今年に入ってから〈Maltine Records〉主宰の”MALTINE SEED STAGE”、渋谷SOUND MUSEUM VISION主宰”trackmaker”、毎回斬新なラインナップで話題を集まる”KING OF POP”など、話題のイベントへの出演を果たし、ジワジワと注目を集めている若きSSWの長谷川白紙が新曲「横顔 S」を公開しました。
何と今回の新曲は、〈Maltine Records〉からのリリースに先駆けて公開されたもの。緩やかとではありますが、確実に変化を遂げているマルチネにとっても重要なリリースになるのではないかと、個人的に予想しています。
意味深なタイトルが付けられた本楽曲には、詩的かつ抽象的な表現が散りばめられたリリックと同様に、トラックの方にも様々な要素が複雑に組み込まれています。日頃の彼のツイートからはおそらく音大生であること、そしてジャズに対する造詣が深いことなどがわかりますが、今回のビートもまさに。それに加えて、ゴスペル・コーラス的な音ネタや、サビでのFuture Bass以降の国内トラックメイカー勢とも薄っすらとリンクするような音使いなどが混じり合うのがとても新鮮です。
また、曲調自体はアッパーでポジティヴな印象を受けますが、リリックの方は中々にシリアスなことを主題としているような気がします。その難解なリリックを、外に開かれた親しみやすい歌メロに乗せて歌い上げることにより、何とも不思議な聴感を生み出しています。
先述したイベント、“KING OF POP”のサイト上での一問一答でも名前が挙がっているCorneliusやトクマルシューゴにも通ずるストレンジなポップ・センスを感じさせながらも、同時代性をも確かに擁した不思議なアーティストだと思います。
なお、今年1月に開催された”MALTINE SEED STAGE”でのライブ映像もアップされているので張っておきます。今後の彼の動向、そしてマルチネからのリリースにも期待したいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Fv0Wp7yFT_E