Text by Jun Fukunaga
Photo by Official
9月20日(土)、21日(日)の2日間にわたり、長野県白馬村を舞台に『HAKUBA Mountain Festival 2025』が初開催される。
本フェスは、日本を代表するオールシーズンの国際山岳リゾートであり、冬季オリンピックの開催地でもある白馬ならではのロケーションとレガシーを活用した「村と音楽が一体となる」新感覚の音楽フェスティバルだ。
そこで本稿では開催前の事前特集として、その魅力を「ロケーション」「ラインナップ」「アクティビティ」「アクセス」の4つの観点から紹介していく。
日本初、オリンピック会場が音楽施設に変貌
では、最初にロケーションの魅力を紹介しよう。眼前に広がる標高3,000m級の北アルプスの雄大なパノラマと、足元に広がる白馬村の美しい景観。この圧倒的なロケーションで開催される本フェスのメイン会場は、1998年長野冬季オリンピックの舞台となった「白馬ジャンプ競技場」だ。地上約140mのジャンプタワーがそびえるここには「Mountain Stage」が設置されるが、日本の音楽フェスでこうしたオリンピックレガシーが活用されるのは今回が初となる。
その他に標高1,400mに位置する絶景スポット「白馬八方尾根うさぎ平」に設置される「Universe Stage」では、まるで雲の上にいるような特別なライブ体験が楽しめる。一方、自然と調和した新しいライフスタイルを提案する「スノーピークランドステーション白馬」に設置される「Base Stage」では、心地よい音楽が流れる中で、ゆったりとくつろぎながら過ごすことができる。
また、来場者はこれら個性豊かな3つのステージを、周遊バスやチケットに付属するゴンドラ乗り放題チケットを使って自由に行き来できる。このような白馬の特別なロケーションでは、移動そのものがひとつのアドベンチャーとなり、ステージ間を移動するたびに変わる景色もフェス体験の一部として鮮明に記憶されるはずだ。
大人から子供まで楽しめる、バラエティ豊かなラインナップ
次にラインナップについて紹介しよう。本フェスでは“純恋歌”、“睡蓮花”などの名曲で世代を超えて愛され続ける湘南乃風や、サーフミュージックをベースにした心地よいサウンドで多くのファンを魅了する平井大を筆頭に、総勢20組以上のアーティスト/DJが国内外から集結する。
なかでも注目すべきは、音楽界の鬼才Tyler, The Creatorからも絶賛されるNY発5人組バンド・Phony Ppl。ジャズの洗練されたハーモニー、ヒップホップの躍動感、R&Bの官能的なグルーヴ、レゲエの自由奔放なスピリットを見事に融合させた唯一無二のサウンドは、聴く者の心を即座に虜にする。また、海外勢では、22歳という若さながらも洗練された音楽センスで世界的な注目を集めるイギリス人シンガーソングライター、Alfie Templemanも見逃せない。
国内アーティストでは、スーパー登山部とYAMORIという新鋭2組に注目したい。スーパー登山部は、標高3,000m付近の山荘という究極のライブ会場から下界のライブハウスまで、その名の通り登山活動とバンド活動を並行する稀有な存在だ。「アウトドア × 音楽」という前代未聞のジャンルを開拓する彼らにとって、白馬の壮大な自然は最高のステージとなるに違いない。一方、YAMORIはビートボックスデュオ・Jairoのメンバーとして2024年のビートボックス世界大会を制覇した「ヒューマンビートシンガー」。精密なビートボックススキルと、魂を揺さぶるスムースな歌声が織りなす芸術的パフォーマンスは、必ずや観客を異次元の音楽体験へと導くことだろう。
また、DJでは、バレアリックサウンドの達人でイビザの伝説的DJとして知られるJon Sa Trinxa、7インチレコードを自在に操る超絶スクラッチテクニックでフロアを完全に支配するDJ KOCO aka SHIMOKITA、ジャンルの垣根を軽やかに超越し多彩なカルチャーを横断するSAMOの3組に注目したい。世界各地のダンスフロアを盛り上げてきた実力派DJたちが、白馬の大自然を背景に繰り広げる極上のサウンド体験は、都市部のクラブでは決して味わえない特別な時間となるだろう。
その他にもCANDY TUNEやSWEET STEADY、竹下☆ぱらだいすといった個性溢れるアイドルグループや、圧巻のダンスパフォーマンスで観客を魅了するAvantgardeyが出演するため、音楽の趣味嗜好を問わず、大人から子供まで幅広い層が心から楽しめるラインナップが実現している。
音楽だけじゃない、白馬ならではの多彩なアクティビティ
続いて、アクティビティについて紹介しよう。本フェスの魅力は音楽だけに留まらない。パラグライダー体験をはじめ、熱気球体験、E-bikeレンタルなど、リゾート地・白馬が誇る大自然を活用した多彩なアクティビティが、フェス体験をさらに豊かなものにしてくれる。
また、夜になれば地元の新鮮な山の幸や川の幸をふんだんに使った郷土料理や、白馬の清らかな水と信州の豊かな土壌が育んだ絶品の信州そばといった、この土地ならではの味覚で舌鼓を打つ至福のひとときが待っている。そして一日の締めくくりには、6つもの源泉を有する天然温泉で、音楽の余韻に浸りつつ心身の疲れを癒すリラクゼーション体験が堪能できる。
遠方からの来場者にも地域住民にもやさしい、アクセス面での配慮
最後にアクセス面について紹介しよう。本フェスで特筆すべき点のひとつは、遠方からの来場者への細やかな配慮が行き届いていることだ。
例えば、遠路はるばる白馬を訪れる来場者のために、新幹線・バス・宿泊がワンパッケージとなったJR東日本びゅうツーリズム & セールスとの特別コラボツアーが企画されているほか、電車や高速バスなど公共交通機関でのアクセスも非常に充実している。また、村内には十分な駐車場が確保され、路線バスも頻繁に運行されているため、自家用車でのアクセスも極めてスムーズだ。
宿泊に関しても、ホテルから旅館、民宿、コテージ、そしてキャンプまで、実に多様な選択肢が用意されている。そのため、家族連れから友人同士、ソロ参加まで、どのようなスタイルでも快適に滞在できる。
このように4つの観点から詳しく見ると、白馬の地に新たに誕生する本フェスは、現地のレガシーとロケーションから生まれるさまざまな魅力が凝縮された音楽フェスだということがよくわかるはずだ。
音楽に限らず、多様な体験が楽しめる『HAKUBA Mountain Festival 2025』。気になった人は、ぜひ、かつて五輪の熱狂を生んだ場所で新たに生まれる音楽とカルチャーの熱に触れてみてほしい。
【イベント情報】

『HAKUBA Mountain Festival 2025』
日程:2025年9月20日(土)、21日(日)
会場:長野県白馬村
(白馬ジャンプ競技場/白馬八方尾根うさぎ平/スノーピークランドステーション白馬)
主催:株式会社テレビ朝日ミュージック
共催:白馬観光開発株式会社
企画制作:株式会社テレビ朝日ミュージック
後援:長野県/白馬村/八方尾根観光協会











