11月16日(金)に開催された“FNMNL Presents The Party”にて初来日公演を行ったNYのプロデューサー・デュオ、Brasstracks。
グラミー賞の最優秀ラップ楽曲賞にノミネートされたChance The Rapper「No Problem」を筆頭に、Anderson .Paak作品への参加、そのほかLidoやGallantなどのリミックスなど、錚々たるアーティストとコラボする一方で、自身のオリジナル作品もコンスタントに発表。記名性の高い開放感溢れるホーンの音色と、今日的なビートを融合したそのオリジナリティの高さで、独自の地位を築き上げている。
今回はそんなBrasstracksにメール・インタビューを敢行。そのルーツから彼らのアイデンティまでを探るべく、様々な質問をぶつけてみた。
Text & Interview by Takazumi Hosaka
Special Thanks by FNMNL
[L→R: Conor Rayne、 Ivan Jackson]
――IvanとConor、それぞれの音楽的なルーツを教えてください。例えば、最初に買ったレコードなど。
Ivan:幸運なことに、僕の両親は素晴らしいコレクションを持っていたんだ。Miles DavisからThe Beatles、Bob Marley、Steely Danまで、あらゆる音楽に触れて僕は育った。レコードを購入するような年齡になる前に違法ダウンロードする方法を考え出してしまったから、最初のレコードを正規購入するのにはしばらく時間がかかった。最初にちゃんと購入したアルバムはKanye West『Graduation』だね。
Conor:最初に買ったレコードは、悲しい思い出として強く覚えてるよ。6歳の時にお母さんにお願いしてChumbawambaの「Tubthumping」(アルバム『Tubthumper』収録)を買ってもらったんだ。それが最初のCDだね。ウケるよね。でも、それ以外にも学校の友人が聴いていたLinkin Parkや両親が家で聴いていたジャズ、クラシック・ロック、レゲエなどに触れて育った。僕は小さい頃から本当に折衷的なリスナーで、色々な音楽に対してオープンだったよ。
――別のインタビューで、ふたりとも「マンハッタンの音楽大学では『ジャズ・プログラム』に対して反抗的だった」と語っていましたが、それはなぜなのでしょうか? また、近年のようなジャンルをクロス・オーバーするジャズはどのように捉えていますか?
Ivan:ハハハ、よくそんなこと知ってるね(笑)。真実だよ。ジャズ・スクールは僕らにとってはちょっと硬過ぎたんだ。僕らはジャズ以外にもたくさんの音楽に興味があったからね。今日的なジャズに関してだけど、いくつかは好きだし、逆に好きじゃないものもある。僕は自分自身、もしくは誰かのために音楽を作るのが好きなんだ。現代のジャズは、ステージ上の人々のために作られた音楽のように感じることもあるんだよね。僕にとって、それは楽しいことではないかな。
Conor:Iwanが言うように、そのプログラム、もしくはカリキュラムには「厳格さ」はあったけど、そこに「音楽」はなかったんだ。ジャズの制度化が音楽に障壁と境界を作り出して、自分がそこに入り込むことが困難だったんだけど、その時は上手くそれを言語化することもできないと思って。でも、それは僕の限られた経験のひとつだね。そこで演奏を通じて知り合った僕の友人は「このジャズ・スクールはおかしい。でも、自分は自分なりにベストを尽くして音楽を演奏するつもり」って言っていたんだけど、その時の僕は、彼と同じレベルで演奏を追求するのに不十分な精神状態だったんだ。僕の心は他の場所にあったんだよ。
――自身のサウンドを“Future Brass”と形容していますが、そのスタイルが固まってきたのはいつ頃からなのでしょうか? また、そのスタイルを端的に言葉で説明すると?
Ivan:“Future Brass”と銘打ったことを、今は心から反省してる。正直に言うと、確かに僕らは自分で“Future Brass”って言った。でも、それは僕らのキャリアの初期に、多くの“Future Bass”アーティストと一緒くたにされていたからなんだ。単純におもしろいだろうって思って言った、言葉遊びみたいなものだったんだよね。それを人々はあまりにも真剣に受け取ってしまった。僕らはR&Bアーティストであり、プロデューサーとしては様々な音楽を作っている。けど、僕らは“Future Brass”ではないよ。
――あなたたちのインタビューを読むと、生楽器の音に対するこだわりが感じられます。生楽器から鳴らされる音と、プラグラミングされた音との違いは、具体的にはどのように作品に影響してくると考えていますか?
