FEATURE

INTERVIEW / Lazyeyes


今年ジャパン・ツアーを敢行したLazyeyes、待望のデビュー・アルバムへ向けたメール・インタビュー

2017.07.01

Lazyeyesは2012年からNY・ブルックリンを拠点に活動を始めたインディ・バンドである。テン年代NYインディ・シーンの代表格、DIIVを彷彿とさせるシューゲイザーとサーフ・ロックが混ざったロマンチックなサウンドは、早耳インディ・キッズの心を掴み、StereogumやNME始めとする各メディアから絶賛された。

そして現在制作中だというデビュー・アルバムを前に、過去にリリースした2枚のEP、シングル曲、未発表曲などを集めた新たなアルバム『Daydream』を〈2670 records〉から昨年リリースし日本デビュー。2017年1月初め、ここ日本でのツアーが実現した。

下北沢Basment Barで行われた東京公演は、彼らにとって初の海外ツアーの最終公演ということもあり、非常にエモーショナルなパフォーマンスだったと思う。Cloud Nothingsよろしくの情感ある激しいそのギター・パフォーマンスは、きっと誰もが感じたことのある青春の痛切や、言葉で言い表せない入り組んだ感情を吐き出すかのようだった。
「Islip」の疾走感あるギター・サウンドは胸に突き刺さるし、「Nostralgia」ではまさに曲名の通りのキラキラとしたドリーミーな世界観を体現。大人になった今でも永遠の夢の世界を、ティーンの想いを、色褪せずに奏でるLazyeyesが、この日は何だかとても眩しく感じた。

バンド開始からコツコツと着実に活動を続け5年、今年ようやく公式なデビュー・アルバムをリリースするというLazereyes。今回はそのVo. / Gt.のJason Abrishamiに話を訊くことができた。

Interview by Aoi Kurihara

[L→R:Chris Marciniak (Gt.)、Jason Abrishami (Gt./Vo.)、Jeremy Sampson (Dr.)、Jeremy Rose (Ba.)]


―1月に来日公演が終わり、一息ついているところかと思いますが、元気ですか? 日本はどうでした?

Jason:僕たちは元気にやっているよ! ジャパン・ツアーは忙しい一年の始まりって感じだったね。デビュー・アルバムのレコーディングが終わったばかりの僕らにとって、ジャパン・ツアーは初めての海外ツアーだったんだ。そこでたくさんの新しい友人ができたし、素晴らしい日本のバンドと一緒に演奏することもできた。日本は本当に素晴らしい国だと思う。だから、僕らはまた来年新しいアルバムと共に来日したいって考えているよ。

―ジャパン・ツアーで共演した中で、特に印象に残っているバンドは?

Jason:共演した全てのバンドの音楽を楽しんだけど、敢えて選ぶのであれば、Old Lacy BedLuby SparksSlimcat揺らぎ(YURAGI)Throma。それからaapsもだね。

―話は変わりますが、そもそもLazyeyesはどのように始まったのでしょうか。あなたは元々違うバンドで活動していましたよね?

Jason:このバンドは僕とドラムのJeremyが2012年にスタートさせたんだ。その後ギタリストとベーシストを変えながら活動を続けて今の形に落ち着いた。今、僕らは自分たちがとてもエキサイティングな場所にいるって感じてて、とてもハッピーだよ。メンバーそれぞれがこれまでにやってきた過去のプロジェクトや経験は、このバンドにそれぞれの異なる要素や影響を持ち込むことになっていると思う。それは結果としてすごくいいことだよね。

―日本にくる前は ブルックリンにあるStrange Weather Recordingというスタジオでレコーディングしていたそうですが、もうすぐリリースされるであろうアルバムについて教えてくれますか? 2013年にリリースした1st EP『Lazyeyes』から大分年月が経っていますよね。

Jason:デビュー・アルバムのレコーディングは、僕らにとってワイルドな経験だったね。年を越して新しい曲を書いた後、UniformやThe MenのメンバーであるBen Greenbergと5日間スタジオに入ったんだ。その際、僕らはとても多くのデモ曲を持ち寄ったんだけど、その中で最もインパクトがあるであろう13曲に絞ることにした。もう少ししたらこのアルバムについてのリリース情報を教えてあげられると思うよ。

―Lazyeyesはシューゲイザーとサーフ・ロックが混ざったサウンドが特徴ですが、どのようなバンドに影響を受けてきたのでしょうか?

Jason:そうだね、具体的に言うと。The Smiths、Interpol、My Bloody Valentine、Ride、The Cure、Joy Division、Sonic Youth、The Verve、Galaxie 500、Cleaners from Venus、Swervedriverなどかな。

―あなたたちのMVはとてもアート的でおもしろいですよね、「Adaptation」と「Mindseye」のMVはNYを拠点とするYoung Heart Productionsがプロデュースしていますが、なぜ彼らと一緒に仕事をすることに?

Jason:Young Heart Productionsは僕らと親しい友達が始めたプロジェクトなんだ。実は彼らはThe Teen Ageとしても活動しているんだけれど、僕らが『New Year』EPを作り終わった時に、彼らが興味を持ってくれて、一緒にMVを撮ることになったんだ。

―特に「Mindseye」は機械的でダークなところがまるで昔のサイレント・ムービーのような雰囲気を醸し出しており、クールだと思います。

Jason:ありがとう。最近、僕らの近所を覆う画一主義的で冷たい箱型の建物を使うことで、僕らはブルックリンの悪い視点、エイリアン的なものを作りたかったんだ。

―そのThe Teen Ageと一緒にスプリットEPをリリースしていますが、なぜ彼らと一緒にEPを作ることになったのでしょうか?

Jason:彼らは先ほど少し話したように僕らの古い友人なんだ。僕らは2015年の夏に1ヶ月ぐらいの長いツアーを一緒にやったりもしていてね。それで彼らの作品をリリースしていた〈Old Flame Records〉がそのツアー中に「一緒にスプリットEPをリリースしないか?」っていう提案をしてきてくれたんだ。

―ブルックリンにはミュージシャンやアーティストが多く集っているかと思いますが、最近物価の高さから多くの若いアーティストは別の土地へと移っているという話を聞きます。実際に今も住んでいるあなたたちミュージシャンにとって、ブルックリンの現在のシチュエーションはどうですか?

Jason:ブルックリンは確かに日に日に物価が高くなっているね。それが理由で他の土地へと移動してしまう人たちもいる。ミュージシャンにとっては厳しくなっているんじゃないかな。でも、もしアートに対して、新しい音楽を生み出すことに対して情熱を持っているのであれば、今でもブルックリンにいることは価値のあることだと思うよ。


【リリース情報】

Daydream 『Lazyeyes』
Release Date:2016.05.04
Label:2670records
Cat.No.:TSSO-1012
Tracklist:
1. Nostalgia
2. Forever
3. Wait
4. Daydream
5. Islip
6. New Year
7. Windowsill
8. Adaptation
9. Darling Dear
10. Mindseye
11. Fractals (US Version)
12. Fractals (Japanese Demo Version)

※Paper Sleeve(紙ジャケット仕様)

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