『アンドルー・ラング世界童話集』(Andrew Lang’s Fairy Books)の中の短編童話「エスペンと魔女」からバンド名を採った英ブライトン出身の男女スリーピース、Esben And The Witch(エスベン・アンド・ザ・ウィッチ)の新曲が公開。彼らの最大の魅力であるダークでゴスなムードはそのままに、これまでのイメージをひっくり返すような新境地を見せた渾身の一曲に仕上がっています。
以前からそのメランコリックなメロディーと浮遊感のあるサウンドはWarpaintやThe xx、Daughterなどと比較されてきましたが、今回の「No Dog」では出だしからゴリゴリに歪みまくったベースとドカドカ連打されるドラムがパワフルでとてもパンキッシュ。紅一点レイチェルの哀愁漂うボーカルが加わると一旦は穏やかになるものの、後半に向けて徐々にノイズとカオスにまみれていく展開は先日紹介したCloud Nothings「Psychic Trauma」と同様に悶絶モノです。
この曲は4月7日にリリースされる、UKの3人組Thought Formsとのスプリット7インチ収録のもの。そして彼らは、2013年にリリースしたセカンド『Wash The Sins Not Only The Face』に続く3枚目のアルバムを2014年の秋にリリースする予定だそうです。「No Dog」がアルバムに収録されるのかはまだ不明ですが、この曲のモードからしてこれまで以上にパンキッシュでラウドな作品になるのではと期待しています。
彼らはライブもとてもパワフルで、2011年のサマソニ東京ではMidnight Sonicで深夜3時に登場。その年のサマソニのベストアクトとの声も多数聞かれました(自分もベストアクトでした)。時間帯のせいもありお客さんが少なかったのがもったいない!ぜひまた来日してほしいものです。
(Text by deidaku)