Ivan:全てかな。生のホーンとドラムは僕たちのサウンドの要だから。プラグインを叩いたり、箱の中に入れたりはできないけど、実際の人間が本物の楽器を弾くのは、リアルなことだよね。
Conor:それは、実際の人間と直接会うのと、オンライン上で誰かと話すことの違いみたいなものかな。
――楽曲制作の際、IvanとConorの役割はどのように分かれることが多いですか?
Ivan:曲によって毎回違うんだ。僕らは本当に計画っていうものを立てないんだよね。音楽っていうのはいつもハプニングなんだ。
――あなたたちはこれまでにChance The RapperやLido、Robert Glasper、The Underachieversなど、様々なアーティストとコラボしてきましたが、特に印象に残っている人物、エピソードを挙げるとすると?
Ivan:Robert Glasperかな。3時間のセッション時間が用意されていたんだけど、僕らはそのうちの2時間45分くらい話しをしてた。それで最後の15分間、ConorとRobが4曲即興セッションしたんだ。そのうちの2曲(※編注:正確には3曲?)がリリースされている「improv#1」と「improv#2」なんだ。
Conor:イエス、Robert Glasper。自分自身が追従するサウンドのパイオニアであり、とても尊敬しているミュージシャンと一緒に働くのはこんなにもクールな気分なのかってさ。
――あなたたちはSoundCloudやTwitterを通じて様々な繋がりを獲得したようですが、インターネットはあなたたちにとってどのような存在と言えるでしょうか?
Ivan:インターネットは素晴らしいモノであり、同時にクソなモノでもある。この質問には本当に何て答えればいいのかわからないな。
Conor:それはコネクトするための素晴らしいツールだけど、アートと思いやりの死でもある。
――今後、コラボしてみたいアーティストがいれば教えてください。
Ivan:Stevie Wonder。
Conor:Creed。
――日本での初のライブ・パフォーマンスはどのような形になりそうでしょうか? 日本のファンへメッセージをお願い致します。
Ivan:文字通り何の手がかりもない。僕は今まで日本はもちろん、その近くさえも行ったことがないんだ。日本のファンのみんなに会えるのが待ちきれなくて興奮してるよ!!!!!
Conor:僕も今まで日本には行ったことがないんだ。今はただただ興奮しているっていうことだけ言いたい!
【イベント情報】
FNMNL Presents The Party
日時:2018年11月16日(金) 24:00〜
会場:代官山UNIT & UNICE & SALOON
料金:前売り ¥3800 / 当日 ¥4500
出演(A to Z):
[UNIT]
Live:
Brasstracks
KID FRESINO
MonyHorse, PETZ, kZm from YENTOWN
VaVa
ゆるふわギャング
DJ:
C.O.S.A.
G.RINA, ZEN-LA-ROCK from FNCY
okadada
[UNICE]
Live:
Tokyo Young Vision
YamieZimmer & Friends
DJ:
1017 Muney
KM
shakke
粗悪ビーツ
[Saloon]
DJ:
51.3 G-WAVE
GUCCIMAZE
KABA & ribbon
keikun
Meg3
UPPERLAKE MOB
※未成年者の入場不可・要顔写真付きID
主催・企画・制作:FNMNL
制作協力:Live Nation Japan
招聘:トゥモローハウス
問い合わせ:
FNMNL info@fnmnl.tv
UNIT 03-5458-7685
チケット:
チケットぴあ Pコード:131-407
ローソンチケット Lコード:73028 http://l-tike.com/order/?gLcode=73028
e+ http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002274826P0030001
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FNMNL × CIRCUS presents Brasstracks Japan tour Osaka
日時:2018年11月17日(土) 開場 18:00 / 開演 19:00
会場:会場:CIRCUS OSAKA
料金:前売 ¥3800 / 当日 ¥4500 (別途1D代)
出演:
Brasstracks
[Opening Act]
Batsu
チケット:
ローソン
Peatix
チケットぴあ P-CODE:131552
ローソンチケット L-CODE:56616
イープラス
Peatix
制作協力:Live Nation Japan
招聘:トゥモローハウス