全然テイストが違うんですけど、これはこれで素晴らしいできだと思っているので、ぜひ手にとってもらいたいですね。
――今回のイベント“天下一舞踏会”にて、『人生、山おり谷おり』に関する一連のプロジェクトとしての集大成を披露することになるわけですが、MONO NO AWAREとしてはその次の展開は何か見えていますか?
玉置:その次は……とりあえず何も見えていません(笑)。ただ、次のアルバムのイメージはまだ湧いてないんですけど、新しい曲はでき始めていて。来年になったらレコーディングしていきたいなって。“天下一舞踏会”でも新曲を披露すると思います。
――沖山さん、マスダさんの今後の展望などはありますか? もしくはMONO AWAREとまたタッグを組んで、やってみたいことなどがあれば。
マスダ:結構僕の作品はドキュメント的なものが多いんですけど、もし可能であればMONO NO AWAREのツアーとかレコーディングに帯同して、メンバーの生活というか、素の瞬間を切り取ってみたらおもしろい作品ができるんじゃないかなって思います。
玉置:っていうか中国ツアー来て欲しかったわ。おもしろい写真撮れたと思う。
マスダ:うん、すごく行きたかった(笑)。フジロックでは3日間バンドと同じ宿に泊まって、ずっと一緒にいながらメンバーを撮り続けたんですけど、それもすごいおもしろかったんです。なので、今度はもっと長いスパンでできればなって。
――では、沖山さんはいかがでしょう?
沖山:………あの、ちょっと島の話をしてもいいですか? 僕と周啓くん、成順くんは同じ八丈島の出身なんですけど、成順くんは歳も2つ違いますし、島の中でもわりと栄えている地域に住んでいたので、高校に入って初めて繋がったんです。でも、周啓くんと僕は逆におじいちゃんおばあちゃんしかいないような地域で一緒に生まれ育って。そんな中でも周啓くんは昔からずっとおもしろいことをしていて、目立つ存在だったんです。中学生の時には『バクマン。』の真似をして、僕が作画、周啓くんが原作っていう形でマンガを描こうとしていた時もあったし、その頃から曲や詩を作って、ノートに書き溜めていたのも僕は知っていて。それが今、こういう形で作品を全国流通させていて、しかもそれに僕が関われているっていうことは……すごく感慨深いです。
その一方で、レンゾくんとは今年知り合ったばかりなんですけど、すでに周啓くんと同じくらい近い距離感で接することができていて。そうやって新しく知り合った人と古くからの付き合いの人が混ざって、刺激的なものづくりができることもすごく嬉しいことですね。これからもそうありたいです。
https://www.youtube.com/watch?v=oqu96zlXLq4
――なるほど。では、最後に“天下一舞踏会”のアートディレクションを手がける沖山さんの視点から、今回のイベントの見所を教えてもらえますか?
沖山:さっき周啓くんが言っていましたけど、演奏だけが見所なわけではなく、空間全体を楽しんでもらいたいです。普通のギャラリーでの展示とは違って、WWWっていう特殊な造りの会場を上手く活かした見せ方ができると思います。
玉置:僕もすでに見取り図を見せてもらったんですけど、すごいおもしろいことになりそうです。バンドは2組ですけど、トータルのボリューム的には「4バンドが50分ずつ演奏した」くらいの満足感が得られるんじゃないかなって。
沖山:悔いのないように、全部出しきります。
玉置:何か甲子園球児みたいだな(笑)。
【イベント情報】
MONO NO AWARE LP&ZINE「人生、山おり谷おり」発売記念イベント “天下一舞踏会”
日時:2017年12月5日(火) OPEN 18:30 / START 19:30
会場:渋谷WWW
料金:前売 ¥3,000 / 当日¥3,500 共にD代別
出演:
MONO NO AWARE
ミツメ
展示:マスダレンゾ
出店:奥冨直人(BOY)
アート・ディレクション:沖山哲弥
▼一般発売 10/21(土)10:00〜各プレイガイドにて発売開始
チケットぴあ [Pコード:347-399] 、 ローソンチケット [Lコード:76938] 、 e+
【リリース情報】
MONO NO AWARE 『人生、山おり谷おり』
Release Date:2017.12.20 (Wed.)
Label:P-Vine
Cat.No.:PLP-6894
Price:¥3,750 + Tax
Tracklist:
A1. 井戸育ち
A2. わかってるつもり
A3. me to me
A4. ブーゲンビリア
A5. 夢の中で
B1. マンマミーヤ!
B2. イワンコッチャナイ
B3. to(gen)kyo
B4. 明日晴れたら
B5. 駆け落ち
※LP + ZINE
■MONO NO AWARE オフィシャル・サイト:http://mononoaware-band.tumblr.com/