小林うてな、Julia Shortreed、ermhoiからなるグループ・Black Boboiによる1stミニ・アルバム『Agate』のリリース・パーティが来週3月28日(木)に開催される。
本作のリリース元となる〈BINDIVIDUAL〉は、昨年新しく立ち上げられたレーベル――「個々が集まる(BIND + INDIVIDUAL)」ことを意味する造語だ。音楽/デザイン/映像など様々な領域で活動するアーティストが集い、手を取り合うことで、創作活動を純粋に楽しみながら互いに発信し合えるような環境作りを目的としているとのこと。
各方面から賞賛を受ける3人のパフォーマンスをこの機会にあなたの肌で感じてみてはいかがだろう。同レーベルが新たに輩出したグループ・HOPIもゲスト・アクトとして出演予定だ。
何とも想像を掻き立てるサウンド・プロダクション。目を瞑るとどこか見知らぬ場所に立っている。もしかするとこれは、私が用いる表現としては最上の褒め言葉かもしれない。端的には“絵画的”と言えば良いのだろうか。優れた作品がその筆致や色使いによって音や匂いや手触り、そして会話、生活、心情までも感じさせるのと同じように、耳から頭のなかへ広がってゆく。
例えば、フランスの画家・Fernand Légerは「建築家はオーケストラ(あらゆる芸術)の指揮者である」という言葉を残した。これはフィンランドの名匠・Alvar Aaltoにも影響を与えた、機知に富むフレーズだ。しかし、Black Boboiの音楽はもっと生命そのものに近いと言うか、つまりサイエンスに捉われないイメージを抱かせる。柱や壁などの構造から解放され、風に吹かれ雨に打たれるような喜びを原風景として描くように、人の手によるものの美しさとは一線を画するところで心に訴えかけるのだ(本能とはまた違う)。
ちなみに、それを神秘と形容するのはおそらく適当じゃない。理解を超えたところにあるのは畏怖だからだ。さらに、そこに指向するのが儀式であり、その仕組みは人為的かつ形式的と言える。けれどもそこで行われる踊りや祈りの大部分は、個人の感覚だったり気持ちだったりに拠るわけで、それらを支える民族音楽ほど根源的にポップなものはないとも思う。加えて、そこには人々のシンクロがある。
だからこそ私は、そうしたリズムや音色が多用された彼女たちの楽曲に一瞬にして魅了されたのだろう。母体のレーベル、3人それぞれのソロ・プロジェクト含め、今後も動向を追っていきたい。ちなみに、Black Boboiと〈BINDIVIDUAL〉はBEAMSとSPACE SHOWERによる共同プログラム『Plan B』にもフィーチャーされている。こちらもぜひチェックを。
先日ミニアルバムをリリースした @blackboboi を観て参りました。
ケルトの薫り豊かな旋律が印象的。水中へ沈むようなベース音と、ハイハットの閃光。これらの融合が至極ドラマチックな情景を生み出していて、こういうExperimental Musicが日本のシーンに芽生えたのは嬉しいなhttps://t.co/cUwU3E1zdV pic.twitter.com/HLeoEYqWUW— る / estie (@hikrrr) February 10, 2019
Text by hikrrr
【イベント情報】
Black Boboi Agate Release Tour
日時:2019年3月28日(木) Open / Start 19:30
会場:東京・代官山 UNIT
料金:前売 ¥2,500 / 当日 ¥3,000 (各1D代別途)
出演:
Black Boboi
HOPI
KID FRESINO (DJ)
【リリース情報】
Black Boboi 『Agate』
Release Date:2019.01.30 (Wed.)
Label:BINDIVIDUAL
Tracklist:
1. Between Us 2
2. Ogre
3. Daydream
4. Out of Cage
5. I’m just into
6. Loop
■Black Boboi:Twitter / Instagram / SoundCloud